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2021年04月07日

ダッチオーブンは炎の申し子

父がかつて、家の中の土間のようなところで使っていたダルマストーブがある。
器具の掃除やメンテナンスをほとんど行わない彼が使っていたものなので、煙突は一部が壊れ、使うたびに煙が室内にも漏れ出していて、介護のために私が帰郷した7年前には、ストーブを設置してあった土間の天井は、真っ黒にすすけていた。
さらに、煙突がきちんと機能していなかったために、正常に排煙されず、ストーブを使うたびに猛烈な煙が出てご近所からたびたび苦情も出ていた。そんなこともあって、帰郷した折に、私が煙突を取り外し、ストーブ本体も蔵の前に転がしてあった。
しかし、ふと思いついて、昨年それを庭に出して火を入れてみたら、父が使っていた時よりもはるかに穏やかに燃焼し煙もそれほど出ない。これはたき火代わりに安全に使えると思い、以来時々火を入れている。

今日も、庭の落ち葉の処理を兼ねて小枝や落ち葉を、このストーブで燃やした。
210407ダッチオーブン.jpg

ちゃんと、水を入れたバケツと消火器を用意して使っている。
ただ火を燃やすだけでは、エネルギーがもったいないので、ストーブの上に小さなダッチオーブンを置いて使っている。今日は、焼きいもとローストチキンを同時に作った。
210407ダッチオーブン芋と鶏.jpg

わずか14cm、たぶん一番小さなサイズのダッチオーブンだが、使うたびにオイルを塗っているのでかなり鉄の表面がなじんで、いい具合になっている。小さいけれどちゃんとダッチオーブンとしての個性は発揮してくれる。
今日作った焼きいもは、私がこれまで食べた中で、もっとも美味しいと思うくらいの焼き上がりだった。トロトロに焼き上がり、皮の外に蜜も少し出ていて、中は柔らかく、口に入れると砂糖も入れていないのにまるでケーキのような甘さであった。それはちょっとした感動だった。

先週は、パンを焼いてみたが、これも素晴らしく美味しいパンが焼きあがった。
210401ダッチオーブンのパン.jpg

ダッチオーブンは、ふたの上にも焼いた炭を置けることで、まさにオーブンのごとき力を発揮する優れた道具だ。私は、ふたの上に炭を置いたりして使ってはいないが、それでも十分に素晴らしい力を発揮してくれている。これまでは、ガスレンジで使ってポトフやシチューを作ったり、燻製を作ったりしていたが、やはり炎の上で使ってこそ力を発揮する道具だなあとあらためて実感した。

ダッチは、オランダ人のことである。開拓時代に、オランダ人が使っていた道具は、百年以上の時を越えて今に生き続けている。

直火の上でこそ本来の個性を発揮する銑鉄の無骨な道具は、火とともに暮らしてきた営みを
実感させてくれる楽しくも優れた道具である。

#ダッチオーブン #たき火

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