2008年10月11日
原巨人V2“伝説つくった”最大13差逆転優勝
(セ・リーグ、ヤクルト1−3巨人、23回戦、巨人17勝6敗、10日、神宮)『奪回』の第2章は世紀の大逆転V!! 優勝マジックを「2」としていた巨人は10日、ヤクルト23回戦(神宮)に3−1で勝利。2位阪神が横浜に3−4で敗れたため、最大13ゲーム差からの逆転劇で2年連続32度目のセ・リーグ優勝(1リーグ時代に9度)を決めた。巨人は日本シリーズ出場をかけ、22日からのクライマックスシリーズ第2ステージで阪神−中日の勝者と対戦する。
試合終了から17分後の午後9時14分。神宮の電光掲示板に、阪神の敗戦が映し出された。ベンチでその瞬間を待っていた原監督は、ようやく重圧から解放された。セ・リーグでは1992、93年のヤクルト以来の連覇。敵地に詰めかけたG党の歓声を浴びながら、8度宙に舞った。
「天まで昇るような気持ちだ。本当に現実になったんだなって。やっぱり13ゲームは重かった。143試合目に優勝を決められて、監督としてホッとしている。すごい選手たちだ。最後まであきらめず戦い、歴史をつくり、伝説をつくった」
7月9日に阪神に最大13ゲーム差をつけられてから3カ月。96年、長嶋巨人の「メークドラマ」を超えた。奇跡なのか。いや、勝つべくして勝った。求心力でペナントをつかみとった。
『人間の証明』などで人気の推理小説作家・森村誠一氏(75)の目に焼きついている光景がある。67年から約6年間、神奈川・厚木市の県営分譲団地で原家と同じ棟に住んでいた。執筆の合間、4階の自室から団地内の公園をよく見た。
「うちの息子(長男の健太郎さん)は引っ込み思案で友だちがいなかった。公園に独りぼっちでいると、辰徳くんが遊んでくれたんです。練習の後で疲れていただろうに、座りこんで子供の話を一生懸命に聞いて、相づちをうってくれて。中学生になっても年下の子と遊んでくれるとは、なんて面倒見がいいんでしょう。感謝しています」
原監督の面倒見のよさは50歳になった今、監督業で発揮されている。対話を重視し、今季もしばしば選手と食事会を開催。昨季の優勝メンバーにラミレス、グライシンガー、クルーンが加わった“巨大戦力”を一つに束ねた。
「選手それぞれの排気量を大きくすることが僕の仕事。コンディションのいい選手を増やし、パターンA、Bみたいにオーダーを組めるチームになった」
監督通算5年目の今季は球団ワーストの開幕5連敗を喫するなど、決して順風満帆ではなかったが、オフに手術した小笠原、李承ヨプらの復調を待ち、不調の上原には2軍落ちを命じて復活を信じた。我慢強く起用し続けた19歳の坂本、育成出身の山口が成長し、隠善、加治前、寺内ら若手も主力不在時に躍動。ゴンザレスのドーピング違反、二岡の不倫騒動にもチームの結束は揺るがなかった。
女優・藤原紀香が広めた加圧式筋力トレーニングで体調を維持してきたが、阪神と同率首位に並んだ直後の9月下旬、遠征先で風邪から体調を崩した。2位に後退した28日の夜も名古屋で催した食事会に出席できなかったほど。そんな苦労も優勝で報われた。
「おれは記念品の類はみんな人にあげちゃって手元にないんだけど、唯一自宅に置いてあるのが日本一の時のウイニングボールなんだ」
長嶋監督の後を受け、初めて監督に就任した2002年に味わった頂点を再び目指す。昨年はCSで屈辱にまみれ、V旅行もできなかった。同じ轍(てつ)は踏まない。目標はあくまで日本一だ。
試合終了から17分後の午後9時14分。神宮の電光掲示板に、阪神の敗戦が映し出された。ベンチでその瞬間を待っていた原監督は、ようやく重圧から解放された。セ・リーグでは1992、93年のヤクルト以来の連覇。敵地に詰めかけたG党の歓声を浴びながら、8度宙に舞った。
「天まで昇るような気持ちだ。本当に現実になったんだなって。やっぱり13ゲームは重かった。143試合目に優勝を決められて、監督としてホッとしている。すごい選手たちだ。最後まであきらめず戦い、歴史をつくり、伝説をつくった」
7月9日に阪神に最大13ゲーム差をつけられてから3カ月。96年、長嶋巨人の「メークドラマ」を超えた。奇跡なのか。いや、勝つべくして勝った。求心力でペナントをつかみとった。
『人間の証明』などで人気の推理小説作家・森村誠一氏(75)の目に焼きついている光景がある。67年から約6年間、神奈川・厚木市の県営分譲団地で原家と同じ棟に住んでいた。執筆の合間、4階の自室から団地内の公園をよく見た。
「うちの息子(長男の健太郎さん)は引っ込み思案で友だちがいなかった。公園に独りぼっちでいると、辰徳くんが遊んでくれたんです。練習の後で疲れていただろうに、座りこんで子供の話を一生懸命に聞いて、相づちをうってくれて。中学生になっても年下の子と遊んでくれるとは、なんて面倒見がいいんでしょう。感謝しています」
原監督の面倒見のよさは50歳になった今、監督業で発揮されている。対話を重視し、今季もしばしば選手と食事会を開催。昨季の優勝メンバーにラミレス、グライシンガー、クルーンが加わった“巨大戦力”を一つに束ねた。
「選手それぞれの排気量を大きくすることが僕の仕事。コンディションのいい選手を増やし、パターンA、Bみたいにオーダーを組めるチームになった」
監督通算5年目の今季は球団ワーストの開幕5連敗を喫するなど、決して順風満帆ではなかったが、オフに手術した小笠原、李承ヨプらの復調を待ち、不調の上原には2軍落ちを命じて復活を信じた。我慢強く起用し続けた19歳の坂本、育成出身の山口が成長し、隠善、加治前、寺内ら若手も主力不在時に躍動。ゴンザレスのドーピング違反、二岡の不倫騒動にもチームの結束は揺るがなかった。
女優・藤原紀香が広めた加圧式筋力トレーニングで体調を維持してきたが、阪神と同率首位に並んだ直後の9月下旬、遠征先で風邪から体調を崩した。2位に後退した28日の夜も名古屋で催した食事会に出席できなかったほど。そんな苦労も優勝で報われた。
「おれは記念品の類はみんな人にあげちゃって手元にないんだけど、唯一自宅に置いてあるのが日本一の時のウイニングボールなんだ」
長嶋監督の後を受け、初めて監督に就任した2002年に味わった頂点を再び目指す。昨年はCSで屈辱にまみれ、V旅行もできなかった。同じ轍(てつ)は踏まない。目標はあくまで日本一だ。
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