この3日ほど、父の認知症の症状がやや激しくて、幻視幻聴のせいで、夜中に何度も起こされる日が続き、心身共にまいっているのを感じていた。ちょっと怒りっぽくなっているのが自分でもわかったので、父と離れて少し休まないと自分が壊れてしまう、と切実に思った次第だ。
自宅で一人で介護をしていると、ちょっとしたことが重なるだけで神経がくたびれることがある。この数日、夜中の2時頃から30分から1時間おきくらいに父が私を呼び続けた。それも、ささいな用事で。
経験のない方は、なんだそれくらいとお思いになるかもしれないが、介護者はそもそもが、汚物処理など毎日の世話の積み重ねで消耗している。それをなんとかコントロールしながら、日々の家事をこなしている。だから、やっと眠りについた夜中に、30分おきに、名前を呼び続けられ、父のところに行くと、そこにないものを取ってくれとか、食事を食べてないとかを繰り返し言われると、やはり神経がまいってくるのだ。
一昨日は、真夜中の2時半、3時、4時、5時と4回も呼ばれた。どれも同じ幻想による用事を繰り返していた。無視しようとも思ったけれど、応じないと私の名前を10分以上も呼び続けるので、そうもいかない。同じようなことが3日も連続したので、さすがにちょっとこたえた。
そんなわけで、いつものように木曜にデイサービスに送り出しそのままショートステイをしてもらった。11時から翌日の3時過ぎまでの一日半だけの「休日」である。
ランチタイムをゆっくりとすごし、夕食も、昨日作った牛肉のトマトソース煮込みと冷凍ピザという手抜きメニューではあったが、静かで穏やかな時間の中で、食卓の上のベニアカの花を見ながら食事を楽しんだ。食後は、食事中から聞いていた最近のお気に入りである内田光子さんのピアノを、防水ワイヤレススピーカーで流し、そのままバスルームに持ち込んで、久しぶりにバスタブにお湯を張ってピアノを聞きながらゆったりと過ごした。そして、入浴後は、好きなビデオなどを見てしまって、つい夜更かしもしたがそのまま眠りについた。翌日も、一人静かに自分のための朝食を作り、庭を眺めながらゆっくりと食べた。
たったこれだけのことで、心と体がとてもリラックスして、自分が落ち着いたことを強く感じた。
介護には、心の休息が本当に大切なこと、あらためてそれを痛感した2日間だった。
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