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2015年03月31日

カラスの亡骸をかたすライダー

こないだ、ドラッグストアで買い物して
店前のバス停でバス待ってたらさ、
ちょっと先の交差点でカラスが轢かれて死んでるの。

俺も文鳥飼ってるからさ、鳥類ってだけで親近感わくんだ。
んで、どーしよどーしよ思ってたら
その道に合流しようと黄色いSSが脇道から出てきて、
なんとなく、そのライダーもカラスみてた気がする。

そのまま行っちゃったんだけど、すぐ折り返し戻ってきて、
ドラッグストア入ってバイク停めた。
んでリュックからビニール袋出してカラスの方に駆け寄って、
赤信号で車止まったの見計らって亡骸をビニール袋で回収してた。

俺はバス来てたんだけど、
気になってそのライダーに駆け寄ってさ、手伝います、つって
買ったもの出してビニール袋に飛び散った羽を一緒に拾った。
信号青になったけど、どの車もクラクション鳴らさずに待っててくれた。

駐車場に戻って、「ありがとう」ってそのライダーに言ったんだ。

「いえ、うちもインコいるから、
このまま車に踏みつけられるのが居た堪れなくて…。
この子、時期的にも体格的にも、まだ仔なんでしょうね。ほら…」
つって上を指差した。

仰ぎ見ると、電線にカラスが2羽止まってこっちを伺ってた。

「多分、親でしょう。飛びなれないうちは高度が取れず、
それで轢かれたんでしょう…。かわいそうに。
カラスは知性があり、情に厚い鳥なんです。
家族で群れて行動するのも珍しくないんですよ」

と目をうるませて教えてくれた。

「うちの庭に埋めましょう。
コンクリートの上に放置したり、ゴミとして処分されるには忍びない」
そう言ってリュックにしまおうとしたから、
俺は、もうひとつのビニール袋を差し出した。

「ありがとうございます」袋を二重にして、
ライダーはリュックにしまってエンジン掛けた。

「うちにも、文鳥いるんですよ」なんか知らんが咄嗟に言ってしまった。
「…いいですよね、鳥って」シールド越しにニコっと笑って、バイクは走り出していった。
そして2羽のカラスが、バイクを追いかけて行った。

俺は買った物をどう持って帰ろうか思案しつつ、バイクと2羽を見送った。
ドラッグストアでまた袋貰ったんだけどさ。
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