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2021年07月01日

香港と英国の行方

数日前、香港のリンゴ日報が、その歴史を閉じた記事を投稿したが、同じタイミングで、あるネット記事が目についた。推計で、香港から英国へ、既に10万人以上の人が渡英したというのだ。

産経新聞の記事によれば、香港国家安全維持法(国安法)が昨年6月末に施行されて以降、中国共産党政権が統制する香港の現状に絶望した香港市民が英国への移住を進めているのだという。
なぜ移住者が増えているのかと言うと、英政府が1997年の香港返還前に生まれた香港市民に発行する「英国海外市民(BNO)旅券」というものがあり、その保有者らに、英国の市民権獲得の道を開いたということが大きなきっかけとなったようだ。
210701香港BNO旅券.jpg
(画像は、、BNO旅券と香港特別行政区旅券/産経新聞より)

英政府は今年1月、国安法への対抗措置として、BNO旅券の保有者とその扶養家族を対象に特別査証(ビザ)の申請受け付けを開始した。特別ビザがあれば5年間の滞在を経て永住権を、その1年後には市民権を取得できる。


かつては、たとえBNO旅券を持っていても英国滞在期間は6カ月間に限定され、永住・市民権は得られなかったのだが、それが変わり、永住権を得られるということで、一気に移住者が増えているというわけである。
香港市民を支援する英市民団体の調査によると、5年以内には、最大80万人が英国に移り住む可能性もあるという。
しかし、当然のことかもしれないが、香港から英国に移り住んでも、すぐに仕事がある人ばかりではない。香港から離れ、英国で一から仕事を探すことに苦労する香港市民も少なくない。英国で生活を始めてから約2カ月間、仕事が見つからず、貯金を切り崩して生活したというような人も数多いというのだ。

そんな状態が何年も続いていけば、今度は、英国内で、移住した香港人との間で軋轢も生じてくる可能性もあるだろう。仕事を得られない人が貧困にあえいで、つい犯罪に手を染めてしまうかもしれない。香港に手を差し伸べようと特例的な措置を取った英国にとっても、移住してきた香港人が膨れ上がれば、新たな社会問題になるかもしれない。

今日は、習近平主席が、台湾の独立の動きは断固粉砕する!と毛沢東そっくりの服装で檄を飛ばした。香港に対する強硬策も継続されることだろう。

香港の人たちの未来は、本当に先が見えなくなってきている。
そしてそれは、もしかすると英国にも影を落とし始めているのかもしれない・・・
#香港から英国へ移住
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