原画をぜひ見たいと思っていた屏風絵「夜明け」を見ることができただけで、車を飛ばしてきたかいがあった。梅をモチーフにした絵には定評があったが、この絵には、何とも言えぬ静謐な奥行きのある時間が描かれていた。
(作品の写真は、掲載できないので、博物館入り口のポスター画像にてご容赦)
郷倉和子さんは、かの郷倉千靱の娘さんである。富山県が誇るべき射水市出身の親子二代の天才画家だ。女子美時代の作品も展示されていたけれど、父が書いたと揶揄されたというエピソードを、なるほどほどと納得させるほど素晴らしいものであった。
射水博物館は、道の駅に併設されているのだが、ちょっと奥まった位置にあって目立たないレイアウトになっているためか、いつも驚くほど静かである。道の駅に来たついでに見学する方もいるだろうけれど、それでも訪れる人は少ない。雨の土曜日の午後とはいえ、相変わらず静かな空間の中で、ゆっくりと作品を楽しむことができた。
この博物館で絵を見るのは、中学時代の私の美術の先生で、現在は著名な日展作家である高越甚先生の個展を見に来て以来だ。あれからもう数年が経ったなあ、と思いつつ、郷倉さんの絵を眺めていた。
父のショートステイに続いて、ゆっくりと心の洗濯をすることができた。
よし、また明日から頑張ろう!
#郷倉和子
【このカテゴリーの最新記事】