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2016年10月08日

ニコニコ自作ゲームフェスMV作〜る放送【第一回】イシイジロウさん出演回 まとめ

◆ニコニコ自作ゲームフェスMV作〜る放送【第一回】イシイジロウさん出演回 まとめ

MC:
伊予柑さん
ゲスト:
イシイジロウさん
ksonさん
放送日:
2016/10/5(水)21:00〜
タイムシフト視聴:
http://live.nicovideo.jp/watch/lv277432834

■イシイジロウさんについて
20161007-01.jpg

・代表作は「428」
 -よみは「ヨンニーハチ」(通称「シブヤ」)
 -Wii用サウンドノベルゲーム。PS3、PSP、iOSにも移植
 -日本ゲーム大賞 2008「フューチャー部門」を受賞
 -週刊ファミ通のクロスレビューでは、当時史上9本目となる40点満点を記録

■インタビュー
Q.「過去で一番影響を受けたゲームや作品について教えてください。」(6:27)
20161007-02.jpg

A.影響を受けたゲーム1⇒表向きには「かまいたちの夜」
・プレイヤー側からはわからないがフラグ管理が凄い(どう凄いかは後述)

途中で脱線して、イシイジロウさんがゲーム業界に入るまでの話
・(1995〜96年頃、進路を考えていた際)映画やアニメーションを作りたいと思っていた
・サウンドノベルに出会って「映画やアニメを作っている場合じゃない」と感じた
・当時ゲームを作らないと、物語をつくりたい人間としては時代遅れになると感じた
その時に出会った作品が「かまいたちの夜」「弟切草」。



A.影響を受けたゲーム2⇒ときめきメモリアル(8:08)
ときめきメモリアル=ギャルゲー、シミュレーションゲームに位置付けて以下語り。
・ギャルゲーはアドベンチャーゲームというより、シミュレーションゲームの性質を持っている
・ギャルゲーはノベルゲームによって淘汰されてしまったが、物語をかたるうえで高い可能性があると思っている
・(例えとして)ファイアーエムブレム(以下FE)も同じシステムだと思っている
・ギャルゲー、シミュレーションゲームの成功が難しい理由はプレイヤー※にとって負荷が高いこと
※イシイジロウさんは「お客さん」と言っていました

話は映画を使った例え話に
・映画をフィルム単位で見ると絵⇒黒画像⇒絵が交互に繰り返されていて、4/9の時間は黒を見ている
-5/9の時間しか絵を見ていない
-4/9の時間は5/9の「残像」を見ている

20161007-03.jpg

-残像があるからこそ、現実の世界と違って見える
-残像の使い方こそが映画の演出上では重要=見ていないものを見ていること(感覚)が大事

・映画からゲームに置き換えた場合でも残像の感覚は活きている

 映画:
 絵⇒黒画像⇒絵

 ゲーム:
 物語⇒プレイヤーが想像する時間(残像)⇒物語⇒プレイヤーが想像する時間(残像)⇒物語…

-「プレイヤーが想像する時間」で物語が膨らんでいる
-残像の膨らませ方こそがゲームが持つ本当の可能性であり、映画やアニメーションが手を出せない領域
-例えばときめきメモリアルだと、ノベルパートとノベルパートの間(進行待ち)に残像を感じることができる。

////kuroメモ////
「ペルソナ4 コミュmax」で出てくる動画を観て、近いものを感じました。
コミュMAX(親密度が最大のイベント)は、おおよそ次の構成になっています。




エスコートしてからの流れ
⇒暗転(これからの展開に対する期待:残像)★
⇒会話1(動機の話:キャラクターの掘り下げ)
⇒ゲーム上の成長(文字を追うだけの休憩部分:残像)★
⇒会話2(恋愛寄りの話:プレイヤーの緊張が最高潮)
⇒暗転(想像が膨らむ部分:残像)★

★をはさみこむタイミング、数でプレイヤー心理を盛り上げることこそが醍醐味、ということなのだと思います。
/////

Q.「ご自身の製作及び関係したゲームの中で最も『成功した』と思える作品は何か?」(11:14)
20161007-04.jpg

A.「最も成功したのは428」


・なぜ成功したのか
⇒「忌火起草」、「金八先生」などで培った経験、ゲームデザイン、プログラム技術を経たことが大きい

技術の話から飛んで
・「かまいたちの夜2」で発明した技術として「未来をセーブする」という概念がある
・アドベンチャー作品を作るうえで、セーブデータの管理は重要

////kuroメモ////
従来の作品:
1-1.場面A開始
1-2.場面A終了
1-3.1-2が終了したことがフラグとして立つ、2-1への進行が決定する、1-1から1-2へのスキップが可能になる
2-1.場面B開始
2-2.場面B終了

かまいたちの夜2/428/タイムトラベラーズ:
1-1.場面A開始★この時すでに1-2のフラグが立ち「スキップ」「2-1への進行が決定」などの情報を保存(周回プレイやマルチ主人公プレイ時にこの情報が活かされる)
1-2.終了
2-1.場面B開始
2-2.終了

この記事の「アドベンチャーゲームの定義と歴史的な流れ」辺りも参考になります。
http://www.4gamer.net/games/074/G007427/20131108107/

・1-1から始め直さなくても、細かいシーン単位でスキップ/ジャンプが可能になる
・「未来を記録している」感覚はSFとしてのタイムトラベルに近い
・「街」にはこの技術は使われておらず「428」で採用されているシステム

★補足
・先のフラグを含めて記録することで、主人公Aの1-1に触るだけで別の主人公Bの1-1が変化するような影響が出せる
(従来の作品は主人公Aが1-1⇒1-2までプレイして初めて、主人公Bの1-1が変化する)
・僅かな変化(主人公Aの1-1プレイ開始)が、即時に主人公Bに現れる感覚はタイムトラベルやタイムパラドックスのような感覚を与える…そういうことだと思います

・この前に語られている残像の概念が加わると、プレイヤー(主人公A⇒B)の切り替え、ロード中のタイミングに「変化」が起こったことを想像させられる…と考えました
/////

428の後継作は今のところないが、タイムトラベラーズが428に近いシステム
・タイムトラベラーズは「未来をセーブする」概念+ループする世界設定をゲームで表現した作品
-「過去をセーブしてロードする」の流れが、ゲームにおけるタイムトラベルという概念だと思っている
-しかしループする作品においては「未来さえもセーブされている」という概念を出したかった
それがタイムトラベラーズのコンセプトに繋がっている

他にも428の成功した理由は、当時のチュンソフトのスタッフがノっていたこと
・「弟切草」型、「かまいたちの夜」型、「街」型、全てのシステムをどのように組み合わせたらよいか試行錯誤
・プログラム、リソースも組み合わせて使い、使えるものは使う、古いものは使わないという結果の現れかもしれない

Q.「アドベンチャーゲームはアニメや映画と比べて「何が」面白いのか?」(14:46)
20161007-05.jpg

A.
・アドベンチャーゲームは映画、アニメでは表現できないところを表現できる(残像の使い方など)
・小説、映画、アニメは作家とお客さんとの会話でしかない
・アドベンチャーゲームはプログラムを介して、ユーザーの体験したことを作家が知ることができる
・例えるなら「読んだ本が読まれたことを覚えている」(=周回プレイをゲームが認識している)
・この部分※を意識して話を書くと、良いものに変わるし、アドベンチャーゲームで多用されるようになったループの概念に繋がる

 小説、映画、アニメ:
 作家が発信⇒お客さんが受け取る/感じる(一本通行)

 アドベンチャーゲーム:
 プレイヤーの行動、視点(何がしたい、どんなことを考えたか)をゲーム側が認識する

////kuroメモ////
※この部分…「読んだ本が読まれたことを覚えている」と形容されているように、ゲーム側が存在としてそこにあるような演出や、プレイヤーがゲームの先にある存在感を感じ取れるようなテキスト、ということなのだと思いました。

チュンソフトさんの「忌火起草」、Child-Dreamさんの「ANGEL WHISPER」などはその典型だと思います。
/////

物語の構造のはなし(フローチャート)

 多くのゲームの構造:
 ・小さなストーリー(図の「S」)に対して良い選択をしたら先に進み、間違えたら失敗判定をしてエンディングに向かう
20161007-06.jpg

 弟切草の構造:
 ・最初から複数のストーリーが存在する
 ・例えば赤囲みではヒロインが殺人者、青囲みではヒロインが悪魔、黄色囲みでは悲劇のヒロインのように、どれもが正しいシナリオが平行して存在する
20161007-07.jpg

・「多くのゲームの構造」の場合だと、矛盾が存在しない(比較対象がない)
・「弟切草の構造」だと、シナリオごとに矛盾が生じる(先ほどのヒロイン設定の違いなど)
 作家側、プレイヤー側は整合性を保とうとする(ヒロインの設定をどれか1つに近づけようとする)気持ちが生じる
 これがパラレルワールドを同一視点で見るという考え方になる
 映画のストーリーをノベルに起こそうとするよりも、これらを意識して物語を書くと良い

「ひぐらしのなく頃に」の場合

 従来のフローチャート型:
20161007-08.jpg

 ・上の四角がオープニング、下の四角がエンディングという一般的な構造

 「かまいたちの夜/ひぐらしのなく頃に」型:
20161007-09.jpg

 ・進行先は全てバッドエンディング(赤囲み)
 ・グッドエンディング(青囲み)は、実は最初から分岐できるようになっている

 ほとんどのゲームはグッドエンディングに到達するまでにフラグ立てをさせる。
 かまいたちの夜では、あえてグッドエンディングへの到達にフラグを設定していない。
 BADエンディングに進むのはプレイヤーの選択ミスであり、BADを回避するために選択肢を考えさせるようにゲーム側でバランスを取る(BADを見ないとフラグが立たない=システム側での管理になり、これを避けた結果でもある)

 シュタインズゲートだとBADエンディングを知り回避する行動をゲーム内で「タイムトラベル」としている。
 このようにゲーム側でシステムを表現することもできる。

分岐システム

・従来の選択肢
 片方が正解(Good/生きるルート)、片方が不正解(Bad/死亡ルート)
 20161007-10.jpg

・ちょうちん分岐
 どちらを選んでも正解となる分岐
 例)ドラゴンクエストXの花嫁選び
20161007-11.jpg
 ゲームにおいては誰も選ばない(黄色)選択肢もありうる。
 例)映画「バタフライエフェクト」

・他人分岐
 プレイヤーが直接選択できない選択肢のこと

・ちょうちん分岐+他人分岐
 ちょうちん分岐の選択が、他人分岐を変更するスイッチになる
20161007-12.jpg

 これがマルチサイトの考え方
 さらに視点(人)を追加してちょうちん分岐/他人分岐のポイントを増やしたのが「街」「428」のシステム
20161007-13.jpg

このシステムを理解したうえで物語を書くと、映画ではできない表現が可能になる。

Q.「アドベンチャーゲームを作る上で、シナリオ以外の要素で一番大切な要素は何?」(30:23)
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A.
・眠くなるアドベンチャーと眠くならないアドベンチャーゲームがあるが、分かれ道はリズムだと考える
・良い例としては逆転裁判で、単調にならないように工夫されている
・台詞の長短、句点の使い方など、簡単な部分でリズムは調整できる

Q「アドベンチャーで「ゲーム実況」を活かすには?」(31:46)
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A.
・アドベンチャーゲームの性質上、最後まで実況してしまうのは難しいと考える
・完全に禁止にするのは勿体ない
・冒頭XX分公開、2話無料のように限定的に公開するのはプロモーションとしても有効と考える

Q.いま「ゲームの物語」の最前線は何か?
20161007-16.jpg

A.
オープンワールド、体験型アトラクション、ラブライブ…のような新感覚のゲームが登場する現状をどのように捉えられているか?という質問。

・オープンワールドがもう一つ残念な感じ(まだ沢山の可能性を残している)
・サウンドノベルが生んだ「ループの概念」や「分岐」を取りこんで、メタ概念をゲームとして表現する…というのがシステムとゲームの出会いだった。このような発明レベルのゲームデザインの変化が未だ起こっていないように思える

1.プレイヤーのAI化
ゲームマスター役をプログラム化したレベルが現状だとすると、次に起こるのはプレイヤー役のプログラム化=AI化が起こると思っている。プレイヤーのAI化が進めば新しい物語が作られる…というような変化が生まれると思う。

2.シミュレーションゲーム
・ゲームにおける「残像」はまだ追及されていない部分と考える
・ガンパレードマーチが踏み込んだ作品であり、再評価されてほしいポイント
・刀剣乱舞、艦これ…のようなソーシャルにも共通
キャラクターはカード一枚の情報量しかないが、想像の余地を二次創作的にプレイヤーに投げている。
しかしこれ自体は以前から存在していて、新しい考え方ではない。
残像を買って次に進める物語性、システム性を考えるのが次のステップではないかと考える。
イシイジロウさんがソーシャルやブラウザゲームに対して好意的に捉えているのは、上記部分をどのようにプレイヤーに提示したらよいかを試行錯誤しているため。

Q.少人数開発者が成功するにはどうしたらいいか?
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制作者3人、予算10万円のような規模の体制で成功するにはどうしたらいいか。

A.
・少人数の良いところは1人の個性が活かせるところであり、一点突破が良いと考える
・人と同じことを考えない、通常ではNGとされる判断も恐れずに打ち出す(例.シンゴジラ)

ksonさんの出演は42:18〜です。
このブログでは省略させて頂きます。ご容赦ください。

////kuroメモ////
私は「かまいたちの夜」「かまいたちの夜2」「忌火起草」「街」「428」「タイムトラベラーズ」をプレイ済み、映画「バタフライエフェクト」視聴済みという前提ながら、何度か繰り返し視聴して、自分なりに理解できました。

ポイントは「ゲーム体験を自然にプレイヤー自身の体験に繋げる(おきかえる)こと」のように思えます。
例えば印象的な話の1つに「残像(想像の余地を与える)」がありました。
1〜10まで説明させずに「1〜6」と「8〜10」の情報を与えて「7」を考えさせる、でもいいでしょうし、欠けた「7」を追いかけることを話の1要素にしても良いと思います。
「残像」自体をゲームシステムや小道具にしてしまうのも面白いですね。

なに言っているか分からない!という方は、分かりそうな部分をまずは参考にしてみるといいと思います。
理論だけでは良い作品にならないので、基本は読ませるテキスト、そのうえでの工夫として位置付けると良いのではないでしょうか。
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