私が中学校から高校生にかけてのテレビは、歌番組が全盛だった。そして、曲を紹介するテロップの中で、ひんぱんに目にしたのが、この御三方の名前であった。
なかにし礼さんが書いた、ミニスカートの黛ジュンが歌う「天使の誘惑」のお色気に、胸がドキッとしたのは、私が思春期をむかえていた68年のことだ。中村泰士さんが作曲し、ちあきなおみが歌った名曲「喝采」は、72年。筒美京平さんの曲は、書ききれない。
先ほどから、3人の手による曲リストを眺めていると、いずれも、私が子供から大人にかけて育ってきた時代の時々を彩ってきたものばかりであることを痛感する。それまでのやや古典的な音楽から、洋楽の影響を受けたり、新しい時代の昭和歌謡の息吹が、時代を象徴する歌詞になったり、メロディーや斬新なアレンジとして開花したりして生まれてきた、時代を彩る名曲なのである。
そして、6月には、服部克久さんが亡くなられていた。コロナのせいで、服部さんのご葬儀も、親族だけで行われてニュースとしては、比較的静かに報道されることになった。
服部さんが作られた曲も、リストを見ると、ああこの曲もそうだったんだと驚くほどの幅の広さだった。
60代半ばを過ぎた私にとっては、いずれも自分が生きてきた昭和という時代の空気感を生み出してこられた皆様ということをあらためて強く感じる。
昭和という時代が、本当に遠くなってきたということを実感する令和2年の年の暮れになった。
#中村泰士 #なかにし礼 #筒美京平 #服部克久
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