2016年12月30日
【甘々と稲妻】マンガ 感想&あらすじ 父と娘、そして教え子、大切な人たちと食卓を囲む温かなホームドラマ
good!アフタヌーン。2013年3月号より連載中。既刊8巻
作者:雨隠ギド
半年前に病で妻を亡くし、幼い娘のつむぎと2人で暮らしている高校教師の犬塚公平。仕事とまだ幼稚園児であるつむぎの育児によって多忙を極め、日々の食事にまでは手が回らず、コンビニの出来合い弁当を利用して済ませる毎日を送っていた。
ある日のこと、2人で花見に出かけるた犬塚親子は、母親にドタキャランされて1人で泣きながらお弁当を食べていた飯田小鳥に出会い、彼女の実家が営んでいる料理屋を紹介してもらう。
後日、店を訪れて久々に温かい手料理を食べた公平は、久しく見ていなかったつむぎの美味しそうにご飯を食べる姿を目にしたことで、これからは自分が料理を作ることを約束した。
犬塚家と飯田家、お互いの事情を知ったことがきっかけで、公平、つむぎ、小鳥、3人での料理会を始めるのだった。
・犬塚 公平
主人公。高校教師。担当は数学。本編開始半年前に妻を病で亡くし、5歳の娘・つむぎと2人暮らし。メガネをかけた細身の男性。性格は穏やかで優しく、つむぎのことを溺愛しています。食が細く、料理も妻に任せていたため、開始当初は料理が全くできない素人でした。小鳥に料理を教わるようになってからは、つむぎが美味しそうに食べてくれることもあり、料理の楽しさに目覚めていきます。
・犬塚 つむぎ
公平の1人娘。開始時は5歳の幼稚園児。癖っ毛のボリュームある長髪した茶髪が特徴の女の子。天真爛漫で素直な性格をしており、表情も豊か。特技は絵を描くこと。公平のことを「おとさん」と呼んでいます。母親がもういないことはなんとなく理解しており、大変な公平を気遣い毎日がお弁当でも文句ひとつ言わずにいた優しい子。ピーマンが苦手。
・飯田 小鳥
犬塚親子と3人で料理をすることになった、公平が副担任を務めているクラスの生徒。腰辺りまで伸びている黒髪が特徴。両親は離婚しているため、現在は母親と2人暮らし。細身ながらかなりの大食い。料理の知識は豊富に持つが、幼い頃に負ったケガがトラウマになり、包丁を握れなくなっています。現在リハビリ中。公平に好意を抱いています。
・飯田 恵
小鳥の母親。料理屋「恵」を経営しながら、料理研究家としてメディアにも出演しています。仕事が多忙なため家を空けることも多いが、母子関係は良好。たまに料理会に参加することもあり、犬塚親子と小鳥が作る料理は恵提供のレシピが多めです。
・小鹿 しのぶ
小鳥の親友。高校1年生。金髪ツインテールと八重歯がチャームポイントの女子高生。実家は青果店。兄弟が多く小さい弟たちの面倒を見てきたため、子供の扱い方がうまい。兄弟の中で育ってきた影響で男の子っぽい口調で話し、性格も姉御肌。料理会にも度々参加しており、公平や小鳥とは違い料理は元々得意。
・八木 祐介
公平の高校時代からの友人。カフェバーを経営。金髪で少し強面だが実際は面倒見の良い性格。公平が忙しいときは代わりにつぐみの面倒を見てくれることもあります。飲食店を経営していることから料理の技術は高く、料理会ではしのぶと共に手際良く調理しています。やりすぎてしのぶから注意を受けることもアリ。小鳥の母のファン。
【eBookJapan】 甘々と稲妻 無料で立ち読みできます
妻を亡くして父子家庭になった高校教師の父親が、まだ幼い愛娘の心とお腹を幸せで満たすため、教え子である女子高生や周囲の人達に協力してもらいながら、自分たちの手で料理を作って食卓を囲む温かな物語。
父と娘、女子高生の3人が囲む、心がポっと温かくなる食卓ホームドラマ。2016年7月にはアニメ化もされた人気漫画です。漫画として面白いのはもちろんのこと、料理本、食育本としても楽しみながら活用できる作品。
大まかな内容は、主に「料理」に焦点を当てられている父と娘のホームドラマに、多少恋愛要素も絡めた形になってます。1エピソードごとに1レシピの料理を作るのが特徴。
料理が苦手どころか食事自体に無頓着だったシングルファーザー・公平の奮闘。教え子である小鳥に協力してもらいながら娘のために料理を学び、3人で苦労して作った手料理が並ぶ食卓を囲うことで、父と娘の絆、この親子を取り巻く周囲の人達との絆を深めていく話。読んでると温かな気持ちにさせてもらえ、ちょっと泣けてくるハートフルなエピソードが多めです。
男親の育児についても扱っていて、シングルファーザーとして仕事も育児も両立しながらがんばる公平の姿を見せられると、同じ男として尊敬せずにはいられませんね。
シングルファーザーの父と幼いひとり娘、そして教え子の女子高生、この3人のやりとりが面白い。
公平は妻を亡くしてから家事はそれなりにこなしてはいたものの、まかせきりだった料理に関してはド素人のため、食事はもっぱら出来合い弁当に頼る毎日。つむぎはママがいないことに当然寂しさを感じてはいても、1人でがんばる公平の姿を見て、まだ幼い身でありながら自分もがんばろうとしていた健気な子。
時には喧嘩もします。何も言わなくても全てを理解するなんてことは不可能ですから、お互い分からないこと、気づかなかったことによって、すれ違ったり不和も生じてしまいます。ですが、ちゃんと2人で話し合い、一緒にご飯を作って食べ、周囲の人たちの手助けも受けながら、親子として1歩1歩手を取り合って進んでいく様子が伺えました。
両親が離婚して母子家庭で育っている小鳥も寂しさを抱えている少女。母との関係は良好とはいえ、仕事が忙しくなったために1人でご飯を食べることが増えていました。ですから、小鳥にとっても犬塚親子との一緒に料理を作り、食卓を皆で囲むという時間は楽しく、大切な時間になっています。
この不思議な関係が生む出す空気は心地よく、3人で食卓を囲んでいる光景はひとつの「家族」を見てるようで微笑ましいですね。
「家庭の手料理」を主なテーマにしたグルメ漫画という面を持ちながら、メインの3人がみんな料理初心者という思い切った設定。小鳥は料理の知識は豊富でも過去のトラウマにより包丁は使えず、公平も妻にまかせきりだったため知識も技術もなく、当然幼いつむぎも経験なし。
こんな3人組なので何をやるにしても四苦八苦し、失敗することも珍しくありません。それでもつむぎに手料理を食べさせてあげたいという一心で、小鳥の母が用意してくれたレシピを頼りに皆で協力して完成させます。
危なっかしい場面もありますけど苦労して完成させたからこそ感動は大きく、プロが作った料理みたいに立派でなくても温かさを感じ、何よりもその料理を食べたつむぎや小鳥の表情が素晴らしい。楽しく皆で料理を作り、美味しくいただく、そんな光景を見ることができます。
独り身の私には少々眩し過ぎる光景ではありますが、こんな形は羨ましく思いますね。
しのぶや八木たちのように料理が得意な人たちも加わりますが、基本は初心者3人がメインになるため、作られる料理も比較的簡単なものが多く出てきます。
お味噌汁や卵焼き、ハンバーグに餃子、最初の1品目にいたってはお米を炊くだけ。料理の腕が少しずつ上達していくと共に、挑戦するレシピも増え、難易度も上がっていきますけど家庭料理の範囲から外れることはあまりないですね。さらに1話ごとに登場した料理のレシピも載せられているので実際に作ってみるのも楽しみのひとつだと思います。
読むとホッコリ癒され、心地よい気分にさせてもらえる作品でした。誰かと料理を作り、そのごはんを食べる家族の団欒の様子に温かさを感じさせてもらえました。
つむぎの可愛さ、これは反則的な威力です。笑ったり、怒ったり、泣いたり、感動したりと、せわしなくコロコロ変わる豊かな表情は必見の愛らしさ。つむぎのいろいろなことを経験し、世界を広げて成長していく姿を見守れるのもこの作品の大きな魅力だと思います。そして、そんな娘の成長を愛おしく見守る公平も、父親としてつむぎと一緒に成長していきます。小鳥の公平に抱く想いにも興味を引かれますね。恋なのか、憧れなのか、父親に対するような感情なのか、とにかく好きだという感情は強く伝わってきます。
ホームドラマとして楽しむこともできれば、料理マンガとして楽しむこともでき、育児本としても楽しめるなど、様々な楽しみ方のできる作品です。
読めばきっと多くの大切なことにも気づかせてくれると思いますので、よければ読んでみてください。自信を持っておすすめさせていただきます。
作者:雨隠ギド
あらすじ
半年前に病で妻を亡くし、幼い娘のつむぎと2人で暮らしている高校教師の犬塚公平。仕事とまだ幼稚園児であるつむぎの育児によって多忙を極め、日々の食事にまでは手が回らず、コンビニの出来合い弁当を利用して済ませる毎日を送っていた。
ある日のこと、2人で花見に出かけるた犬塚親子は、母親にドタキャランされて1人で泣きながらお弁当を食べていた飯田小鳥に出会い、彼女の実家が営んでいる料理屋を紹介してもらう。
後日、店を訪れて久々に温かい手料理を食べた公平は、久しく見ていなかったつむぎの美味しそうにご飯を食べる姿を目にしたことで、これからは自分が料理を作ることを約束した。
犬塚家と飯田家、お互いの事情を知ったことがきっかけで、公平、つむぎ、小鳥、3人での料理会を始めるのだった。
登場人津
・犬塚 公平
主人公。高校教師。担当は数学。本編開始半年前に妻を病で亡くし、5歳の娘・つむぎと2人暮らし。メガネをかけた細身の男性。性格は穏やかで優しく、つむぎのことを溺愛しています。食が細く、料理も妻に任せていたため、開始当初は料理が全くできない素人でした。小鳥に料理を教わるようになってからは、つむぎが美味しそうに食べてくれることもあり、料理の楽しさに目覚めていきます。
・犬塚 つむぎ
公平の1人娘。開始時は5歳の幼稚園児。癖っ毛のボリュームある長髪した茶髪が特徴の女の子。天真爛漫で素直な性格をしており、表情も豊か。特技は絵を描くこと。公平のことを「おとさん」と呼んでいます。母親がもういないことはなんとなく理解しており、大変な公平を気遣い毎日がお弁当でも文句ひとつ言わずにいた優しい子。ピーマンが苦手。
・飯田 小鳥
犬塚親子と3人で料理をすることになった、公平が副担任を務めているクラスの生徒。腰辺りまで伸びている黒髪が特徴。両親は離婚しているため、現在は母親と2人暮らし。細身ながらかなりの大食い。料理の知識は豊富に持つが、幼い頃に負ったケガがトラウマになり、包丁を握れなくなっています。現在リハビリ中。公平に好意を抱いています。
・飯田 恵
小鳥の母親。料理屋「恵」を経営しながら、料理研究家としてメディアにも出演しています。仕事が多忙なため家を空けることも多いが、母子関係は良好。たまに料理会に参加することもあり、犬塚親子と小鳥が作る料理は恵提供のレシピが多めです。
・小鹿 しのぶ
小鳥の親友。高校1年生。金髪ツインテールと八重歯がチャームポイントの女子高生。実家は青果店。兄弟が多く小さい弟たちの面倒を見てきたため、子供の扱い方がうまい。兄弟の中で育ってきた影響で男の子っぽい口調で話し、性格も姉御肌。料理会にも度々参加しており、公平や小鳥とは違い料理は元々得意。
・八木 祐介
公平の高校時代からの友人。カフェバーを経営。金髪で少し強面だが実際は面倒見の良い性格。公平が忙しいときは代わりにつぐみの面倒を見てくれることもあります。飲食店を経営していることから料理の技術は高く、料理会ではしのぶと共に手際良く調理しています。やりすぎてしのぶから注意を受けることもアリ。小鳥の母のファン。
【eBookJapan】 甘々と稲妻 無料で立ち読みできます
感想
妻を亡くして父子家庭になった高校教師の父親が、まだ幼い愛娘の心とお腹を幸せで満たすため、教え子である女子高生や周囲の人達に協力してもらいながら、自分たちの手で料理を作って食卓を囲む温かな物語。
父と娘、女子高生の3人が囲む、心がポっと温かくなる食卓ホームドラマ。2016年7月にはアニメ化もされた人気漫画です。漫画として面白いのはもちろんのこと、料理本、食育本としても楽しみながら活用できる作品。
大まかな内容は、主に「料理」に焦点を当てられている父と娘のホームドラマに、多少恋愛要素も絡めた形になってます。1エピソードごとに1レシピの料理を作るのが特徴。
料理が苦手どころか食事自体に無頓着だったシングルファーザー・公平の奮闘。教え子である小鳥に協力してもらいながら娘のために料理を学び、3人で苦労して作った手料理が並ぶ食卓を囲うことで、父と娘の絆、この親子を取り巻く周囲の人達との絆を深めていく話。読んでると温かな気持ちにさせてもらえ、ちょっと泣けてくるハートフルなエピソードが多めです。
男親の育児についても扱っていて、シングルファーザーとして仕事も育児も両立しながらがんばる公平の姿を見せられると、同じ男として尊敬せずにはいられませんね。
シングルファーザーの父と幼いひとり娘、そして教え子の女子高生、この3人のやりとりが面白い。
公平は妻を亡くしてから家事はそれなりにこなしてはいたものの、まかせきりだった料理に関してはド素人のため、食事はもっぱら出来合い弁当に頼る毎日。つむぎはママがいないことに当然寂しさを感じてはいても、1人でがんばる公平の姿を見て、まだ幼い身でありながら自分もがんばろうとしていた健気な子。
時には喧嘩もします。何も言わなくても全てを理解するなんてことは不可能ですから、お互い分からないこと、気づかなかったことによって、すれ違ったり不和も生じてしまいます。ですが、ちゃんと2人で話し合い、一緒にご飯を作って食べ、周囲の人たちの手助けも受けながら、親子として1歩1歩手を取り合って進んでいく様子が伺えました。
両親が離婚して母子家庭で育っている小鳥も寂しさを抱えている少女。母との関係は良好とはいえ、仕事が忙しくなったために1人でご飯を食べることが増えていました。ですから、小鳥にとっても犬塚親子との一緒に料理を作り、食卓を皆で囲むという時間は楽しく、大切な時間になっています。
この不思議な関係が生む出す空気は心地よく、3人で食卓を囲んでいる光景はひとつの「家族」を見てるようで微笑ましいですね。
「家庭の手料理」を主なテーマにしたグルメ漫画という面を持ちながら、メインの3人がみんな料理初心者という思い切った設定。小鳥は料理の知識は豊富でも過去のトラウマにより包丁は使えず、公平も妻にまかせきりだったため知識も技術もなく、当然幼いつむぎも経験なし。
こんな3人組なので何をやるにしても四苦八苦し、失敗することも珍しくありません。それでもつむぎに手料理を食べさせてあげたいという一心で、小鳥の母が用意してくれたレシピを頼りに皆で協力して完成させます。
危なっかしい場面もありますけど苦労して完成させたからこそ感動は大きく、プロが作った料理みたいに立派でなくても温かさを感じ、何よりもその料理を食べたつむぎや小鳥の表情が素晴らしい。楽しく皆で料理を作り、美味しくいただく、そんな光景を見ることができます。
独り身の私には少々眩し過ぎる光景ではありますが、こんな形は羨ましく思いますね。
しのぶや八木たちのように料理が得意な人たちも加わりますが、基本は初心者3人がメインになるため、作られる料理も比較的簡単なものが多く出てきます。
お味噌汁や卵焼き、ハンバーグに餃子、最初の1品目にいたってはお米を炊くだけ。料理の腕が少しずつ上達していくと共に、挑戦するレシピも増え、難易度も上がっていきますけど家庭料理の範囲から外れることはあまりないですね。さらに1話ごとに登場した料理のレシピも載せられているので実際に作ってみるのも楽しみのひとつだと思います。
読むとホッコリ癒され、心地よい気分にさせてもらえる作品でした。誰かと料理を作り、そのごはんを食べる家族の団欒の様子に温かさを感じさせてもらえました。
つむぎの可愛さ、これは反則的な威力です。笑ったり、怒ったり、泣いたり、感動したりと、せわしなくコロコロ変わる豊かな表情は必見の愛らしさ。つむぎのいろいろなことを経験し、世界を広げて成長していく姿を見守れるのもこの作品の大きな魅力だと思います。そして、そんな娘の成長を愛おしく見守る公平も、父親としてつむぎと一緒に成長していきます。小鳥の公平に抱く想いにも興味を引かれますね。恋なのか、憧れなのか、父親に対するような感情なのか、とにかく好きだという感情は強く伝わってきます。
ホームドラマとして楽しむこともできれば、料理マンガとして楽しむこともでき、育児本としても楽しめるなど、様々な楽しみ方のできる作品です。
読めばきっと多くの大切なことにも気づかせてくれると思いますので、よければ読んでみてください。自信を持っておすすめさせていただきます。
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