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2019年09月13日

韓国は元々中国の属国 米国で公然と語られ始めた米韓同盟の本質的な弱点




 韓国は元々中国の属国 

 米国で公然と語られ始めた   米韓同盟の本質的な弱点


             〜デイリー新潮 9/13(金) 17:00配信〜


           9-13-10.jpg 

        ゙国氏の長官任命を韓国保守は激しく批判(青瓦台HPより)


 〜米国のアジア専門家が米韓同盟の存続を疑い始めた。反米の文在寅(ムン・ジェイン)政権に愛想を尽かしただけでは無い。ソモソモ韓国と云う国は同盟を結べる相手では無いと見切ったのだ。韓国観察者の鈴置高史氏に聞いた〜

           9-13-12.jpg

 「米国から切り離し易い」韓国

 鈴置  米国で注目すべき変化が起きました。アジア専門家が韓国との同盟を続けるのは難しいと言い出したのです。特に注目を集めたのがCSIS(戦略国際問題研究所)のグリーン(Michael Green)副所長の主張です。
 米政府が運営する放送局・VOAの「中国が韓国の同盟離脱の可能性に注目」(9月5日韓国語版 発言部分は英語と韓国語)から発言を引用します。

          9-13-11.jpg Michael Green副所長

 ・Korea has a very different history and a very different geopolitical situation from Japan and the Chinese view Korea as a much more likely candidate for de-alignment from the U.S. 「韓国は日本とは全く異なる歴史を持ち、全く異なる地政学的な状況に置かれて居る。だから中国は韓国を、米国との同盟から最も切り離し易い国と見做して居る」・・・とグリーン副所長は語ったのです。

 「中国の元属国」と同盟を組めるか

 ・・・「全く異なる歴史と地政学的な状況」とは? 

 鈴置  これだけだと、韓国に詳しく無い人には何の事か分かり難いですね。要は「朝鮮半島の歴代王朝は中国の王朝の属国だった。故に、米韓同盟は極めて不安定だ」と云う事です。この発言は米議会の米中経済安全保障調査委員会が9月4日に開いた米中関係聴聞会でのものです。同委員会のサイトがグリーン副所長の証言テキストを載せて居ます。
 テキストでは「日本とは異なり、韓国は中国の冊封体制に歴史的に組み込まれて来た。習近平政権以降、中国は韓国を米国との同盟から引き剥がす為、途轍も無く強力な圧力を掛け続けて居る」と、ハッキリと「元属国」であると語って居ます。原文は以下です。

 ・Korea was historically more associated with the Chinese tributary state system than Japan and Beijing has put significant coercive pressure on South Korea to dealign from the United States since Xi Jinping came to power.


 




 「それを言ったらお終いよ」と云った手の議論です。証言の目的は、中国が米国とアジアの同盟国・協力国をアメとムチで引き裂こうとして居ると解説する事です。韓国に関する説明の冒頭で「韓国は中国の属国だった」とグリーン副所長は指摘したのです。「元々中国側の国だった」と云うのなら、米中の覇権争いが激化する今、米韓同盟を維持するのは極めて難しいと云う事に為る。
 韓国の政権が反米か親米かには左程関係無い。又、米国がドンなに努力しようが、同盟は何れ消滅するとの結論に為らざるを得無いのです。

 「最後は米国を選ぶ」筈だったのに

 ・・・『米韓同盟消滅』では指摘済みの話です。

 鈴置  米国のアジア専門家が米韓同盟の本質的な弱点を、遂に口にし始めたことがニュースなのです。米国でも「米韓同盟が壊れ掛けて居る」との指摘は定番の議論に為って居ます。只、米韓同盟が上手く行か無いのは左派の文在寅氏が政権を獲った為、との見方が支配的でした。
 前の左派政権、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権も反米を唱え乍ら、結局は米韓FTAを結びイラクにも派兵する等米国側に立ちました。

 「この前例も有るから、今回も様子を見よう」との空気がワシントンには在った。でも、それは甘い見方でした。米中対立の激化により「共通の敵を失った同盟」の危うさが急速に表面化したのです。
 冷戦終結後、日米同盟も存在意義が問われましたが、中国を共通の敵と見做す事で同盟を堅持した。だが、韓国は絶対に中国を敵に回す積りは無い。為らば、米韓同盟の先行きが極めて暗いのは当然です。米国のアジア専門家だって、韓国が中国に異様な程に弱腰である事は分かって居た。只、韓国も民主主義国家である以上、最後の瞬間には中国では無く米国を選ぶと考えて来た。
 しかし、ここに至って専門家は「韓国が中国を選ぶ」と見做した。そこで「属国だったから」との説明付きで、米韓同盟の存続を疑う人が登場したのです。


 




 「インド太平洋戦略」から逃げ回る

 ・・・何故今に為って「韓国は中国を選ぶ」と見切ったのでしょうか。

 鈴置  米国や日本が主導する中国包囲網「自由で開かれたインド太平洋戦略」に韓国が参加を渋って居るからです。
 グリーン副所長も先に紹介したテキストで「韓国はこの戦略への参加に関し、1年間も言を左右にして来た。例えば、東南アジアに駐在する韓国大使は、志を同じくする米日豪欧の大使館との集まりから逃げ回って居る」と酷評して居ます。以下です。

 ・Seoul took over a year to participate in the Free and Open Indo-Pacific, for example, and South Korea ambassadors in Southeast Asia often steer clear of the like-minded coordination meetings of U.S, Japanese, Australian and European embassies.

 日韓GSOMIA(軍事情報包括保護協定)を韓国が破棄した事も大きいと思います。破棄は北朝鮮への忖度からですが、中国の顔色を見てのものでもあります。中国は韓国に対し「日米韓の軍事協力をするな」と言い渡し、文在寅政権も受け入れて居ます。(『米韓同盟消滅』第2章第2節「どうせ属国だったのだ……」参照)文在寅政権は「日本との摩擦」を理由に、GSOMIIAを破棄して中国にゴマを擦ったのです。

 「米軍は出て行か無い」と信じて居た比国民

 ・・・「匙(さじ)を投げた」専門家はグリーン氏だけですか? 

           9-13-13.jpg Michael Armacost氏

 鈴置  駐比・駐日大使や国務次官を務めた職業外交官のアマコスト(Michael Armacost)氏がヤヤ異なる観点から、米韓同盟の存続可能性に疑義を呈しました。

         9-13-14.jpg シン・ギウク教授

 スタンフォード大学のシン・ギウク教授が韓国の保守系紙・文化日報に「在韓米軍、フィリピンの様に撤収するカモ」(9月4日、韓国語)を寄稿しました。その中で同僚であるアマコスト氏の発言を紹介して居ます。発言部分を翻訳します。

 ・フィリピンの政府と国民は米軍が出て行か無いと思いツツ「出て行け」と言ったが、我々は離れた。嫌いだと言う国を守る義務も必要も(米国には)無い。
 
 アマコスト氏は韓国人の根深い反米感情を指摘し、米軍撤収の可能性を示唆したのです。勿論これは米韓同盟の解体の一里塚に為ります。
 在比米軍が居なく為った瞬間、中国はフィリピンが実効支配して居た環礁を奪いました。それと同様に、在韓米軍が撤収すれば中国が韓国に対する圧迫を強めるのは間違い無い。今でさえ中国の言い為りなのですから、米韓同盟は事実上解体に向かうでしょう。
 「韓国疲れ」は日本だけではありません。米国も子供の様な言動を繰り返す韓国には疲れ果てて居ます。韓国人は左派だけでは無く保守も「米国は大陸に兵を置きたい。だから韓国が何を言っても、遣っても在韓米軍は引か無い」と信じて居るのです。
 そんな、国グルミで勘違いして居る韓国人に対し、シン・ギウク教授は「100年間、関係を維持して来たフィリピンからも米軍は引き揚げた。韓国でそれが起き無いと断言出来無い」と警告して居ます。


 




 自称「親米派」コソ曲者

 ・・・韓国には親米保守も居るのでは? 

 鈴置  この人達コソが曲者です。口では親米を唱えます。でも、その多くが心の奥底では、自分達の運命を握る米国に対し、ドス黒い反感を持って居るのです。軍や経済界は親米保守の牙城と見られ勝ちです。が、イザと云う時、ここからも反米感情が噴出します。(『米韓同盟消滅』第1章第2節「『根腐れ』は20世紀末から始まっていた」参照)
 その複雑な思いはフィリピンの親米派と共通します。駐比大使を務めたアマコスト氏だけあって、韓国人の心根も見抜いて居るのです。

       9-13-15.jpg ゴードン・チャン氏(Goldon Chang)

 『やがて中国の崩壊が始まる』の著者、ゴードン・チャン(Goldon Chang)氏が『Losing South Korea』を2019年3月に出版して居ます。韓国のナショナリズムを背景に米韓同盟が消滅に向かうと云う予想です。文在寅政権の「特殊性」は強調して居ますが。
 未だに普通の米国人は「韓国はコチラ側の国」と思い込んで居る。しかし専門家は「中国の元属国」「反米感情の根深さ」「高揚するナショナリズム」と言った観点から「崩壊する同盟」を直視し始めた。これが次第に米世論を変えるでしょう。
 何か象徴的な事件・・・例えば2015年3月の駐韓米大使襲撃事件の様な事が今後、起きれば普通の米国人も「韓国は敵側の国だ」と一気に見做すと思います。

 「同盟廃棄」を「非核化」と取引

 ・・・専門家の変化は米国の外交政策にも反映するでしょうね。

 鈴置  勿論です。と云うか、そもそもトランプ(Donald Trump)大統領は米韓同盟に重きを置いて居ない。米韓同盟の廃棄を北朝鮮の非核化と取引する腹積りです。(『米韓同盟消滅』第1章第1節「米韓同盟を壊した米朝首脳会談」参照)
 時々、本心を覗かせます。5月8日にトランプ大統領は、名指しはし無いものの韓国と誰にも分かる形で、米国に支払うべき防衛分担費を支払って居ないと非難しました。その際、韓国を「我々を相当に嫌って居る」(probably doesn’t like us too much)と表現しました。VOAの「Trump Reignites Cost-Sharing Dispute with S. Korea」(5月9日英語版)が報じて居ます。

 アマコスト氏為らずとも、米国の指導層の間では韓国人の根深い反米感情は共通認識と為って居るのです。そんなトランプ政権の同盟破棄指向を食い止めて居たのが、アジア専門家と安保専門家でした。でも、そのアジア専門家が遂に「米韓同盟はもう持た無い」と言い出したのです。
 折しも9月10日、トランプ大統領はボルトン(John Bolton)大統領補佐官(国家安全保障担当)を解任すると発表しました。北朝鮮への強硬策を主張して来たボルトン補佐官が政権から姿を消した事で、米国が北朝鮮との対話再開に動く可能性が増しました。先に申し上げた様に「対話」の先にあるのは「非核化」と引き換えの「同盟廃棄」です。


 




 反米デモを呼び掛けた大統領補佐官

 ・・・米国の変心を韓国人はどう見て居るのですか? 

 鈴置  保守系紙の朝鮮日報はグリーン発言を報じました。「米国は米国の同盟国の中で韓国が最も抜け易いと見ている」(9月7日、韓国語版)です。「冊封体制」「属国」と云う単語は使いませんでしたが、米国人の同盟への疑念を伝えました。
 朝鮮日報は社説でも連日の様に「左派政権が引き起こした安全保障の危機」を訴えます。しかし「インド太平洋戦略に加わろう」とは書か無い、中国が怖いのです。保守はオロオロし乍ら、米国の韓国離れを見て居るだけなのです。
 一方、反米左派は、願っても無いチャンスと小躍りして居る筈です。韓国側から同盟破棄を言い出せば、青瓦台(大統領官邸)は反対するデモ隊に取り囲まれるでしょう。それが米国側から破棄を言い出して呉れそうに為って来たのですから。

            9-13-17.jpg 文正仁・特別補佐官

 大統領・統一外交安保特別補佐官の文正仁(ムン・ジョンイン)氏が9月9日、高麗大学での講演会で反米デモを呼び掛けました。「我々は何故、米国に忖度せねば為ら無いのか」との学生の質問に対し、以下の様に語りました。朝鮮日報の「文正仁『南北関係の最大の障害は国連軍司令部』」(9月10日韓国語版)から引用します。

 ・駐韓米国大使が、韓国政府の意向を強力に(ワシントンに)伝えるよりも、米政府の意思を韓国に伝え韓国政府の意見を変える事が当たり前に為って居る。
 ・「国連安保理の制裁対象では無い金剛山観光事業を何故実施し無いのか」と青瓦台前で、米国大使館前でデモする市民の行動だけが(米韓関係の有り方を)変える事が出来る。


 左派を結集する為の「反米」

 ・・・大統領補佐官が反米デモを呼び掛けるとは……

 鈴置  米国が韓国に嫌気したこの機に米韓同盟を揺さ振る積りで、米国大使館をデモ隊が取り囲めば、米国人の反韓感情が高まるのは確実です。又今は、内政上も「反米」のグッド・タイミングです。韓国では左派と保守の全面衝突が始まりました。
 文在寅大統領は側近中の側近の゙国(チョ・グッ)ソウル大学教授を法務部長官に任命。不正の塊(かたまり)とメディアに報じられて居る人ですから、保守はこれを激しく批判し政権打倒に動いて居ます。

「米大使館へデモせよ」との大統領特別補佐官による扇動は、保守との決戦に備え「反米」を旗印に左派を結集する狙いもあるのでしょう。既に空洞化した米韓同盟。両国のお家の事情が加わって、その崩落が早まりそうです。



             9-13-18.jpg

  鈴置高史(すずおき・たかぶみ)氏 韓国観察者 1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル・香港特派員・経済解説部長等を歴任。95〜96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『米韓同盟消滅』(新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

 週刊新潮WEB取材班編集 2019年9月13日 掲載 新潮社  以上


 



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【経済紀行】中国「一帯一路」の要所・西安で見た 目眩(めまい)を覚える進化振り


 


 【経済紀行】中国「一帯一路」の要所・西安で見た 目眩(めまい)を覚える進化振り


          〜ダイヤモンド・オンライン 9/13(金) 6:01配信〜


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 乱立するハイテクノロジー・パークの1つに過ぎ無い印象が在った西安に、何故注目が注がれ始めたのか Photo:123RF







 シルクロードの起点・西安  立ち遅れた地域と思われ勝ちだが…

 シルクロードの起点として知られる町・西安に来て居る。台風15号が東京を直撃したその日の飛行機で西安に駆け着けて来たのは、欧亜論壇の分科会と為る第7回シルクロード経済帯都市円卓会議に参加する為だった。西安とは、ヤヤ複雑な関係で結ばれて居る。観光等で訪問したのを除いて、1900年代末頃から2004年に掛けて、私は既に数回に分けて西安を視察して居る。

 悠久の歴史が醸し出すロマン、シルクロードと云う言葉に凝縮された異国情緒が漂う古都西安は、日本でも名高い地だが、西安を省都とする陝西省に対しては、殆どの日本人は、内陸部の奥地に在る立ち遅れた貧困地と思い勝ちだ。
 しかし、実は西北地区の5つの省・自治区の中で人口が最も多く人口密度も最も高い。特に域内総生産(GNP)は最も大きく、経済発展水準も同地区の他の省・自治区より高い。

 観光業、リンゴ栽培業の他に、ハイテク産業、軍需産業も重点的に発展して来た地方でもある。運搬ロケットの開発・製造、宇宙開発に関わる、軍需産業を初めとする大規模な国有企業が同省に集中して居る。軍用機等を製造する西安飛行機工業グループ(西飛集団)がその代表的な存在である。「中国最大の軍需産業基地」とも言われる程、同省の存在感は大きかった。

 特に、省都・西安市は西北地区で最大の工業都市であり、全国的に見てもその地位は無視出来無い。大学の数も西北地区で一番多い。西安交通大学、航空と宇宙飛行分野に研究の重点を置く西北工業大学、クローン技術に象徴されるバイオテクノロジー等の研究に力を入れる西北農業大学など名門校もある。
 1980年代後半から、衛星の地球局とレーダー、カラーテレビ用のブラウン管、テレビ等を製造する新興技術集約型の産業が頭角を表し、飛行機製造の分野でも注目されて居る。

 当時、私はこの地域のことを可なり細かく調べて居た。例えば、西安市に属しながら、実際は80キロメートルも離れた飛び地に在る楊凌と云う町迄足を運び色々と調査した。楊凌は「農業科学シティ」と云う異名の通り、農業関連の研究が盛んな所だ。当時の調査報告に私は次の様に書いて居る。

 「4キロメートル平方の地域に、大学2校・研究所5ヵ所・専門学校3校が集まり、64学科4000名余りの科学研究者・教育関係者が居る。人口は11万人だが、大卒者が1万人辺り776人と中国の農村では珍しく多い。1997年にハイテクノロジー・パークに指定されたが、数多く有るハイテクノロジー・パークの中で、農業の研究を中心とする所は他に例が無い。現在、近代的な農業の模範地域としてその地位を固めつつある」
 
 異彩を放つハイテクノロジー・パークとして、私は楊凌を日本社会に紹介した。しかし、西安全体に対しては、余り好い印象を持て無かった。例えば当時、中国各地で乱立気味に為って居たハイテクノロジー・パークに対して、西安を実例として取り上げ、次の様に厳しく批判した。

 「西安のハイテクノロジー・パークに設けられて居るソフトパークにオフィスを構えて居る在来の貿易会社も在ったり、ハイテク企業が入居する筈の工業団地なのに、外資系クーラーメーカーの生産工場が一角を占めて居る等、ハイテクとは名バカリのハイテクノロジー・パークだと指摘されても仕方無いと思われる」







 「一帯一路」が注目される中 見方が大きく変わる西安

 2010年、私は『莫邦富が案内する中国最新市場 22の地方都市』と云う本を上梓し、日本企業が中国に投資する際、参考に為る様に、明日の蘇州や大連の様なスター級の都市に為れる潜在力を持つ22の地方都市を日本社会に紹介した。同書の中で、西部地域に在る都市を4つ紹介し、その潜在力を評価した。成都・重慶・昆明・蘭州だ。その際、西北地域の重鎮で在る西安は落とした。


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            西安の回民街(イスラム人街)


 しかし「一帯一路」ことニューシルクロード経済圏に力が注がれる今は、その西安に対する見方を私は大きく変え、例えば当連載で「高齢化が進む中国・西安で『高学歴の若者』が激増して居る奇跡」と言った紹介記事も書き始めた。
 今回の訪問でも、これ迄チェックして居なかったポイントと為る様場所、例えばイスラム教を信奉する回族が経営する店舗が賑わう回民街・大唐西市・老城根等の新旧商業拠点を興味津々で回って観た。

 唐の首都であった長安は、帝国の都として隆盛を極めて居た。活発で大規模な経済活動には1つの市だけでは間に合わず、東市と西市2つの市を宮城の両側に配して対応する様に変わった。東市は道路の両側の店に、食べ物・飲み物・衣服・雑貨等、アリトアラユル商品が並べられて居る。小さな出店から、問屋を兼ねた大きな店まで在った。
 一方西市は、国際貿易都市・長安のシンボルだった。西方諸国から輸入して来た珍しい品物が此処に集まり、盛り場に並んだ旅館や酒楼の中では、美しい胡姫(イラン系の女子)がコハク色の葡萄酒を妖しく光るガラスの杯に並々と注ぐと言った光景が、アチコチに見られたと云う。

 この西市が在った所に、今やホテルや博物館等の施設も含む大唐西市と云う名の商業施設群が作られた。そこを訪問した私と同行した日本企業関係者は直ぐに気に入り、年内にもそこで写真展を開こうと決めた。地元の行政機関である蓮湖区のトップを初め、政府関係者と大唐西市を経営する企業関係者も最大限協力すると約束して呉れた。その為の作業チームもその場で立ち上げた。


          9-13-9.jpg


 




 北京や上海に負け無い グローバルな雰囲気

 長い間、お堀の水が氾濫する時の溜まり場として利用されて来た老城根は、今や地元の若い生活者のメッカとして異彩を放って居る。地元の美意識と消費水準を理解する上では、非常に重要なポイントだと認識を改める事が出来た。
 こうして目まグルしく変身して来た西安は、今やニューシルクロード経済圏の国々を束ねる役割も果たして居る。同市は現在、29ヵ国34の都市と姉妹都市関係を結び、37ヵ国68の都市とは友好交流関係を保つまでに為って居る。

 第7回シルクロード経済帯都市円卓会議の会場に身を置くと、北京や上海の国際会議場に負け無い程のグローバル的雰囲気に、軽い目眩(めまい)すら感じた。西安はこれから、定点観察を続ける必要がある都市だとハッキリと認識した。


      作家・ジャーナリスト 莫 邦富氏    以上



 【管理人のひとこと】

 西安・・・1988年の日本・中国合作映画「敦煌」の数々のシーンが思い浮かばれる街だ。西夏の傭兵の漢人部隊に捕獲されその兵にされた佐藤浩市と幹部の西田敏行・・・ウイグルの王女・ツルピアとの悲恋・・・シルクロードの彼方先の漢文化から離れた所で花開いた西夏のダイナミックな文化を描いて居た。
 中国とは、気の遠く為る様な広大なユーラシアの一部に過ぎ無いのだが、日本とはスケールが全く違い溜息が出る。此処を一人の人間・一つの統治組織で支配しようとは考えられ無いのだが、歴史は数々の王朝を作り壊して来た。一体この大きな舞台はどの様に変化して行くのだろうか・・・
 中国を考える時、全ての面に置いて日本を基準にしてはダメな様な気がするのだが・・・それとも、国土の面積や人口の多さに惑わされず、人間としての基準は何処でも不変だとして対処するが正解なのだろうか・・・



 



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2019年09月12日

米中戦争で漁夫の利 経済沸騰のベトナム


 

 米中戦争で漁夫の利 経済沸騰のベトナム

 
             〜JBpress 9/12(木) 6:00配信〜


 



      9-12-20.jpg

 東南アジアで最高の経済成長率を更新するベトナム。人々の表情は明るく町は活気で溢れて居る(筆者撮影)


 中国に程近い、人口約200万人のベトナム北部の湾岸都市・ハイフォン。ベトナム北部最大の貿易港を抱え、中国へのアクセスが良い。1994年に野村ハイフォン工業団地が同市初の工業団地として設立され、トヨタ紡績・王子製紙・コクヨ等が進出して居る事でも知られる。
 地元関係者によると、米中貿易戦争勃発後、ここハイフォンに在る最大の工業団地「DEEP C」(公式サイト: https://www.deepc.vn/en/を視察する中国本土からの企業関係者が後を絶た無いと云う。「中国からの工場移転計画を目論み、視察に訪れて居る」と云う。

 今年1月から6月末迄の累計で、中国からベトナムへの新規投資認可額は約16億8000万ドルの大台を記録し、昨年同期比の約5倍にも膨れ上がって居る。同市は、ベトナムの主力と為る輸出港を抱える事から、中国資本以外にもサムスン電子やLGエレクトロニクスと言った韓国資本の大規模工場が建設されて来た。2018年の実質成長率は16%で過去最高の成長記録を更新したばかりだ。
 ベトナムは、米国が2018年7月に対中制裁関税の「第1弾」を発動した事で勃発した米中貿易戦争の多大な恩恵を受けたとされて居る。更に米国は今年9月1日、中国製品への制裁関税「第4弾」を発動。衣料品・靴・家電・複合機等約3200品目で約1100億ドル分に15%の関税を上乗せした。

 これまで「世界の工場」を謳歌して来た中国だが、米国と中国による関税引き上げ競争の結果、中国におけるもの作りは厳しい局面が続いて居る。影響は中国企業ばかりでは無い。中国で生産して世界に販売して居た外国企業にも影響は甚大だ。勿論日本企業も含まれる。そうした企業は中国以外に生産基地を移そうと考え、白羽の矢が立って居るのがベトナムなのだ。
 中国の大きな製造拠点の一つ、広州を中心とする華南地区に近く人口が多くて人件費が安い。勤勉な国民性も人気の秘密だ。2018年末実施のアジア地域における日本企業の「最も魅力的な投資先」調査(NNA)では、ベトナムが約36%、2位インド(約18%)に大差を着け、断トツのトップだった。

           9-12-15.png

 中国からベトナムへ生産拠点を移す日本企業は日増しに増して居る状況だ。例えば、任天堂は今年夏から、家庭用ゲーム機「スイッチ」の生産一部を中国からベトナムに移転した。この他、京セラも米国向けのコピー機や複合機の生産拠点を中国からベトナムに移すと表明し、数十億円近い投資を実施、今年度中にもベトナムへの移転を完了する構えだ。
 筆者がアパレル関係者に取材した処、米国向け商品を中国で生産して居るユニクロも、ベトナムへの移転を考慮中だと云う。野村インターナショナルは9月4日、米中貿易摩擦を理由に昨春から今夏迄の1年半の間で中国から他国に移転決定の企業動向を発表した。


 



 それによると、ベトナムへの移転が全体の3割でトップ。2位の台湾、3位タイを遥かに上回って居る。その理由として「ベトナムは、中国に地理的に近く労働力も比較的安価な上、アパレル等付加価値の低い産業だけで無く、ハイテク電子機器等高付加価値産業の生産拠点としてもポテンシャルが高い」と云う。
 また「そうした中国の代替と為る国は他のアジア諸国には見当たら無い」とも云う。米中貿易戦争で「一人勝ち」を謳歌するだろうと予測して居る。

 同じ様に、米大手投資銀のゴールドマンサックスは「中国と陸続きのベトナムは、米中貿易戦争長期化で漁夫の利を独占するだろう」と分析して居る。実際、米政府によると、ベトナムの対米輸出は今年1月から6月迄で、昨年同期比の約30%増。対米黒字額も、2018年に400億ドルの大台を初めて突破、今年上半期は216憶ドルと、昨年同期比を約44%上回るペースで伸びて居る。
 ベトナム政府も7月中旬、今年上半期の貿易収支を発表し、政府の予想(4300万ドルの赤字)に反し、15億9000万ドルの黒字と為ったと云う。輸出額も、昨年同期比約7%増の1225億3000万ドルで、対米国が約28%も増加した事を認めた。

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 取り分け米国への輸出の伸びが大きいのが太陽光パネルで、今年6月だけで前年同月に比べ656%もアップしたと云う。この伸び率は、ベトナムから米国へ輸出されて居る400品目の中で圧倒的にトップだ。こう為ると懸念されるのが米国の対応。中国製品に高関税を掛けてもベトナムを経由して輸出され関税を逃れられては元も子も無いからだ。
 ホーチミン市に在る太陽光パネル関連企業の経営者は筆者の取材に対し「米国がベトナム対して高関税制裁を発動するかが心配。米国市場は大きいが(大統領選を控え)政治問題に発展すると、ヤヤコシク為るからな」と警戒して居る。


 



 そうしたベトナムの心配は現実のものと為りつつある。ドナルド・トランプ米大統領は今年7月、米フォックステレビとのインタビューで次の様に吐き捨てた。「中国以上に質(たち)が悪いのがベトナムだ。この国は世界中の国を欺いて居る!」米大手メディアで、筆者の知人でもある幹部は「トランプ大統領がプランBを画策中だと云うのがモッパラの噂」と話す。
 プランAが中国への高率関税で、その次がプランBでベトナムだと云う訳だ。米証券会社のS&Gグローバルは「トランプ大統領がベトナムに制裁を課す可能性は拭い切れ無い。今年末迄には決断するに違い無い」と予測して居る。

 米中貿易戦争の影響で、今年に入って(1〜3月期)シンガポールがリーマンショック以来の約10年振り、タイが約4年振りの低成長に甘んじて居る。そうした状況下でも、ベトナムは東南アジア主要国の最高水準と為る成長率約7%を達成して居る。
 みずほ総合研究所は「ベトナムは今年、年率でGDP(国内総生産)を1.2ポイント上げ、成長率は8%を超えるだろう」と今後もベトナムの一人勝ちが続くと予測して居る。米国にすれば、他のアジア諸国の成長率が落ちて居る中でベトナムが高成長を続ける背景には中国の迂回輸出があると考えるのは当然だろう。

 米商務省は8月初旬、台湾や韓国で生産した鋼材をベトナムで最終加工し、米国に輸出した鉄鋼製品の一部に対し、最大456%の関税を課すと発表した。米国は、2015年12月と2016年2月に台湾と韓国に関税を掛けた後、ベトナムからの鉄鋼製品輸入が急増した事で、米鉄鋼大手のUSスチール、ニューコア等の要請を受け、約2年前から独自調査を実施して居た。
 その結果、ベトナムからの輸入額が関税を掛ける以前の同時期と比較し、冷間圧延鋼板が約5億ドルと10倍以上に、又、強耐食鋼材も約4倍の約9億50000万ドルにも拡大して居た事が発覚。中国のみ為らず韓国や台湾の迂回輸出先としての実態が明らかに為った。
 また、2018年にはベトナムの鋼材が中国製原料を使用して居た事から、反ダンピング(不当廉売)関税等を適用した経緯がある。中国がベトナム経由で鋼材を米国に大量輸出すると云う迂回輸出をして居たと判断したものだ。

 こうした原産国を偽造する「迂回輸出(トランスシッピング)」に米国は不快感を募らせて居り、ベトナムにプランBが実施されるのは時間の問題と云う見方が少無く無い。それだけでは無い。プランBのの狙いは貿易問題だけでは無いのだ。
 今年5月、米財務省は、為替報告書でベトナムを「監視対象国」に指定した。更に、7月29日、国連安全保障理事会の制裁決議等に違反したとして、北朝鮮の核兵器搭載可能な弾道ミサイル開発に関与し、ベトナムに拠点を置く北朝鮮国籍の貿易会社幹部1人を米国独自の制裁対象に指定すると発表した。米国内の資産が凍結され、米国人との取引が禁止された。


 



 この貿易会社は、北朝鮮の弾道ミサイル開発を主導して来た朝鮮労働党の軍需工業部の傘下企業。米財務省によると、2016年、同幹部はベトナム・ホーチミンに赴任。北朝鮮産のチタン鉱石や石炭の輸出責任者を務め、北朝鮮の金正恩体制の外貨獲得に貢献したと云う。また、ベトナム製品を中国や北朝鮮等に輸出する業務にも携わって居た。
 米財務省は「北朝鮮の核・弾道ミサイル計画を巡る国連決議に違反し、米制裁をスリ抜け様とする者には、今後も制裁を続けて行く」と共産主義陣営の兄弟国、北朝鮮とベトナムを非難した。米国はベトナムが北朝鮮のマネーロンダリングや武器供与の迂回ハブに為って居ると迄見て居り、共産主義のテロ温床にも為ると警戒して居るのだ。

 更に、ベトナムを経済的に支援して来た「越境」による海外送金にも目を光らせて居る。その額は2015年、132億ドルと過去最高額(世界銀行)を更新。10年前の3倍以上に膨れ上がった。越境とは、海外に居住するベトナム人や外国籍を持つベトナム系移民の事。ベトナム外務省によると、現在約450万人が世界百数十か国に散らばって居り、約半数が米国に居住して居ると云う。
 海外送金は主に地下組織を経由して行われ、実態は明らかにされて居ない。米国はこうした海外送金がマネーロンダリング等に利用され、ベトナムを迂回して北朝鮮等に流れて居るとも見て居る。

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        グエン・フー・チョン ベトナム共産党書記長・国家主席

 米朝首脳会談が行われた2月27日、べトナム・ハノイでは、もう1つの重要な首脳会談が開催された。トランプ大統領とグエン・フー・チョン共産党書記長兼国家主席との米越首脳会談である。トランプ大統領を警戒するベトナムは、米国と210億ドルに及ぶ貿易取引に調印した。
 ベトナムが、米国製ボーイング「737-MAX」100機とGE(ゼネラル・エレクトリック)が開発したLEAPエンジン215基、ボーイング「787-9」を10機を購入する等で、米国に8000人以上の雇用を創出すると云う。更に今年6月30日、長年の懸案だった欧州連合との自由貿易協定に調印。米国とは締結して居ない経済協定だ。
 欧州連合に取って、ベトナムは東南アジアでシンガポールに次いで2番目に大きな貿易相手国で、双方間の貿易額は商品が500億ユーロ、サービスが40億ユーロ。10年間で両国間の関税99%が撤廃される。

 ベトナムはこれ迄、米国と一層の経済、軍事連携を進める事で中国に対抗姿勢を示す一方、社会主義体制を続け、最大支援国で友好国のロシアにも再接近すると云う「遠交近攻」を進めて来た。
 2016年、ベトナムは武器輸出解禁を条件に、米軍がベトナム戦争時、後には2002年にロシア軍が撤退するまで使った東西冷戦時代の要衝で長年閉鎖されて居た南シナ海軍事防衛の戦略的最重要拠点「カムラン湾」への米海軍船舶の寄港を認めたと見られて居る。

 プランB発動の脅しは、既に実効を上げて居るとも言える。予測不可能なトランプ大統領の言動と、強靭な忍耐力と精神力に裏付けられたべトコン戦術の「硬」と、朝貢外交で至れり尽くせりの「軟」を巧みに使い分ける超大国を翻弄させて来た歴史を持つベトナム。
 果たして、米中貿易戦争の漁夫の利を謳歌し、東南アジアにおける大国へと成長出来るのか。米中貿易戦争の行方そのものより、コチラの方が目が離せ無い。


            取材・文・撮影 末永恵  以上


 




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米国人記者が驚いた 「日本メディア」の談合体質




 米国人記者が驚いた「日本メディア」の談合体質


           〜プレジデントオンライン 9/12(木) 6:15配信〜


 




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               マーティン・ファクラー氏


 〜国内の新聞社やテレビ局等で構成される「記者クラブ」は日本独特の制度だ。元ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏は「この制度の存在に何度も驚かされて来た。忖度や同調圧力が飛び交う雰囲気の中で、半ば談合的に記事が生み出されて居るのでは無いか」と指摘する〜


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               東京新聞記者 望月衣塑子氏

 ※本稿は、望月衣塑子・前川喜平・マーティン・ファクラー『同調圧力』(角川新書)の第3章「メディアの同調圧力」の一部を再編集したものです。

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                    前川喜平氏


 「質問を事前に伝える」謎習慣

 日本ならではのシステムと言って好い、この記者クラブ制度と云う存在に何度も驚かされて来た。例えば2003年。私はAP通信からウォール・ストリート・ジャーナルへ移り、東京支局の特派員として取材に当たって居た。日本銀行の福井俊彦総裁の記者会見が開かれ、私も是非共取材したいと日本銀行広報部へ連絡を入れた。返って来たのは意外な言葉だった。「私共では無く、記者クラブの許可を取って下さい」

 記者クラブは加盟して居るテレビや新聞各社が、持ち回りで幹事社を務めて居る。幹事社の担当記者に連絡を入れると、記者クラブ加盟社では無いと云う理由で行き成り断られた。食い下がると、或る条件付きで出席を許可された。それは福井総裁へ質問をし無い事だった。
 日本の場合は総理大臣を初めとする政府高官の記者会見に於いて、質問を事前に通告する習慣が定着して居る。アメリカでは有り得ない事だ。例えばトランプ大統領の記者会見では何をブツケテも好い。自分が取材を受ける場合、事前に言われて居れば、考え方を整理して置く上でも助かると思う。それ自体は悪くは無いと思うが、答える側に取って都合の悪い質問を除外する事を目的にして居るとすれば、悪しき習慣だと言わざるを得無い。

 実際、日本の政府高官の記者会見は判で押した様な質疑応答に為って居る。質問する側の例外の一人が東京新聞の望月衣塑子記者だ。質問すると云う記者として当たり前の仕事をして居る様にしか見え無いが、その望月さんが浮いて居ると云う状況が、今の日本メディアを物語って居る。

 



 忖度と無縁だから独自取材が出来る

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             国連特別報告者 デビッド・ケイさん 

 話を記者クラブに戻そう。国連特別報告者として世界各国の言論や表現の自由を調査して居るデビッド・ケイさんが2016年4月に来日した時、記者クラブの廃止に言及して居る。
 「記者クラブはアクセスと排除を謳(うた)う存在であり、故にフリーランスやオンラインのジャーナリストの不利益に為って居る」と云う指摘は将(まさ)に的を射て居た。只、記者クラブに加入して居ないからと言って、ニューヨーク・タイムズ時代もウォール・ストリート・ジャーナル時代も、東京特派員として仕事が遣り辛かったかと問われれば答えはノーだ。
 ニューヨーク・タイムズは、政権に批判的なメディアと云うレッテルを官邸や外務省から貼られた。2009年に東京支局長に就き、官邸へ挨拶に行った時には、前任者が書いた批判的な記事が取り上げられ、官邸で取材をする条件としてその前任者の記事を批判し謝罪する文を官邸に提出する様に求められたが勿論断った。忖度(そんたく)とも同調圧力とも無縁の環境だからコソ、調査報道や独自の取材に専念する事ができた。


 



 「談合的」に記事が生み出される仕組み

 記者クラブは公的機関や業界団体等に、中央や地方を問わずに存在して居る。加盟する事で得られるメリットを考えてみると、各種の会見や発表に関する連絡が確実に届く事で、記者がストレスを感じる事無く仕事が出来る点が挙げられる。
 当局側としても媒体毎に個別に対応するよりも、記者クラブと云う窓口を介して一括に連絡出来る事で、仕事の煩雑さを避ける事が出来る。

 アクセス・ジャーナリズム(権力者から直接情報を得る手法)はアメリカにも存在するが、必要以上に依存度が深まれば様々な弊害が生まれる。忖度や同調圧力が色濃く飛び交う雰囲気と為り、暗黙の了解の下で、ストーリーを決める権利を情報源に譲ってしまう。半ば談合的に生み出された記事に果たしてどの様な価値が有るのだろうか。

 「脱ポチ宣言」を掲げた朝日の残念な撤退

 朝日新聞は2011年10月、調査報道を専門とする特別報道部を東京本社内に立ち上げて居る。切っ掛けは東日本大震災及び東京電力福島第一原発事故に関して、民主党政権や経済産業省・東京電力の発表を垂れ流す報道に終始して信頼を失った苦い経験に対する深い反省だった。
 記者は総勢30人。特別報道部のドアに「脱ポチ宣言」と書かれた紙を貼った。記者クラブの飼い犬には為ら無い・・・馴れ合い体質との決別を宣言する不退転のスローガンだった。その後、数々のスクープを打った特別報道部が2014年5月20日の朝刊1面で大々的に報じた調査報道が大きな波紋を広げた。

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 東京電力福島第一原発事故が発生した当時の所長、吉田昌郎氏が政府事故調の聴取に応じた際の記録で、約3年間に渉って非公開とされて来た所謂「吉田調書」のコピーを極秘裏に入手した。約400ページに渉る文書の中で特別報道部が注目したのは、福島第一原発に詰めて居た所員の約9割に当たる約650人が、吉田所長が待機命令を出して居たにも関わらずに現場から撤退。
 結果として事故対応が不十分に為った可能性が有ると言及されて居た点で、見出しにはコンな文字が躍って居た。〈原発所員、命令違反し撤退〉 
 しかし、朝日新聞は約4カ月後の9月に為って、誤った記事だったとしてこのスクープを取り消して居る。更には記事を書いた特別報道部の記者をデスクと共に処分し、木村伊量代表取締役社長も騒動の責任を取る形で同年末に辞任した。

 内容的には正しかった。本来為らば見出しの中の〈違反〉と云う言葉が誤解を招くとして、見出しの訂正が必要と云う程度だった。折しも朝日新聞は、激しいバッシングを浴びて居る渦中に居た。
 吉田調書に関する記事を取り消す約1カ月前の事。太平洋戦争中の済州島等で1000人を超える若い朝鮮人女性を慰安婦にする為に強制連行したとする、吉田清治氏の証言に基づいた記事16本を取り下げると突然発表して居た。
 直後から激しい批判が浴びせられ始めた。他にも「吉田証言」を基にした慰安婦記事を掲載して居た新聞が少無く無かったが、朝日新聞だけに批判が集中した背景には、事有る毎に名指しで非難して居る安倍晋三首相の発言も大きい。

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 アメリカの様な「横の繋がり」が無い

 追い打ちを掛けるかの様に、8月下旬に為ると「吉田調書」記事を誤報だとする反論が他紙に掲載された。読売新聞や産経新聞も「吉田調書」のコピーを入手し、朝日新聞を徹底的に攻撃する。
 政権へのスタンスを鑑(かんが)みれば、吉田調書のコピーは権力者側からリークされたと見るのが自然だろう。ヤガテは朝日新聞と同じリベラル派の毎日新聞にも、共同通信が配信した朝日新聞への批判記事が掲載された。
 アメリカではメディアに対して理不尽な攻撃を仕掛けて来るトランプ政権を前にして、場合に依ってはトランプ応援団のFOXニュースと批判的なCNNが共闘する事も有る。使命感や倫理観が共有されて居るからコソ、横の繋がりが会社やイデオロギーの差異を乗り越える。

 「ポチ」に戻る事を自ら選んだ

 話を朝日新聞の「吉田調書」の件に戻せば、記事の取り消しや記者の処分以上に、ジャーナリズムを担う組織として重大な過ちを犯してしまった。朝日新聞は特別報道部に所属して居た記者の数を、行き成り半分程に減らしてしまった。部署コソ存続させたものの、金看板として掲げて行く筈の調査報道に白旗を挙げ、実質的に撤退した。
 安倍政権や同業他紙、そして世論から非難の集中砲火を浴び、読者から寄せられて居た信頼も著しく失墜。発行部数も激減して行く危機の中で、生き残る為には高いリスクを伴う調査報道を捨て、再びポチに戻る事を朝日新聞は自ら選んだ。

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 読者の期待を裏切ってしまった朝日新聞が、再びジャーナリズムの矜持(きょうじ)を見せたのは2017年2月。森友学園問題の調査報道迄待た無ければ為ら無かった。

 メディアは信頼を失い、レイシストが跋扈(ばっこ)する

 ジャーナリズムが本来の役割、詰まり権力の監視役を果たして居ない状態が続けばどう為るのか。本来は面白い筈の政治に対する無関心だ。日本は、革命の歴史が無い民主主義国家である。
 国民が自分達の手で王室やアンシャンレージムを倒して、民主主義を手に入れたと云う経験は無い。その為、主権が国民に有ると云う民主主義の最も基礎的な考え方を持って居ない。日本の今の民主主義は、占領軍が持って来たものだから、国家が自分達のものだと云う意識も薄く、お上(官僚)国を任せてしまう。権力者を常に監視し無いとダメだと云う意識さえ薄い。その為、権力側の意向を忖度する様な報道が有っても、余り違和感を感じ無い。

 既存のメディアに対する不信感も増幅されて行く。しかし、生きて行く上で情報を得る作業は欠かせ無い。そして、情報が一方的に発信されるだけだった新聞・テレビ・雑誌等の既存のメディアに取って代わる存在と為ったのがソーシャルメディアだろう。
 最も、オンライン上でユーザー同士が双方向で情報を共有する事で成り立つソーシャルメディアは、情報を不特定多数へ素早く伝えられる利点が有る一方で、所謂フェイク・ニュースが拡散され易い点で、諸刃の剣だ。そうした背景が、極端に偏った主張や感情論をツイッター上等で繰り返すTroll(荒らしや)と云う新しい存在を生み出した。意見が余りにも攻撃的で、主張も際立って居るが故に目立つ。歪(ひず)んだ人間関係の中で匿名にて発信出来るツイッターは、荒らす人に取って理想的なツールだろう。

 「望ま無い圧力」に飲み込まれ無い人に為る

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 今迄見聞きした事の無い状況に直面した時に、確りとした自分の考え方に添って物事を捉え、行動して行く上で何よりも求められるのは正しい知識だ。新聞やテレビが自ら信頼性を放棄してしまった中で、本来為らばアメリカの様に新しいメディアが台頭して来なければいけ無い。
 日本でも新しいメディアが要約注目を集める状況が生まれて居る。早稲田大学ジャーナリズム研究所のプロジェクトとして2017年2月に発足し、1年後に独立した「ワセダクロニクル」は、調査報道を専門とする特定非営利活動法人(NGO)。編集長は朝日新聞出身だ。運営資金は寄付金で賄われ、発足と同時に開始されたクラウドファンディングでは4カ月で550万円超が集まった。

 日本では企業を初めとする様々な組織の中に、家族の絆にも似たウエットな関係が持ち込まれる手法が定着して居る。強い仲間意識の下でお互いを支え合う構造に居心地の好さを覚える程、自分為りの倫理観を貫き乍ら行動する事が難しく為る。和を乱す・信頼出来無い人間と云うレッテルを貼られてしまうからだ。
 自分が何をしたいのか。何をする事が正しいのか。只何と無く生きるのでは無く、強い覚悟と自尊心を貫けば、望ま無い圧力に飲み込まれる事も無い。
 その為にも、正確で公正な情報を届けて呉れる、信頼に足るメディアを自分自身で選び確保して欲しい。時間と労力を要する作業に為るが、無数の情報が飛び交うネット空間から自分の力で探し出す事が、頼もしい道標(みちしるべ)に為るからだ。



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       マーティン・ファクラー 元ニューヨーク・タイムズ 東京支局長

 1966年アメリカ・アイオワ州生まれ。AP通信社北京支局、ウォール・ストリート・ジャーナル東京支局などを経て、2005年ニューヨーク・タイムズへ。09〜15年同東京支局長。著書に『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』(双葉新書)他。



 【管理人のひとこと】

 総じて日本のメディアが、画一的な報道をする原因の一つにこの「記者クラブ」が有るとは、以前より聞かされて来た。そのメリットもデメリットも有る日本古来の同業(安全保険)組織なのだが、それ以外にNHKを初めとしたTVの無気力な調査報道にも大きな問題がある。余りにも「政権」と「視聴者・読者」に媚びた報道姿勢なのだ。
 調査報道の特異な分野を占めるのが「週刊誌メディア」で、今までにも、芸能界を含めたスクープを連発して来た実績がある。この様な地道な取材に基づいた報道では飯は食え無いのか、一般的な宣伝媒体としては特異過ぎるので企業収益には結び着か無いのかも知れ無い。敵を作り過ぎると面倒な事に為るから・・・

 紙媒体や電波媒体は、大きな資本や許可・免許を必要とするので、相当な宣伝費を稼がねば経営出来無い。だから勢い世論に媚びる形に為る。上記以外のネット媒体を使う安価で低設備費用で賄える分野が「調査報道」に特化して行くのだろう。
 もしかしたら、何千と云うネット媒体が連合を組み「共同通信」的なネットワークを築き、少しは増しな調査報道を期待出来るかも知れ無い。真実を知りたいと願う庶民は、その様なネット媒体にクラウドファンティングで資金を提供し育て上げるしか無さそうだ。
 私達はモリカケ問題で、野党の追及以上に全てのメディアに対して大きな不信を抱いてしまった。そのツケは大きく、全てのメディア不信へと繋がり、メディアの崩壊へと導いてしまった訳だ。我が国のメディアはどの様に生き続けて行くのか・・・



 



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戦後最悪の日韓対立で「或る在日韓国人」が心を痛めた「本当のワケ」




 戦後最悪の日韓対立で「或る在日韓国人」が心を痛めた「本当のワケ」


             〜現代ビジネス 9/12(木) 7:01配信〜


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   仕事のパートナーであるニューカマーの韓国人と、溜め息を漏らす。今回の日韓間の争いは何処まで行くのだろうかと。


 日韓の争いは何処まで続くのか・・・

 毎日の様に入って来る日韓の貿易・外交問題のニュースを聞いては、心を痛めて居る。私は、在日韓国人の三世である。私は、日本に暮らし、普通の日本人と全く同じ生活をして居るが、ルーツである韓国とそこに住む人達の考えに付いても理解して居る積りだし、より多くの関心を寄せて居る。
 以下、その様な私や、私と同じ立場の人の実感を元に、戦後最悪とも言える今般の日韓対立に付いての思いを伝えたい。

 私と韓国と戦争に付いて

 先ず、私と韓国の関わり、そして、戦争との関わりに付いて述べて置きたい。私の外祖母(母方の祖母)は韓国人で、韓国が日本の植民地だった戦前に、日本国籍朝鮮出身者として日本で生まれた。当時の事だから、ご多分に漏れず多くの兄妹が居た。外祖母は9人の兄妹の中の一番上の女の子だったが、一人、兄が居た。
その兄(私の大伯父)は植民地出身と云う事で、ナカナカ徴兵され無かったが、戦況がジリ貧に為った1945年(終戦の年)に駆り出され、そのまま南方で亡く為った。

 日本人が南方の戦地で亡く為る事は珍しい事では無い。しかし、その大伯父の遺族が受けた扱いは、日本人の兵隊とその家族が受ける筈の扱いとは異為って居たと云う。大伯父は、植民地出身者であった溜め、残された家族は、遺族年金も何も手にする事が出来無かったのだ。
 「戦死した」と云う通知が一枚来ただけである。彼の家族に遺族年金が支給され無かったのは、太平洋戦争中に従軍した人とその遺族に対する補償を定めた「戦傷病者戦没者遺族等援護法」の対象者に、旧植民地出身者が含まれて居なかったからである。補償の対象は「日本国籍を有する者」に限定されて居たのだ。

 当時の家族に取っては、長兄を亡くす事は、心情面での苦しみは勿論の事、経済面の苦しみにも大変なものがあった。それは、家族の生活の支え手が居無く為ると云う事を意味したからだ。






 在日コリアンの心

 長兄が死ぬと、私の祖母がその後に続く7人の兄妹の面倒を看る事に為った。幸い、祖母の家は朝鮮出身者の中では金銭的に恵まれて居た方で、遺族年金が入ら無くても、何とか暮らす事は出来た。しかし、周囲の多くの朝鮮人家族には、経済的に困窮状態にある者も多く居り、戦争が終結しても、貧困の問題は解決され無かった。

 ソモソモ貧困は次世代に受け継がれる事が多いが、戦争に依り代を跨いで貧困を継承して居る家族は、より深刻な状況に置かれて居る。戦争により経済基盤が丸毎無く為ってしまった為、本人達の努力だけでは、どうしても貧困のループから抜け出せ無く為って居るのだ。
 貧困の連鎖の原因は勿論、アノ戦争である。旧植民地出身者の多くは、子孫係累がこの様な負の遺産を受け継いで居る。だから、彼等に取って「アノ戦争は過去の事」と簡単に括(くく)れるものでは無い。旧植民地出身者の家族・子孫に取っては、アノ戦争、アノ植民地問題は、現在進行形で続いて居るのである。

 只、その様な過去があっても確実に言える事は、今、友好国で有った筈の日韓がこれ程迄に対立して居る事に対して、在日コリアンは皆、心穏やかでは無いと云う事だ。色んな感情が有ったとしても、この対立を喜んで居る在日コリアンは居ない。

 「韓国は飛んでも無いね」と云う声を浴びせられ・・・

 在日コリアンに取って、日韓の対立は日々の生活にも大きく関わって来る。私自身、極小さな会社を経営して居り、日々、ビジネス上の多くの出会いがあるが、面会先の日本人の経営者から「韓国は飛んでも無いね」と云う声を浴びせさせられる事が何回かあった。
 それは、先方からすれば、プロ野球や天気の話題を投げ掛けると同じ程度の世間話に過ぎ無かった様で、経営に支障を来す様なものでは無かったが、同じく経営者である私の弟の場合は聊(いささ)か心配である。私の弟は焼肉屋を経営して居る。メニューの多くが韓国料理で、客の殆どは日本人だ。最悪、客足が減る事も予想される。今後の日韓の外交交渉に付いては、私以上に穏やかで無い気持ちで居る。

 通名・或は本名で会社に通勤する人・学校に通学する人、帰化した人で有ってもそうで無くても、朝鮮半島にルーツを持つ様々な属性の人が、この問題で、明日の自分、明日の家族の身を案じ無い事は無いのである。
 この不毛な両国の対立は、両国政府や観光業に関わる人だけで無く、普通の人に対しても、何の利益も齎(もたら)さ無い。






 在日コリアンだから出来る事

 だからコソ、私達在日コリアンは、私達為りの仕方で情報発信を続けて行く必要があると感じて居る。両方の立場、気持ちが判るのが私達なのだ。勿論、同胞の中、又私の家族の中にも、心の中では色々と逡巡しながらも、積極的な情報発信は損だと云う考えの者も居る。
 日本に軸足を於いて生活する私達に取っては、日本と韓国と、両方が近い存在なので、ドチラにも気を使わ無ければ為ら無い事がある。

 何か政治的発言をしたり情報発信をしたりすれば、了見の狭い人から石礫(いしつぶて)を投げられる事もあるし、韓国にも問題があると云う立場を是々非々で論じる人間(例えば私の様な)には、同胞からも厳しい視線が注がれる時がある。何を話しても損な事が多いのだ。それでも、矢張り私は、在日コリアンだからコソ出来る情報発信は有るしすべきだと思う。
 朝鮮半島出身で、且(か)つ日本に生活基盤を置く私達に取っては、ブツカリ合う両国の折り合いを着けるのがドンナに困難かは好く判って居る。

 日韓政府の関係が本当の意味で良好であった事は、日韓合意が果たされた後の軍事政権の一時期(1965年の日韓基本条約締結からの数年)、小渕恵三・金大中の類まれなリーダシップに導かれた一時期(1998年の日韓共同宣言からの数年)しか無い事を知って居る。
 他の時期は、明らかに対立して居るか、若しくは関係が良好に見えても、米国と云う調整者に対する遠慮でそうして居るに過ぎ無いだけか、そのドチラかにで有った事を知って居る。しかし、一方で、在日コリアンの多くは、韓国の歴史も学んで居るので、韓国の事情も理解しつつ、大日本帝国が戦争に破れた後の新生日本が、韓国に歩み寄りをして来た事も知って居る。

 在日コリアンは、韓国国民が民主主義を希求し紆余曲折を経て来た事、又、歴史的に積層した厚い壁を乗り越え、人権意識を高めて行った事を知って居る。そして、日本が、戦後の逆コースや反動的な政治家の出現を乗り越え、戦後70年以上に渉り、海外の軍事活動で一人たりとも殺して居ない事を知って居る。在日コリアンの多くは、両国が築き上げて来た、近代的で進歩的な価値観を理解して居るのだ。


 



 無知と無理解を超えて

 しかし、その一方で互いの近代化の歩みを互いが理解し合って居るのかと為るとそうでは無い。日本人の多くは、韓国が力尽(ちからづ)くで勝ち取った民主化に付いて、無知で有るか冷笑主義的な態度を取って居る。他方、韓国人の多くは往々にして、日本人の多くが平和主義を守り抜こうと努力して居た事に付いては、無知か無理解なのである。
 そうした無知や無理解から、両国民は感情的に為って居る。在日コリアンは、そんな両国の誤謬(ごびゅう)や偏見から、客観性を保てる立場に居るのでは無いか。だからコソ今情報発信をすべきでは無いかと思うのだ。

 勿論、国益がブツカル問題の調整は困難である。日韓合意そのものをどう評価するかは、国際法や政治、経済様々な議論が必要で、これ等に対して、明確な解答を与える事は出来無い。今回の貿易問題の発端と為った徴用工問題でも慰安婦問題でも、複雑に利害が絡み合って居り、在日コリアンと云う比較的客観的な立場でも、公平無私な行司役を務める事は出来無い。
 しかし乍ら、在日コリアンなら、近代国家の住民たる両国民が折り合える価値観、詰まり、ヒューマニズムなり基本的人権に付いての視点で、両国民を繋ぐ為の情報発信が出来る様に思う。そして、在日コリアンとしての客観的な立場が、その発言の中立性・客観性を担保し説得力を強めて呉れるーーと云うのは私の希望的観測に過ぎ無いのだろうか。


 



 日本と韓国に言いたい事

 私がココで言いたいのは、日本の旧植民地で有った朝鮮出身者が、どれ程の辛酸を嘗めたかと云う事では無い。確かに、日本の領土の一部で有った朝鮮半島の出身者の多くには、植民地支配に於ける負の遺産が引き継がれて居る。彼等は、戦争で受けた苦しみを戦後も引き続き受け続けて居るのも事実である。
 一方、日韓基本条約で終結した筈の問題が、文在寅政権に依って蒸し返されて居ると云うのも事実であるし、両国民同士が50年の歳月を掛け外交的努力を重ね、政治経済・文化交流を築き挙げて来たと云う正の遺産が有るのも事実である。この様に、今般の日韓関係の悪化に付いては日韓双方に言い分が有るのは当然だ。

 しかし、何故両国共、事をモッと穏便に済ます事が出来無いのだろうか。先ず、日本側には以下の様に言いたい。
 今般の文在寅政権の行動は、日本側からすれば、チャブ台をヒックリ返される様な気持ちだろう。只、ヤッパリ、少無くとも彼等に取っては、戦争は少しも過去の話では無く、実体験として感じて居る不公平感は計り知れ無いと云う事があるのだ。
 何故、韓国側がアレ程怒って居るのか・遣り切れ無い気持ちで居るのか・・・リアルに想像して貰いたい。戦争やそれに関連する合意は既に過去の事であると簡単に切り捨てるのでは無く、現在に継続して居る事として受け止め、未だ傷付いて居る人が居る事を認知・想像して貰いたいのだ。

 勿論、日本からすれば、チャブ台返しは不合理だろう。しかし、韓国からすれば、不公平感が根っコに有る。争う中では、理屈や合理性だけで無く相手の気持ちの回路を知る事も大事である。怒って居る相手の気持ちの回路を知る事は、決して無駄な所作では無い。交渉に於いて、自身が相手より優位に立つ事にも役立つはずだ。

 一方で、韓国側にも言いたい事がある。今、日韓両国に於いては、政治、外交、経済上の交流だけで無く、若い人々を中心に、文学、音楽、芸能等アラユル分野での文化交流が盛んに為って居る。これは、本当に素晴らしい事だ。
 これとて、先人の外交交渉の努力とその結果たる日韓の合意が無ければ生まれて居ない成果で有る筈だ。この様な、日韓の親睦の基盤や、両国の幾つかの合意が、韓国側に依って一方的に反故にされて好い筈は無い。合意の見直しを主張するので有れば、一方的に合意の破棄をするのは大人気無い。日韓双方で、見直しを始める事に先ず合意をしましょうとするのが前提で無かろうか。
 一方的に、状況が変わったからと云う理由でチャブ台を返す事は、幾ら何でも拙い。今、ココで、若い人達が文化交流で楽しんで居る事の土台を壊すものに他為ら無い。


 



 語り合うと云う事

 聞く処に依れば、連日に渉る日本製品ボイコットや日本旅行の取り止めのニュースは、徒に大きく報道され過ぎて居る面もあり、実際には、それ程全般的な事では無い様だ。しかし事の大小を問わず、この様な「民族としての反撃」の様な行動は、結局、日本「民族」からの反感をモタラシ「民族」と「民族」の泥沼の争いに陥るだけである。
 辛く傷付いて居ると云う経験は、主語を民族とする文脈で語ら無くても好い筈だ。朝鮮は、民族と民族の戦いや戦争に翻弄されて来たからコソ、もう民族と云う視点から離れるべきなのだ。そして、韓国・朝鮮半島の人々が、人間としての不幸を語り出す事が出来れば、共感は、国境を超え民族を超えて広がって行く筈である。

 少なくとも、日本製品ボイコットや日本旅行を取り辞めると云う韓国人の行動は、私はどうなのだろうと思う。そんな事をするよりも、例えばアサヒビールが好きなら、もっとドンドン飲めば好いし、今や日本料理の一部と為った焼き肉やホルモン料理がどの様に生まれたかを語るのが好い。

 焼き肉やホルモン料理には、朝鮮半島の植民地支配と貧困の歴史が関係して居り、そう云う事に付いて、日本人にモット関心を持って欲しいと言えば好い。旅行が好きなら、ボイコットよりも日本を再び訪れて、日本人と交流しつつ、日本のアレソレは好きだ、でも自分達の親類や家族が、九州や北海道(炭坑や鉱山での徴用労働)で大変な目に遇った事は知って欲しいと語れば好い。
 そして、ソコに居る日本人に、二度とアンナ事が起き無い様交流を続け様と語り掛ければ好い。そしてそれは私達在日コリアンもするべきだと思って居る。

 ここ迄書き連ねたが、飽く迄これは一在日韓国人の個人の所感である。日本人・韓国人の中にもこの問題に付いて多様な考えが有る様に、勿論、私達在日韓国人の中にも、この問題に対する温度差は有る。同じ親から同じ様な教育を受けた私の兄妹の間でも、この件に付いてどう距離を取るのかは同じでは無い。
 只、確実に言えるのは、この様な視座で発言し語り合える為らば、両国の折り合える接点はキッと見付かるだろうと云う事だ。こう言った視座を持つ力は、民主主義や人権と言った近代的価値を認める日韓両国の国民には必ず有る筈だ。


              朴 猿虎氏   以上 



 【管理人のひとこと】

 実に生々しい声を聴かせて頂いた。ご祖母様が朝鮮国籍(植民地として日本が支配して居た)の日本人として日本で生まれた生粋の在日三世。ご祖母の長兄が戦死しても、日本の多くの戦争遺族が受け取った遺族年金も受け取れず経済的な困窮の中で生き続けて来られた・・・戦争は、この様に負けても勝っても、中には民族として支配されても、この様に弱い者へ集中するものなのだ。この様な感傷的な云い方は、全ての原因を戦争の所為にするだけで決して何の解決にも結び付か無いのだが・・・

 対立する物事には、必ず互いの正義が存在する訳で、全ては、対立しても相手の正義とする心情を想像出来るか否かに懸って居る。自分達の立場を丁寧に説明する以上に、相手の 言い分を受け取り素直に想像出来るかの人間としての創造力の濃淡でもある。
 朴 猿虎氏の提案する・・・日韓双方で、見直しを始める事に先ず合意をしましょうとするのが前提で無かろうか。少無くとも彼等に取っては、戦争は少しも過去の話では無く、実体験として感じて居る不公平感は計り知れ無いと云う事がある。何故、韓国側がアレ程怒って居るのか・遣り切れ無い気持ちで居るのかをリアルに想像して貰いたい。戦争やそれに関連する合意は既に過去の事であると簡単に切り捨てるのでは無く、現在に継続して居る事として受け止め、未だ傷付いて居る人が居る事を認知・想像して貰いたいのだ・・・の一文に尽きる。当事者でも有り当事者からも除外されて居るで有ろう在日の方々の思いも想像する必要もある。



 



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韓国男子、性との遭遇 日本のAVから性教育での「過激」映画まで




 韓国男子 性との遭遇  日本のAVから性教育での「過激」映画まで



          〜ニューズウィーク日本版 9/11(水) 18:32配信〜


 




 10代の若者にはこれだけでも刺激的?

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 日本に依る韓国向け輸出規制は長期化しそうだが、長年非合法な形で日本から韓国へと輸出されて来たヤバいものがある。8月8日、Netflixが全世界190か国に配信を開始したオリジナルドラマ『全裸監督』が空前の人気を博し話題だ。配信後僅か8日後の8月16日には続編制作が発表されその人気を物語って居る。
 このドラマは全8話の構成で、実在のAV監督・村西とおるの破天荒な半生を描いた作品だ。村西の熱血漢溢れる姿を通して1980年代の日本で活気付いて来た頃のアダルト・ビデオ業界を紹介して居る。

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 この様なアダルト業界の裏の世界を描いた作品は多く、ここ数年フィーチャーされて居る様に見える。現役人気AV女優・紗倉まなが、AV業界の現場を舞台に書いて話題に為った小説『最低。』が映画化された他、WOWOWではオリジナルドラマとして田舎の町がAV業界に侵食されて行く姿を描いた『モザイクジャパン』を放送した。
 企画物と呼ばれるAV女優達を主人公にした『名前のない女たち』は、世界四大映画祭と言われる第33回モスクワ映画祭で正式上映されて居る。この業界が注目を集めるのは、誰もが興味は有るがベールに包まれた裏の業界と云うイメージを持って居るからだろう。

 



 韓国のAV事情

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 お隣りの韓国でも日本のAVは人気である。元々韓国ではポルノに付いては規制が厳しく、公的にはAVは存在し無い為日本のものを輸入して居る。勿論ビジネスベースでの輸入は出来無い為、その大部分は不法ダウンロードや海賊版DVD作品である。
 韓国では、全ての映像は「韓国映像物等級委員会」と呼ばれる行政の機関を通さ無くてはいけ無いのだが、一般的な日本のAVは劇映画として認められて居ないのだ。例えセリフがあり、女優や男優等が演技して居るAV作品で在っても、局部のシーンやリアルな器具を使うシーンはカットし無ければ為らず、胸はOKでも下半身はNGと云うのが今の定説なので、韓国のR-18は日本のR-15程度の作品に仕上がりに為る。

 更に、この規制もその時々で変わって来るので厄介だ。韓国史上初の女性大統領と為った朴槿恵政権時代は特に厳しく、例え女優の年齢が未成年では無くても、制服を着て居るシーンが入って居ると輸入し難く、看護婦やCA等或る特定の職業を女優が演じるAVは職業差別であると云う理由で輸入を控える傾向にあった。
 特に儒教の影響なのか「女教師」等先生を扱う作品は、特別規制があった訳では無いが暗黙の了解でタブー化されて居た。しかし、そうした制限があるにも関わらず韓国の男性は日本のAVにとても詳しい。日本の人気AV女優を招いてファンミーティング迄行われて居り、筆者も縁が在って当時の人気AV女優の麻美ゆまのファンミーティングに通訳として参加する機会が在ったが、韓国の男性ファン達の熱気には驚かされた。

 性教育で「過激」な映画を上映

 韓国は規制が厳しいとは云うものの、一般映画の中には性器のモザイク無し上映が認められた作品も存在する。例を挙げると、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『ドリーマーズ』アン・リー監督の『ラスト、コーション』スタンリー・キューブリック監督の遺作『アイズ ワイド シャット』等が有名である。
 韓国映画の中では、鬼才パク・チャヌク監督の『渇き』が有名だ。人気俳優ソン・ガンホのモザイク無しの全裸が大きな話題と為った。

 しかし、性器露出と言えば、韓国内初の「等級保留」審議を受けた映画『LIES/嘘』(チャン・ソヌ監督)だろう。1999年に制作され、第56回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に韓国映画として12年振りに正式出品されたものの、その後韓国内のレーティングが保留された為公開が出来無く為ってしまった。その後2回の修正が行われてヤッとR-18作品として国内上映が認められた問題作だ。
 この様に問題視され乍ら封切られる映画は、性器露出を認めるべきか否かが毎回大きな話題と為る為、映画のマーケティング会社はこれを狙ってワザと問題を大きくする場合もある。実際、『LIES/嘘』の韓国内正式ポスターでは「20世紀が拒否した映画、21世紀に要約公開される!」と云ったキャッチコピーを載せ、規制に依って公開が遅れた事を逆手に取ったプロモーションが印象的だった。


 



 性教育の授業で「過激」な映画を上映

 この様に、AV業界や性器露出シーンが話題に為る世の中で、今後「性の在り方」をどの様に子供達に正しく伝えるかは重要な問題に為るだろう。そんな中、韓国・光州市に在る中学校での出来事が、警察を巻き込む騒動へと発展し波紋を広げて居る。
 或る中学教師が性教育授業中に『Oppressed Majority』と云う11分間のフランス短編映画を上映したのだ。これが授業に認められた性教育教材では無かったとして、光州南部警察は9月3日この教師を警察に呼び調査をした。

 映画の内容は「もしも男女が入れ替わった世界だったら......」と云う立場を入れ替えて問題点を明確にするミラー効果と呼ばれる手法を用いたフィクションで、或る男性の1日を描いて居る。
 男性は出勤中に不良の女性達にセクハラを受け、凶器をチラツカされ乍ら数人に性的暴行を受ける。彼は警察に被害届を出し、その後奥さんが彼を迎えに来て家に帰る迄の話だ。不良女性の一人が立ちションをするかの様に、路上で排泄するシーンが在ったり、警察ではレイプの状況を説明すると、女性警官にカラカワレたり、現在の女性蔑視の問題を男女入れ替える手法で皮肉タップリに表現して居る。

 社会的弱者への配慮を気付かせる授業?

 教師は、この映画を通して弱い女性の立場を生徒達に学んで欲しかったのだろう。しかし、この映画を上映後、一部の学生が不快感を示したと報告があり、光州市教育省がこの教師の調査を警察に依頼するに至った。その後、この教師を支援する市民団体に依って警察署前でデモが行われ、13日には光州市教育省内で教師自身に依って当時の授業が再現された。

 韓国メディアOhmyNewsは、問題と為った短編映画の監督エレノア・プリアートにインタビューを行って居る。プリアート監督は自身も女性と云う立場で「差別とは何か、男性に自身の体を通して感じて欲しかった」とし、今回の問題に付いては「意味の無い争いは辞めて、その代わり女性達が受けて居る差別と闘って欲しい」と訴えた。
 今回の教師は性教育の現場で、マイノリティや弱者への視点を気付かせる為にこの映画を上映したのだろう。しかし、この映画の性の描き方は余りにも極端で、マルで世界中の男性は野獣であり乱暴者で、気に食わ無い事があるとナイフをチラつかせレイプをする、と云った描き方だ。

 幾ら規制やモザイクを掛けても、ネット等で簡単に無修正のAVがダウンロード出来、AV制作の裏側迄もが作品として取り上げられる様に為った今、子供達への性教育は、或る意味で「リアル」と「ファンタジー」をキチンと区別させる為、これ迄以上にとても重要に為って行くだろう。
 AVが「極端なファンタジーを描く映像」なら、対照的な「性に付いての考えのベースと為る性教育としての映像」を授業で使用するのは賛成だ。しかし、今回の様に「男女逆転」で「片方の性別の役割を極端に乱暴で悪者」に描いた映画を、未だ多感な中学生の性教育の授業で使用するのは、少し偏り過ぎた劇薬だったのでは無かっただろうか。



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            ウォリックあずみ(左)    以上


 




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2019年09月11日

世界は何故「豊かな国」と「貧しい国」に分かれたのか?


 世界は何故「豊かな国」と「貧しい国」に分かれたのか?


           〜現代ビジネス 9/11(水) 14:01配信〜


 




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            故・社会学者ウォーラーステイン氏


 〜先日逝去したイマニュエル・ウォーラーステイン・・・ヘゲモニー・中核・周辺等のキーワードを駆使して、近代世界は一つのシステムであるとする世界システム論。世界システム論を日本に紹介した川北稔大阪大学名誉教授が解き明かす、ウォーラーステインの魅力とは? 『知の教科書 ウォーラーステイン』(講談社選書メチエ)の「はじめに」を公開する〜


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               川北稔大阪大学名誉教授
 

 ダイエットと飢餓の「南北問題」

 日本の若者の多くが、体型を気にしてダイエットに関心を持って居る。若者で無くても、健康上の理由から体重制限に苦慮して居る人も少なく無い。しかし、他方では、地球上の多くの地域、特にアフリカでは、今も毎日多くの子供達が餓死して居る。この事は「南北問題」として好く知られた事である。
 しかし、この問題はどの様にすれば解決出来るのか。アフリカの国々は経済開発が「遅れて」居る為に飢餓が蔓延して居るのであり、全ての国が日本の様に飽食に為れば好いのだろうか。と云うより、世界の全ての人々が日本人の様に飽食に為る事は可能なのか。

 そんな事が可能に為る為には、世界の食糧生産は右肩上がりに無限の「成長」を遂げ無ければ為ら無いであろう。しかし、地球上の資源の有限性や環境問題を考えると、この様な無限の成長は有り得無い。
 とすれば、そもそもアフリカの飢餓もアフリカ諸国の「遅れ」が原因とは言い切れ無い。問題は、食糧や所得の配分の世界的なアンバランスに有る。詰まり、日本人が「飽食」である事がアフリカの飢餓の少なくとも一部の原因なのである。現代の世界は一体化して居る上に、地球の資源は有限であり、人類は既にそれを極限まで利用し尽くして居る。

 それにしても、こう云う「南北問題」詰まり世界的なアンバランスはどうして発生したのか。どうすれば、解消され得るのか。長年、社会学の立場から、アフリカの開発問題に取り組んで来たウォーラーステインが、歴史に関心を持ち「近代世界システム」論と云うものの見方に到達したのはこの様な問題からである。


 



 産業革命を経過した国と、して居ない国

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              イギリス イーストエンド

 歴史を振り返って観ると、経済格差が最初に問題にされたのは、国と国との間と云うより、寧ろ産業革命の進展した時代のヨーロッパ各国の国内に於いてで在った。世界で最も繁栄して居る筈のイギリスの内部に、イーストエンドと呼ばれる巨大なスラムが発生し「もてる者」と「もたざる者」の差が際立つ様に為った。
 この時、人は社会主義や社会政策に救いを求め様とした。20世紀に入って、イギリスが一早く福祉国家への道を歩み始めるのはその為である。処が20世紀後半に為ると、格差は国内の階層間よりも国家と国家の間でコソ、より大きい事が認識される様に為った。

 最初に打ち出された答えは「南北問題」は、国民の努力に依って「産業革命」を経過した国では開発が進み工業国と為ったのに大して、それを未だ経験して居ない国が「低開発」に喘いで居る事から生じたと云う見方であった。
 この様な歴史の見方は、数十年前迄の常識で在った。「低開発」を「発展途上」等と言い換える事も多いが、それではこの見方の偏りを是正する事には為ら無い。近代のヨーロッパ人のものの見方や価値観が、世界中何処にでも普遍的に通用する様に思われて居た時代である。アジアの国であれアフリカのソレであれ、全ての国が何れはイギリスやフランスの様な「近代」国家に為って行くべきであり、現状がそうで無いのは、歴史的に「遅れて居る」からだと見做されて居た。

 この様な見方から、第二次世界大戦が終わった後、特に多くのアジア・アフリカ諸国が政治的に独立を達成した20世紀中頃以降は「低開発国」の開発が世界的な課題と為った。新たに独立した諸国の指導者達は、自国を工業化し「開発」する事に努めた。
 冷戦を展開した米ソ両大国も、第三世界への影響力を強化しようとして開発援助を勧めた。当時の考え方では「低開発国」の最大の問題は資本不足と考えられて居たので「資本」を注入する事が最も近道とも観られて居た。この様な考え方を、歴史理論として判り易く説明したのが、ヴェトナム戦争当時のアメリカ大統領の顧問でもあった経済史家で『経済成長の諸段階』を書いたW・ロストウであった。

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               ユージン・ロストウ氏

 ロストウの見方では、投資率が或る限度を超えて高く為った国は、理論的にも現実にも右肩上がりの「持続的成長」を続ける様に為る。この様な「持続的成長」が始まる時期が歴史学で云う産業革命である。だから、産業革命、詰まり工業化を経験した「先進国」は、ドンドン経済成長を遂げて行くのに、それを未だ経験して居無い国は「低開発」のママ停滞して居て格差は拡大する一方である。
 従って、ロストウの見方からすれば、アジアやアフリカの「低開発国」は、イギリスやアメリカの様な「先進国」の後を追って産業革命を起こす必要があり、その為には先進国が、資金援助をする事が必要だと云う事に為った。

 しかし、この様な見方に立ったアメリカの対外政策は一向に成功し無かった。ウォーラーステインが研究して居たアフリカ諸国でも「先進国」に追い着く様な気配は見え無かったのである。


 



 一国史観の限界

 そこで問題に為って来たのは、そもそもロストウの様な歴史の見方は正しいのだろうかと云う事である。全ての国や地域が「先進国」と為る訳にはいか無い事は「飽食」の例をみれば明白である。世界の諸国・諸地域は相互に影響を与える事も無く、セパレート・コースのトラックを共通のゴール(例えば「飽食社会」)を目指して競走して居る様なものでは無い。「先進国」の人間が「飽食」に為れば、別の地域では食糧難が発生する。
 アメリカ人が自動車を乗り回せば、地球上の他の場所で、石油資源は間違い無く減少し大気汚染や温暖化は確実に進む。日本人が大量に紙を使えば、インドネシアの森林は枯渇する。

 ソモソモ、世界の歴史をイギリスとか日本とかケニアとか云った「国民国家」単位で観て行く事(所謂「一国史観」)は、今の世界では通用し無い。
 16世紀に成立し、その後次第に拡大して遂に地球全体を飲み込む事に為った、近代の「世界」(一つのシステム、詰まりグローバルな分業体制を為して居たと云う意味で、世界システムと云う)では、或る国の経済開発は、別の何処かの地域を「低開発化」して居る事が多いのである。
 世界で最初の経験であったイギリスの産業革命でさえ、インド綿織物工業の消滅とその綿花輸出植民地化をもたらしたのであり、又、大西洋奴隷貿易とカリブ海域の奴隷制砂糖プランテーションやアメリカ南部の、これも奴隷制に基づく綿花プランテーションを生み出したのである。この様に考える事で、ウォーラーステインは「世界システム」論に到達した。


 



 世界システム論の魅力

 ウォーラーステインの議論が歴史学や社会科学の領域の壁を超えて多くの人々に影響を与えたのは、その議論が現代世界の抱えて居る多様な問題に新たな解釈を与える可能性があったからである。
 家族とは何か人種とは何か民族とは何か国民国家とは何か・・・男女の役割分担はどうして今日の様な形に為ったのか、学問に於ける真理とは何なのか・・・この様な問題に明確な答えが期待出来る点が、世界システム論の魅力と為った。

 最後に、この議論のもう一つの大きな魅力は、それが未来に付いても語るものだと云う事である。1450年頃から1620年頃まで続いた「長期の16世紀」に成立した近代世界システムは、その内部に時として「ヘゲモニー国家」と呼ばれる超大国を生み出した。
 17世紀のオランダ、19世紀のイギリスに次いで、第二次世界大戦後、ヴェトナム戦争迄のアメリカがそれで、生産・流通・金融の全ての次元に於いて「周辺」は元より他の「中核」諸国に対しても圧倒的な優位を確立した。

 今や、近代世界システムはアメリカのヘゲモニーの長期的衰退過程(ポスト・アメリカ)に在ると考えられる。とすれば、似た様な歴史状況は、以前にも見られた事に為る。19世紀末からイギリスのヘゲモニーが衰退し、アメリカとドイツが台頭した時代や、17世紀末、オランダのそれが衰退して、イギリスとフランスが第二次英仏百年戦争とも呼ばれる長期の覇権争いを演じる事に為った時代がそれである。

 同様に考えれば、アメリカのヘゲモニーの衰退過程に在る今、近未来はどの様に予測されるのか。暫くは日本を含む「中核」諸国の対抗が続いた後、第四のヘゲモニー国家が現れるのか。そうだとすると、それは中国なのか、アメリカと結んだ日本なのか。今は想像も出来無い何処かの国なのか。それとも、新たなヘゲモニー国家は最早出現せず、500年続いた近代世界システムは「死滅」するのだろうか。

 「国民国家」と云うものは、近代世界システムの中核地域に於ける統治形態として決定的な役割を果たして来た。しかし、EUの統合やインターネットの普及、世界金融の動向、NGOの活動等に典型的に観られる様に、今や国境の意味は薄れ、国民国家は溶融の気配を見せて居る。
 ここからすれば、世界システムと云う巨大な構造物が死滅する可能性も捨て切れ無い。世界システムが死滅した後には、EU的な緩やかな繋がりの「広域圏」が、新たな意味を与えられるであろう。


              川北 稔    以上


 



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正社員「逆ギレ」も 非正規の待遇格差が招く荒れる職場


 
 正社員「逆ギレ」も 非正規の待遇格差が招く荒れる職場


            〜日経ビジネス 9/11(水) 9:00配信〜


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     文 河合薫(かわい かおる) 健康社会学者(Ph.D.,保健学)気象予報士  パートタイムだろうと、有期雇用だろうと派遣だろうと、正社員だろうと「働く」と云う事に全く違いは無い。にも関わらず、企業が非正規と正規と云う単なる雇用形態の違いで「働かせ方」を区別したのだ・・・ 







 「非正規と呼ぶな!」と指示したメールが厚生労働省内に出回ったらしい。先週アチコチで批判されて居たので、ご存じの方も多いと思うけれど簡単に振り返って置く。 
 問題のメールは今年4月に同省の雇用環境・均等局の担当者名で省内の全部局に「『非正規雇用労働者』の呼称について(周知)」と云う件名で通知されたもので、国会答弁等では「パートタイム労働者」「有期雇用労働者」「派遣労働者」等の呼称を使う事を指示。「非正規」のみや「非正規労働者」と云う言葉は用い無い様注意を促すものだった。
 又「『非正規雇用』のネーミングに付いては、これ等の働き方には前向きなものがあるにも関わらず、ネガティブなイメージがあるとの大臣の御指摘があった事も踏まえ、当局で検討して居た」と記載され「大臣了」と云う表現も有ったと云う。

 報道を受け根本匠厚生労働相はメールの指示や関与を否定。又、厚労省は内容が不正確だとし、文書やメールを撤回して居る。
 厚労省は、2010年版の「労働経済の分析」(労働経済白書)で、1997年と2007年の年収分布を比較し、10年間で年収が100万〜200万円台半ばの低所得者の割合が高まり、労働者の収入格差が広がったのは「労働者派遣事業の規制緩和が後押しした」と自ら国の責任を認めて居たのに・・・この期に及んで言葉狩りに加担するとは実に残念である。

 「非正規」の言葉を避ける空気が醸成されて居る

 一体何度、発覚、否定、撤回、が繰り返されて行くのだろうか。今回の問題を、役所の知人等複数名に確認した処、予てから永田町では「非正規と云う言葉はイメージが悪い」「希望して非正規に為って居る人も多い」と云う意見が有ったそうだ。
 「老後資金年金2000万円問題」が浮上し野党が行ったヒアリングでも(6月19日)、年金課長が「根本厚労相から『非正規と言うな』と言われて居る」と発言し、21日に根本厚労相が記者会見で課長の発言を否定した琴もあった。要するに、メールを撤回しようと何だろうと「非正規と云う言葉は無くそうぜ!」と云う空気が出来上がって居たのだろう。

 何れにせよ、大抵こう云った悪意無き無自覚の「言葉狩り」が起こる時は、決まって知識不足、認識不足、無知が存在する。実際、9月3日の記者会見で、根本厚労相は以下の様にコメントして居り、私はこのコメントの方が寧ろ問題だと考えて居る(抜粋要約)。

 「正社員に就けずにパート等の働き方を余儀無くされて居る方や、積極的にパート等の働き方を選択して居る方等、多様な働き方が進んで居る。単に『正規』『非正規』と云う切り分け方だけで好いのか、夫々の課題に応じた施策を講ずるべきではないか、と思って居る。
 パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者に寄り添った政策を展開して、同一労働同一賃金の実現に向けて全力で取り組んで行く、これが私の姿勢であり、基本的な考え方です」


 ……フム「夫々の課題」「同一労働同一賃金」と云う言葉を大臣が使って居るので、一見問題があるとは思え無い発言だし、ご本人からは一切悪意は感じられ無い。だが「働き方」と「働かせ方」は全くの別物である。これを混同して居る事にコソ大きな問題がある。働き方の主語は「働く人」働かせ方の主語は「会社」だ。


 




 「非正規雇用」vs「正社員」と云う構造が生まれた

 パートタイムだろうと有期雇用だろうと、派遣だろうとハタマタ正社員だろうと「働く」と云う殊に全く違いは無い。にも関わらず、企業が非正規と正規と云う単なる雇用形態の違いで、

 ・賃金が低い
 ・残業代が出無い
 ・産休や育休、有休が取れ無い
 ・時短労働が出來無い
 ・社内教育の機会が無い
 ・昇進や昇給の機会が無い
 ・雇用保険に入れ無い
 ・簡単に「雇い止め」に遇う、etc.etc.…


 と「働かせ方」を区別したのだ。労働基準法や男女雇用均等法で禁止されて居る事を企業側が理解して居ない場合も多く、非正規雇用者は権利があるのに行使出来無い。しかも、非正規社員が雇用契約して居る相手は「企業」だ。処が企業に依る「待遇格差」が慣例化した事で、マルで「正社員さま」と契約して居るかの様な事態も発生して居る。
 「私達が、誰の為に働かされて居るか分かります? 正社員の為ですよ。何もし無い正社員の為に、契約社員は必死で働かされて居るんです」
 或る会社で非正規社員として働く女性が、こう漏らした事がある。彼女の職場は転勤が多かった為、出産を機に退職。その後は育児に専念して居たが、転勤問題が取り上げられる様に為り、人事部の過つての同僚から「もし働く気が有れば、契約社員として同じ部署で働けるけど?」と誘われ、昨年、会社に復帰した。正社員だった時と比べると、年収は4割程下がったと云う。

 「以前は自分の仕事が終わればサッサと帰ってしまう契約社員達を『楽で好いよナぁ』と、腹立たしく思った事も正直ありました。でも、イザ自分が逆の立場に為ってみると、契約社員の方が真面目に働いて居る事に気付きました。契約を更新して貰う為には、数字で成果を出さ無ければ為ら無い。残業代も出ませんし、限られた時間の中で効率好く仕事を熟さ無ければ為りません。
 正社員だった時の方が楽だった様にさえ思います。取り敢えずは毎月の給料は出るし、或る程度結果を出せば、昇給も昇進もありますから」

 「自分が契約社員に為ったら、正社員の怠慢と横柄な態度も目に付く様に為ってしまって。例えば、契約社員が事務書類の提出が遅れると『意識が低い』だの『モチベーションが低い』だのマイナスの評価を受けます。処が正社員だと『一寸忙しくて』と云う言い訳が通る。上司もそれを容認するんです。
 それにね。正社員って或る程度迄は横並びで昇進し、仕事も任される様に為るけど、契約社員は採用される時点で会社が求めるレベルに達して居るので、その意味では契約社員の方が仕事が出来ます。恐らくその事を正社員も肌で感じて居るのでしょう。特に私の様に出戻りだと、年下の正社員は舐められたく無いのか、物凄い上から目線で対応して来ます。
 20代の正社員が顧客に手古摺って居たのでアドバイスしたら『正社員を舐めるなよ!』と言われて驚きました。同期からは『非正規は気楽で好いよな?』と言われる事もあります。給料が下がっても仕事が好きで、仕事をしたくて復帰したのに・・・正社員ってそんなに偉いんでしょうか」



 




 バカにされたく無い正社員が契約社員を責める

 この女性はインタビューに協力して呉れた半年後に退職。メンタル不全に陥り「やめる」と云う選択肢しか無かったと云う。正社員から冒涜(ぼうとく)された経験を持つのは、この女性に限った事では無い。

 「『パート何て何時だってクビに出来るんだぞ』と何時も言われるんです」と嘆く30代のパート社員も居たし、上司に意見したら『契約の身分で偉そうなこと言うな!』と恫喝(どうかつ)された40代の契約社員も居た。人は自分が満たされ無い時、他人に刃(やいば)を向ける事がある。自分がバカにされたく無いから他人をバカにする。
 そんな時、非正規と云う会社との契約形態が恰好のターゲットに為る事だってある。会社が待遇格差を着けた事で、正社員が妙な優越感を持つ様に為り、本来の性格迄歪めてしまったのだ。揚げ句の果てに、何か事件が起こると「非正規」だの「契約社員」だのと云った雇用形態の違いに原因があるかの様に利用される様に為った。

 繰り返すが、その身分格差を生んだのは「非正規」と云う言葉では無く、企業に依る待遇格差だ。働かせ方の問題である。「夫々の課題に応じた施策を講ずるべきだ」(by 根本厚労相)等とマドロッコシイ事を言って居る場合では無いのでは無いか。
 これ迄、政府は基本的に「待遇格差」を禁じ「正社員化」を進める法律を制定して来たのだから、法の抜け穴を巧妙に利用し差別をして居る企業を根こそぎ罰すれば好い。それだけで或る程度非正規の問題は解決される筈だ。

 実はこの身分格差問題は、日本の労働史を振り返ると「男社会」に依り生まれた事が分かる。遡る事半世紀前。1960年代に増加した「臨時工」に関して、今の「非正規」と同様の問題が起き社会問題と為った。当時、企業は正規雇用である「本工(正社員)」とは異なる雇用形態で、賃金が安く不安定な臨時工を増やし生産性を向上させた。
 そこで政府は1966年に「不安定な雇用状態の是正を図る為に、雇用形態の改善等を推進する為に必要な施策を充実する事」を基本方針に掲げ、1967年に策定された雇用対策基本計画で「不安定な雇用者を減らす」「賃金等の処遇で差別を無くす」事をその後10年程度の政策目標に設定する。

 処が時代は高度成長期に突入し、日本中の企業が人手不足解消に臨時工を常用工として登用する様に為った。その結果、臨時工問題は自然消滅。その一方で、労働力を女性に求め、主婦を「パート」として安い賃金で雇う企業が増えた。
 実際には現場を支えて居たのは多くのパート従業員だったにも関わらず、パートの担い手が主婦だった事で「パート(非正規雇用)は補助的な存在」「男性正社員とは身分が違う」「賃金が低くて当たり前」「待遇が悪くても仕方が無い」と云う常識が定着してしまったのだ。


 




 非正規社員が正社員より給与が高い国も

 それだけでは無い。「何故、何年働いてもパートの賃金は上がら無いんだ!」と云う不満が出る度に、企業は「能力の違い」と云う常套句(じょうとうく)を用いた。正社員の賃金が職務給や年功制で上がって行く事を正当化する為に、パートで働いて居る人の学歴・労働経験等を用い、能力の無さを論証する事で賃金格差を問題視する視点そのものを消滅させたのである。
 私は今の非正規雇用の待遇の悪さは、こうしたパートさん誕生の歴史が根っこにあると考えて居る。それ故、取り分け女性の非正規の賃金は低い。更に「正社員を卒業」したシニア社員が非正規で雇われる様に為り、益々非正規雇用の全体の賃金も抑えられる様に為ってしまったのだ。(関連記事「他人ごとではない老後破綻、60過ぎたら最低賃金に」参照)

 大体雇用問題では、常に「世界と戦うには……」と云う枕詞が使われるけど、欧州諸国では「非正規社員の賃金は正社員よりも高くて当たり前」が常識である。
 フランスでは派遣労働者や有期労働者は「企業が必要な時だけ雇用出来る」と云うメリットを企業に与えて居るとの認識から、非正規雇用には不安定雇用手当があり正社員より1割程度高い賃金が支払われて居る。イタリア、デンマーク、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ等でも、非正規労働者の賃金の方が正社員よりも高い。「解雇によるリスク」を補う為に賃金にプラスαを加えるのだ。
 又、EU諸国の中には、原則的に有期雇用は禁止し、有期雇用に出来る場合の制約を詳細に決めて居るケースも多い。

 4割が非正規の今の日本社会では可なり極論には為るかも知れないけど、私は一貫して有期雇用のマイナス面を指摘して居るので、有期雇用は原則禁止した方が好いと考えて居る。人間の尊厳の為に仕事は必要だし、有期契約の様な不安定な仕事は、人間の尊厳を満たすには十分では無い。生きる力の土台をも奪うものだ。
 只、その一方で、非正規社員・正社員に関係無く企業との繋がりが不安定に為り、同時に企業と働く人との繋がりが重要では無く為って来て居る事も否定出来無い。その上で、改めて考えると、働く人が生きて行く上で、仕事が出来る事と、生活を送るのに十分な収入がある事を法律で担保する事が極めて重要に為る。

 奇(く)しくも、厚労省メール問題が浮上したのと時を同じくして、日本企業が持つ「内部留保(利益剰余金)」が7年連続で過去最大を更新したと財務省が発表した。2018年度の金融業・保険業を除く全産業の「利益剰余金」は463兆1308億円で、前年に比べ3.7%も増えて居たのだ。使わ無いで溜め込んで居る位なら、先ずは非正規の賃金を上げる様政府は通達メールでも出してはどうか。
 後数週間で消費税も上げられるのだ。政府は消費が一向に盛り上がら無いと嘆いて居るけれど、4割も非正規が居るのだから、使おうにも金が無い世帯が増えて居る訳で。徹底的に「労働者を保護する」と云う観点に立てば、出来る事は沢山ある。変えるべきは「非正規」のイメージでは無く、差別的な働かせ方だ。


           河合 薫     以上






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横浜 IR誘致で露呈した何とも厳しい「懐事情」



 
 横浜 IR誘致で露呈した何とも厳しい「懐事情」


           〜東洋経済オンライン 9/11(水) 6:20配信〜


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 IR誘致に名乗りを上げた横浜市。記者会見で林市長は、財政的な厳しさをIR誘致の理由の1つに挙げた(筆者撮影)


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                中川 寛子氏 東京情報堂代表

 横浜市の林文子市長が2019年8月の定例記者会見で行ったIR誘致の正式表明が話題を呼んで居る。これ迄白紙として来ただけに市民からは反発の声も上がって居るが、それ以上に注目したいのは一般会計だけで1兆7000億円(2019年度)を超える横浜市ですら財政が厳しいと公式に認めざるをえ無かった点である。
 記者会見で林市長は、華やかなイメージの裏側で「現状は毎年500億円程の収支不足から予算編成を進めて居ました」と語って居る。財政事情を持ち出さ無いとIR誘致を正当化出来無かったからとも言えるが、5年連続でプラスの予算を組む等イケイケな印象が在った中での「厳しい」宣言。
 だが、これは他人事では無い。ココでは横浜市ならではの危無い事情に加え、大都市程危険と云う推測に付いて見て行きたい。

 



 2度も壊滅状態に陥った
 
 歴史に詳しい方なら、横浜市が市の成立以降、2度も壊滅に近い状態に陥った事、その後も身動きが取れ無い状況が続いた事をご存じだろう。最初の苦難は1923年の関東大震災だ。関東大震災と聞くと東京都が被害の中心だった様に思われ勝ちだが実際は違う。
 震源地の直上に当たる神奈川県が中心で、横浜市では2万6000人強が亡く為って居る。4万人近くが亡く為ったとされる本所被服廠跡地(ほんじょひふくしょうあとち)の死者を除けば、東京市の死者が2万8000人程に為る事、当時の、中心部に集まって居た横浜市の人口が東京市の約5分の1程だった事を考えると壊滅と云う言葉は間違いでは無かろう。

 続いては1944年から始まった空襲。翌年の終戦迄に市街地の4割以上が焼失して居り、特に都心部の中区では半分程、西区では8割弱が罹災して居り、横浜市の都市機能は再度壊滅状態に陥ったのである。しかも、横浜市ではその後、アメリカ軍の接収が広範に長く続いた。横浜市内で接収された土地面積は全国の6割以上に及んで居り、特に港町横浜の生命線・港湾施設では約9割が接収されて居る。
 1952年からは接収解除が始まったが、中心部・関内地区の接収が解除されたのは1953年に為ってから。しかも、土地の境界や権利関係が判らず、道路も無く為った状態での返還の為、実際に建物が建つ迄には更に時間が掛かった。

 1960年には雑草が繁茂する空地「関内牧場」の草刈りを市民が陳情したと云う記録が有るそうだが、その時点で東京では既に前回の東京五輪が決まり、急速な変化が始まって居る。東京は勿論、他都市に比べても横浜の復興は大幅に出遅れたのである。
 市内には未だに4カ所のアメリカ軍施設が残されても居り、多くの人は忘れて居るかも知れないが、横浜でも戦後は未だ終わって居ないのである。

 



 人口増にインフラが追い着か無い状態

 サテ、長引く接収で何が起こったか。経済の空洞化である。戦災の為に横浜を離れた企業や住民達が戻るに戻れず、戦前の横浜経済を支えて居た企業の可なりの部分が東京等に流出してしまったのだ。
 しかも、そこに東京からの人口移動が始まる。先に発展を始めた東京では不足する住宅を求め、多くの人達が横浜に流入、丘陵を削って住宅が作られる時代が始まったのだ。稼いで呉れる企業は戻って来ないのに、ライフラインや学校等を整備する為に支出が必要な寝る人だけが入って来る訳で、これでは域内で経済が回ら無い。だとしたら公共事業に依存せざるを得無いと云うのが以降の横浜市の基本的な遣り方と為った。

 又、この急激な人口増加期に学校設置を優先させた為、横浜市では未だに中学校で給食が供されて居ないと言われる。給食センター迄は手が回ら無かったのだ。各区に1館しか無い図書館・地区センターが児童館を兼ねて居る状況等も同様の事情からだろう。急激な人口増に兎に角何とかして来たのが横浜の成長期だったのである。
 その後、2002年に初当選した前市長・中田宏氏は財政の危機を訴え、実際に多くの公共事業をストップし、経費削減等改革に努めたが、現在は市財政局のホームページ等で控え目に触れては居るものの、過つて程の危機感は感じさせ無い状況である。

 2019年度の市税収入の見込みは対前年比3.3%増の8395億円だが、大半が築40年を超える小中学校・市営住宅等の建て替え等が控えて居り、今後は大型出費が予想される。2020年の、可なり無駄も見受けられる市役所移転で、数千人単位で減る関内の昼間人口が同地区の不動産価格下落に結び着くのでは無いか、と云う懸念もある。
 観光が伸びると云う期待もあるが、横浜市の観光客の数は2014年から5年で1.3倍に膨らんで居るものの、国全体の訪日外国人は前年比2割、年に依っては同5割伸びて居る事を鑑みると大した事は無い。

 



 これまでの遣り方では立ち行か無く為る

 2020年完成を目指しパシフィコ横浜の隣で新たなMICE施設建設が進むが、2017年度の都市別国際会議開催状況で見ると横浜市は第6位と振るわ無い。神戸市、京都市、福岡市の様に2008年以降大幅に増加して居る都市に比べて伸びは無く、これで海外から人が呼べるかは微妙だ。
 ソモソモ日本でのMICE開催はアジア内でも韓国、シンガポールに大きく水を開けられて居るナドナド、懸念事項は挙げだすと切りが無い。

 財政だけで無く、広大な市域には高齢化や人口減少等「南北問題」も有り、問題は山積して居る。前を向く事は大事だが「危機感が共有され無いと次に行け無いのでは無いか」と、10年間市議会議員を務め、現在は行政と民間を繋ぐ事を事業として居るパブリックドッツ・アンド・カンパニーの伊藤大貴氏は警鐘を鳴らす。
 歴史的な困難が有りつつも、横浜市は比較的無駄無く賢明に経営されて居り、旧5大都市と比較しても1人当たりの市債残高や将来負担比率等の指標も悪くは無い。だが、今後更に高齢化・人口減少が進めば、これ迄の遣り方では立ち行か無く為る危険があると云うのだ。「大規模で財政事情の好い自治体程舵取り次第では大きな赤字を抱える可能性がある」と、日本総研の蜂屋勝弘氏は指摘する。

 2019年6月に発表された「人口動態から探る地方財政の将来像」と題した論考は、人口動態の変化で地方財政がどの様な影響を受けるかを試算して居る。具体的には人口動態の変化を総人口・若年人口・高齢人口の増加と減少に着目して4つの局面に分析。
 現在総人口・若年人口は減少して居る一方で、高齢人口が増加する局面に有る大半の自治体が今後、高齢人口も減る局面に移行した場合の変化を試算した。

 現在でも既に全てが減少して居る小規模自治体は僅かに在るが、2015年から2030年迄を試算すると、こうした自治体は歳入だけで無く、歳出も減るので意外な事に財政事情は悪化して居ない。財政力指数0.6迄の自治体では財源不足が拡大し無い結果に為って居るのだ。
 これを非常に簡単に言ってしまうと、小規模自治体では殆どの場合自前の税収が少無く(財政事情が好く無い=財政力指数が低い)多くを地方交付税に頼って居る為、更に税収が減った処で大きな影響は無いと云う事に為る。

 処が、大規模で自前の税収が大きい・財政事情の好い自治体の場合、自前の財源に頼る割合が大きく、歳入減少は大きなダメージと為る。又若年人口の減少は事業所の減少や地価の低下等に繋がり、法人住民税、固定資産税のマイナスに繋がるが、地価が高い大都市程それ等が下がる影響は大きい。
 こうした様々な試算を積み上げて行くと、実は大都市程微妙なバランスで歳入をコントロールし無ければ大赤字を出す可能性がある訳だ。

 

 

 「稼ぐ公共」に為る努力が必要に

 実際のシミュレーションでは全てが減る局面に移行して居ないにも関わらず、横浜市や名古屋市、大阪市で大きな赤字が生じて居り、福岡市に至っては全てが増加して居るにも関わらずマイナスに為って居る。
 これ迄は大都市程スケールメリットが有り、お得だった筈だが、今後はそれが変化するかも知れ無い。「今後も大都市に稼ぎ続けて貰う為には、これ迄の、大都市が稼いだモノを小規模自治体にと云う流れを逆転させる必要すらあるかも知れません」と、蜂屋氏は話す。

 既に厳しい状況に在る上に、今後、人口減少が更に危機を招く可能性があるのであれば早目に手を打って行く必要があろう。蜂屋氏が挙げるのは地方交付税制度の見直しや、高齢者の就業促進、自治体業務のICTの導入、地域運営組織の活用等だ。
 ICTの導入では現在自治体毎にバラバラに行われて居るものを統一し、日本全体で効率化を図るのが賢明ではないかと指摘する。自治体の独自サービスには独自税で対処すべきと云う観点もある。

 伊藤氏は自治体の生産性向上を挙げる。在任期間後半は、パークPFIの提案等市有財産の価値最大化と収益化等に取り組んだ経験から「稼ぐ公共」を他に先駆けて遣って行く事が大事だと指摘する。
 欧米では都市が縮退期に入り始めた1990年代後半から2000年代初頭に仕組みを整えて居り、最近では稼ぐ公共として日本でも紹介されて居るアメリカのポートランドやドイツのハンブルグ等事例は多い。こうした例に倣い、日本流にカスタマイズして行けば生産性向上の余地は在る筈と云うのである。

 因みに海外事例で見るとエネルギー、交通、環境分野での取り組みが多く、何れも長期的な展望に基づいて行われて居る。何で稼ごうとするかは自治体に依って違うだろうが、長い目で見て市民は勿論、多くの人がハッピーに為れる選択で在って欲しい。


          中川 寛子 東京情報堂代表  以上


 




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消費税を廃止したマレーシアはどうなったか? マレーシア人に聞いてみた




 消費税を廃止したマレーシアはどう為ったか? マレーシア人に聞いてみた


          〜HARBOR BUSINESS Online 9/11(水) 8:32配信〜


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      マレーシアのマハティール首相 photo by Tasnim News Agency(CC BY 4.0)


 「消費税廃止」の前例のマレーシア

 参議院選挙で、二議席を獲得して大躍進を果たした「れいわ新選組」その公約の一つに「消費税廃止」があった。そして山本太郎党首が実例として挙げたのがマレーシアだった。実際に政見放送から引用する。

〈消費税は廃止・・・実際に、消費税を廃止した国ありますよ。マレーシアです。マレーシアは、法人税の次に税収の多かった消費税を廃止。高級なサービス等を利用する時に掛かる金持ち向けの税制を復活させました。何故マレーシアに出来た事が日本には出来無いって云うんでしょうか?〉(参照:れいわ新選組)

 丁度その頃、お誂(あつら)え向きにとでも云うべきか、筆者宅には二人のマレーシア人が滞在して居た。ムハンマド(34)とアミルディン(25)の二人である。ムハンマドは化学で博士号を持つ国家公務員で、アミルディンは大学院生で、因みにこの二人は従兄弟同士でもある。「消費税廃止」の実態を、二人に聞いて観る事にした。


 




 マレーシア人に聞いた「消費税廃止」

 「今の政権が成立したのが、去年の五月だった。先に説明して置くと、マレーシアは一院制で議席数は222、詰まり過半数を採るには112議席が必要と云う事だな」

 ムハンマドが切り出した。彼の職業は国家公務員、詰まり役人である。この選挙で特筆すべきは、92歳のマハティール元首相が復活した事である。自らに当て嵌めて考えても、筆者がソモソモ92歳まで生きて居るかどうかは甚だ怪しいものであり、仮に生きて居たとしても要介護状態だろう。
 筆者の友人に同年代の都議会議員が居るが「貴方は90歳を過ぎて今と同じ政治活動・選挙運動を続けられるか」と聞いたら「絶対無理」と答えた。当然である。92歳で生きて居るのみ為らず、選挙に出馬して選挙活動で毎日立ちっパナシの上に喉を嗄らして、しかも勝つ等想像すら着か無い。一体、何故にマレーシア国民はこの様な選択をしたのか。

 「前首相のナジブが外国との癒着や収賄問題で批判されて居たのは確かだな(筆者註:実際に、その後2018年7月に逮捕・起訴された)」(アミルディン)「それ迄野党の中心だったDAPと云うのは中華系の政党だから、普通ならマレー人は絶対に投票しないんだ。だが今回はマハティールがコチラに乗ったから、マレー人も投票した訳だ」(ムハンマド)

 少し敷衍(ふえん)して置くと、マレーシアと云う国は主にマレー系、中国系、インド系で構成される多民族国家である。タイの場合は、中華系の住民も居るが宗教的縛りが無く、百年以上前に全員タイ風の名前に変えさせられたので、元々のタイ人と完全に融合して居る。
 一方でマレーシアは、豚肉を食べ無いイスラム教徒のマレー人と豚が大好物の華僑では混ざり様が無く、未だに人種が綺麗に分かれて居る。名前もそのママだ。過つてボンドガールも務めたミシェル・ヨーが好い例だが、中国名を維持し乍ら高等教育を受けて英語を操(あやつ)り英語名も併用して居る。クアラルンプールは首都にも関わらず、マレー系住民より華僑の方が多いと云うネジレ現象もある。


 




 野党連合が掲げた「十の公約」

 そして野党連合は政権奪取の為に十の公約を掲げたと云う。「先ずは、高速道路の無料化な」(ムハンマド) 昔、日本でも聞いた事のある公約である。「それから、消費税の廃止」(アミルディン)マレーシアでの名称は「GST」(Goods and Service Tax)で、元々は6%だったと云う。「後は、反汚職もあった」(ムハンマド)
 筆者が「遂最近、日本の選挙でも消費税廃止と教育ローン徳政令を打ち出した政党があったぞ」と話すと、二人は腹を抱えて笑い出した。「そう云えば、教育ローン返済不要もマニフェストに入って居たな」(アミルディン)で、どう為ったのか?

 消費税は廃止されたが・・・

 「確かに、消費税は0%に為った。だけどな、ガソリンの値段が上がったんだ。元々はリッターあたり1.5リンギットだったのに、今は2リンギットを超えて居る」(ムハンマド) (筆者註 8月20日現在、1リンギットは約25.5円である)
 「政府は急に税収が減った訳だろ。6%だったものが0に為ったものの、これでは拙いと新しい税金SSTの徴収を始めた。それが去年の十月からだったかな。結果的に、国民の税負担は前より増えてしまったよ」(アミルディン)

 詰まり、0%の時期は数か月しか続か無かったと云う事だ。因みに、この0%の期間は「タックスホリデー」と呼ばれて居る。そしてそのタックスホリデーの期間は駆け込み需要もあった様だがその後、マレーシア経済はどう為ったのか?

 「逆に悪く為った*。それから下降は今も続いて居る。外国の投資家も、一斉に資金を引き揚げてしまった。経済も悪く為るのも当然だよな」(ムハンマド)

 <編集部注* 第1四半期マレーシアGDPは前年比+4.5%に鈍化 景気下振れリスク・・・ロイター に依れば「悪化」と云うよりは「減速」であり、その要因は米中貿易戦争の煽りを受けた事や、債務問題でマハティール政権が緊縮的な政策を取った事等が挙げられる>

 もう一つ今回のマレーシアで特筆すべきは、過つてマハティールが後継者として指名し乍ら、同性愛その他の容疑で解任し有罪判決迄追い込んだアンワル・イブラヒムが老マハティールと和解し連立政権に加わって居る事だ。90を過ぎた老人が長期間政権に居座れる筈も無く、今回は短期間の内にアンワルへの政権禅譲を約束して居る。サテ、どう為る事か。ナカナカ、世の中バラ色の話と云うのは無い様だ。



          9-12-2.jpg

               <取材・文 タカ大丸>

【タカ大丸】
 ジャーナリスト TVリポーター 英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。2010年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。

 ハーバービジネスオンライン


 



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