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2018年02月08日

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】007 慰めの報酬 / Quantum of Solace (動画付)

記事一覧TOP映画ブルーレイリスト →【ブルーレイ映画ソフトレビュー】007 慰めの報酬 / Quantum of Solace (動画付)




TM & コピーライトマーク 2008 DANJAQ, LLC, UNITED ARTISTS CORPORATION AND COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED. Courtesy of Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.





予告編



007/慰めの報酬 (字幕版)
(※オンライン動画のプレビューです)

(mgm_vod)



ソフト情報



■リリース:
 発売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
 時間:107 min
 レーティング:G(日本) / PG-13(米国)
 制作年:2008年
 発売日:2009年6月19日

■映像:
 コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
 解像度: 1080p
 アスペクト: 2.35:1(シネマスコープ)

■オーディオ:
 英語:DTS-HD Master Audio 5.1ch 48kHz, 24bit(ロスレス)
 日本語:DTS 5.1ch 48khz(ロッシー)

■字幕:
 日本語、英語

■ディスク:
 Blu-ray Disc 1枚
 片面2層 (BD-50GB)

■リージョン:
 Region A

■平均ビットレート(おおよそ)
(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)
(MPEG-4 MVC上限:66Mbps):
 36Mbps

■撮影カメラ:
 Arricam LT
 Arricam ST
 Arriflex 235
 Arriflex 435 Advanced
 Arriflex D-21
 Bell & Howell Eyemo
 Dalsa Origin
 Sony CineAlta HDW-F900R

■映画映像マスタ:
 素材:Super 35(フィルム)
 素材:HDCAM SR (4: 2: 2)
 素材:Digital (4K)
 編集マスタ:Digital Intermediate (2K)
 映画マスタ:35 mm
 ※本シリーズは潤沢な機材によって撮影されていますが、本作はフィルムとデジタルがミックスの撮影のようです。
 
■映画映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
 DeLuxe(マスタプリント)
 Ascent 142 Features(DI)
 Company 3(DI)
 ※2か所でDIを制作しているので、シーンによって違うということだと思います。

■映画音響:
 Dolby Digital、DTS、SDDS

■映画音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
 Codex (デジタル・レコーディング)
 De Lane Lea (ADR録音、ミックス、リレコーディング)
 Shepperton Studios(効果音録音、リレコーディング)
 Universal Studios Sound Facilities(効果音録音、リレコーディング)
 Real World Post(ミックス、ポスト・プロダクション)
 Soundelux(ポスト・プロダクション)
 Dolby Laboratories (ポスト・プロダクション)

 ※リレコーディング:台詞、効果音、音楽をミックスするダビング作業

■制作背景
・制作予算:約200億円 /100円換算
・世界興行収入:586億円 /100円換算
・撮影:イタリア、チリ、オーストリア、イギリス、パナマ、スペイン、メキシコ、

■賞:
32の賞にノミネート、4つの賞を受賞しています。



予告編



Quantum Of Solace Official Trailer(英語)

(QuantumOfSolace)




キャスト情報



■監督:マーク・フォースター / Marc Forster

■出演者:

ダニエル・クレイグ / Daniel Craig External_Link_15px.png

オルガ・キュリレンコ / Olga Kurylenko

マチュー・アマルリック / Mathieu Amalric




映像クオリティ・レビュー総評



【画質】

濃密なフィルムルックで鮮やかな色が魅力





■BD映像マスタ


フィルム撮影(一部デジタル4K撮影)でお約束のDeluxe社による濃密なフィルム映像。
編集用DI(Digital Intermediate)は 高画質鉄板のCompany 3社にて2K化。
その2KのDIを35mmフィルムにしたものが、映画のマスターです。

BDソフトでは、素材としてHDCAM SRテープが使われていることから、35mmのインターポジからテレシネをしたHDCAMのテープがマスターだと思います。
制作時期から考えると、テープレスのマスターはまだ主流でないはずですから。
逆にブルーレイ初期の作品ですので、HDテープだと思われます。


解像感


2018年現在ですと、6K撮影など最新デジタル撮影では超精細なタッチの映像もあるので、ちょっと時代を感じます。
ブルーレイが登場して間もない頃の作品で、当時としてはベストな映像だったと思います。
現在の目線では、精細感はあまり感じませんが、コントラストが強靭で、動きがあまりないシーンなどでは結構解像感が出ます。
精細感や解像感よりもクッキリ度合で迫ってくる印象です。

ノイズ感


かなり強めのフィルムの映像で、高感度寄りのフィルムを使用しているようで、粒状性が結構粗く大粒です。
このあたりは好き嫌いが、はっきりすると思います。
黒い粒子感は少なく、粒状性のほうが目立つので、汚い画には見えないと思います。

デジタルノイズ関係でみると、輪郭補正や擬似色、暗部ノイズは感じられません。
中間階調にもこういったノイズがないので、一般的にきれいに見えると思います。


鮮度感


輪郭表現の線は太めで劇画調です。
そのため、空気感や透明感は、実在感の方向ではなく、映像であるということがわかる方向性です。

階調性


被写界深度は深いため、画面の端までクッキリとしています。
陰影が強い照明や撮影方法なので、自然な階調というより、油絵風です。
ただ、マスターテープの問題か、ビデオのようにハイライトは飛んでいて、暗部もクッキリと落ちます。
中間階調があまりないような印象です。


カラー


階調性がちょっと今一つですが、そこを色でカバーしている印象です。
クッキリ、ベッタリの色でコントラストや階調をカバーしています。
とにかく、鮮やかな色が印象的で、好印象の方も多いと思います。
暗いシーンでも色が薄まることがないので、余計そう感じます。

また、色滲みがなく、濃密な色は、見た目の良さを強調します。
特に、ハイライトの白と暗部の黒がキレイに艶まであるので、すっきりした映像に見えると思います。
例えば波しぶきは、階調性はほとんどなくハイライトが飛んでいるのですが、鮮やかに真っ白に光りますのでキレイな見え方をすると思います。
そういう意味でフィルムの濃密な色が、本作の映像の印象と重なっていると思います。





音声クオリティ・レビュー総評





【音質】

音圧が高い音場感の強い音





■音響マスタ


上映マスタはDolby、DTSともに制作されています。
Blu-Ray用には、DTS-HDでマスタリングされていますが、結構、凝っていると思います。
元々、音響にはかなり凝っているようで、制作会社がかなり関わっていますし、どこも高音質で定評感のあるところばかりです。
ただし、同じ制作プロセスをいくつもの会社が担当しているということは、撮影地によって、またはシーンによって変えていると思いますので、シーン毎の音響の違いが出ています。

冒頭のカーチェイスシーンでは、マルチチャンネルが包囲し、大味ながら音圧が高く、迫力指向です。
衝突音などはあまり強くありません。
パナマでのボートチェイスでは、波しぶきの音などがリアチャンネルで鳴り分けますが、ちょっと繊細指向でもあります。
シーンによって音の傾向が違います。



ダイナミックレンジ(音域バランス)


ダイナミックレンジは普通で広いというほどではありません。
一方、音圧が高いため、迫力指向のサウンドになっています。
2018年現在の現代的なサウンドデザインは、粒々感のある情報量や解像感の方向に優秀音響ソフトは向いている気がしますので、それとは違っています。
ボリュームのピークは、冒頭のカーチェイスと後半の爆破シーンになります。


瞬発力・量感(キレと強さ)


瞬発力はあまりなく、どちらかと言えばマイルドな音色です。
その分、低域は良く伸びて量感もあります。
音場感の強いサウンドで、包囲感はかなりあります。
芯やキレはありませんが、低域が強く、ここもシリーズ共通な要素の気がします。


情報量(台詞、SE音、音楽)


台詞:
丁寧な台詞の音です。
舌やのどの様子が判るほどの解像感はありませんが、クッキリして気になることはありません。
立体感のある表現です。

SE音:
シリーズ共通の作り込みです。
丁寧に作られた印象で、紙を触る音や靴音など芝居部分もちゃんとしています。
銃声は小口径のためか悪くはありませんが、印象に残っているシーンはないです。
なお、このシリーズでの銃声が良いのは、ダニエル・クレイグ版では、「スカイフォール」になるかと思います。
キリキリとした緊張感を生むキレとタイトさがある音色は、前シリーズのピアース・ブロスナン版で多かったと思います。
ダニエル・クレイグ版はどちらかと言えば、迫力指向でアクション系のスタイルの音色に感じます。

音楽:
シリーズに共通していますが音楽が芝居よりもかなり大きい音量で鳴り響きます。
ただし、本作はいつでもテーマソングが鳴っているわけでもないので、アクションシーンであってもボリュームを上げて聴くことが出来ます。
他の作品では、アクションシーンの音を迫力あるボリュームで聴こうとすると、音楽が大きすぎてちょっと辛くなります。


サウンドデザイン(音像感と音場感含む)


本シリーズ共通ですが、車とヘリ、ボート、そして爆破の音には凝っています。
銃声は作品ごとにずいぶん違います。
本作の銃声はちょっとマイルドですが音圧は高いので、不満にはならないと思います。
音像感より音場感が明らかに強く、サラウンドを活用した包囲感を重視しています。
リアチャンネルもそれなりによく鳴ります。
ただし、情報量が多い感じではならないので、大味です。
ボリュームを上げないと、このサウンドデザインの良さである迫力指向は感じにくいと思います。


サラウンド(移動感含む)


サラウンドの音はあるほうですが、移動感が良く出る感じはありません。
現代的な緻密さよりも迫力音で迫ってくる印象です。





クオリティ・レビュー詳細





★総合クオリティ     :86点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)



★映像クオリティ     :87点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)



 解像感        :85点
 ノイズ感       :92点
 鮮度感        :84点
 階調性        :84点
 カラー        :88点





★音声クオリティ     :84点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)



 ダイナミックレンジ  :88点
 (音域バランス)
 瞬発力・量感     :83点
 (キレと強さ)
 情報量        :82点
 (台詞、SE音、音楽)
 サウンドデザイン   :82点
 (オリジナルとメディア化)
 サラウンド      :85点
 (移動感含む)







レビュー基準についてはこちらInternal_Link_15px.png




商品ソフト紹介


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【オンライン】
007 / 慰めの報酬 (字幕版)
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オーディオとホームシアターが三度の飯より好きなアラフィフ管理人です。どちらかと言えばホームシアターのほうがオーディオより好きです。映画ソフトはかなりたくさん観てきましたので、機器だけではなくソフトのクオリティ・レビューも気ままにしていきたいと考えてます。機材検討やソフト購入検討のお役に立てれば幸いです。
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