おはようございます。あるへです。
本日はこちら「円卓の生徒」のレビューです。
ウィザードリィや世界樹の迷宮などでお馴染みの3DダンジョンRPGと呼ばれる形態で、一歩一歩地図を埋めていくのが楽しいゲームですね。
本作はゲーム作りの四本柱が高いクオリティで融合しており、ユーザーインターフェースの洗練しきれていない部分も含めて考えてみても、十分に名作であると思います。私は本作がきっかけでD-RPGの楽しさに目覚めましたし、その分驚きや発見がたくさんありました。
個人的にはそれ以外にもBGMの壮大なスケールや王道といえども熱いドラマ性を評価して神ゲーと呼びたいくらいです。
公式サイト(Xbox360)
公式サイト(PSP)
ダンジョンRPGをやったことのない人は、初めこそ視点の異質さに違和感を感じ、方角を見失ったりするかもしれませんが、時間や慣れとともに問題は解決すると思います。
わかりやすいマップがありますし、このマップを自分の足で歩いて埋めていくのがこの系統のゲームの醍醐味でもあります。
シンプルでやや素っ気ないテキストも、こういう視点だからこそ味が出て、自分が冒険している感を醸し出していますよね。
さて、D-RPGといえばキャラクリエイトが基本なのですが、本作はあえて個別のキャラクターを用意しました。
私は本作をプレイした後に、本格的なD-RPGとして「クロブラ」や「剣の街」もプレイしまして、自分だけのオリジナルキャラを作り脳内設定で遊ぶ没入感を堪能しましたが、本作についてはこれで大正解だと思っています。
意図としては初心者に複雑な仕事をさせないためにあえて削り、かつ偏ったパーティーを作ってしまい袋小路にはまってしまう可能性を排除するためなのですが、主人公を除き、キャラ一人ひとりに性格付けやメイン職業を設定したことで非常にドラマチックなストーリーが生まれたと感じています。
後にプレイした二作については、たしかに自分で作ったパーティーの活躍を脳内で堪能(たとえば、ダメージソースとして作ったはずの戦士が以外にも死にまくり、パーティー内でしゅんとなっている様子を想像したり、イケメンなのに変な名前を付けてみたり、思った以上にこれが楽しいんです)できましたが、ストーリーとしては自分のパーティーが物語自体に強く絡む、ということはありませから(たとえば自キャラの誰かが裏切ったり、話の都合上離脱したり、誰か個人単位でどうこうする、ということ)、やや薄味で盛り上がりに欠けた印象を持ってしまいました。
まあ、これは本作に受けた衝撃が強すぎたことの裏返しでもあるのですが。
そんなわけで、本作では戦士職なら「サウル」か「バーゴ」、ヒーラーなら「ロロン」、強力な技を使うなら主人公である「先生」、とはっきり(暫定的な)役割が決まっています。その方向性の中で「二次職」を何にするか、という感じで各キャラの特性を決められます。
ですので「前衛も回復もできる戦士」を作ること自体は可能ですが、キャラによって初期のステータスも違いがあるので活かしてやるには時間と愛が必要になります。
これはゲームプレイの上での話ですが、やはり私はキャラに個性がついたことでストーリーが劇的にドラマチックになったことを評価します。
もうね、オープニングは感動していまいました。BGMとの連動具合が本当に見事で、ものすごくストーリー性を感じるんです。
探索部分はそのままD-RPGで、シンプルで淡泊なテキストがすごく良い味出してますし、環境音だけだったのが奥に進むとBGMに切り替わり、危険度が上がったことを知らせると同時に気分も盛り上げてくれます。
敵も一番最初の雑魚でさえ厚みがあって迫力のあるグラフィックで、ものっすごく強そうです(笑)。
初めはもちろん装備は整っていませんし、スキルも未熟ですから初見の敵は逐一びくびくしながら戦ったものです。
そしてイベントが入ると今度は各キャラが生き生きとするんですよね(ボイスはありません。要りません)。キャラの性格付けについてはオリジナリティが少ないのですが、構成されるエピソードの一つ一つはとても光っていると思います。
主人公にまつわる世界のバックストーリー、秘宝、転職、魔王すぎる魔王の存在(これほど恐ろしい魔王はいまだかつていないと思います)等々、展開が非常に熱く、厨二心をくすぐってくれます。
キャラが、というより、キャラに個性を付けたからこそ展開されるこれらのエピソードが、私は好きですし、ものすごく評価しています。
でもってBGMがいちいちいちいち格好良すぎでしょ! もう!
ボス戦なんか無駄にテンション上がってしまいます。
さて、そんな超評価のエピソードですが、実はもう一点あります。
それが「食事」システムです。
本作はみなさんご存じ「円卓の騎士」をもじった作品ですが、むしろ借りたのは名前だけです。「円卓の生徒」というわけで主人公である「先生」を筆頭に「生徒」たちを引き連れて魔王を倒しにいくお話です。
そんな安易なネーミングなのですが、この「先生」と「生徒」という関係性はとても重要視されており、また大事に上手に調理されています。
その一つがこの食事システムであり、生徒と一緒に食事をすることで彼らとの絆レベルを上げ、それが戦闘にも活かされるという寸法です。
当然、食事中は生徒個人のエピソードが語られ、キャラへの愛着や理解にも繋がり、本編のストーリーがよりドラマチックに演出されるわけです。
またこの絆レベルというのは戦略においても非常に重要でして、このレベルの合計で超強力な全体技が便利になっていきます。そしてこの全体技こそが魔王討伐の切り札でもあり、「魔王討伐のストーリー」の本編軸、「先生と生徒の信頼」たる関係性軸の二本が、非常に密接に絡み合っており、ドラマとして、またゲームとしてきちんと成り立っているのことに感銘を受けました。
こういったこともあって、数々のエピソードは非常に没頭して楽しめましたし、美しく綺麗なマップを隅々まで塗りつぶすのも楽しかったですし、各キャラの役割を熟慮してパーティーを組んだり装備を整えたりするのも非常に楽しかったですし、迫力の画(え)とBGMで戦闘は物凄くテンション上がりましたし、もう好きすぎて脳汁やばい。
チームラ作品といえば、このオープニングからエンディングまでの素晴らしいゲームバランスには脱帽なのですが、同時にクリア後のやりこみは面白くないという点があります。
ゲーム終盤以降、パーティーはスキルの有用性から加速度的に強くなっていくのですが、敵の強化は緩やかで、やりこむと一方的な虐殺になってしまいます。あんなにわくわくさせてくれたラスボスも「しゅんころ」です。
そんな中で、いつ出るともわからない伝説のレア装備を、毎日毎日掘り続ける作業が待っています。
本作、「クロブラ」「剣の街」と三作品の実績をコンプしましたが、毎回この超レア武器掘りは辟易しました。
本作は初心者向けにマイルド調整されたD-RPG入門作ですが、その通り右も左もわからない初心者や、RPGはストーリー派という方に強くお勧めしたいです。
P.S.
そんなわけで、本ブログ右上に表示されている私のゲーマーアイコンは、実は本作がモチーフだったりします(笑)。
私がお金を出して買った唯一のゲーマーアイコンです。
一般のXboxユーザーおよびその他のデバイス上では右上のように「ルーミ」が、フレンドさんには「先生(ロングヘア)」が表示されます。
*これもかつてのお話。現在はアイコンを変更しています。
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