英語は中学1年レベルの問題が続いた。
1問目は解けたが、「 can 」や「 will 」などの助動詞が付いた英文は、意味がさっぱり分からない。
初歩から学び直すしかなかった。
飛び込んだのは人の価値が偏差値で決められる世界。
そして花岡は最下層にいると思い知った。
侮辱だった。
だが仲間に大見えを切った手前、引き返すわけにはいかない。
朝9時から夜9時まで毎日予備校に通い、自習も励み続けた。
気が付けば、インクが空っぽになっていた。
勉強に取り組んだと言う小さな証しが、花岡に勇気を与えた。
周りと比較せず、自分の目標である松山大合格を信じて、只管勉強に打ち込んだ。
花岡は受験した4学部全ての合格通知を受け取った。
然し、その先自分が如何なりたいか未来像を描いていなかった。
見栄を張り、当時一番偏差値が高かった法学部に進んだ。
大学では人並みに学業に取り組んだ。
これが憧れた大学生活なのか----------。
花岡も自己分析した。
「元々人から指図されて動けるほど器用じゃない。だったら、資格を取って独立する手がある」
法学部で学んだ事を生かすのであれば、その先にある司法試験合格と言う目標が朧気に浮かぶ。
只受かるか如何かは見当が付かない。
そこで花岡は考えた。
「今の状態でも受けられ行政書士に受かったら、司法試験を目指す」
花岡は3カ月間、勉強に熱中した。
行政書士は一発で合格。
久し振りに感じた達成感と共に司法試験への道筋が見えた。
達成へ向けて法科大学院に進む為、大学卒業後から松山市内の予備校に通う事にした。
愛媛新聞 不良少年から弁護士へから
冷静に自己分析できる事が素晴らしい。
日立製作所のシステムエンジニアを辞めて、貯めていたお金で医学部受験の為の予備校に通い始めた男は、一所懸命勉強した様だ。
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