アプリの、ネット経由でのデータのやりとりがまったく機能していないようだ。ふと見れば、携帯のアンテナマークも線が出ていない。レジに並ぶ前だったので、慌てて財布からカードを出して支払いの準備をした。
おかしいな、と思いながら買い物を終えて車に戻ってカーラジオをつけたら、KDDIの通信に大規模な機能障害が発生しているというニュースを放送していた。なるほど、これか、と思って、試しに携帯電話を使ってみようとしたが、もちろんかからない。電話を切り、車を出して帰宅した。
家に帰って昼のTVニュースを見てみると、かなり大規模な通信トラブルのようであった。
ラジオのニュースでも言っていたが、宅配便の発送データなどもやりとりができないため、荷物の取り扱いにも大きな障害が出ているという。天気予報のデータなどでも、一部この回線を使っていたため、TVの天気予報には、予報データが入手できないためブランクになっているエリアというのが表示されていた。混乱は一日続いたが、まだ治まってはいない。
この通信トラブルによって、現代社会が、いかに通信インフラに依存した社会になっているのかということをあらためて思い知ることになった。
この投稿のタイトルに、こわれもの=fragile=「フラジャイル」という言葉を使った。民放のドラマで同じタイトルのものがあったようだが、私たちの世代にとっては、YESというバンドのアルバムで「こわれもの」というタイトルが記憶に残っている。人間の持つ心のもろさや弱さを表現するために、YESはこのタイトルを使ったように思うが、遠い昔のことで、アルバムももう手元にないから定かではない。
最近の事情は知らないけれど、国際線などで飛行機に持ち込む手荷物で、ガラスなど割れ物の入ったラゲージには、”Frajile” と書かれたタグが貼られた。私もそんなことを思い出したので、今回のタイトルに使ってみた。
一見安定的なように見えるほど普及した通信インフラに支えられた現代社会。しかし実はそれは、ほんのちょっとしたことで大きく壊れる「こわれもの」の社会でもあった。紙に書いたものは、濡れたり破れたり燃えたりすることはあるが、データが壊れることはない。
YESのアルバムは地球のイラストを書いた上に、「FRAJILE]と書かれているが、今回のトラブルは、そんなネットワーク社会のこわれやすさ、脆弱性のリスクを象徴する事件となったように感じた。
#KDDI通信障害 #こわれもの
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