2010年05月12日
<グレートゲーム・オブ・ビジネス> ジャック・スタック
タイトルにある「グレートゲーム・オブ・ビジネス」とは小さな修理工場で生み出された画期的経営手法です。
そして著者はその会社の経営者です。
閉鎖寸前の小さな修理工場を買い取り、
独自のマネジメント手法を用いることでその会社を優良企業に変えることに成功しました。
そのマネジメント手法の秘密が書かれている一冊です。
著者が導入している内容は非常に大胆であり、
読者によっては「実行したらそのために余計な問題も起こってくるのではないか」と心配さえでてくるような内容も書かれています。
もちろん会社によって様々な企業文化があるのですべての会社にこの経営手法が当てはまるとは思いません。
ですが、経営をよりよいものにしたいと考えているのならば一読し、ぜひその考え方を参考にしていただきたい一冊です。
ノウハウは別にしても、その考え方はビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則に通じるところがあると思われた一冊です。
印象に残ったポイントは以下の通りです。
高次の法則
1.与えた分だけ得られる
2.一人を倒すのは容易だが、100人の集団を打ち破るのは容易ではない
3.自分の行為は自分に跳ね返ってくる
4.やるべきことをやる
5.やりたいと思わなくてはならない
6.ファンはだませてもプレーヤーは絶対に騙せない
7.底辺を引き上げれば、おのずと頂点も上がる
8.従業員は目標を自分で定めたなら、たいてい達成する
9.誰にも注意を払われないと工夫しなくなる
10.変化はトップから始まる
ビジネスを営むうえで最も効率が良くて最も利益の上がる究極の方法
会社のすべての人間に運営に関する発言権を与えて、常に財務状況を公開すること
無知こそ最大の障壁である
1.経営幹部の無知(経営者の抱える問題・責任などを従業員は理解できないだろうと思いこんでいること)
2.従業員の無知(経営のことをまったく知らないため、会社のあらゆるミスを経営陣の強欲と無能のせいにする)
3.中間管理職の無知(経営幹部の側についても従業員の側についてもどちらかと対立するため、仕事を楽しめなくなる)
言い訳をしない
数字は経営者の代わりにはならない
数字は何が問題でそれをどの程度気にかければよいのかを示す指標である
従業員に現実を知らせるには標準が必要になる。目標だけでは現実に直面させることはできない
従業員一人ひとりにオーナー意識を持たせるようにする
(例:自社株を「自分自身が頑張っただけのボーナスが得られるもの」として従業員に与える)
本書に書かれているテクニックはテクニックに過ぎない。
テクニックよりもその背後にある考え方が重要である
本書の基本姿勢は、従業員の考えをより高いレベルに引き上げ、十分な知識と確かな情報から自ら判断を下せるようにすることである
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