予算がかけられ、きちんと計算されて演出を組み立てられた開会式は、トラブルがあったことを抜きにはできないけれど、やはりよくできている。直前のトラブルでは、おそらく、楽曲や演出を大幅に替えることなどできなかっただろう。
トラブル続出の大会ではあるけれど、始まってしまえば、開催国民としては、成功を応援するしかない。
隈研吾さんの設計による国立競技場は、あらためて素晴らしい設計だという事を感じさせる。大掛かりな開会式などにも対応可能な照明設備など、随所に配慮が行き届いている。
最初にコンペで選ばれたザハ氏の案で建設されれば、やはり周囲との調和と言う点で、建設後長年にわたって批判があっただろう。
47都道府県全ての木材を使ったり、風の通り道を計算して、観客の快適性を考慮したり、と実に細かなアイデアが盛り込まれている。
無観客開催となってしまった今大会では、客席の椅子のカラーリングなどを工夫したことが、映像的には人がいないことをあまり感じさせないという思いがけないメリットももたらしている。
1964年のオリンピックでは、天才丹下健三が、天井を吊るというアイデアで、柱のない建築を生み出し、それは、今回のオリンピックでも活用される。
隈さんの競技場も、おそらく50年先まで残る建物となるだろう。お金がかかりすぎるということでザハ氏の案が却下されたのは、結果的には幸いだったように思う。
MISIAが歌った国家は、おそらく幅広い世代に受け入れられたに違いない。素晴らしい歌唱だった。
これまでのプロセスはさておき、これから閉会式までの間、選手たちの素晴らしいプレーを応援してあげたい。
#東京2020開会式
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