【ブルーレイ映画ソフトレビュー】ジュラシック・ワールド / Jurassic World（動画付）: オーディオとシアターが好き

2018年04月19日

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】ジュラシック・ワールド / Jurassic World（動画付）

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2016年に出た比較的新しいブルーレイ作品です。
なぜかブルーレイのクオリティは高いのですが、専門誌をはじめ、あまり評価されていない印象です。
恐らくですが、フィルムグレインがかなり強く、ノイズと捉える人が多いためかと思います。
管理人はフィルムグレインは味だと考え、そこは減点対象にしていません。
むしろ、本作のフィルムグレインは、フィルム好きからするとおいしい映像です。
好みがはっきり分かれますので、フィルムが嫌いな方は、下記レビューは見ない方がよろしいかと思います。

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】

ジュラシック・ワールド
Jurassic World

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ブルーレイ評価

公式サイト

公式動画

2016.2.24 Blu-ray&DVDリリース！「ジュラシック・ワールド」予告編
※プレビューがちゃんと映りませんが、クリックすると問題なく視聴できます。

（NBCUniversal Entertainment）

ソフト情報

■リリース：
　バージョン：ブルーレイ＆DVDセット版
　発売：NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
　時間：124 min
　レーティング：G（日本） / PG-13（米国）
　制作年：2015年
　発売日：2016年2月24日

■映像：※ブルーレイ
　コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
　解像度: 1080p
　アスペクト: 2.00:1（スコープサイズ）
　※変形スコープサイズで、制作者の意図でそうなっています。
　　劇場公開時には、劇場によっては上下左右に黒帯があったようです。
　　管理人も劇場で観ましたが、ウーン、全く気にならなかったです・・・
　※一部、Web販売サイトでは1.78:1の表示がありますが間違いです。

■オーディオ：※ブルーレイ
　英語：DTS-HD Master Audio 7.1ch 48kHz 24bit（ロスレス）
　日本語:DTS 5.1ch 48kHz 24bit（ロッシー）

■字幕：※ブルーレイ＋DVD共通
　日本語、英語

■ディスク：
　Blu-ray Disc　1枚
　片面2層 (BD-50GB)
　DVD Disk 1枚

■リージョン：
　Region ALL（ブルーレイ）

■平均ビットレート（おおよそ）
（MPEG-4 H.264上限：54Mbps）
（MPEG-4 MVC上限：66Mbps）
：未計測

■撮影カメラ：
　アリフレックス 435, パナビジョン・プリモ・レンズ
　パナビジョン 65 HR カメラ, パナビジョン・システム 65レンズ
　パナフレックス・ミレニアム　XL2, パナビジョン・プリモ・レンズ
　パナフレックス・プラチナム　XL2, パナビジョン・プリモ・レンズ
　レッド・エピック・ドラゴン, フジノン・プレミア・カブリオ・レンズ (空撮)

　※アリフレックス 435は、35mmフィルムカメラです。
　※パナフレックス・ミレニアム/プラチナム XL2は、35mmフィルムカメラです。
　※レッド・エピック・ドラゴンは、6Kデジタルカメラです。

■映像マスタ：
　撮影マスタ・フォーマット：Super 35
　撮影マスタ・フォーマット：Redcode RAW (6K)（一部）
　撮影マスタ・フォーマット：Panavision Super 70（一部）　
　DI（Digital Intermediate）：2.4K
　
■映像マスタリング（DI（Digital Intermediate）、マスタリング）：
　FotoKem Laboratory（フィルム）
　Company 3（DI）

■音響：
　Dolby Digital、Datasat、Dolby Atmos、Dolby Surround 7.1、SDDS、Auro 11.1

■音響スタジオ（Sound Mix / Re-recording）（サウンドトラック除く）：
　Skywalker Sound（ポスト・プロダクション）

■制作背景
・制作予算：約150億円　/100円換算
・世界興行収入：1,670億円　/100円換算
・撮影：アメリカ（ハワイ、ルイジアナ、カリフォルニア）

■賞：
57の賞にノミネート、14の賞を受賞しています。

キャスト情報

■監督：
コリン・トレボロウ / Colin Trevorrow

■出演者：

クリス・プラット / Chris Pratt
ブライス・ダラス・ハワード / Bryce Dallas Howard
ヴィンセント・ドノフリオ / Vincent D'Onofrio

映像クオリティ・レビュー総評

【画質】

フィルムの中の濃密でクッキリな世界

ブルーレイ映像マスタ

映画マスターは、主にアリフレックス 435とパナフレックスで撮影されたフィルムです。
6Kのレッド・エピック・ドラゴンでもデジタル撮影されていますが、空撮のみです。
この空撮、ものすごくキレイだと思っていました。
本作の前のシリーズでの空撮は、雲や霧でかすんでいるショットが多かったのですが、本作の空撮はクッキリ晴れやかです。
DIは2.4Kです。
2015年制作であれば、4KDIを作らなかったのはちょっと残念ですね。
2018年発売の4K UHDソフトは、アップコンバートになりますね。
もしかすると、空撮以外はほぼフィルム撮影なので、工夫をしてDIを4Kで作成、などということがあるかもしれませんが、難しいのではないでしょうか？

ブルーレイマスターは2.4KのDIから作られているわけですが、ダウンコンバートになるのだと思います。
収録時間などの関係があると思います。
HDテープらしき点があるようなないような微妙なところですが、かなり高画質で丁寧にメディア化されたことが判ります。
若干ハイライトが飛び気味ですが、これは撮影状態の問題かもしれないレベルです。
制作はスティーブン・スピルバーグですので、フィルムの質感は残し、画質と音質にはこだわったはずです。

余談ですが、本作の3D版がブルーレイで発売されています。
この3Dソフトは、賞を受賞するくらい高画質なようです。
管理人は3Dは好きではないので、未確認です。
気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか？

それから、本ソフトを視聴する際、プロジェクターで観る方は、ランプ輝度を「強」にすることをお勧めします。
強靭なコントラストの映像なので、フィルムルックで、暗部階調もすごく良く表現して、艶が出ます。

解像感

フィルムカメラ撮影ですが、フィルムスキャンが良かったのだと思います。
どこまでもクッキリで、解像感がすごいです。
ただし現代的な精細感はあまりありません。
フィルムの太めのタッチで、劇画調です。
クッキリ具合は、管理人の知っている限り、現時点で一番です。
例えますと、劇場で高画質な封切したばかりのフィルム上映している映像を見ている感じです。

ノイズ感

フィルムグレインは、黒い粒子状で、ザラザラです。
粒子が細かく、数はたくさんあります。
ここまで見せている作品は、ブリーチバイパスしている作品ぐらいではないでしょうか？
「プライベート・ライアン」、「宇宙戦争」、「セブン」などに通じるフィルムグレインです。
なお、管理人は、フィルムグレインが制作者の意図で乗せている場合は、減点にはしません。
ここは好みがはっきり違うと思います。
フィルムが嫌いな人はご容赦下さい。
なお、明部と暗部の境目に出やすい色滲みや不自然な階調がなく、どこまでも正確です。
デジタルノイズもほとんどなく、暗部までクッキリで、黒は艶があります。

鮮度感

FotoKem社の純度の高い色と濃密な色は、デラックス社に似ています。
暗部は艶を伴い、階調性も非常に良いです。
カラーグレーディングがかなり行われていて、基本的には渋めの色調になっています。
また白系の透明感が良く、フィルムのセルロイドにキセノンランプで照らしているフィルム上映をしているような錯覚があります。
デジタル撮影による高精細な世界でのどこまでも透明な映像とは対照的で映画的です。
この映像は鮮度があるかと言いますと、微妙です。
劇画調であり、絵画的な映画映像ですので、触れそうな鮮度感はありませんが、艶のある表現と正確な色表現は、鮮度があるとも言えます。
ここも人によっては、鮮度はないと思う方が多いかと思います。

階調性・コントラスト

コントラストは強靭で、曖昧なシーンは全くありません。
レンジが広く、高域のハイライトから暗部の黒まで艶を伴います。
フィルムのセルロイドの艶のような表現で、そこはスティーブン・スピルバーグらしいとも言えます。
この艶が映像品位をかなり高くしている要素です。
他の作品と違うのは、黒がどこまでも漆黒に沈み、白は歯磨き粉のように真っ白で艶があることです。
そういう意味では、絵画調で油絵風とも言えます。
輪郭が太いので、気になる人もいるかと思います。
一方で階調は深いコントラストで表現しているため、全てのシーンがクッキリです。

カラー

色純度が高い、濃密な色で、にじみやかぶりはありません。
白と黒、そして肌の表現がとても良く、微妙な人肌の表現も力強く描きます。
暗いシーンでも暗部の色乗りは良く、あせることなく濃密な色を描き分けます。
輪郭や暗部には偽色などがなく、滲みもかぶりもありません。
フィルムグレインの黒い粒子によって中間輝度は渋めに見えるので、好みが分かれそうです。
管理人は、この色が絞れそうなほど濃密で純度がある色調は好みです。

公式動画

2016.2.24（水）発売「ジュラシック・ワールド」　特典映像一部先行初公開！
※プレビューがちゃんと映りませんが、クリックすると問題なく視聴できます。

（NBCUniversal Entertainment）

音声クオリティ・レビュー総評

【音質】

サラウンドの見本のような音響デザイン

ブルーレイ音響マスタ

映画マスターは、最新音響を網羅したかなり凝ったものです。
特にサラウンドは、細かく作り込んでいて、画面外の音も充実しています。
キレイに包囲する音場で、音数が多いのが特徴です。
「最新高音質の音色」があり、高音質を期待して視聴していましたが、全体的に音がねています。
音のコントラストが浅い表現です。
これは、ソフト化に際して、圧縮がうまくないとこうなってしまうことが多いと思います。
ちょっと残念です。

それから余談ですが、管理人は小学生のこどもと映画を観るため、吹き替えでの視聴場面が結構あります。
本作も劇場ではこどもと吹き替えを観ました。
違和感がかなりあって、話に集中するのが難しいほどでした。
その劇場用吹き替えをそのままブルーレイでも収録しています。
視聴するのであれば、音もはるかに良い日本語字幕・英語音声をお勧めします。

ダイナミックレンジ（音域バランス）

ダイナミックレンジが一番気になる点です。
重低音から高域のキレまでの音の成分はちゃんとあるのですが、コントラストが浅い感じがします。
コンプ感があるほどではなく、音の純度も音数もあるのですが・・・。

瞬発力・量感（キレと強さ）

音のコントラストが浅いので、要所での瞬発力が不足しているように感じます。
芯があるキレのある高域と、重低音は悪くはありません。
一方、恐竜の咆哮や足音など、もっと瞬発力と量感が欲しいと感じます。
単純にボリューム感が不足しているミックスなのかもしれません。
劇場ではそう感じなかったので、ソフト化の際に、なにか不足したような気もします。
音場感が強く、キレなどの音像感はちょっと後退しています。

情報量（台詞、SE音、音楽）

台詞：
台詞は中域がクッキリとした抜けのよいクリアな音でレンジも広いです。
芯があるため、キンキンすることはありません。
厚めの低域があり、映画的な表現もします。
また台詞がSEや音楽に埋もれることはありません。
芝居部分にボリュームを合わせていても、ちゃんと視聴できます。

SE音：
よく作り込んでいます。
そこはシリーズの特徴でもあるので、凝ったと思われます。
芝居部分の音作りは丁寧で、チャンネル配置や音離れは良いです。
要所の音作りというより、どのシーンでも緻密に作ったという感じのデザインです。
ソフトでも音数は多く、情報がそがれた感じはありません。

音楽：
サントラが鳴り響くのは有名シリーズ映画の特徴でもあります。
しかし、そこはスティーブン・スピルバーグです。
芝居を邪魔しない優秀なミックスです。
スティーブン・スピルバーグの作品は、大抵こういう作りで、芝居部分もちゃんと描く傾向にあると思います。
サントラも十分すぎるくらいに鳴るのですが、SE音や台詞が埋もれるような作りではありません。

サウンドデザイン（音像感と音場感含む）

音離れはさすがで、あちこちのスピーカーから面白いように音がこぼれてきます。
7.1chの各スピーカーに、丁寧に配置された音が心地よいです。
全てのスピーカーを同等に鳴らすような作りで、サラウンド環境を問われます。
メイン2ch以外が弱いと、この包囲感と音離れは感じにくいかもしれません。

ティラノサウルスやインドミナス・レックスの足音や咆哮が弱いのは、ちょっと残念です。
劇場でも印象に残るほどではなかったのですが、ブルーレイでは、？となるほど、ちょっと弱めです。

サラウンド（移動感含む）

7.1chのサラウンドの見本のような作りです。
サラウンドスピーカーを使い、音を鳴らし分け、移動音もかなりあります。

イマーシブオーディオのような立体表現がすごいです。
特に、パークでのアナウンス音が、視聴位置の上から包囲して、かなりリアルに聴こえます。
まるで頭の上に人がいてしゃべっている位リアルです。
また恐竜がいる塀の中の包囲感や、飛行恐竜の音の軌跡なども移動感と共にグルグルです。