守っていきたい場所 (2): ホラー好きのフライマン
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2014年07月09日

秘境化する千歳・紋別川

  林道のゲート内だけで完結する小河川は多いが、そうした支流も合流する本流からの遡行が可能だ。しかし、林道ゲートを潜り抜けなければ、ほとんど入渓することのできない河川も存在する。今回釣行した千歳・紋別川もそのひとつ。
 
 「紋別川の釣行」と聞いて頭をかしげる人は事情通だ。分からない人に説明すると、千歳川の王子製紙第4ダム(第4発電所)に流れ込む紋別川に入るには、5つの林道を通るしか手段がない。まず恵庭・盤尻の市民牧場の林道ゲート、恵庭ダム傍の2つのゲート、支笏湖畔傍のゲート、そして千歳川さけ・ますふ化場の上にあるゲート。第4ダムの流れ込みからの遡行は、ダムサイトから距離があり事実上不可能。
 
 この林道ゲートは以前開放されていた。しかし3〜4年ほど前から、不法投棄や営林事業の妨げとなるために全て閉じられている。そのため、車での紋別川への入渓は、林道のゲートが開いていなければできない。ゲートを潜り抜けて、バイクや自転車、徒歩で入渓する釣人も少なくないが、自家用車の通行をゲート封鎖で守ってきたこともあり、徒歩で立ち入るには、熊への恐怖感が高まる。山菜シーズンの一時期、林道のゲートが開くことはあるが、それもゲートまで行かなければ確認できない。
  
 まだ林道が自由に行き来できた頃の自身の紋別川の釣りは、非常に悲惨なものだった。1号橋から第4ダムに向かっての下流では、ブラウントラウトの型物がいくらか釣れたが、大岩魚が棲息しているという7号橋から上流では、全く釣果がなかった。釣った魚を持ち帰る人が多く、そのために枯渇が進んだことが原因らしい。林道ゲートの閉鎖が釣人の立ち入りを難しい川とした。しかし、釣人が入れない川となったことで、魚の保全が改善されたのでは。
  
 今回の釣行は、林道を行く工事車両の後に続いて開いたゲートを潜った。工事車両がゲートに戻る前に引き返さないと、閉じ込められるというスリルに満ちたものとなった。
 まず向かったのは、林道入口から8キロほど入った紋別1号橋。この橋から2キロほど下ると王子製紙第4ダムのインレットとなる。
 入渓する前に10連発の爆竹を鳴らして、棲息する生き物に挨拶。この区間の川筋は、底が岩盤で築かれており、まるで舗装された道路を歩くような感覚だ。川は勢いよく流れるが、深いところでも40〜50センチほどで、遡行するには問題ない。初めは、ダムの流れ込み付近まで考えたが、時間的な問題から断念。丹念にポイントを探っての釣りに徹した。
 
  1号橋下流では、4年ほど前に30センチのブラウンを釣ったことがあるが、釣れたのはその1匹だけ。「今はどれだけ回復しているのか」、今回の釣行の目的はその一点だけ。1号橋下流は岩盤底で、もともと魚の溜まるような場所は少ない。その少ないポイントの岩盤の切れ目や、落ち込みの深場にドライを打ち込む。橋から500メートルほど下ったが一度も反応はない。
1号橋
1号橋ブラウン



  





 


 次のポイントの4号橋に向かうために、2時間ほどを予定していたが、戻る時間が迫る。そこから50メートルほど下ると落差のある落ち込みが現れた。ここには必ずいると見当をつけて黄色の#10カディスを打ち込む。と、20センチほどのブラウンが川面を割って飛びだした。
 1号橋下流ではこの1匹だけ。これから向かう4号橋での釣果に不安が高まった。それにしても、底が岩盤で築かれている川での釣りは気持ちの良いものだと、あらためて知らされた。以下、紋別川4号橋、支線2号橋の釣行は次回に掲載予定。

写真は上左が紋別1号橋から見た下流の流れ。上右はカディスにきた20センチほどのブラウン。下の写真は岩盤で築かれた紋別川の下流域
1号橋岩盤底

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2014年07月03日

オショロコマの棲息を確認

  7月1日に掲載した、千歳川上流でのやまめ、ブラウン釣りを終えた帰り道、4月3日付けブログ「札幌近郊のオショロコマ」に載せたオショロコマの棲む川に立ち寄った。この川に向かう国道脇の林道入口には、いつも釣人の車が止まっている。魚道の無い砂防ダムから堰堤までの1キロメートルの間だけで生命をつなげて来た、この区間のオショロコマが無事に棲息しているのかこの目で確かめたかった。
 
  林道沿いに延びるこの区間は、林道入口から1キロほど下流にある強大な砂防ダムが下流から遡上する魚の行く手を阻み、さらにこの上流には魚道の無い堰堤が設けられている。また、巨大な砂防ダムから僅か2キロの区間に砂防ダム、堰堤が6基設けられていて、そのうち3基には魚道がない。最近設けられた上流域の堰堤には魚道はあるが、この区間に棲むオショロコマにとっては遡上ができるわけではなく、何の意味も無い。
 
  この川を知る釣人にとって、20センチ越えのオショロコマが釣れた記憶はふた昔の彼方にある。今はせいぜい10センチにも満たない魚が残っているだけ。その魚でさえも、棲息の危機に見舞われている。釣ったオショロコマを持ち帰る釣人が居る限り、そう遠くない時期に危険水域に達するだろう。そのためにも、魚道のない古い砂防ダムや堰堤に、魚道を設けてもらいたいと願うのは、自分ひとりではないはず。

  山岳渓流の姿を残す砂防ダムと堰堤の中間に竿を出して様子を見た。川底から水面を漂うメイフライにアタックするオショロコマが見える。何度かフライを送り込むと、10センチ足らずのかわいいオショロコマが食いついた。手の中では、オショロコマ独特の細かく体を振るわせる反応を見せる。その後もひとつのポイントで1匹、全体で10匹ほど釣れた。型が小さくなり、以前のように1箇所で何匹も釣れることはなくなったが、無事に棲息していたことが何よりも嬉しかった。
  あらためてお願いします。この区間のオショロコマの棲息数は限られています。もし行かれることがあったら、持ち帰らないでもらいたい。

 無事にこの川で棲息していたオショロコマ(写真左)。砂防ダムと堰堤の中間山岳渓流の景観が残されていた(同右)
オショロコマ2
オショロコマ3

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2014年04月03日

札幌近郊のオショロコマ

 本州のフライフィッシャーが北海道の釣りで感激することのひとつに、虹鱒やアメマス、イトウなどの大型魚ではなく、オショロコマの存在がある。夕張以東の十勝や道東、道北で釣りを行う人には珍しくも無い魚だが、岩魚特有の白い斑点に赤い斑点(場所によっては赤い斑点の無い種もいる)の見た目の美しさと、フライへの元気な反応から。
  やまめのように放流することなく、自然産卵を繰り返して生息するオショロコマだが、札幌近郊では限られた河川でしか見ることができなく、よく「札幌近郊でオショロコマの釣れる川を教えて」と聞かれることがある。生息河川は、苫小牧や支笏湖近辺の森を流れる涌水河川ではなく、奥の深い山岳河川となる。例えば、余市川支流の然別川や尻別川支流の真狩川、札幌からは少し遠いが日高の千呂露川や占冠の双珠別川など。
 低水温を好むことから、緯度の高い河川の上流が生息域となっている。そのために、緯度が低く高い山のない道南にはほとんどおらず、こうした条件に適した十勝や道東で多く生息しているわけだ。ちなみに、北海道における南限は森町の鳥崎川の上流と見られる。

 保護水面に指定されている、然別湖に生息するオショロコマは同湖の固有種で、同じく保護水面の千走川のオショロコマも固有種。道東の河川にいる種類とは異なる。こうした保護水面では尺を越える成魚が見られるが、一般河川での尺オショロコマは十勝や道東の河川でもそう多くはない。十勝では札内川や戸蔦別川の上流、北見方面では支湧別川や丸瀬布川などが上げられる。知床の河川は魚影が濃いかわりに大型魚は少ないようだ。

 札幌から一番近い、オショロコマの釣れる河川は支笏湖に向かう国道の横切る川。この川の上流、下流には近年数え切れないほどの堰堤が設置された。魚道は設けられているが、新設された堰堤のさらにその下流に、かなり昔に築かれたと思われる、高さ10メートルはある巨大な堰堤が設けられていて、下流からの遡上を阻んでいる。必然的に、下流に生息する虹鱒や岩魚、アメマスは堰堤に遮られて遡上できず、上流にはオショロコマしか生息していない。

 この川のオショロコマは、こうした環境の中で川を下ることもなく自然産卵を繰り返してきた。新設された堰堤との関係なのか、固体数の減少とともに魚体の小型化も進んできているようだ。まだ、自然河川の景観を残していた20年ほど前には、20センチ級も手にすることができたが、昨年は最大でも12〜13センチほどで、数も大幅に少なくなった。それでもまだ、堰堤の新設計画が立てられているようで、この川のオショロコマの先行きに不安を感じている。
残留型のオショロコマ=標津サーモン科学館のホームページから
残留型オショロコマ 標津サーモン科学館ホームページから.jpg





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