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2018年03月13日

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】ダンテズ・ピーク / Dante's Peak

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ダンテズ・ピークは1997年制作の既に古い部類の作品です。
管理人はこの作品が好きで、ソフトはほぼ初期から網羅していて、ソフト代を献上してきたことになります。
所有している(いた)のは、VHS(CIC版HiFi-Stereo)、LD(THX、DTS版)、DVD(パイオニアLDC/Dolby Digital版)、DVD(ユニバーサル/DTS版)、DVD(輸入ユニバーサル/DTS版)、ブルーレイ(本作)になります。
プロジェクターの調整や、AVアンプの調整をDVDまでは、それはもう何百回も再生しながら行ってきました。
ただ、本作を調整用ソフトとして選んだこと自体は間違いでした。
クオリティが高い作品ではありません。
音はいつでも最上級でしたが、それも2000年前半までですね。
ただ、VHSからブルーレイまで2018年現在、全てのフォーマットでリリースされてきた数少ないソフトでもあります。

このブルーレイは、2KでスキャンされたものでDVDに比べかなり向上しています。
大画面ほど判りやすいので、買い替える方は、画面が大きいほうが判りやすいと思います。

凝りもせずに、4K Ultra HDソフトでも発売を期待しているソフトです。
恐らく、マスターとなるフィルムが劣化しているので、クオリティに期待は出来ないと思ってはいます・・・。

本ブログでは内容については取り上げていませんので、その点は他の方のレビューを参照してください。



コピーライトマーク 1997 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.



ブルーレイ評価

画質71.jpg音質85.jpg






公式動画


-


ソフト情報



■リリース:
 バージョン:「Blu-ray & DVD コンボセット/本編2枚組」第1弾
 発売:ジェネオン・ユニバーサル
 時間:108 min
 レーティング:NR(日本) / PG-13(米国)
 ※日本ではNRで何も規制はありませんが、子どもと観る映画ではありませんのでご注意下さい。
 制作年:1997年
 発売日:2010年9月23日

■映像:
 コーデック: VC-1 23.976Hz
 解像度: 1080p
 アスペクト: 2.35:1(スコープサイズ)
 ※ネット通販サイトにはビスタサイズの表記がありますが間違いです。

■オーディオ:
 英語:DTS-HD Master Audio 5.1ch 48kHz 24bit(ロスレス)
 日本語:DTS 5.1ch 48kHz 24bit(ロッシー)
 ※日本語音声のビットレートはDTS-HDMA(約2.8Mbps)の4分の1(約0.7Mbps)しかなく、ロッシーですのでクオリティは低いです。

■字幕:
 日本語、英語

■ディスク:
 Blu-ray Disc 1枚
 片面2層 (BD-50GB)
 DVD Disk 1枚
 ※DVDは既発売(GNBF-1515)本編ディスクと同内容です。

■リージョン:
 Region A(日本国内向けと表記)

■平均ビットレート(おおよそ)
(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)
(MPEG-4 MVC上限:66Mbps)
:約20Mbps

■撮影カメラ:
 パナフレックス・ゴールド II、Panavision Primo Lenses
 パナフレックス・プラチナム、Panavision Primo Lenses
 ※カメラはパナビジョン社のフィルムカメラです。

■映像マスタ:
 撮影マスタ・フォーマット:スーパー35
 
■映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
 Deluxe(撮影マスタ現像)

■音響:
 DTS、DTS-Stereo、Dolby SR

■音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
 Technicolor Sound Services(ポスト・プロダクション)
 Weddington Productions (ポスト・プロダクション)

■制作背景
・制作予算:約116億円 /100円換算
・世界興行収入:178億円 /100円換算

■賞:
4つの賞にノミネート、4つの賞を受賞しています。





キャスト情報



■監督:
ロジャー・ドナルドソン / Roger Donaldson

■出演者:
ピアース・ブロスナン / Pierce Brosnan
リンダ・ハミルトン / Linda Hamilton
チャールズ・ハラハン / Charles Hallahan




公式動画


-


映像クオリティ・レビュー総評



【画質】

劣化したフィルムの2Kマスター映像






ブルーレイ映像マスタ



映画マスターはフィルムで、Deluxe社仕上げのものです。
この時代はDIはありません。
ブルーレイマスターは、今までのDVDなどとは違い、マスターとなったフィルムから2Kでスキャン・テレシネしたと思われます。
解像度は確実に2K以上はあります。
DVDの1Kマスターのアップコンバートでは、ここまで解像度は出ませんので。
ブルーレイのマスターはHDテープで、階調性が浅く、色滲みを伴います。

しかし、フィルムのマスターの劣化は進んでいるようで、Deluxe社のフィルムが劣化すると現れる肌のピンク色が随所に見られます。
Technicolor社のフィルムが劣化するとこうはなりません。
ちなみに、メトロカラーも退色すると、同じようにピンクが目立つようになります。

また、フィルムのほこりなどのノイズも所々見られ、フィルムの状態は良くないです。
基本的には、色の退色が進み、かなり黒浮きしているシーンも前半は目立ちます。
フィルムリールによって、そこは違いがあり、黒がきちんと沈むシーンもそれなりにあります。
過去のVHSから本ブルーレイまで、同じフィルムをマスターにしていると思います。
冒頭のダンテズ・ピークの町でのパレードシーンで、楽器演奏者の顔がピンクで、どのソフトも同じです。

予測の範囲を超えませんが、もっと上位のフィルムであるインターポジなどは、ユニバーサル・スタジオの倉庫火災で焼失したのだと思います。
そう考えないと、状態が悪いフィルムをマスターに使い続ける理由がありません。

ブルーレイ初期のVC-1コーデックのため、ビットレートは低く、20Mbps程度です。
VC-1自体は低ビットレートを売りにしているためです。


解像感


新しくブルーレイ用(HD-DVDも)に、フィルムから2Kスキャンしたため、解像感はあります。
DVDなどは輪郭が太く、黒い線が目立っていましたが、ブルーレイは自然な輪郭です。
特に顔のアップは、化粧の乗りまで判るほどちゃんとしています。
本ブルーレイ映像の一番良い点です。


ノイズ感


まずフィルムノイズですが、フィルムグレインはあまり目立ちません。
マスターフィルムが上位だったためかと思います。
ただし、フィルムの状態は良くないため、ほこりなどのノイズは所々で散見されます。
エンディングが一番目立ちます。

デジタルノイズは、DVDのようなものはありませんが、色滲みが結構あります。
退色しているので極端には目立ちませんが、グレーの色滲みが輪郭付近にかなりあります。
バンディングやモスキートなどのノイズは意外とありません。


鮮度感


精細感はありますが、色と階調が良くないため、古い映像に見えます。
顔のアップは結構鮮度はあります。


階調性・コントラスト


フィルムの劣化で、階調性がかなりなくなっています。
脱色している映像というと判りやすいと思います。
ただ、全編でそうかというと、ちゃんとした階調性のあるシーン(リール20分)もあるため、シーンによります。
前半の市議会招集から火口でのロボット探査シーンまでが一番、劣化している部分です。
そこ以外は結構、ちゃんとしている印象です。

コントラストは階調性と同様で、良かったり悪かったりします。
基本的にはフィルム劣化で、暗部の色がなくなり黒浮きしています。
日中のシーンではおおむね良好で大画面ですとかなりキレイに見えます。


カラー


カラーコレクションはしていないと思います。
フィルムの劣化が一番目立つ部分で、かなり退色しています。
フィルムの劣化はRGB全ての色が同時に薄くなるのではなく、ある色味が強くなくなり、変色していく感じです。
判りやすく表現しますと、日焼けした本の背表紙のような感じです。

輪郭や暗部には偽色が目立ちます。
退色したマスターのため、緑や赤ではなくグレーに滲みます。
色かぶりがほとんどないのは救いです。
顔のアップやバストショットでは、ほとんどにじみや偽色が出ないので、解像感があるため、良好です。
暗いシーンでは、全体的にグレーのにじみが目立ちます。



音声クオリティ・レビュー総評



【音質】

ダイナミックレンジの整理による粗い音声






ブルーレイ音響マスタ



映画マスターは、元々高音質なソフトです。
高域のキレから重低域までしっかり作り込んでいます。
これは映画館(確か渋谷パンテオン)の大きい劇場で観たので、結構迫力あるサウンドだったと記憶しています。
その記憶のために、本作のソフトには高音質を求めてしまい、散財する結果になってしまっています。

とはいえ、サラウンドは普通のデザインです。
一方、要所での噴火シーンや地割れシーンなどでは、切れと重低音が両立する良いサウンドも健在です。
音の良い映画音響のはしりだったと思います。
Dolby DigitalやDTSが登場して、それを活用した音響の初期作品です。
最初はDTSをはじめて採用した1993年のジュラシック・パークが有名ですが、LDなどへの採用は1996年だったと思います。

フロント3ch(LCR)がメインの音響ですが、それでも音作りは良く、スピーカー分離も考えられています。


ダイナミックレンジ(音域バランス)


ソフトの音に関しては、レンジの制限がなかったLDが一番で、ブルーレイは情報とレンジが抑えられています。
中低域がカットされている印象です。
バランスは高域寄りです。
メディア化のプロセスで、抑えられていると思います。
ビットレートが低い関係だと思います。
ブルーレイ初期のソフトで、まだHD-DVDが同時発売されていた頃なので、圧縮技術やオーサリング技術もまだまだ初期ということで成熟していなかったことも大きな原因だと思います。


瞬発力・量感(キレと強さ)


元々はキレと量感がある作品です。
ダイナミックレンジの圧縮で、少しボンヤリ感を伴いますが、悪くはありません。
ボリュームを大きくして視聴するのが良いソフトです。


情報量(台詞、SE音、音楽)


台詞:
同録調の台詞で、普通の音声です。
特に目立つものはありません。

SE音:
音数は当時としては多く、高予算だったことが判ります。
2018年現在の現代的な音色ではありません。
要所のビルが壊れる音や噴火の音などは結構現在でも通用する良い作りです。
重低域を伴います。

音楽:
ジェームズ・ニュートン・ハワードによるテーマ曲とジョン・フリッゼルによる印象的なサントラは、芝居の邪魔をせず、かつ音場も広めに鳴ります。
サラウンドによる包囲感があります。


サウンドデザイン(音像感と音場感含む)


当時としては良く作り込んでいます。
芝居部分、台詞、SE音、サントラとそれぞれはかなりしっかりしています。
音像感が強く、高域もキレがあります。
画面外の音もちゃんと作り込んでいて、なかなか凝っています。
例えば、画面外の右(右スピーカー)でお店のドアが開き、足音は画面外の右(右スピーカー)から画面中央(センターチャンネル)に移動してくる、といったものです。
当たり前に感じるかもしれませんが、こういうちゃんと表現をしているサウンドデザインは、意外とないですよ。
ただ、情報量は2018年現在では、多い部類ではありません。

サラウンド(移動感含む)


サラウンドを強調する作りではありません。
どちらかと言えば、当時のデザインで、効果音やサントラで包囲感を作るサウンドです。
移動感やサラウンド固有の音を鳴らし分けるような作りではありません。



クオリティ・レビュー詳細



★映像クオリティ     :71点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


 解像感        :88点
 ノイズ感       :60点
 鮮度感        :74点
 階調性・コントラスト :70点
 カラー        :64点




★音声クオリティ     :85点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


 ダイナミックレンジ  :88点
 (音域バランス)
 瞬発力・量感     :89点
 (キレと強さ)
 情報量        :86点
 (台詞、SE音、音楽)
 サウンドデザイン   :84点
 (オリジナルとメディア化)
 サラウンド      :78点
 (移動感含む)




レビュー基準についてはこちらInternal_Link_15px.png




商品ソフト紹介


【ブルーレイ】
ダンテズ・ピーク [Blu-ray]
by カエレバ

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【DVD】
ダンテズ・ピーク デラックス・エディション [DVD]
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【オンライン】
ダンテズ・ピーク (字幕版)
by カエレバ





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オーディオとホームシアターが三度の飯より好きなアラフィフ管理人です。どちらかと言えばホームシアターのほうがオーディオより好きです。映画ソフトはかなりたくさん観てきましたので、機器だけではなくソフトのクオリティ・レビューも気ままにしていきたいと考えてます。機材検討やソフト購入検討のお役に立てれば幸いです。
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