さて困った。どっちも見たい。結局寅さんの後半を(スタートから録画していなかったので)録画し、天国と地獄をライブで見た。
まず、TBS「天国と地獄」。森下佳子脚本のうまさは、初回からひきつけられたが、最終回も破綻のない構成力でぐいぐいと展開し、なるほど、こう着地させたか!と感心させられた。そして、このドラマのもうひとつの見ごたえは、綾瀬はるかと高橋一生、二人の演技力であった。とりわけ二人が入れ替わった時の、高橋一生の、中身は女性であることの演技は見ごたえがあった。何気ない所作、目つき、などなど細かなところまで女性を表現する配慮の行き届いた演技には舌を巻いた。素顔は、明るい天然さが持ち味の綾瀬はるかも同様に見事な演技だった。以前も書いたが、面白いドラマは、シナリオ、キャスティング、演出の全てがバランスよくまとまっていることだ。ともあれ、そんなわけで最後まで目が離せず見続けるドラマであった。
そして、もうひとつが、寅さんである。この原稿を書いている段階では、まだ最後の録画部分は見ていないけれど、昔のさくら(倍賞千恵子)と現代のさくら、満男(吉岡秀隆)、博(前田吟)、泉(後藤久美子)、そして永遠のマドンナリリー(浅丘ルリ子)と寅さん・・・などなど、まるで、現実の話のように過去と未来がパラレルに並べられながら展開される映画は、楽しかった。やっぱり日本映画の中でも屈指の作品だということを、この作品があらためて教えてくれた。これは、寅さん映画の見事な記念碑になっている。数十年前の映像と現在の姿を重ねて編集できる映画は、寅さんとスターウォーズしかないのではないか?
ということで、何かと考えさせてくれる映像作品を楽しんでいた私を、父の呼ぶ声が、現実世界に引き戻してくれた。
さて、仕方がない、夜の部のオムツ交換作業に取りかかるととするか!・・・
#天国と地獄 #男はつらいよ
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