本作は2002年の作品でまだブルーレイがなかった時代の作品です。
当初は、2003年発売のDVDのみでした。
これが6千円(税抜き)もしたのでよく覚えています。
Dolby Digital Surround EX 5.1chの音声はなかなか良い音でした。
ただし、DD-EXは本来、5.1chにリアセンターを足した6.1chのはずですので、DD-EX 5.1chとは単に5.1chなのではないかと思ってしまいます。
時間があれば、サラウンドについて確認してみようと思います。
ブルーレイがようやく発売されて期待していましたが、DVDとあまり変わらないクオリティです。
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ブルーレイ評価
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ソフト情報
■リリース:
バージョン:通常版
発売:東宝
時間:138 min
レーティング:R(日本) / R(米国)
制作年:2002年
発売日:2013年9月20日
■映像:
コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
解像度: 1080p
アスペクト: 2.39:1(スコープサイズ)
■オーディオ:
英語:DTS-HD Master Audio 5.1ch 48kHz 24bit(ロスレス)
日本語:DTS-HD Master Audio 5.1ch 48kHz 24bit(ロスレス)
英語:Dolby Digital 2.0ch(ロッシー)
■字幕:
日本語、英語、日本語吹替用字幕
■ディスク:
Blu-ray Disc 1枚
片面2層 (BD-50GB)
■リージョン:
Region A
■平均ビットレート(おおよそ)
(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)
(MPEG-4 MVC上限:66Mbps)
:約32Mbps
■撮影カメラ:
パナフレックス、パナビジョン・プリモ・レンズ、Cシリーズ・レンズ、Eシリーズ・レンズ
■映像マスタ:
撮影マスタ・フォーマット:
35mm(フィルム)
DI(Digital Intermediate):2K
■映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
Deluxe(フィルム)
EFilm(デジタルフィルムマスタリング)
※恐らくDIのこと
■音響:
DTS-ES、Dolby Digital EX、SDDS
■音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
Soundelux(サウンド・サービス)
Todd-AO Studios(サウンド・サービス)
■制作背景
・制作予算:約75億円 /100円換算
・世界興行収入:114億円 /100円換算
・撮影:アメリカ(ジョージア、カリフォルニア)
■賞:
5つの賞にノミネート、3つの賞を受賞しています。
キャスト情報
■監督:
ランドール・ウォレス / Randall Wallace
■出演者:
メル・ギブソン / Mel Gibson
マデリーン・ストウ / Madeleine Stowe
サム・エリオット / Sam Elliott
映像クオリティ・レビュー総評
【画質】
DVDと同じ2KDIマスター使用?
ブルーレイ映像マスタ
映画マスターは、フィルムカメラのパナフレックスを使用し、2002年制作ながら2KのDIが作られています。
この時代にDIが2Kで作られていると、DI制作時のフィルムスキャンのクオリティのままになり、粗が目立ったままになってしまいます。
この作品は、かなり凝ったデジタル調整によるマスタリング(事実上の映像制作)をしないと、ブルーレイ以上の画質になることは難しいと言えます。
ポスト・プロダクションはDeluxe社で、濃密な色が特徴的です。
フィルムの粗さが色濃く出ていて、フィルムグレインがかなりあります。
多少ブリーチバイパスをしていると感じるほど、黒い粒子がザラザラですが、ブリーチバイパスではありません。
意図的にこのようなフィルムルックにして、若干脱色調にしています。
古い記録フィルムを観ているようなイメージを狙っていると思います。
一方、マスターとなる2KのDIの出来が良くなく、色かぶりや輪郭補正などDVD時代の悪い部分がそのままです。
ブルーレイのマスターはDVDと同じ2KのDIから作られていると思います。
DVDの悪いところがほぼ同じです。
そしてブルーレイのマスターはHDテープで、テープの悪い部分がかなり出ています。
粗い粒状性のなかに克明にフィルムスキャンした映像は、コントラストはそこそこあり、見難いことはありません。
ただし、とにかくマスターDIの悪い点がそのままソフトに出ています。
一方、本国のブルーレイはもっと悪く、MPEG-2コーデックでDVDと同じです。
ほぼDVDの焼き直しと言えると思います。
その点からみたら、東宝のブルーレイ仕様は良心的とも言えますが・・・。
解像感
解像度はDVDより向上し地デジレベルはあります。
これはマスターの2KDIを使用しているためだと思います。
ただし、DVDと同じマスターだと思われ、ピンボケ風のシーンもあり、ブルーレイの標準には及ばない印象です。
ノイズ感
DVDと同様のテープノイズやデジタルノイズがかなり目につきます。
よくありがちな明部と暗部の境目に出やすい色滲みや不自然な階調が全編を通じてあります。
HDテープのホワイトノイズやハイライトが飛ぶシーンがあり、モヤがかかります。
また、輪郭補正はDVDと同じでこれはマスターDIがそうなのだと思います。
同様に、明部は赤かぶりで、暗部は緑ににじみがあり、これもマスターの関係だと思います。
DVDとほぼ同じです。
フィルムグレインは黒い粒子がかなりザラザラで、量がすごいです。
ざらつくように高感度フィルムを使用したのか、現像プロセスを少し早くして色素定着前に現像したのではないでしょうか。
基本的にはDVDと同じです。
鮮度感
フィルムルックで粗い映像のため、既視感のある鮮度はありません。
逆に時代を切り取ったような懐かしい感じを出しているので、それはそれで悪くはありません。
1965年を映像化したら、この鮮度感だとも言えます。
これは制作者の意図だと思いますので、大きな減点ではありません。
階調性・コントラスト
コントラストは強い日差しでそこそこあり、悪くはありません。
強いて言うなら、カメラ撮影で露出を上げて撮った写真に似ていて、輝度が高めです。
それによって、ハイライトは飛び、画面が引き締まっていないので、階調性は浅めです。
ただし、古いフィルム映像を再現すると、こういう画調になるのであえて狙っていると思われます。
家庭で古い8mmや16mmを映写機で投影したような映像と言えば、判りやすいかと思います。
基本的にはDVDと同じです。
逆光気味の人物の影がシルエットになるぎりぎりまでディスプレイやプロジェクターの輝度を落とすと、ちょうど良い加減になると思います。
撮影状態が、光の拡散が多い中で行われているシーンが多いため、ちょうど良い按配が難しいかもしれません。
カラー
Deluxe社の色は濃密なシーンとあっさりしているシーンで極端です。
米国での前半は濃密な色ですが、後半のベトナムでは露出が高めでハイライト近辺が飛ぶのでちょっと気になります。
終始、画面が赤かぶりだったり、顔の影や暗部が緑でベッタリだったりします。
基本的にはDVDと同じです。
音声クオリティ・レビュー総評
【音質】
乾いた戦闘音による良好なサラウンド
ブルーレイ音響マスタ
本国のブルーレイはDVD音声の、DTS-ES 6.1ch(ロッシー)とDolby Digital 5.1ch EX(ロッシー)です。
日本版は、恐らく東宝がDTS-HDMAで再エンコードを行ったのだと思います。
マスターは、非圧縮だったのかよく分かりません。
ただし、明らかにDVDよりブルーレイのほうがクオリティは上です。
映画マスターは、高音質で知られるTodd-AOによる高品位の音だったはずです。
劇場では観ていませんので不明です。
なお余談ですが、Todd-AOは2014年に破産しています。
元々、DTS-ESやDolby Digital EXで制作されているため、サラウンドチャンネルは意識的に強化して作られています。
ヘリの移動音、爆発音、銃声、掃除機(意外な使われ方ですが)など、サラウンドを活用し、重低域まで良く練り込まれています。
なお、日本語音声もロスレス収録で、東宝が頑張っていると思います。
ダイナミックレンジ(音域バランス)
ダイナミックレンジは普通ですが、要所での音はかなり良いです。
バランスも良く、高域から低域まで違和感なく伸びます。
瞬発力・量感(キレと強さ)
音色にきめ細かさはありませんが、エッジが効いている印象です。
特に、要所では高域が鋭い音で切れ込んできます。
音のコントラストが高いのだと思います。
また芯が強いわけではありませんが、量感を伴う音ですので、迫力指向の音と言えます。
スピーカーのセッティングで低域が膨らむ傾向にある場合は、ちょっとブーミーなサウンドです。
すっきりした低音のスピーカーセッティングの方には、ちょうど良いサウンドだと思います。
管理人のセッティングはJBLらしい音作りをしているので、本作の場合はブーミーで、ボリュームは上げにくいです。
中高域の銃声などはかなり緊張感を持った切れ込みサウンドですので、戦闘音好きにはたまらないと思います。
情報量(台詞、SE音、音楽)
台詞:
台詞は同録調ですが、明快です。
芯のある音で克明さも表現します。
SE音:
基本的に要所を強調した音作りにしています。
銃声は基本的に火薬の量が少ない空砲の音がメインで、乾いたサウンドです。
制作陣に音響関係者が多いため、かなり凝った陣容です。
作り込んだSEは、ヘリの音や銃声、爆発音など、どれもサラウンドを活用した移動感を伴い、キレ味が良いです。
戦闘音の音数はかなり多く、逆に芝居部分の自然音はほとんどありません。
音楽:
ニック・グレニー=スミス作曲によるサントラは重低域が強いサウンドで、重厚感があります。
サントラの音場感は広く、要所ではかなりの音量で鳴ります。
このサントラはサラウンドにも回り込みます。
サウンドデザイン(音像感と音場感含む)
マーク・P・ストーエッキンガーなどによるデザインで戦闘音は凝っています。
制作年は2002年と古いですが、現代映画音響に通じる音色でしっかりとした音像です。
戦闘音以外は、基本的にフロントメインのデザインです。
音像感のあるSE音と、サントラの音場感がミックスされた映画らしい作りです。
サラウンド(移動感含む)
ヘリの移動音がサラウンドで旋回し、移動します。
銃声もサラウンドスピーカー間で移動します。
SEで強調した音はサラウンドで包囲します。
サントラもサラウンドが包囲して鳴ります。
芝居部分はほとんど音はありません。
クオリティ・レビュー詳細
★総合クオリティ :81点
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
★映像クオリティ :73点
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
解像感 :71点
ノイズ感 :64点
鮮度感 :70点
階調性・コントラスト :78点
カラー :81点
★音声クオリティ :88点
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
ダイナミックレンジ :88点
(音域バランス)
瞬発力・量感 :92点
(キレと強さ)
情報量 :85点
(台詞、SE音、音楽)
サウンドデザイン :86点
(オリジナルとメディア化)
サラウンド :87点
(移動感含む)
レビュー基準についてはこちら
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商品ソフト紹介
【ブルーレイ版】
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【オンライン】
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