2012年10月08日
逃れの街・北方謙三
確か昔読んだはずだと思っていましたがやっぱり読んでいませんでした。
北方謙三は純文学から始まって、色んなジャンルに移り変わっていって、ハードボイルドを書き始めた初期の作品で、
まゆみさんはもっと後の本を数冊読んで、北方謙三の手法がわかり出したので、いずれは読もうと思いながら読まなかった本でした。
北方謙三といえば、主人公は必ずバーボンウィスキーを好んで飲んでいるという思い込みがありましたが、この主人公はまだ若い普通の平凡な労働者で、サントリーレッドを飲んでいます。
友人とも本人は思ってない人間が訪ねてきて、主人公の気に触ることをしたため殴って追い返しました。殴られて一番お気に入りのスーツを鼻血で汚されて友人は腹が立ちながら黙って帰って行きました。
その人は狂言強盗の犯人だったのですが腹立ち紛れに主人公を共犯者だとウソをつきました。
その時間は主人公は彼女と一緒に過ごしていましたが、
実は彼女、16歳なのに24歳と偽っていて名前も偽名でした。
彼女はウソの証言をして
アリバイは成立せず、結局無実の罪で逮捕されてしまいました。
やがて真相がわかって釈放されたものの、
その誤認逮捕がきっかけでどんどんアウトロー化していくのです。
本当にごく普通のどこにでもいる労働者が変貌せざるを得ない状況が
次から次へと巡ってきます。
暴力団員を殺すはめになり、暴力団と警察と両方から追われる身となります。
幼い少年を旅の道連れにしているところがまた面白い。
主人公は真っ直ぐな人間で、どろどろしたところがまったくなくて好感が持てます。
まゆみさん今、バードボイルド的で、しかもアウトローではない本を執筆中で
書いているうちにもっと完成度を高めたいと思って
ペンを休ませて、北方小説で勉強中です。
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