2015年03月30日
三毛猫ミーコの話
漏れの実家は広島にある。
家は結構大きいほうで、なんとか自慢できるくらいの庭もあった。
うちをここまでにしたのは、ばあちゃんとじいちゃんのおかげだ。
戦後すぐに海軍から帰ってきたじいちゃんは、ばあちゃんと二人で会社を始めた。
その会社を二人で一生懸命大きくして、
やっとじいちゃんも親父に跡を譲った頃、ばあちゃんが死んだ。
心臓病で半年ぐらい入院してからの大往生だったよ。
その死んだばあちゃんっていうのが、大の猫好きで、
捨て猫を見ては拾ってきて、俺が物心つく頃には家には5匹くらいの猫がいた。
そのうちの一匹に「ミーコ」ってメスの三毛猫がいたんだ。
そいつはばあちゃんと同じぐらい年行ってて、
うちの猫の中でも威厳を保ってたかっこいい猫だった。
そいつはいつもばあちゃんの背中に乗っかって、散歩する時もいつも一緒だった。
はたから見ればその姿は「妖怪かよ!」と思われても不思議じゃなかったと思う。
でも、ばあちゃんが死んでからその猫の居場所はなくなっちまった。
いつも乗っかってたばあちゃんのあの背中がなくなってから、
ミーコは毎日縁側でぼーっと庭を見てた。
ばあちゃんが大好きだった庭を見ながら、毎日そうしてたんだわ。
俺ら家族はミーコの元気が出るよう、話しかけたり撫でてやったりしてた。
でも、ある日親父が縁側でぐったりなってるミーコを見つけたんだわ。
びっくりして病院に連れて行ったら、老衰でかなり弱ってます、って。
そりゃもう二十数年生きてきたような化け猫だったから、仕方ないとは思ったよ。
家に連れて帰ってから、みんなで介抱してあげた。
そうしたらある日、じいちゃんがミーコの様子を見に来たんだ。
するとミーコのやつは、思い出したようにじいちゃんの背中に登ろうとするんだ。
もう動く力もないだろうとおもってたのに。
一生懸命爪立てて、必死で登ろうとするんだよ。
そしたらじいちゃんはガリガリになったミーコの体をそっと背中に乗せて、
「庭を散歩してくる」って。
その夜にミーコは死んじまった。
最後に庭が見れて幸せだったろうって、親父は言ってたよ。
で、うちの主みたいな猫だったんだ、通夜ぐらいはしてやろうってなったわけ。
んで家族一同集まって、ミーコの写真をばあちゃんの仏壇の横に飾って、
ささやかな通夜を上げたんです。
人も猫もおらんようになって、さみしゅうなるのーって酒飲んでた。
そしたら、うちでミーコの次に年配のミルキーって猫が、
じいちゃんの背中にちょこんと座ったんだ。
じいちゃん号泣。漏れも泣いちまったよ。
何だよお前ら、猫のくせに人慰めてんじゃねーよ、って。
それ以来その猫はじいちゃんの背中が居場所になってる。
でももし、じいちゃんが死んだ時、
ミーコみたいに居場所がなくなるのはかわいそうだから、
そん時は俺が背中を貸してやろうと思ってるよ。
でもじいちゃんにも猫にも、いつまでも元気でいてほしい。
実家に帰ったら目いっぱい酒飲もうな、じいちゃん。
マジ駄文スマソ。
家は結構大きいほうで、なんとか自慢できるくらいの庭もあった。
うちをここまでにしたのは、ばあちゃんとじいちゃんのおかげだ。
戦後すぐに海軍から帰ってきたじいちゃんは、ばあちゃんと二人で会社を始めた。
その会社を二人で一生懸命大きくして、
やっとじいちゃんも親父に跡を譲った頃、ばあちゃんが死んだ。
心臓病で半年ぐらい入院してからの大往生だったよ。
その死んだばあちゃんっていうのが、大の猫好きで、
捨て猫を見ては拾ってきて、俺が物心つく頃には家には5匹くらいの猫がいた。
そのうちの一匹に「ミーコ」ってメスの三毛猫がいたんだ。
そいつはばあちゃんと同じぐらい年行ってて、
うちの猫の中でも威厳を保ってたかっこいい猫だった。
そいつはいつもばあちゃんの背中に乗っかって、散歩する時もいつも一緒だった。
はたから見ればその姿は「妖怪かよ!」と思われても不思議じゃなかったと思う。
でも、ばあちゃんが死んでからその猫の居場所はなくなっちまった。
いつも乗っかってたばあちゃんのあの背中がなくなってから、
ミーコは毎日縁側でぼーっと庭を見てた。
ばあちゃんが大好きだった庭を見ながら、毎日そうしてたんだわ。
俺ら家族はミーコの元気が出るよう、話しかけたり撫でてやったりしてた。
でも、ある日親父が縁側でぐったりなってるミーコを見つけたんだわ。
びっくりして病院に連れて行ったら、老衰でかなり弱ってます、って。
そりゃもう二十数年生きてきたような化け猫だったから、仕方ないとは思ったよ。
家に連れて帰ってから、みんなで介抱してあげた。
そうしたらある日、じいちゃんがミーコの様子を見に来たんだ。
するとミーコのやつは、思い出したようにじいちゃんの背中に登ろうとするんだ。
もう動く力もないだろうとおもってたのに。
一生懸命爪立てて、必死で登ろうとするんだよ。
そしたらじいちゃんはガリガリになったミーコの体をそっと背中に乗せて、
「庭を散歩してくる」って。
その夜にミーコは死んじまった。
最後に庭が見れて幸せだったろうって、親父は言ってたよ。
で、うちの主みたいな猫だったんだ、通夜ぐらいはしてやろうってなったわけ。
んで家族一同集まって、ミーコの写真をばあちゃんの仏壇の横に飾って、
ささやかな通夜を上げたんです。
人も猫もおらんようになって、さみしゅうなるのーって酒飲んでた。
そしたら、うちでミーコの次に年配のミルキーって猫が、
じいちゃんの背中にちょこんと座ったんだ。
じいちゃん号泣。漏れも泣いちまったよ。
何だよお前ら、猫のくせに人慰めてんじゃねーよ、って。
それ以来その猫はじいちゃんの背中が居場所になってる。
でももし、じいちゃんが死んだ時、
ミーコみたいに居場所がなくなるのはかわいそうだから、
そん時は俺が背中を貸してやろうと思ってるよ。
でもじいちゃんにも猫にも、いつまでも元気でいてほしい。
実家に帰ったら目いっぱい酒飲もうな、じいちゃん。
マジ駄文スマソ。
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posted by 暇つぶしに読める話のまとめ at 18:34
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