アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2020年02月09日

自傷行為・OD(オーバードーズ) 〜人生最期の、家族への復讐〜。

深夜の居酒屋でアルバイトをしていた頃。

親と大喧嘩し、実家を飛び出す直前まで、
僕はリストカットを繰り返していた。

いよいよ追い詰められた初冬のある日、
僕はついにOD(オーバードーズ)をした。


ー目次ー
  1. 大量の薬、居場所のなさ、疎外感
  2. 大量服用、壮絶な吐き気、意識を失えない苦しみ
  3. ODしたことを、誰にも知らせず
  4. 自らの死をもって、家族に最期の復讐を
  5. 苦しみ悶えた末、生き残る

1.大量の薬、居場所のなさ、疎外感

当時はパキシル50mgと、
4種類の安定剤、睡眠薬を飲んでいた。

発達障害は未発見。

精神科を転々とするも
「よくならない」と薬ばかり増えていた。

薬の種類はころころ変わり、
飲みきれない薬が大量にストックされていた。



僕はリストカットを繰り返していたが、
本気で死にたいわけじゃない自分に気づいてもいた。

「心の悲鳴に気づいてほしい、助けて」

そう伝えたくて、伝えられない自分がいた。

「リストカットは心の悲鳴 〜”寂しい。お願い、気づいて”〜。」



そんな本音とかけ離れた僕の自傷行為は、
かえって周囲を苛立たせた。

母からは”居候”と言われ、
父からは”いつまで居るつもりだ”と言われ、
僕の疎外感、居場所のなさはどんどん積もっていった。



「そうだ、この大量の薬がある」

僕の精神が壊れかけたある日、
そのことに気づいてしまった。

2.大量服用、壮絶な吐き気、意識を失えない苦しみ

母との激しい口論の末、僕はキッチンへ駆け込んだ。

いつも切る時に使っていた包丁で、
いつもの何倍も激しくリストカットした。

僕の両腕は、
まるで紅い絵の具をかぶったようになった。




僕は両腕から絵具をしたたらせながら、
間借りしていた部屋へ逃げ込んだ。

勉強机の引き出しに隠しておいた、
薬のストックを引っ張り出した。

そして、
まるでマーブルチョコをほおばるように、
30錠あまりを一気に流し込んだ。




間もなく、壮絶な吐き気が襲ってきた。
なのに、なぜかまったく嘔吐できなかった。


吐きたい、吐けない、
二重にフタが閉められる苦しみが押し寄せた。



目の前の景色がぐるぐると廻り始めた。

天地の区別がつかなくなり、
僕はその場にへたり込んだ。


「いっそ気絶させてほしい」

そんな欲求はことごとく裏切られ、
意識を失うことも叶わなかった。

3.ODしたことを、誰にも知らせず

僕にできることは、
静かに、のたうち回ることだけだった。

物音を立てて、
誰かに気づいてもらおうとは思わなかった。



僕は気づいていた。

このまま自傷行為をいくら繰り返しても、
否定と排除は止まないことに。


この人たちはどこまでも、自分以外の価値観をすべて否定する。
腕の傷がいくら増えても、この人たちは怒り狂うだけだ。




挙動がおかしいことに気づいたら、
介抱くらいはされるだろう。

ただし、その次に待っているのは
終わりなき人格否定と、怒りと罵声、
そして価値観の押しつけだ。

無駄なんだ。

4.自らの死をもって、家族に最期の復讐を

僕は完全に狂っていた。

絶望、諦め、すべてを終わらせたい願望の片隅で、
歪んだ復讐心をたぎらせていた。



もう自分をどれだけ傷つけても無駄だ。

ならば、わざわざ人がいる家の中で
人知れず死んでやろう。

「身内が自殺した家族」と指差されながら、
残りの人生ずっと肩身の狭い思いをさせてやる。

「目の届くところにいたのに、自殺を止めなかった」

そんな関係の冷え切った家庭だと、
恥をかかせてやろう。



運よくマスコミがかぎつけて、
虐待ニュースとでも報道されれば儲けものだ。

たとえ、もみ消されてもいい。

せめて自分が受けた疎外感を、居場所のなさを、
アイツラに刻みつけてやろう。

自らの死をもって、
自分の心をズタズタにした家族に
一生もののトラウマを残してやろう。

それが、誰にも愛されなかった自分の、
人生最期の復讐だ。


5.苦しみ悶えた末、生き残る

四肢の狂いと、歪んだ復讐心に酔いしれながら、
どれだけの時間が経っただろう。

僕は生き残ってしまった。



失われた時間の感覚が、ぼんやり戻ってきた。
僕は部屋の戸を少し開け、外の様子を見てみた。

壮絶に怒鳴り合った母、それを脇で見ていた妹、
アニメの世界へ旅立ったままの弟。

そこは、いつも通りの作業所だった。

会話もなく、淡々と自分の作業を進めるだけ。
この家の平常運転だった。




僕がのたうち回っていた部屋には、
誰一人として関心を示さなかった。

無言の中に響く、それぞれの生活音が、
恐ろしいほど冷たかった。




これはいつも通りの、僕への”無関心宣告”だった。

「お前の居場所はない」
「お前の気持ちに興味はない」


”無関心宣告”の果てに、実家を飛び出す

数日後、
僕はわずかな着替えを持って家を飛び出した。

オーバードーズをしたことは、
家族の誰にも知られなかった。

僕の人生最期の復讐は失敗に終わった。



もしもあの時、望み通り死んでいたら。

いま、自分の人生を
取り戻そうとしている僕はいない。

だけど、あの時は

生き残ってしまったことが、
家族への復讐に失敗したことが、ただ悔しかった。




あの日の暴挙から、7年が経った。
今でも、昨日のことのように思い出す。

赤い絵の具まみれの両腕と、
苦しみもがいた時に感じた、果てしない孤独を。




ーー自傷行為がやめられないあなたへの、メッセージを作りましたーー



一般社団法人ボイス|悩みの無料相談の申込み
posted by 理琉(ワタル) at 18:14 | TrackBack(0) | 家族

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9610254

※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
検索
プロフィール
理琉(ワタル)さんの画像
理琉(ワタル)
自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
プロフィール
最新記事
カテゴリーアーカイブ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。