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2019年10月09日

大腸CTアカデミア 脱出嵌頓した回腸ストーマに対してグラニュー糖が有用!

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PubMedから、今日のつぶやき − 582 −


Mohammed O, et al. Granulated sugar to reduce an incarcerated prolapsed defunctioning ileostomy. BMJ Case Rep. 2013 Feb 28;2013. pii: bcr2012007565. doi: 10.1136/bcr-2012-007565.




論文「脱出嵌頓した回腸ストーマに対する
グラニュー糖の有用性」のご紹介です。

【考察】
ストーマの脱出嵌頓の頻度は高くない。

脱出嵌頓した回腸ストーマに対して
グラニュー糖で保存加療の報告は4例しかない。

グラニュー糖による加療で緊急手術を
回避できる可能性が示唆されている。

先行報告例では、すべて最初に用手還納を行い
不成功のためグラニュー糖が使用された。

グラニュー糖はその吸湿効果により
浮腫の強い粘膜から水分を移行させる作用がある。

これは浸透圧効果によるもので
脱出腸管の水分の移動により
腸管のむくみが低下する。

ストーマの脱出嵌頓の頻度は高くないため、
治療法に関するコンセンサスはない。

治療は、診察にあたった医師やその経験によって異なる。

文献的には報告されているその他の保存加療方法は
ヒアルロニダーゼ (ヒアルロン酸を分解する酵素:
高張液を管外遊出作用あり)の注入や
弾性圧縮包帯を使用して脱出腸管の浮腫
を軽減することが上げられている。

しかし、いずれの方法もその有効性の
エビデンスは経験的なものでしかない。


(感想)
すでに文献報告がいくつかあるんですね。

しかも超一流紙である
ニューイングランドジャーナルメディソン
にもケースレポートが報告されています。

先行報告の文献は以下となります。

Shapiro R, et al. Reduction of an incarcerated, prolapsed ileostomy with the assistance of sugar as a desiccant. Tech Coloptroctol 2010;14:269?71.

Myers JO, et alA. Sugar in the reduction of incarcerated prolapsed bowel. Dis Colon Rectum 1991;34:416?18.

Brandt ARML, Schouten O. Sugar to reduce a prolapsed ileostomy. N Engl J Med 2011;364:1855.

Flingelstone LJ, et al. Osmotic therapy for acute irreducible stoma prolapse. Br J Surg 1997;84:390.

Sarpel U, et al. Reduction of a large incarcerated rectal prolapsed by use of an elastic compression wrap. Dis Colon Rectum 2005;48:1320?2.


勉強になりました。
まだまだ不勉強ですね。

次回から、新しい論文をご紹介しますね。


それでは、また。

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3604428/

ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。








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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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