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2015年03月23日

大好きだったヨーグルト

こないだシマリスが死んだ。
飼い始めて二年ほどで、下の歯が鼻先まで伸びてるのに気付いて焦って獣医さんに連れてったら
「顎の骨がずれてしまってますね。リスは一生歯が伸び続けるのでこのままではまともに餌も取れなくなります。伸びるたびに麻酔を掛けて歯を切ってやっても いいんですが小さい体に何度も麻酔を打つのは危険だし、寿命を縮める可能性も高いです。安楽死を望まれるのでしたらこのまま処置しますよ」
って言われて。この医者は何言ってるんだろうと思った。

「毎回処置すれば元通り生活できるんですよね?」って聞いたら
「麻酔を打つ以上事故も起こり得ますし、毎回お金も掛かりますよ」
って返された。「しつこいくらいマイナス面ばかり主張する医者に、構わないから助けてくれって言った。麻酔の事故は起こるかもしれないし起こらないかもしれない。
金は気にするほどの額じゃない。寿命が縮んだとしても、今すぐ死ぬのだけは免れる。
世話も大変になりますよ、いいんですねって念を押されて、正直イライラして生き物なんだから世話が面倒な子だって居るでしょう、って返したら
「判りました、助けましょう」って言って、医者はにっと笑って頷いた。

一瞬ぽかんとしたけど、医者とリスが手術室に消えてから気付いた。試されたんだ。
ペットが病気になったからって捨てる飼い主や、安楽死を依頼する飼い主も居ると聞く。
あの医者は、きっとそういう飼い主や不幸になったペット達をたくさん見てきたんだ。

結局麻酔事故なんかも起こらないまま、リスは10年生きて死んだ。
夜入れた餌が手付かずだったから、気になって巣の中からリスを引っ張り出したらもう意識がなくて。そのくせ、俺の手に甘えるみたいに顔すりすりさせて、浅い呼吸を繰り返してた。
素人目にも、もうだめなんだって判った。一縷の望みを抱いて、口元に大好きだったヨーグルトの上澄みを垂らしてやったら、もう意識もないくせに口もぐもぐさせて飲み込んでくれた。
で、そのままゆっくり呼吸が止まった。

204: 03/27 09:54
毎月のように簡単とはいえ手術しなきゃいけない人生(リス生?)押し付けて
自己満足だったんじゃないか、さっさと楽にしてやるべきだったんじゃないかって悩んだ時もあった。だけど、俺間違ってなかったよな?お前苦しくなかったよな?
それなりにそれなりな時間すごさせてやれたよな?

悩んだけど、後悔だけはしてないんだ。硬いものが食べられなくなったお前のために、毎日仕事帰りにヨーグルトやプリンを探してた癖が今でも抜けなくて
コンビニ行くとヨーグルトコーナーに真っ直ぐ行っちゃって、選ぼうとしてああ、もういらないんだって思って、その瞬間が物凄く寂しいだけ。

最後に、苦しい思いもさせたと思うけど、それでも俺を慕ってくれたお前とお前と過ごす時間をくれたあの獣医さんに心から感謝します。…本当に、ありがとう。
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