2020年01月03日
親密でナアナアな関係を絶対に作らないようにしています。上司は絶対にこれを心掛けるべきだと思います。渋沢栄一「論語と算盤」を参考にして
従業員さんとつかず離れずの距離関係をつくることが大事
【最近のビジネス書について】
多くのビジネス本には部下(もしくは新人さん)の育て方についてとにかく「コミュニケーションをとってよい人間関係を築いておく」ということが共通して書かれています。
確かにそれはそれで正解だと思います。しかし補足を付け加えるならば「(過度ではなく)適度にコミュニケーションをとる」と言うのが適当だと思います。
実際に「適度に」ということを意識しないコミュニケーションでもって人間関係を構築しようとした場合、対象となる部下の人数が大人数となった場合に物理的、時間的にそれは難しくなり必ず破綻をきたします。
それに対象となるのが多くの女性事務員さんだった場合接し方も対男性のようにはいかず気を遣うことが増え、またこちら側が平等に接しているつもりでも「〇〇さんを贔屓している」とか不公平を感じたりするのが女性の常(男性でも同じだと思いますが)だと思います。感情で判断されることが多いのが難しいところだと思います。
私は、どの従業員さんとも平等に付かず離れずの関係であることを心掛けるのが大事だと思います。
ゆえに、どの人とも親密でナアナアな関係を絶対に作らないようにしています。
相手が新人であろうとベテランであろうと仕事の伝達の仕方や、(仕事についての)話の受け方は同じにしています。
誰とも親密な関係を築かないというのは一見孤独なスタンスに見えますが、実際仕事を進めていく上でこれ以上仕事がやりやすいスタンスはないです。
先ず、これが出来ていないといざ注意すべき時に何も注意できなくなります。それが蔓延すると組織は必ず腐っていきます。
これが出来ていればベテランさんであろうと新人さんであろうと関係なく言えるようになります。
また会社内の話し合いでも組織の在り方や方向性を考えるときも、人間関係のしがらみがないので自由闊達に意見が言えるという利点があります。しがらみのある人はどうしても奥歯にものが引っかかった言い方になります。
ただ、かといって全く放っておけばいいということではなくて、必要な時はじっくり話を聞くことは大事だと思います。
普段は月と地球のような、つかず離れずの位置関係。これを心掛けています。
【渋沢栄一の「論語と算盤」より】
渋沢栄一著の『論語と算盤』でも上下関係のバランスについて書かれています。
上下関係がなあなあになると先輩は「後輩にいかなる欠点やミスがあっても、必ず味方にまわってくれ、どこまでも後輩を守ってゆくことを信条にしていく。こういうタイプの先輩は。後輩より厚い信頼を受け、やさしい母親のように懐かれ慕われるものである。しかし、このような先輩が果たして後輩のために真の利益になるかどうかは、いささか疑問である」(現代語訳 渋沢栄一著『論語と算盤』第一章処世と信条の項より抜粋)
過度に手厚くするのも害があると書き述べています。むしろ先輩は後輩のことガミガミと責めて、厳しい目で見ていた方が、「その下にある後輩は一瞬も油断できず、一挙一動にもスキを作らないようにと心掛けるようになる。」と述べています。
「そんなの今時の指導方法ではない」と反論が出そうですが、「論語と算盤」は現代でもビジネス指南書として評価されており、日本ハムの栗山監督は全選手にこの本を配っているそうで、大谷選手の愛読書でもあるそうです。
自分も「論語と算盤」は参考にしています。この中で書かれている孔子の教えは平等と博愛を説いており、それを片手に商業活動をすることの大切さが全体を通して描かれています。
(現代語訳 渋沢栄一著『論語と算盤』 守谷淳 訳 ちくま新書)
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