そんな優しさのつまった里芋を煮ている。いつもは、単品で煮るのが好きなのだが、こんにゃくが残っていたのを思い出してそれも入れた。ゴボウの残りも少しあったのでそれも入れた。いつもの味にごぼうの風味が加わって一味違う味わいだ。まあイモ煮だと思えば良い。ジャガイモの煮っころがしも好きだが、里芋には独特の滋味がある。土のエネルギーを感じさせる。たしかに力のある野菜だという気がする。
実際体に良い野菜で、ちょっと検索してみると、血圧やコレステロールを下げる効果や肝機能を強化するとか、食物繊維が豊富でダイエットにも良いなどなど、その効能の多さに驚く。もともと里芋煮は好物だったが、血圧を下げるなど体に良いということをテレビで見て、60代になって血圧が高くなったこともあり、できるだけ食べるように心がけている。とはいえ、富山県の場合、スーパーで売っている一袋の量がけっこう多くて、老人二人ではなかなか食べきれない。少量で売っているものを見つけた時に買うようにしている。
衣被(きぬかつぎ)という言葉がある。平安時代の女性が外出するときにかぶった布のことだが、里芋の小芋を、皮に切れ目を入れてそのまま蒸すと、皮がつるりとむける様子が似ているということから、小芋のことをそう呼ぶのである。日本人ならではの、なんとも風情のある言い方である。
私は、衣ではなく、体に良いという縁起をかついで?里芋煮を肴に、今宵も一献かたむけるとしよう。
#里芋 #衣被
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