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2016年10月12日

【CLAYMORE(クレイモア)】マンガ 感想&あらすじ 美しい戦士たちの凄惨な戦いを描いたダークファンタジー

月刊少年ジャンプ→ジャンプスクエア。2001年7月号から2014年11月号まで連載中。全27巻
著者:八木教広
他作品:エンジェル伝説



あらすじ・概要

人間を捕食する妖魔が蔓延る世界。妖魔は喰らった人間の姿に擬態し、隣人として、友人として、家族として、村や街に紛れ込み人を襲い殺して内臓を喰らう。人々はそんな妖魔の存在に常に怯えながら暮らしていた。だが、そんな妖魔を狩る者達がいる。背に大剣を背負い、銀色の瞳をした、女ばかりで構成された戦士達の組織「クレイモア」。妖魔を狩るため、体内に妖魔の血肉を取り込んだ半人半妖の戦士たちは、各地に散らばり依頼の下妖魔を狩り、「銀眼の魔女」と恐れられながらも人々を守っていた。
妖魔の被害が相次いでいたとある村に住む少年・ラキは、村長が依頼し訪れてきた1人の女戦士・クレアと出会う。

主要登場人物

・クレア
主人公。47名からなる戦士の中でNo.47という最下位に位置する戦士。妖魔の血肉を取り込んだ他のクレイモアとは違い、全戦士の中で唯一戦士の血肉を取り込んだ「特殊体」。身体能力は劣るものの、妖気感知能力は高い。無口で表面上は冷静だが、心の内では熱い感情が渦巻いています。

・テレサ
通称「微笑のテレサ」。歴代最強と謳われたかつてのNo.1。あらゆる能力に特化しており、中でも妖気感知能力は極めて高い。妖魔に連れ回されていた幼いクレアを助けたことをきっかけに、彼女に懐かれるようになり、テレサ自身もクレアと共に生きて生きたいと思うように。覚醒者になったプリシラによって命を落とします。

・ラキ
人間の少年。兄に化けていた妖魔から救われたことで、クレアと共に旅をすることになります。助けられたこと、元々の優しい性格から、クレイモアであるクレアを慕い、恋心を抱くようにもなっていきます。料理が得意。

・ミリア
通称「幻影のミリア」。組織のNo.6。責任感が非常に強いリーダータイプ。クレアにとって良き姉のような存在。瞬間的な妖力の急上昇によって、高速移動を発揮し残像を生んで敵を惑わせながら戦います。

・プリシラ
クレアの復讐相手。テレサがNo1だった世代のNo.2。短期間でNo.2にまで昇り詰めた天才。逃亡したテレサに挑むも叩き伏せられ、激昂したことで妖力解放の限度を見誤り、半人半妖が妖魔化した存在である覚醒者と成り果ててしまいます。油断していたテレサを斬首し、他のクレイモアの切り伏せ北へ向かいました。



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感想

人を喰らう魔物「妖魔」と、妖魔を狩る女戦士「クレイモア」が存在する世界。命を救われ絆を深めたテレサを殺めた覚醒者・プリシラへの復讐のため、テレサの血肉を取り込むことでクレイモアとなったクレアの戦いの日々を描いた物語。クセのある美術的な絵と独特な世界観、多様なキャラによる凄惨で過酷なストーリーで描かれたダークファンタジー作品です。2007年にはアニメ化もされました。アニメと漫画のラストは完全に異なっていましたね。

話が進むにつれて広がっていく独特な世界観が素晴らしい。人を喰らい、喰らった者の姿に擬態できる妖魔が人々の暮らしを脅かしており、それに対抗するため生み出された存在が、妖魔の血肉を体に取り込んだ半人半妖の女戦士「クレイモア」です。全部で47名の正式な戦士で構成され、番号がそのまま強さの序列を示しています。
前述で書いた「覚醒者」というのは、妖力開放の限度を超えた戦士たちの妖魔化した姿です。戦闘力は戦士時代の実力・潜在能力を反映していて、力は普通の妖魔を超越しています。
世界の全貌を書いちゃうとネタバレすぎるので省きますけど、かなり練られた世界観でしたね。凄惨で混沌としたダークな雰囲気が魅力的です。厳しい世界だからこそ、強さや美しさがより映えて見えます。

ストーリーは結構辛い話、というよりエグい話かな、そういう傾向の話が多かったですね。村や街を妖魔から救っているにもかかわらず、人々から忌み嫌われているのは辛い。未知なるもの、自分たちとは違うもの、半分は自分たちを脅かしている存在であることからして、恐怖を抱くのは仕方ないところはあるんですけどね。
もう1つは前述にも書きました覚醒者が元戦士というわけなので、それを討伐するのはかつて共に戦った仲間や友人なんですよね。本人も知った上での討伐戦だったり、討伐した後にそれが苦難を共に乗り越えた友人だということを知ったりと、読んでて辛くなることも多く、彼女たちに救いがあることを強く願うばかりでした。
エグいと言ったら彼女たち戦士を作っている組織です。モルモットでも扱っているかのような感覚をしているので、彼女たちを人としては全く見てません。戦士たちに救いと温かな未来を願う一方、ありとあらゆる苦痛と絶望を奴等に与えて欲しいと望んでいました。

美しく強い戦士たちに見惚れてしまいますね。たぶん人気高いのは美しさだけでなく、強さも規格外だったテレサかな?幼いクレアとテレサの過去話は評価高いですし、この辺も起因していると思います。孤高だった存在が幼いクレアに触れ愛情を抱くようになっていく様は、この作品では稀なほっこりさせてもらえるエピソードなので私も大好きです。それ故にその後の展開は辛すぎました。まあ感動も待ってますけど。あと、最後まで彼女の強さの底は見えませんでしたね。彼女を育てた組織ですら把握できていなかったようですし。全てにおいて規格外。
私もテレサやクレア好きなんですけど、あえてそれ以外の人物で誰か1人をあげるとしたら、ガラテア姉さんですね。「神眼のガラテア」の通り名を持つ妖気感知能力に優れた人物です。美しさもさることながら、強くてかっこ良く、多くの物事が見えすぎるせいか、周りとはどこかかけ離れている存在でした。子供たちに慕われてる姿を見ると、良きお姉さん、良きお母さんにもなれそうです。魅力的な人たちばかりですけど、個人的には彼女が1番好きですね。

覚醒者の覚醒した姿も書き分けられていて、様々な特徴から戦士時代がどんなタイプの戦士だったかも伺えて楽しませてもらえました。そんな覚醒者との戦闘は緊迫感あって良かったですね。以前は手も足もでなかった存在に対し、成長し力をつけ、心を預けられる仲間と共闘し立ち向かう戦闘シーンは熱くさせられることもありました。

どこかの書店で適当に選んで買った1冊だったんですけど、予想以上に面白くハマってしまった作品でした。ストーリーは重厚ながらも分かりやすくテンポも良い。序所に明かされていく世界の在りよう、戦士たちの存在理由、迫力ある戦闘シーン、見応え十分でした。最終巻は特に感動でき何度読み返したか分かりませんね。
過酷な世界で凄惨な戦いを強いられながら生きるクレアたち女戦士たちの生き様を描いたダークファンタジー、よければ読んでみてください。



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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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