【ブルーレイ映画ソフトレビュー】スノーホワイト / Snow White & The Huntsman: オーディオとシアターが好き

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2018年05月09日

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】スノーホワイト / Snow White & The Huntsman

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本作は2012年の作品で当初はDVDとブルーレイがリリースされています。
本作のブルーレイ収録音声のDTS-HD Master Audio 7.1chは、DTSのデモディスクにも収録されるほどクオリティの良いものでした。
その後、2016年にHDR10及びDTS-Xイマーシブオーディオ対応の4K Ultra HDがリリースされました。
管理人は、イギリス版の4K Ultra HDを購入しています。
この4K Ultra HDディスクとブルーレイディスクの両方とも、日本語字幕、日本語吹き替えが収録されています。
このレビューは、その4K Ultra HD同梱のブルーレイになります。
4K Ultra HD再生できるプレイヤーをまだ所有していないためです。
ご注意下さい。

ブルーレイより後に4K UltraHDがリリースされましたので、同梱のブルーレイもクオリティは向上しているだろうと考えていましたが、ビットレートが低い事からもわかりますが、クオリティは今一つでした。
日本版のブルーレイは未試聴なので、このレビューと同じクオリティかは不明です。

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

スノーホワイト
Snow White & The Huntsman
【同梱ブルーレイ】

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ブルーレイ評価

ソフト情報

■リリース：
　バージョン：イギリス輸入版 / 4K ULTRA HD + BLU-RAY + DIGITAL DOWNROAD版
　発売：Universal Pictures Home Entertainment
　時間：127 min（131min）
　レーティング：G（日本） / PG-13（米国）
　制作年：2012年
　発売日：2017年3月20日

■映像：ブルーレイ
　コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
　解像度: 1080p
　アスペクト: 2.35:1（スコープサイズ）

■オーディオ：ブルーレイ
　英語：DTS-HD Master Audio 7.1ch 48kHz 24bit（ロスレス）
　日本語:DTS 5.1ch 48kHz 24bit（ロッシー）
　その他

■字幕：ブルーレイ
　日本語、英語、その他

■ディスク：ブルーレイ
　Blu-ray Disc　1枚
　片面2層 (BD-50GB)

■リージョン：ブルーレイ
　Region Free
　※AMAZONイギリスでは、「Region B」になっていますが、日本製ブルーレイ・プレイヤーで再生可能です。
　　4K Ultra HDも日本の4Kプレイヤーで再生可能です。

■平均ビットレート（おおよそ）
（MPEG-4 H.264上限：54Mbps）
（MPEG-4 MVC上限：66Mbps）
：約22Mbps

■撮影カメラ：
　アリフレックス235、パナビジョンE、Gシリーズレンズ
　　※35mmフィルムカメラ
　アリフレックス435アドバンス、パナビジョン・プリモE、Gシリーズレンズ、ATZレンズ
　　※35mmフィルムカメラ
　アリフレックス435ES、パナビジョン・プリモE、Gシリーズレンズ、ATZレンズ
　　※35mmフィルムカメラ
　パナビジョン65 HR、パナビジョン・システム65レン
　　※65mmフィルムカメラ
　パナフレックス・ミレニアムXL2、パナビジョン・プリモE、Gシリーズレンズ、スーパー・ハイスピード・レンズ
　　※35mmフィルムカメラ
　レッド・エピック、パナビジョンE、Gシリーズレンズ(some shots: Ireland surf unit)
　　※5Kまで対応した小型デジタルカメラです。

■映像マスタ：
　撮影マスタ・フォーマット：
　35mm、65mm(フィルム)
　Redcode RAW (5K)（アイルランドのみ）
　DI（Digital Intermediate）：2K
　
■映像マスタリング（DI（Digital Intermediate）、マスタリング）：
　DeLuxe, Hollywood（フィルム現像）
　FotoKem Laboratory（65mmフィルム現像）
　DeLuxe 142 Features（テレシネ）
　EFILM Digital Laboratories（DI）

■音響：
　SDDS、Datasat、Dolby Digital

■音響スタジオ（Sound Mix / Re-recording）（サウンドトラック除く）：
　De Lane Lea（ADRレコーディング）
　Pinewood Shepperton（サウンド・ステージ）

■制作背景
・制作予算：約170億円　/100円換算
・世界興行収入：396億円　/100円換算
・撮影：イギリス（イングランド、スコットランド、ウェールズ）、アイルランド

■賞：
33の賞にノミネート、13つの賞を受賞しています。
うちアカデミー賞に2つノミネートされています。
うちラジー賞も受賞しています。

キャスト情報

■監督：
ルパート・サンダーズ / Rupert Sanders

■出演者：
シャーリーズ・セロン / Charlize Theron
クリステン・スチュワート / Kristen Stewart
クリス・ヘムズワーズ / Chris Hemsworth

映像クオリティ・レビュー総評

【画質】

黒浮きと赤紫かぶりの残念な映像

ブルーレイ映像マスタ

映画マスターは、2012年作品で比較的新しい部類の映画ですが、フィルムカメラで撮影され、2KのDIが作られています。
DIが2Kで作られていると、そこで画質は決まってしまうため、せっかくのフィルム撮影が活かせないことになってしまいます。

撮影後、すぐにフィルムスキャンされたため、フィルムグレインはあまり感じません。
ブルーレイのマスターはこの2KDIですが、HDテープを使用しているため、色がかぶります。
ハイライトが飛んで、暗部の沈み込みは今一つで黒浮きします。
これはHDテープに転送する際か、エンコーディング時に、輝度調整がうまくなく、暗部を持ちあげた関係もあると思います。
4Kにアップコンバートした120インチプロジェクター映像では、この黒浮きがかなり目立ちます。
ビットレートがかなり低いことも影響していると思います。

解像感

解像度はフィルム撮影の2Kマスターにも関わらず、結構優秀です。
繊細な描写をして、皮膚感や衣服の様子も克明に描きます。

ノイズ感

デジタルノイズはほとんど感じません。

鮮度感

精細感を伴う映像のため、鮮度は十分にありますが、色かぶりによってビデオ風の空気感です。
色かぶりがなければ、十分に精密な印象だったと思います。

階調性・コントラスト

コントラストは前半が非常に良く、クッキリしています。
中盤から黒浮きによって階調性がかなり極端に浅くなります。
そのため、コントラストもビデオ風になって白っぽい映像です。
これが本ソフトの印象全てと言っても過言ではないと思います。

カラー

カラーグレーディングによって、前半44分位までは、暖色系の脱色調の色彩です。
ここでは金属の光沢などを含め、精細さを伴って、強靭なコントラストで描きます。
ここだけでしたら、かなりの高得点だった映像評価になります。
45分過ぎから、シーンが代わり、グレーディングによって色温度の高いシルバー調の色調に変わります。
これ自体は全く問題ないのですが、暗部の黒浮きが突然現れます。
人物のアップでも、髪の毛ですら白いモヤがかかり、その上、赤紫の色が画面全体にかぶります。
色がある部分は暗部を含め、ほとんどが赤紫にかぶってしまいます。
脱色系のグレーディングによって、余計赤紫が目立ちます。

音声クオリティ・レビュー総評

【音質】

重厚なロスレス7.1ch音声

ブルーレイ音響マスタ

映画マスターは、Dolby Digitalとあっさりしていますが、ブルーレイの音響はDTSデモディスクで使われるなど、優秀です。
現代的な音色で、重低域までしっかりと芯があるサウンドです。
なお、日本語音声の吹き替えがつらいです。
ソフト化する際は、吹き替えを差し替えてほしいものです。
音は圧縮され元気が全くなく、良さが台詞の音くらいしかないため、英語音声がお勧めです。

ダイナミックレンジ（音域バランス）

ダイナミックレンジはかなりあり、要所での音は重低域が良く伸びます。
バランスも良く、高域も芯があるキレの良いサウンドです。

瞬発力・量感（キレと強さ）

現代的な音色で克明な表現をします。
そこに誇張されたSE音がかぶさると、量感たっぷりの重低域と切れ味の良い高域で迫力があります。
一方、エンコードの問題か、音のコントラストが今一つで圧縮感があって、詰まっている印象です。
DTSデモディスクと比べましたが、明らかにこちらのソフトの方が、モヤモヤした音です。

情報量（台詞、SE音、音楽）

台詞：
台詞はアフレコが多いのか、かなり克明です。
低域が強い傾向の芝居部分の音と違い、中高域が強い台詞です。
ボリュームも大きい方で、聴きやすいとも言えます。

SE音：
作り込んだSEは、芝居部分から格闘音までよく作り込んでいます。
芝居部分では、ベッドのきしむ音から雨の音、鳩の羽ばたき、衣服の衣ずれの音まで、繊細な音を克明に描きます。
格闘音では、カラスの羽ばたきから火事の音、弓矢の飛行音、トロールとの格闘音、魔法の兵士など轟音を伴い、移動感たっぷりに切れ味のあるサウンドです。
ただし、ボリュームが足りないのか、空間の繋がりが今一つで、薄く鳴っている感じです。

音楽：
ジェームズ・ニュートン・ハワードによるサントラは、芝居部分を邪魔せず、要所で重厚感を伴います。
サントラの音場感は広く、かなり広大です。
7.1chだけに、このサントラはサラウンドにも回り込みます。

サウンドデザイン（音像感と音場感含む）

製作費がこの手の話では破格の金額なので、ポスト・プロダクションの予算と時間もあったと思われます。
クレジットに音響関係の会社はあまり登場しませんが、サウンドデザイナーなどは有名どころを起用し、良く作り込んでいます。
芝居部分の音が良い時は、大抵の音は良いものです。
重厚な音場で包囲するサウンドと、分厚いキレのある音像感のあるSE音は優秀です。
ソフト化に際して、全体的に情報量やボリュームがそぎ落とされた感じです。
ボリュームを上げても、モヤつきを感じます。

サラウンド（移動感含む）

ロスレス7.1chのサラウンドは、かなり誇張してはいますが、低域成分もたっぷりのサラウンドです。
馬の足音なども重低音付きで、サラウンドに回り込みます。
ラストの魔法の兵士（？）などとの格闘音は、重低域全開で、ボリュームが気になります。
低域まで再生できるサラウンドスピーカーがあれば、かなり楽しめるサラウンドです。
芝居部分のサラウンドのボリュームが薄いため、包囲感がほとんどない印象でもあります。