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2016年09月12日

【スクラップド・プリンセス】アニメ 感想&あらすじ 家族の絆と愛を描いたファンタジー作品



スクラップド・プリンセス
2003年4月8日、WOWOWにて放送
監督:増井壮一
原作:榊一郎
脚本:土屋理敬、名田寛、吉田玲子、大和田暁
パシフィカの声:折笠富美子
シャノンの声:三木眞一郎
ラクウェルの声:大原さやか

あらすじ・概要

『その者、生まれ出てより十と六の歳月を経た運命の日、世界を滅ぼす者なり。世界の秩序を打ち砕き、混沌をもたらす猛毒なり。』
<聖グレンデルの托宣>により生まれながらにして世界の脅威とされ葬られるはずだった王女は、王妃の手引きによって秘密裏に保護され、カスール家の娘として生きていくことに。「廃棄王女」という忌み名だけが世間に広がり、時間と共にその存在は人々の中から薄れていった。
それから15年の月日が流れ、すくすくと育ったパシフィカと名付けられた少女は、義兄シャノンと義姉ラクウェルと共に平和な日常を過ごしていた。しかし、王女が生きていたことを知られてしまったことで運命の歯車は動き出し、廃棄王女の命を狙う暗殺者の魔手から逃れるため、パシフィカはシャノン達と故郷の村を出て旅に出るのだった。

主要登場人物

・パシフィカ・カスール
カスール家の次女で廃棄王女と呼ばれる少女。過酷な運命を背負わされているものの、明るく表情が豊かで人を思いやれる優しい子です。かなりのお兄ちゃん子で、シャノンに対しては憎まれ口をたたきながら甘えています。卵料理が大好物。

・シャノン・カスール
カスール家の長男。ラクウェルの双子の弟(姉主張)。面倒くさがりではあるんですが、文句を言いながら一番働いてます。剣の達人で愛用している武器は大刀。妹を何よりも大切に想っていて、彼女の危機にはその身も省みず敵に立ち向かいます。

・ラクウェル・カスール
カスール家の長女。シャノンの双子の姉(姉主張)。天然のおっとりさん。優れた魔法の才能は母譲りで、魔法オタク。どんなことにも魔法を使いたがる困ったところがあります。普段はニコニコして穏やかですが、妹のためなら非情な行為も厭いません。

・ゼフィリス
パシフィカ達の前に現れる謎の少女。その正体はドラグーンと呼ばれる竜の姿をした兵器。普段は少女の姿をしています。当初は無口で表情もなく機械のようでしたが、シャノンと共にいる内に感情を取り戻していきます。


感想

託宣により世界の災いとされてしまった「廃棄王女」と呼ばれる少女が、義理の兄姉に守られながら旅をし、王国の刺客や神の御使いと崇められているピースメーカーたちと戦う逃亡の日々を描いた物語。
原作は通称「すてプリ」と呼ばれている榊一郎さんのファンタジー小説で、シリーズ累計100万部を超えているベストセラー作品です。小説の方は最近読み始めたのでまだ途中なんですが、アニメでは描かれてなかった話もあるので面白いです。WOWOWの無料放送時間(だったかな?)に流れていて、子供の頃夕方リアルタイムで夢中になって見ていた記憶があります。

世界観が素晴らしく、遥か昔に創世戦争で神と悪魔が戦い、神が勝利し現在では「マウゼル教」として崇められてる世界。
国があり統治する王様もいるんですが、実際世界の調整を行っているのは神と呼ばれる人とは異なる存在であり、その姿はマウゼル教の極々一部の人間しか認識していません。
詳しく説明するとネタバレすぎるので言いませんが、ファンタジーではあるんですけどSF要素も混じってます。中世ヨーロッパ風の建築物が並び、剣と魔法の文明と機械文明が混在しているファンタジーな世界観を形成しています。

主人公は「廃棄王女」として命を狙われているパシフィカという少女。彼女は剣も魔法も使えないので基本守られているだけで戦闘にはほぼ関与しません。無力感に覆われ剣や魔法の修練をするわけでもないので、最初シャノンが主人公だと思ってました。でも、彼女の強さは腕っ節とは別のところにあり、家族が捕まったときは一切の迷いなく自らの腕を差し出そうとしていたところは名シーンだと思います。それに、自分が世界を滅ぼすのではと悩むことは当然あっても、それでもパシフィカは歪むことなく優しいお転婆娘でい続けてくれました。あれだけ憎しみを向けられ続けたら普通逃げ出すか憎しみを返しそうなものですが、彼女は自分に出来る彼女なりの戦いをしていましたね。鬱陶しいところも魅力だったりすると思います。
シャノンとラクウェルも良いキャラしてます。子供の頃に観てたときはシャノンの強さとかっこよさに憧れ、ラクウェルの美しさと天然入ったお姉さんの魅力に心を撃ち抜かれてました。シャノンは普段眠たそうな覇気のない顔をしているのに、いざ戦うときはキリッとした顔になって刀を振るう姿は本当にカッコイイです。ラクウェルは「あらあらうふふ」といった感じのお姉さんだけど予想通り怒らせてはいけないタイプの人でもありましたね。今でも私にとっては憧れのお姉さんです。

このカスール3姉兄妹の家族愛が一番の魅力でしょうね。世界を滅ぼすと言われる妹を守ることに多少の迷いはあっても躊躇は一切ないシャノンとラクウェル。そして、戦う力はなくても2人を助けるためなら自らを差し出すパシフィカ。「家族愛」はこの作品のテーマにもなっていたと思うので終始その様子が描かれていて、人によってはくどいかもしれないですけど良く描かれていたと思います。もし本当に世界を滅ぼす存在だった場合、「そのときはお兄ちゃんの手で私を殺して」というパシフィカと、その覚悟を持つシャノンからは悲しくも深い愛情を感じました。
「選択」もテーマになっていたと思います。流されるだけではなく、決められていることを漠然と受け入れるだけでもなく、自ら考え自ら責任を持って選択することの大切さを伝えていました。ラストでの展開が特にそれを物語った演出で、それ以外えもメインキャラだけでなくサブキャラも含め、終始誰かが何かしらの選択に迫られていました。

特徴といえば予告ですね。1話は普通の予告だったんですけど回を重ねるごとにセリフが増えていき、中盤からはすっごい早口になってます。どんどん増えるセリフ量を短い尺の中にしっかり収めていく大原さやかさんの予告は必見です。

子供の頃にハマったこともあって今でも大好きな作品で、たまに見返してもいます。あのOP「Little Wing」が流れた途端にすてプリの世界へ引き込まれてしまい、EDの「大地のla-li-la」には癒してもらえるので今でもよく聞いてます。
メインの3人だけでなくサブキャラも魅力ある人達ばかりで、特にゼフィリスなんかは身悶える可愛さがありますね。敵側にも魅力を感じられるところもこのアニメを気に入っている理由のひとつです。スィンには泣かされました・・・。
ストーリーの構成も素晴らしい。テーマの家族愛につていは深く揺るぎない愛を感じられ、物語の謎も解き明かされた後半では変化が乏しくなってきますが、良いタイミングで視聴者を引き付ける演出を加えてくるので飽きることなく観続けることができました。
3姉兄妹の深い絆と愛を感じられるアニメ。自信を持っておすすめできますので、よければご覧になってみてください。

スクラップド・プリンセス Blu-rayBOX
by カエレバ


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posted by ハネ吉 at 18:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ
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とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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