ハネ吉のマンガ生活〜おすすめマンガ感想紹介〜

ビッグコミックスピリッツ。2014年37・38合併号まから連載中。既刊6巻
作者：阿部潤
他作品：パパがも一度恋をした



簡単なあらすじ。
出版社の文芸編集部に勤務する佐々木サチコ。男っ気がないといわれていた彼女にもイケメンの彼氏ができ、無事結婚するまでに至ったのだが、結婚式の途中で婚約者に逃げられてしまいます。表面上は平然とテキパキ後始末を済ませ、翌日には何事もなかったかのように出社するサチコですたが、見た目とは裏腹にミスを連発。自分がショックを受けていたことに気づき、ついに涙を流します。
そんな傷心の中、ふらりと入った定食屋でサバ味噌定食を食し、美味しさに感動したサチコは食べてる間だけはつらい気持ちを忘れることができました。美味しいものでつらい気持ちを消せることに気づいたサチコは、今まで無関心だったグルメを強く求めるようになります。

つらくても腹は減る。
グルメに興味を持ったことのなかった女性が、恋愛によって傷つき、そのつらい気持ちを忘れるためにあちこちで美味しい物を食べ、一時の安らぎを得る話。

主要登場人物
・佐々木サチコ
出版社の文芸編集部に勤務する29歳。スタイル抜群の美人な女性ではありますが、超がつくほどの堅物人間です。少し周囲とずれた感覚の持ち主でもあり、天然ボケをかますこともしばしば。普段はキリっとした顔をくずすことはありませんが、とても感情が分かりやすい人。不思議な魅力を醸し出しています。

・俊吾
サチコより3つ年上の結婚式場から逃げた旦那になる予定だった人。2年の交際を経て結婚することになったんですが、「サチコ、すまない」の書置きを残して行方不明になりました。

・その他
ちょっとセクハラ的な発言をしがちな、それなりに気を使ってくれる編集長。
度下心を持って取材旅行に々サチコを誘うが上手くいかない、彼女の担当作家である美酒乱先生。
あまりに周りをイラつかせることから、サチコに押し付けられる新人社員の小林。
などなど、個性の強いキャラ多いです。

どんなグルメマンガかなと手に取ってみたら、1話でいきなり結婚式場から男に逃げられ、ちょっと引きながらも続きが気になる展開に惹かれてしまいました。
サチコは元々食には全く関心なかった女性なんですけど、サバ味噌定食での感動をがきっかけとなり夢中になっていきます。最初はつらい気持ちを消すという目的が特に強く、その目的自体はその後も変わらないんですが、次第に食べることを純粋に楽しめるようにもなってきてると思います。よだれ垂らしてる顔を見るとそう思わされますね。

グルメは基本的にサチコが取材のために全国各地を飛び回るので、行く先々のご当地色の強い名物を食べるという形です。普段表情をあまり変化させないサチコなので、食べてるときの緩んだ表情を見るとギャップもあり、一層美味しそうに見えます。忘却モードでの恍惚な表情とかたまりませんね。

グルメ一辺倒ではなく、サチコの人間関係もなかなか面白いです。サチコはとっつきにくそうな堅物人間ではあるものの、良く言えば真面目、さらに美人でもあるので意外とモテます。上で紹介した3人がまさにそれです。編集長はちょっと意識してる様子が伺え、美酒乱先生は下心全開、小林もだんだんサチコに惹かれだしてるような気がします。当のサチコはそっち方面には疎すぎる性格のため全然気づきませんけどね。ただ、やはり一番気になるところは俊吾との関係でしょうね。なぜサチコから逃げてしまったのか、完全に分かれるのか、それともまたよりを戻すのかなど気になってます。

美味しそうにご飯を食べてる女性の姿に弱い自分としては、どんどんサチコが魅力的に見えてきますね。全国各地のグルメを知ることもでき、料理を食べてる姿もとても美味しそうに描かれ、グルメだけでなく物語の展開も気になる面白さがあります。食べるに至るまでのサチコの努力と苦労、それが笑えるポイントにもなってますね。なんか、思い出しただけでもお腹減ってきました。

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