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2016年10月11日

漫画『スズキさんはただ静かに暮らしたい』1巻の感想とあらすじ

『スズキさんはただ静かに暮らしたい』1巻の感想。


スズキさんはただ静かに暮らしたい
著者:佐藤洋寿
掲載:ゼノンコミックス
1巻発売日:2015年4月20日

ある事件を目撃してしまったことが原因で、世間から隠れるように母親と2人ひっそりと暮らしていた少年の仁輔。家に帰ってきても誰もいなく、苦労の多い生活を強いられていても、自分のために一生懸命働いてくれる母・仁美と一緒に暮らせてることに感謝していた。だが、仁輔の誕生日、ついに居場所を突き止められてしまい仁美は殺されてしまった。仁輔も殺されそうになったその時、彼を助けてくれたのはお隣に住んでいたスズキさんだった。1人生き残った仁輔、そんな彼を助けたスズキさん、この2人の疑似家族として追ってから逃げる生活が始まる。

両親を殺されてしまった少年の仁輔、そんな彼をたまたまお隣に住んでいた女殺し屋のスズキさんが助け、追っ手から逃れるために家族ごっこしながら逃亡生活を送る話。『レオン』というジャン・レノ主演映画の殺し屋と子供の性別を逆転させたような設定です。もちろん内容は異なります。サスペンスであり、2人が絆を深めていくハートフルな話でもあります。

衝撃の1話を見た後に予想したのは血みどろの逃走劇だったんですが、意外と穏やかに話は進んでいきましたね。たぶんスズキさんのキャラがそう見せてるんだと思います。頼りになるかっこいいツンデレさん。子供に不慣れでぎこちないスズキさんはちょっと可愛いです。
最初はさっさと仁輔を厄介払いしようとしていたスズキさんなんですが、警察に預けることが不可能になってしまったことで一緒に逃げることになり、その過程で仁輔とふれ合っていく内に少しずつうちとけていき人の温もりを感じるようになります。

仁輔とスズキさんはお互いの第一印象は最悪だったんですよね。仁輔は深夜に仕事から帰ってくる仁美を寝ないで待っています。お母さんとふれあえる大切な時間なんですけど、なにぶん深夜、しかもボロアパートなので隣に住むスズキさんには迷惑でしかないため怒鳴り込んできます。大切な時間を奪われた仁輔は睨み付け、そんな彼を可愛げないガキと吐き捨てるスズキさんでした。
でも、母の死をじわじわと実感して悲しみが溢れた仁輔がすがり抱きつけるのは、今はもう助けてくれたスズキさんだけなんですよね。消してしまおうかとも考えていた殺し屋のスズキさんも、そんな仁輔の姿と「ママ」という言葉にあっさり堕ちます。

重く暗い話のはずなんですけど、うちとけていく2人を見てると温かい気持ちになります。手間取りながらも料理するスズキさん、それを食べた仁輔の反応に対するリアクションは微笑ましかったですね。「スズキさんはただ静かに暮らしたい」というタイトル、これは事件に巻き込まれてしまったことから来るスズキさんの悲嘆が込めらていると思っていました。でも、スズキさんの変わりようからすると、仁輔と2人で静かに暮らしていきたい、壊されたくないという思いを反映させたタイトルなんじゃないかと思います。

面白いです。続きが気になります。
「家族」を強く意識させられる温かい話、でもその裏では執拗に痕跡を辿り迫りくる追っ手。
「レオン」のような最後は見たくないですけど、どうなるでしょう・・・。温もりを知り優しくなっていく反面、非情になりきれず、殺し屋としては弱くなっていくスズキさん。仁輔だって両親を殺したやつらへの恨みはこの先当然大きくなっていくでしょうしね。
この2人の逃亡の先には何が待っているのか、怖くもありますが、続き読んでみようと思います。


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