ふとカレンダーを眺めれば、今日を含めてあと5日で、災害とコロナに翻弄された激動の令和2年/2020年も終りである。
今年は、台所の火の回りなどは、今月半ばに掃除をすませておいた。(ひまな老人ならではである。)
明日からの数日は、富山のおせちである「おすわえ」(お酢和え)や「酢ごんぼ」(=酢ごぼう)などを仕込んだり、神棚を掃除するなど恒例の作業をいくつかこなしていくだけだ。
お酢和えは、いわゆるなますであるが、油揚げと人参を醤油と砂糖とみりんなどでさっと煮て大根と和えて酢で味を調えるのだが、味付けや柚子を入れる入れないなど各家庭によって微妙に違いがあり、私が子供の頃には、年始のお客が、「うちのは味が濃い」、とか「うちのほうが甘いな」とかあれこれ言いながらそれを肴に酒を飲んでいた。
そういえば、40年ほど前、父が現役の頃には、お正月といえば、年賀のお客が次々とお越しになり、父が不在の時には、私が来客へのご挨拶なども対応していた。それも今となっては懐かしい思い出である。リタイヤ老人二人の住まいには、訪れる人もすっかり少なくなった。
お正月には、ブリ1本を父がさばいて、叔父の家族がやってきてみんなでブリを肴に食卓を囲んだり、母方の家を訪ねて、帰省しているいとこや叔父たちと一緒に酒を酌み交わすこともあったけれど、叔父たちも鬼籍に入り、親戚の行き来もほとんどなくなってしまった。さらにコロナVのおかげで、今年はいっそう静かな年の瀬になっている。
TVからは、年末恒例の京都南座・顔見世興行で、仁左衛門出演の「熊谷陣屋」を放送している。年末の風物詩は、今やテレビ画面を通して味わうものになっているのかもしれない。
#年の瀬 #正月飾り #鏡餅
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