僕は、大学時代には、大人数でフォークソングなどを歌う「シングアウト」という形式を中心とする音楽クラブに入って歌を歌いドラムを叩いていた。NHKのステージ101という番組があったのだが、あんなふうにポピュラー音楽を大人数のコーラスで歌うようなクラブであった。ちなみに、先輩たちは、そのステージ101にも出演した実績があった。
我々の学年も、銀座NOWという番組に、学生バンドとして出演したこともあったし、一番の自慢は、武道館で行われたヤマハが主催していた音楽祭・ポプコンの世界大会に、オープニング曲のコーラスシンガーとして予選と本番に出演したことである。オープニング曲の作曲・アレンジは、大学の先輩でもあった佐藤允彦氏で、何回か直接曲の歌唱指導を受けた。ハミングのようなコーラスの組み合わせが、各パートの音が重なりあった時に、ものすごい音の厚みを生み出す額曲で、武道館の本番のステージで歌った時には、その素晴らしさにあらためて感動して、体がふるえたことを覚えている。
そんな大学生時代には、ユーミンが現れ、竹内まりやは一級下で同じ大学に在籍し、新入生時代には、なんと我がフォークソングクラブにも1週間ほど体験入部してきたが、音楽性が違うため、残念ながら学食でのクラブのたまり場が隣のフォークソングクラブに入部してしまった。
はっぴいえんどを解散後に、大瀧詠一は、ナイアガラレーベルを設立して、話題のアルバムを次々と発表した。CMソングも数多く手がけている。
アドマン時代の心残りは、ユーミン、竹内まりや、大瀧詠一のいずれの方とも仕事をする機会がなかったこと、それが今でもとても残念である。
A LONG VACATION という驚異的なヒットアルバムを生み出した大瀧詠一は、65歳の時に、自宅で食事中に急死した。しばらくして、自宅でリンゴを喉に詰まらせて亡くなったというようなニュースをラジオで聞いた時には、耳を疑ったが、実際ちょうどリンゴを食べているときに、動脈瘤が原因で亡くなったようである。
大ベストセラーアルバムとなった「A LONG VACATION」発売から、40年が経った。
そんなこともあって今夜は、大瀧詠一へのオマージュのような番組がNHKで放送されている。このアルバムは、当時買ったはずなのだが、何故か手元に残っていない。誰かに貸したままなのかもしれない。
60代の若さで亡くなったこの天才といい、ユーミン、竹内まりや、山下達郎、サザンオールスターなどのアーチストと、同じ時代を生きて、一緒に年を重ねてこられたことを本当に幸せだと実感している今日この頃である。そしていずれのアーチストも40年前後もトップアーチストとして活動を続けていることに、あらためて驚かされる。これほど数多くの天才と同じ時代を生きられるということは、たぶんあんまりないことだろうと思う。
NHKの特番を見ながら、永遠のロングバケーションに入ってしまった天才・大瀧詠一のすごさを、あらためて実感している。大滝さん、素晴らしい音楽をありがとう。
#大瀧詠一 #A LONG VACATION
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