昨日か一昨日, 寝込んでいるときにラジオのある番組で, インドでは子供たちに 20 までの九九を教えていると聞いた. 丸暗記するのかどうかは知らないが, 丸暗記しなくても 20 までの掛け算を楽に計算できる方法は無いかと少し考えてみた.
結論から言うと, とりあえず以下の程度くらいのやり方は考えついた. これは少し数学に興味がある人ならすぐに思い付くだろう.
20 までの九九の計算が少しだけ便利になるので書き留めておく.
何を今さらと言う人は多そうだが自分のメモとして...
(1) $1,..., 20$ までの各数の $2$ 乗を覚えておく.
\begin{align*}
1^2 &= 1 \\
2^2 &= 4 \\
3^2 &= 9 \\
4^2 &= 16 \\
5^2 &= 25 \\
6^2 &= 36 \\
7^2 &= 49 \\
8^2 &= 64 \\
9^2 &= 81 \\
10^2 &= 100 \\
11^2 &= 121 \\
12^2 &= 144 \\
13^2 &= 169 \\
14^2 &= 196 \\
15^2 &= 225 \\
16^2 &= 256 \\
17^2 &= 289 \\
18^2 &= 324 \\
19^2 &= 361 \\
20^2 &= 400
\end{align*}
(2) 20 以下の 2 つの異なる数の計算: その 1
2 つの数 $m$ と $n$ の差が偶数のとき, 因数分解の公式
\begin{equation*}
(a + b)(a - b) = a^2 - b^2
\end{equation*}
を使う. たとえば
\begin{align*}
19 \cdot 13 &= (16 + 3)(16 - 3) = 256 - 9 = 247 \\
16 \cdot 12 &= (14 + 2)(14 - 2) = 196 - 4 = 192 \\
17 \cdot 15 &= (16 + 1)(16 - 1) = 255 - 6 = 255
\end{align*}
(3) 20 以下の 2 つの異なる数の計算: その 2
2 つの数 $m$ と $n$ の差が奇数のとき $\Rightarrow$ その 1 を使う. たとえば
\begin{align*}
18 \cdot 13 &= (15 + 3)[(15 - 3) + 1] = (15 + 3)(15 - 3) + 18 \\
&= (225 - 9) + 18 = 216 + 18 = 234 \\
16 \cdot 11 &= (13 + 3)[(13 - 3) + 1] = (13 + 3)(13 - 3) + 16 \\
&= (169 - 9) + 16 = 160 + 16 = 176 \\
13 \cdot 12 &= (12 + 1)[(12 - 1) + 1] = (12 + 1)(12 - 1) + 13 \\
&= (144 - 1) + 13 = 143 + 13 = 156
\end{align*}
この 2 番目と 3 番目はそれぞれ
\begin{align*}
16 \cdot 11 &= 16 \cdot 10 + 16 = 176 \\
13 \cdot 12 &= 12^2 + 12 = 144 + 12 = 156
\end{align*}
のように計算したほうが楽のような気もする. しかしとりあえずこういう風な感じでできるというのを書き下してみた.
もうちょっとうまい方法があるかも知れない.
面白いのでまた気が空いた時間ができたら考えてみる. 20 以下にこだわる必要も無いしね.
2017 年 6 月 11 日付記:
(4) 20 以下の 2 つの異なる数の計算: その 3
2 つの数 $m$ と $n$ の差が奇数のときの別のやり方.
$m \gt n$ とする. $m$ と $n$ の差が奇数だからある正の整数 $k$ が存在して
\begin{equation*}
m - n = 2k + 1
\end{equation*}
と表わすことができる. ここで
\begin{equation*}
h = m - k - 1 = n + k
\end{equation*}
とおくと
\begin{align*}
m \cdot n &= (m - k - 1 + k + 1)(n + k - k) = ((h + 1) + k)(h - k) \\
&= h(h + 1) - k(k + 1)
\end{align*}
が成り立つ. こちらの計算方法を使うほうが自分にとっては (3) より計算しやすい.
\begin{align*}
18 \cdot 13 &= (16 + 2)(15 - 2) = 15 \cdot 16 - 2 \cdot 3 \\
&= 240 - 6 = 234 \\
16 \cdot 11 &= (14 + 2)(13 - 2) = 13 \cdot 14 - 2 \cdot 3 \\
&= 182 - 6 = 176 \\
13 \cdot 12 &= (13 + 0)(12 - 0) = 12 \cdot 13 - 0 \cdot 1 \\
&= 156 - 0 = 156
\end{align*}
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