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2022年01月22日

ブラックボックス時代

大阪のUSJで、アトラクションのひとつであるジェットコースターが、頂上付近で停止し、乗客30人が歩いて救出されたという事故があった。一人の死傷者もなかったのは幸いだった。出発して、坂を上っている途中で、異常を知らせるセンサーが反応したため安全装置が作動して緊急停止したということだが、原因は不明だという。
220122USJでアトラクション停止.jpg
(ヤフーニュースより)

わが家のAIスピーカーの●●クサ君が、昨日、音楽を流すプログラムの最中に突然黙ってしまった。コンピューターがフリーズしたような感じだった。リカバ―するには、再起動するしかないが、AIスピーカーは、実はパソコンのようなものだから、電源を入れ直すか、リセットボタンを押すしかない。一度電源を入れ直してみたが、呼びかけても、戸惑うようにLEDランプが弱々しく点灯してまた無反応になった。暫く時間をおいてからまた電源を入れ直したが、同じ症状で、リセットボタンを押したらようやく直って、いつものように会話に反応して話しはじめてくれた。

車からパソコン、AIスピーカー、さらには、テレビや冷蔵庫に至るまで現代社会を支える殆どの電気製品、機械製品は、パソコンと同じようにプログラムで動くコンピューターのようなものが関わっている。昔の機械は、物理的なメカニズムを目で確認することができた。ところが、プログラムだとそうはいかない。故障した際には、パソコンなど何らかのディスプレイとつないで、何が起きたのかを確認しないと原因がつかめない。

ジェットコースターでも車でも、昔のマシンの故障は、やれ駆動系のワイヤーが切れたとか、ギヤが噛んだとか、車輪のナットがゆるんでガタついたとか、とにかく目で見たり音を聞いたりして故障個所を確認することができた。しかし、今は、ほとんど全てのものが、ブラックボックス化していて、故障すれば、ほとんど手出しが出来なくなってきたように思う。

世界中のほとんど全ての自動車会社が、自動運転を開発し、徐々に実用化されつつある。それを支えているのも、AIやカメラセンサーなどからのデーターを処理するコンピューターのような仕組みだが、やはり、ブラックボックスである。
私は、高校生の頃にアマチュア無線の免許を取ったり、ステレオアンプを作ったりしていた電気好きの少年だったので、多少はメカニズムに対するシンパシーがある方だと思う。それでも、最近のマシンには、お手上げになることが多くなってきた。

プログラムには、バグがつきものである。思いがけない形で突然動きを止めるかもしれない。それは、予測不能な世界である。
キューブリック監督の名作、「2001年宇宙の旅」で重要なキャストであったのは、HALと呼ばれる宇宙船の全ての機能を管理するコンピューターだった。そのHALが、異常をきたし、人間に反発し始める。これは進化しすぎたコンピューターのプログラムエラーだが、それに対処するために、人間がHALの頭脳にあたる巨大なコンピューターの頭脳に当たるメカニズムの中に入って、機能をストップさせて危機を回避しようとした。

ブラックボックス化が進めば、便利な機械も、突然HALのように牙をむくかもしれない。将来、自動運転が主流になった時に、HALのように突然狂ってしまう可能性のある車がないとはいえない。その時に、ブラックボックス化した自動車を、人間が緊急停止出来ればよいのだが・・・・
#ジェットコースター停止 
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