2017年11月10日
【ブルーレイ映画ソフトレビュー】007 スペクター / Spectre (動画付)
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SPECTRE 2015 Danjaq, LLC, Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
オフィシャルサイト
(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント)
■リリース:
発売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
時間:148 min
レーティング:G(日本) / PG-13(米国)
制作年:2015年
発売日:2016年4月6日
■映像:
コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
解像度: 1080p
アスペクト: 2.39:1(シネマスコープ)
■オーディオ:
英語:DTS-HD Master Audio 7.1ch 48kHz, 24bit
日本語:DTS 5.1ch 48khz
■字幕:
日本語、英語
■ディスク:
Blu-ray Disc
片面2層 (2 BD-50GB)
■リージョン:
Region Free
■最大ビットレート(おおよそ)(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)(MPEG-4 MVC上限:66Mbps):
36Mbps
■平均ビットレート(おおよそ):
24Mbps
■撮影カメラ:
Arri Alexa 65
Arri Alexa XT M
Arriflex 235
Arriflex 435 ES
Beaumont VistaVision Camera
Panavision Panaflex Millennium XL2
Red Epic Dragon
■映画映像マスタ:
素材:Super 35(フィルム)
素材:VistaVision(フィルム)
素材:Panavision(フィルム)
素材:Master Scope(フィルム)
素材:ARRIRAW (3.4K) (6.5K)
素材:Redcode RAW (6K) (空撮)
上映マスタ:Digital Intermediate (4K)
■映画映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
Kodak(マスタプリント)
Company 3(DI)
■映画音響:
Dolby Digital、12-Track Digital Sound (IMAX 12 track)、Datasat、Dolby Surround 7.1、IMAX 6-Track、Sonics-DDP、Dolby Atmos
■映画音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
Codex (レコーディング)
De Lane Lea (リ・レコーディング)
Pinewood Studios (サウンド・ステージ)
Skywalker Sound(ポスト・プロダクション)
SONY(ポスト・プロダクション協力)
■制作背景
・制作予算:約245億円 /100円換算
・世界興行収入:880億円 /100円換算
・撮影:メキシコ、モロッコ、オーストリア、イタリア、イギリス、バチカン
■賞:
2016年アカデミー賞1部門受賞(歌曲賞:サム・スミス)。
他にも32個の賞にノミネート、8つの賞を受賞しています。
■監督:サム・メンデス / Sam Mendes(スカイフォール、ジャー・ヘッドなど)
■出演者:
ダニエル・クレイグ / Daniel Craig
レア・セドゥ / Lea Seydoux
モニカ・ベルッチ / Monica Bellucci
【画質】
コダックのSuper 35やVistaVisionなどのフィルム撮影と、6K 65mmシネマカメラ「ARRI ALEXA 65」などのデジタル撮影の混在した撮影環境。
上映用DI(Digital Intermediate)は 高画質鉄板のCompany 3社にて4K化。
この映画のDigital Intermediate (4K)を、BDソフトではダウン・コンバートしてマスタ化しています。
フィルムとデジタルの混在撮影素材をミックスして編集しているわけですから、どうしても撮影シーン毎の差が出てしまうと思います。
最初にソフトを観た時に、いつも通り、移動した国ごとのシーンで画質や色温度などがはっきり違うな、と感じていました。
レビューのために調べて納得しましたが、今回は画質の差がシーンごとにずいぶん大きかったのは、撮影機材やフォーマットの違いも大いに影響していることが判ります。
デジタル撮影部分は、フィルム撮影とトーンを揃えるため、恐らくですがフィルムの粒状性をわざとデジタル的に載せているのだと思います。(たぶん)
上映マスタは、4Kですので、編集、加工工程で変なことになっていなければ高画質のはずです。
(フィルムとの混在マスタの出来は、Blu-rayソフトからは判断できませんでした・・・。映画館で視聴していればわかったと思いますが・・・。)
いずれにしても、BDソフトのマスタは、不思議な画です。
精細感はたっぷりあるのですが、霞目で観ているようなフォーカスがあっていないようなピンボケ感が漂います。
転送レートは2016年の最新作にも関わらず、結構低め。
その影響は画質や音質に若干表れている感じがします。
マスタが高品位(DIの出来)ですと、ソフトも大体高画質ですが、本作はその例外になっています。
コントラストが甘く、暗部が浮き気味です。
フィルムと6Kをはじめとした最新デジタル撮影の混在の影響か、精細なタッチなのですがピンボケ風です。
元々の解像度は猛烈に高いので、何か2Kにダウンコンバートする時にうまくいっていないのだと思います。
精細感はあるので気にならない人も結構いる気がします。
普通にフィルムの映像で、フィルムグレインもありますが、透明感がありシネマライクで悪くありません。
デジタルノイズ関係は、動きの激しい場面でもピクセルレベルのブロックノイズもわからないレベルです。
デジタル特有の輪郭補正や擬似色、暗部ノイズは感じられません。
空気感や透明感は、しっかりしていて特に気になる点はありません。
輪郭表現の線は精細です。
一方、カラーコレクションで色調調整した色が、スモークのようにまとわりつくシーンが多く、鮮度を落とす要因になっています。
フォーカスが甘いせいもあり、また暗部が浮き気味のため、浅い階調です。
デジタル特有の粗さや、シャギーがあるわけではないのですが、立体感に乏しい感じです。
カラーコレクションで色調調整した色が、ロケ地の色温度とは違うスモーク色になっています。
メイキングを観れば、カラーコレクションが強いことが判ります。
この色が、ザラザラ、モヤモヤとしていますので、色の付いた霧でも発生しているような感じになってしまっています。
また、色味が薄く、さらにスモーク感が出てしまっています。
【音質】
上映マスタは主にDolbyで制作されているため、Blu-Ray用にDTSで新たにマスタリングされたものだと思われます。
恐らく元の上映用マスタからそうだったと思いますが、Dolbyの特徴で弱点でもある瞬発力の弱さや音像の細さが出てしまっていると思います。
管理人は、007シリーズの音を判断する場合、冒頭のタイトル・ロールで銃口へワルサーPPKで発砲する音に注目しています。
(数作、この発砲シーンがありませんが・・・)
実際のワルサーPPKは小型拳銃で口径も主に9mm弾を使用するため大した音はしないのですが、(それでも耳栓がないとビックリしますが)、この音に凝っていると、劇中の音も良い傾向にあります。
口径はベレッタM92と同じ9mm弾なので、「バン」または「バーン」という音ですが、このオープニング・ロールではかなり誇張した音まで作品により違っています。
管理人は音マニアなので、生バンドの演奏は大中小色々な規模の会場の音を体験するのはもちろん、演奏もするのでスタジオの爆音もたいていは経験しています。
映画の世界では、銃器などは海外で実際に撃ったりして主要な銃の音は体験しています。
屋内射撃場ですと反響音や射撃音が大きくなるため、屋外射撃場でも体験しています。
(年数が経つと忘れてきますが・・・)
話がそれましたが、本作のタイトル・ロールの銃声ですが、あっさりです。
空砲の実録音を使った?という感じです。
本作はDTS-HD Master Audioですが、映画用マスタがDolbyなので、ちょっと細身な音で音圧も低めです。
ただし、7.1chマルチチャンネルだけあって、包囲感やマルチチャンネルの良さを感じると思います。
5.1chと違い、マルチチャンネルに配置された音が独立して分離感よく鳴ります。
ただし、ここが一番のポイントなのですが、ミックスがひどすぎます。
音楽のボリュームが、大きすぎます。
爆発音の2倍くらいはあります。
台詞の3倍以上はあります。
つまり、音楽にボリュームを合わせると、芝居部分やSE音、効果音が半分以下にしか聞こえないわけです。
これでは、迫力の現代的な音が、ミニマイズされてしまいます。
音楽を除いた部分に注目して聞いてみると、かなり現代的で良い音がしています。
ダイナミックレンジはそこそこですが音圧が低いため、ボリュームを上げていると、冒頭の爆弾の爆破シーンやヘリシーンが大音量で鳴ります。
一方、このシーンにあわせてボリュームを下げていると、それ以降のシーンでは音量が不足し、あっさりしてしまいます。
難しいソフトです。
瞬発力はあまりありませんが、低域は良く伸びて量感もあります。
芯やキレはありませんが、低域が強みです。
台詞:
丁寧な台詞の音です。
芝居が話のキーポイントでもあるためか、そこそこですが平板です。
管理人のセンタースピーカーは、JBLの30cmウーファーのある3wayですが、あまり出番がなくちょっと台詞が寂しい気もします。
もう少しねちねちしたイギリス英語が耳につくくらいは解像感が欲しいところです。
SE音:
あまり作られていません。
情報量もそのため、あまりありません。
要所での特定音に力を入れているようです。
銃声は悪くはありませんが、印象に残っているシーンはないです。
音楽:
シリーズに共通していますが音楽が芝居よりもかなり大きい音量で鳴り響きます。
音楽が鳴っていると、SE音がマスクされます。
これはシリーズの伝統なのでそういうものですが。
こだわりが感じられない音響デザインです。
マルチチャンネルらしさはあまりなく、要所でやたらと大きな音になります。
冒頭の爆破、ビル倒壊、ヘリでの格闘、中盤ローマでのカーチェイスは大音量です。
それ以外は、パッとしません。
ギネス認定の北アフリカの施設爆破シーンでの音響も、かなりあっさりしていました。
撮影には凝ったのかもしれませんが、音はTVのスピ―カーから聞こえるような音でした。
サラウンドの情報量はかなりあっさりです。
サラウンドへの音響配置はほとんど重要視していないようで、冒頭のメキシコシティでの雑踏でもほとんど群衆の声や音はサラウンドから聞こえてきません。
ボリュームの問題かもしれませんが、要所だけサラウンドに音が配置されている作りです。
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
レビュー基準についてはこちら
【Blu-ray】
【Blu-rayその他】
【DVD】
【オンライン】
TM & 2008 DANJAQ, LLC, UNITED ARTISTS CORPORATION AND COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED. Courtesy of Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.
TM & 2013 Twentieth Century Fox Film Corporation and TSG Entertainment Pictures LLC. All Rights Reserved.
2007 Twentieth Century Fox Film Corporation and Dune Entertainment LLC. All rights reserved.
2009 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All rights reserved.
2005 Rogue Pictures All Rights Reserved.
2014 Poquito Productions,L.L.C, ALL RIGHTS RESERVED.
2016 Sony Corporation, Sony Marketing Inc. All rights reserved.
2015 Sony Corporation, Sony Marketing Inc. All rights reserved.
OPPO Digital Japan株式会社 All Rights Reserved.
2018 Panasonic UK & Ireland
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SPECTRE 2015 Danjaq, LLC, Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
オフィシャルサイト
(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント)
公式予告編
007 スペクター リリース予告
(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント)
(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント)
ソフト情報
■リリース:
発売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
時間:148 min
レーティング:G(日本) / PG-13(米国)
制作年:2015年
発売日:2016年4月6日
■映像:
コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
解像度: 1080p
アスペクト: 2.39:1(シネマスコープ)
■オーディオ:
英語:DTS-HD Master Audio 7.1ch 48kHz, 24bit
日本語:DTS 5.1ch 48khz
■字幕:
日本語、英語
■ディスク:
Blu-ray Disc
片面2層 (2 BD-50GB)
■リージョン:
Region Free
■最大ビットレート(おおよそ)(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)(MPEG-4 MVC上限:66Mbps):
36Mbps
■平均ビットレート(おおよそ):
24Mbps
■撮影カメラ:
Arri Alexa 65
Arri Alexa XT M
Arriflex 235
Arriflex 435 ES
Beaumont VistaVision Camera
Panavision Panaflex Millennium XL2
Red Epic Dragon
■映画映像マスタ:
素材:Super 35(フィルム)
素材:VistaVision(フィルム)
素材:Panavision(フィルム)
素材:Master Scope(フィルム)
素材:ARRIRAW (3.4K) (6.5K)
素材:Redcode RAW (6K) (空撮)
上映マスタ:Digital Intermediate (4K)
■映画映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
Kodak(マスタプリント)
Company 3(DI)
■映画音響:
Dolby Digital、12-Track Digital Sound (IMAX 12 track)、Datasat、Dolby Surround 7.1、IMAX 6-Track、Sonics-DDP、Dolby Atmos
■映画音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
Codex (レコーディング)
De Lane Lea (リ・レコーディング)
Pinewood Studios (サウンド・ステージ)
Skywalker Sound(ポスト・プロダクション)
SONY(ポスト・プロダクション協力)
■制作背景
・制作予算:約245億円 /100円換算
・世界興行収入:880億円 /100円換算
・撮影:メキシコ、モロッコ、オーストリア、イタリア、イギリス、バチカン
■賞:
2016年アカデミー賞1部門受賞(歌曲賞:サム・スミス)。
他にも32個の賞にノミネート、8つの賞を受賞しています。
公式予告編
007 スペクター映画特報(SonyPicturesJapan)
キャスト情報
■監督:サム・メンデス / Sam Mendes(スカイフォール、ジャー・ヘッドなど)
■出演者:
ダニエル・クレイグ / Daniel Craig
レア・セドゥ / Lea Seydoux
モニカ・ベルッチ / Monica Bellucci
公式インタビュー動画
007 スペクターキャストインタビュー(SonyPicturesJapan)
映像クオリティ・レビュー総評
【画質】
大きな欠点がないもののコントラストと解像感が甘い
■BD映像マスタ
コダックのSuper 35やVistaVisionなどのフィルム撮影と、6K 65mmシネマカメラ「ARRI ALEXA 65」などのデジタル撮影の混在した撮影環境。
上映用DI(Digital Intermediate)は 高画質鉄板のCompany 3社にて4K化。
この映画のDigital Intermediate (4K)を、BDソフトではダウン・コンバートしてマスタ化しています。
フィルムとデジタルの混在撮影素材をミックスして編集しているわけですから、どうしても撮影シーン毎の差が出てしまうと思います。
最初にソフトを観た時に、いつも通り、移動した国ごとのシーンで画質や色温度などがはっきり違うな、と感じていました。
レビューのために調べて納得しましたが、今回は画質の差がシーンごとにずいぶん大きかったのは、撮影機材やフォーマットの違いも大いに影響していることが判ります。
デジタル撮影部分は、フィルム撮影とトーンを揃えるため、恐らくですがフィルムの粒状性をわざとデジタル的に載せているのだと思います。(たぶん)
上映マスタは、4Kですので、編集、加工工程で変なことになっていなければ高画質のはずです。
(フィルムとの混在マスタの出来は、Blu-rayソフトからは判断できませんでした・・・。映画館で視聴していればわかったと思いますが・・・。)
いずれにしても、BDソフトのマスタは、不思議な画です。
精細感はたっぷりあるのですが、霞目で観ているようなフォーカスがあっていないようなピンボケ感が漂います。
■映像総評
転送レートは2016年の最新作にも関わらず、結構低め。
その影響は画質や音質に若干表れている感じがします。
マスタが高品位(DIの出来)ですと、ソフトも大体高画質ですが、本作はその例外になっています。
コントラストが甘く、暗部が浮き気味です。
解像感
フィルムと6Kをはじめとした最新デジタル撮影の混在の影響か、精細なタッチなのですがピンボケ風です。
元々の解像度は猛烈に高いので、何か2Kにダウンコンバートする時にうまくいっていないのだと思います。
精細感はあるので気にならない人も結構いる気がします。
ノイズ感
普通にフィルムの映像で、フィルムグレインもありますが、透明感がありシネマライクで悪くありません。
デジタルノイズ関係は、動きの激しい場面でもピクセルレベルのブロックノイズもわからないレベルです。
デジタル特有の輪郭補正や擬似色、暗部ノイズは感じられません。
鮮度感
空気感や透明感は、しっかりしていて特に気になる点はありません。
輪郭表現の線は精細です。
一方、カラーコレクションで色調調整した色が、スモークのようにまとわりつくシーンが多く、鮮度を落とす要因になっています。
階調性
フォーカスが甘いせいもあり、また暗部が浮き気味のため、浅い階調です。
デジタル特有の粗さや、シャギーがあるわけではないのですが、立体感に乏しい感じです。
カラー
カラーコレクションで色調調整した色が、ロケ地の色温度とは違うスモーク色になっています。
メイキングを観れば、カラーコレクションが強いことが判ります。
この色が、ザラザラ、モヤモヤとしていますので、色の付いた霧でも発生しているような感じになってしまっています。
また、色味が薄く、さらにスモーク感が出てしまっています。
公式インタビュー動画
007 スペクターキャストインタビュー(SonyPicturesJapan)
※注 ↓ 画像がちゃんと出ていませんが、再生すると問題ありません(2017年11月現在)
※注 ↓ 画像がちゃんと出ていませんが、再生すると問題ありません(2017年11月現在)
音声クオリティ・レビュー総評
【音質】
情報量が少ないが要所の低音と音量がポイント
■音響マスタ
上映マスタは主にDolbyで制作されているため、Blu-Ray用にDTSで新たにマスタリングされたものだと思われます。
恐らく元の上映用マスタからそうだったと思いますが、Dolbyの特徴で弱点でもある瞬発力の弱さや音像の細さが出てしまっていると思います。
管理人は、007シリーズの音を判断する場合、冒頭のタイトル・ロールで銃口へワルサーPPKで発砲する音に注目しています。
(数作、この発砲シーンがありませんが・・・)
実際のワルサーPPKは小型拳銃で口径も主に9mm弾を使用するため大した音はしないのですが、(それでも耳栓がないとビックリしますが)、この音に凝っていると、劇中の音も良い傾向にあります。
口径はベレッタM92と同じ9mm弾なので、「バン」または「バーン」という音ですが、このオープニング・ロールではかなり誇張した音まで作品により違っています。
管理人は音マニアなので、生バンドの演奏は大中小色々な規模の会場の音を体験するのはもちろん、演奏もするのでスタジオの爆音もたいていは経験しています。
映画の世界では、銃器などは海外で実際に撃ったりして主要な銃の音は体験しています。
屋内射撃場ですと反響音や射撃音が大きくなるため、屋外射撃場でも体験しています。
(年数が経つと忘れてきますが・・・)
話がそれましたが、本作のタイトル・ロールの銃声ですが、あっさりです。
空砲の実録音を使った?という感じです。
■音響総評
本作はDTS-HD Master Audioですが、映画用マスタがDolbyなので、ちょっと細身な音で音圧も低めです。
ただし、7.1chマルチチャンネルだけあって、包囲感やマルチチャンネルの良さを感じると思います。
5.1chと違い、マルチチャンネルに配置された音が独立して分離感よく鳴ります。
ただし、ここが一番のポイントなのですが、ミックスがひどすぎます。
音楽のボリュームが、大きすぎます。
爆発音の2倍くらいはあります。
台詞の3倍以上はあります。
つまり、音楽にボリュームを合わせると、芝居部分やSE音、効果音が半分以下にしか聞こえないわけです。
これでは、迫力の現代的な音が、ミニマイズされてしまいます。
音楽を除いた部分に注目して聞いてみると、かなり現代的で良い音がしています。
ダイナミックレンジ(音域バランス)
ダイナミックレンジはそこそこですが音圧が低いため、ボリュームを上げていると、冒頭の爆弾の爆破シーンやヘリシーンが大音量で鳴ります。
一方、このシーンにあわせてボリュームを下げていると、それ以降のシーンでは音量が不足し、あっさりしてしまいます。
難しいソフトです。
瞬発力・量感(キレと強さ)
瞬発力はあまりありませんが、低域は良く伸びて量感もあります。
芯やキレはありませんが、低域が強みです。
情報量(台詞、SE音、音楽)
台詞:
丁寧な台詞の音です。
芝居が話のキーポイントでもあるためか、そこそこですが平板です。
管理人のセンタースピーカーは、JBLの30cmウーファーのある3wayですが、あまり出番がなくちょっと台詞が寂しい気もします。
もう少しねちねちしたイギリス英語が耳につくくらいは解像感が欲しいところです。
SE音:
あまり作られていません。
情報量もそのため、あまりありません。
要所での特定音に力を入れているようです。
銃声は悪くはありませんが、印象に残っているシーンはないです。
音楽:
シリーズに共通していますが音楽が芝居よりもかなり大きい音量で鳴り響きます。
音楽が鳴っていると、SE音がマスクされます。
これはシリーズの伝統なのでそういうものですが。
サウンドデザイン(音像感と音場感含む)
こだわりが感じられない音響デザインです。
マルチチャンネルらしさはあまりなく、要所でやたらと大きな音になります。
冒頭の爆破、ビル倒壊、ヘリでの格闘、中盤ローマでのカーチェイスは大音量です。
それ以外は、パッとしません。
ギネス認定の北アフリカの施設爆破シーンでの音響も、かなりあっさりしていました。
撮影には凝ったのかもしれませんが、音はTVのスピ―カーから聞こえるような音でした。
サラウンド(移動感含む)
サラウンドの情報量はかなりあっさりです。
サラウンドへの音響配置はほとんど重要視していないようで、冒頭のメキシコシティでの雑踏でもほとんど群衆の声や音はサラウンドから聞こえてきません。
ボリュームの問題かもしれませんが、要所だけサラウンドに音が配置されている作りです。
公式インタビュー動画
007 スペクターキャストインタビュー(SonyPicturesJapan)
クオリティ・レビュー詳細
★総合クオリティ :88点
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
★映像クオリティ :91点
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
解像感 :94点
ノイズ感 :90点
鮮度感 :92点
階調性 :92点
カラー :85点
★音声クオリティ :85点
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
ダイナミックレンジ :96点
(音域バランス)
瞬発力・量感 :90点
(キレと強さ)
情報量 :90点
(台詞、SE音、音楽)
サウンドデザイン :65点
(オリジナルとメディア化)
サラウンド :85点
(移動感含む)
レビュー基準についてはこちら
公式インタビュー動画
007 スペクターキャストインタビュー(SonyPicturesJapan)
商品ソフト紹介
【Blu-ray】
007 スペクター [Blu-ray] | ||||
|
【Blu-rayその他】
eBEST(イーベスト)で調べる ECカレントで調べる ヤマダ電機で調べる ヤマダモールで調べる |
【DVD】
007 スペクター [DVD] | ||||
|
【オンライン】
007 スペクター (字幕版) | ||||
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2015 Sony Corporation, Sony Marketing Inc. All rights reserved.
【ブルーレイプレーヤー・レビュー】 オッポ / OPPO BDP-105D JAPAN LIMITED |
【ご紹介】 4K Ultra HDプレーヤー Panasonic DP-UB9000 発表 |
【ハイレゾ音源を探すなら】
【ハイレゾ音源をレコード会社直営で探すなら】
【eBay:日本発送可能な安い輸入盤を探すなら】
【セカイモン:eBayの日本語仲介サイト】
【JBL公式通販サイト】
【ハイレゾ ネットワーク】
【USB-DAC】
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