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2022年04月06日

値上げの春を耐える

ロシアのウクライナ侵攻によって、世界経済は、これまでにない複雑な影響を受けている。
石油のことや小麦粉のことなどについて以前書いたけれど、思いがけないところにまで影響はどんどん広がっている。そして、それによって、各国の事情が異なるから、それぞれの国がまた、今後思いがけない経済的な反応をするかもしれない。もはやどんなに優れた経済学者にも先の読めない時代が来ている気がする。

小麦粉や、それに関連する商品の値上がりは、ウクライナ侵攻が始まってからほどなく語られてきた。石油マーケットも同様だ。しかし、その他にも様々な影響が広がっている。ウクライナは、ひまわり油の産地でもあった。それが供給源になった結果、その他の食用油の値上がりにもつながっているという。今日見た国際ニュースによると、チュニジアでは、食用油が高騰し、しかも品薄になり入手が困難になっているという。フランスパンを売るお店では、小麦などの値上がりと不足で、客一人当たりに対する販売個数を限定しているという。

日本においても、製麺業界などは、戦々恐々としている。原料の小麦はもちろんだが、包装材などもビニールなど石油から作る製品のため値上がりしているという。そしてもちろん輸送コストも上がり、食用油の値上がりも関係してくる。製麺するための様々な工程のほとんどに関わるものが値上がりし始めているというわけだ。
220406小麦など値上げの春.jpg
(NNN)

以前カップ麺の値上がりに関する投稿をしたが、小麦関連の食品の値上がりは、今後長期化していく懸念も報道されている。うどん、ラーメン、パスタ、そうめん、パン、ピザ、そしてカップ麺などなど、いつの間にか小麦粉商品は、日本人の主食として大きなポジションを閉めている。さらにチュニジアと同じように、食用油の値上がりも今後継続的に続いていくだろう。もちろん、家庭の台所だけでなく、ただでさえ厳しい飲食業界にも、さらなる打撃を与える要素になりかねない。

航空会社や運輸関連の会社も深刻だ。石油市場も先が見えない。上がることだけが確実だ。
石油を大量に使う運輸関連産業もまた、値上げはおそらく避けられず、先行きの不透明感がさらに強まるだろう。

経済評論家によっては、春の値上げだけでなく、夏の値上げ、秋の値上げ、とこの先、季節ごとに様々なものの値上がりが続くだろうという人もいる。

ロシアへの追加制裁で、EUは、石炭の輸入を止め、ドイツは、ロシアからのLNGの輸入をとりやめるという声も上がっている。それは、EUやドイツ国内にとっても大きな痛手となり国民生活を脅かす事になりかねないだろう。それほどの痛みを伴う覚悟を持って、EU各国は、プーチンの暴挙と向き合っている。日本も、値上げの春をじっと耐えながら、ウクライナの平和を願うしかない。
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