2010年05月08日
<貧乏人の発想 金持ちの行動> 大谷將夫
タイトルは「金持ち父さん貧乏父さん」といった投資のカテゴリーに入るものを想わせる一冊ですが、そうではありません。
著者である大谷氏が経営者としてどうやって赤字会社を再生してきたのかが書かれています。
その再生の基本にあるものがタイトルである「貧乏人の発想 金持ちの行動」です。
現場を見、現場の声を聞き、「貧乏人の発想」でそこから経費の無駄を省き、
現場を見、現場の声を聞き、「金持ちの行動」で売上を伸ばすための投資を行なう、
内容を事細かに紹介することはできませんが、
大谷氏の従業員への具体的な応対、経費削減の具体的な方法、具体的な人材登用の方法など、具体的な経営者としての施策が様々に紹介されています。
企業経営の具体的な細かいところまで書かれている良書です。
会社を今よりもより良いものとしたいがどうやったら良いかわからないと思っている方に読んでいただきたい一冊です。
印象に残ったポイントは以下の通りです。
「強い思い」が成功へ導く
情熱に勝る能力はなし
リーダーは能力で負けても情熱で負けてはいけない(土光敏夫)
意識改革の銘
「明るく、元気に、前向きに、今やる、頭を使ってやる、必ずやる」
経営トップの明るさが社員のパフォーマンスを高める
貧乏人の発想
ありとあらゆる原価と経費を見直す
ただし、ビジネスに必要な投資はケチらない
無駄を省く
金持ちの行動
売り上げ拡大には資金を投じる
ケチと節約は異なる
ケチは必要なお金も出さないこと、節約は無駄なお金を使わないこと
経営は結果がすべて
企業活動の最終責任は社長がすべてを負う。社長はその覚悟を持つ
社長は偉くない
偉いから高い報酬をもらうのではなく、働きに応じて報酬をもらうものである
10年後先の世界を見通すことは不可能。しかし、それでも経営者は予測し経営方針を決め、実行しなければならない
経営者は合理主義(業務改革)と人間主義(意識改革)の両刀使いでなければならない
社員一人ひとりが高い意識を保つようにしなければならない
従業員を頭数でとらえてしまうと働き方の中身は見えてこない
どんなに優れた経営手法であっても現場で働く社員の意識が低ければ絵に描いた餅で終わってしまう
意識改革の秘訣は目に見えるものを真っ先に変えていくこと
社長は進んで現場が見渡せる位置に立つ
先に役職を上げてその人材が持つ能力を引き出させる
人の評価は実務能力と人間的な性格の2つで判断する
会社の利害関係者の優先順位
1.顧客
2.従業員
3.地域社会
4.株主
経営情報はガラス張りを目指す。
会社にとって従業員が大切だということを態度で示さなければならない
労働組合に対しても対等な立場だと考えて態度で示す。
経営者のトップセールスほど効果的な営業活動はない
10回の挨拶よりも1回の食事、10回の食事より1回の宴席
経営者は数字を追うな
「良い成績を取れ」と数字や結果だけをやかましくつついても意味はない。
各部門に今後の行動計画を話させ、それに対して行動のヒントを与える
清濁併呑し、矛盾や非合理なこともあえて受け入れる態度をもつ
小さな矛盾を抱えても大きなところで正しければよい
「経験」と「経過」は異なる
「営業活動を10年経験しました」と一口に言っても、「どんな売り方の工夫をしたのか?」や「どんな市場を開拓したのか?」を具体的に言うことができなければ、それは単なる時間の経過に過ぎない
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