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2022年05月02日

【スマホネグレクトの現実】親の愛情をあきらめる”良い子”たち。

ー目次ー
  1. スマホネグレクトの現場を見た
  2. これ以上、この人に愛情を求めてもムダだ
  3. 1番大切なのは、親自身の理想と満足
  4. 脳の注目を独占するスマホと、子育て受難の時代
  5. ”良い子”の悲しみが、お母さんに届きますように

1.スマホネグレクトの現場を見た

ある日、僕はとある始発駅から電車に乗った。

若くてきれいなお母さんと、
5〜6歳くらいの男の子が乗ってきた。

お母さんは男の子と手をつないで歩いてきたが、
片手にスマホ、視線もスマホだった。


2人は僕の向かいの席に座った。

お母さんはとても姿勢よく座っていたが、
ずっと手に持ったスマホをいじっていた。

男の子は時おり、お母さんに話しかけたが、
お母さんは気のない返事をするだけだった。

男の子の方を向くそぶりは見せなかった。



「間もなく発車します」
アナウンスの後、電車のドアが閉まった。

男の子はおとなしくしていた。
泣くことも、「お母さん聞いて聞いて」と騒ぐこともなかった。

大人に言わせれば、
あの子は「電車でおとなしくしていられる良い子」だった。

だけど、僕はそうは思わなかった。
僕は泣きそうになるのを必死でこらえた。



僕にはなんとなくわかった。
あの子はあきらめたんだ。

親にとって1番大切な存在であることを。
親からの1番の愛情や注目をもらうことを。

あの子は悟ってしまったんだ。
親は自分よりもスマホの方が大切だということを。


僕は「スマホネグレクト」の現実を見てしまった。

2.これ以上、この人に愛情を求めてもムダだ

子どもが親から十分にかまってもらえないと、
子どもの行動は「抵抗→絶望→離脱」と移り変わるそうだ。


自分が親から愛されているかを確かめるために。

親に話しかけても反応してくれなければ、
「ねぇ見て見て!聞いて聞いて!」と抵抗する。
泣いたり、わざと問題を起こしたりして「試し行動」をする。

それでも親から注目をもらえなければ、子どもは絶望する。
そして、あきらめて離脱する。

何もしなくなる。泣くことも、親に話しかけることも。

それは決して「良い子」になったからじゃない。
もう、裏切られて傷つきたくないからだ。

子どもが親に世話や関心を求めても、
無視され、期待を裏切られる状況が繰り返されると、
子どもは、やがて期待するのをやめ、傷つくのを避けるようになる。


(中略)
すべてのモチベーションや行動は、それによって心地よい応答、
つまり報酬が与えられて初めて強化され、継続されるからである。

回避性愛着障害〜絆が稀薄な人たち〜 第2章”ネグレクトと回避” より


親は、公共の場で静かにする子どもを見て喜ぶかもしれない。
自分のしつけや子育てが成功したと思うかもしれない。

そんな親の満足感は虚構だ。

「良い親」として悦に浸っているその裏で、
子どもに見限られているんだ。

「これ以上、この人に愛情を求めてもムダだ」と。

3.1番大切なのは、親自身の理想と満足

僕はあの子と同じくらいの頃に、同じ道をたどった。

親には僕の気持ちを知ろうという意思がないこと、
僕を放任していたのではなく無関心だったことを悟った。

僕が子どもの頃にはスマホなんてなかった。
ネグレクトという言葉も知らなかった。

それでも、

「親が1番大切なのは僕じゃない、親自身の理想と満足だ」

認めたくないその事実を受け入れたとき、
自分の中で何かが決定的に冷めた。



あの子はまだ、かすかに「抵抗」していた。
電車内を見回して、気づいたことをお母さんに話しかけていた。

それでも、お母さんの視線はスマホから少しも動かなかった。

電車が走り出す頃には、あの子の口は完全に閉じていた。
その目は虚ろで、光が消えたように見えた。

あの子がスマホを与えられたら、
スマホ以外に無関心になるかもしれない。

もしそうなっても、親が子どもを責めるのは筋違いだ。
自分自身が「大人のモデル」として、
子どもに無関心な姿を見せ続けてきたんだから。


4.脳の注目を独占するスマホと、子育て受難の時代

『スマホ脳』によれば、
スマホは人間の興味を独り占めするように作られているという。

・ゲームで勝ちたい、快感を味わいたい
・新しいことが知りたい、誰かのゴシップが知りたい
・いいねがほしい、承認されたい、自分のことを話したい

それらの欲求は「周りを知り、仲間外れを防いで生き延びるため」。
スマホはそんな人間の脳の習性を利用し、依存させてくる。

だからスマホが手放せなくなるのは、
「ヒトが生き延びるための、ごく自然な行為」とも言える。




それに、現代は本当に子育て受難の時代だと思う。

核家族化、個人主義化、自己責任化が進み、
誰にも手伝ってもらえない、孤独な子育てが当たり前になっている。

余裕がない、助けもない、
何かあれば「毒親」とバッシングされる風潮。

こんな過酷な子育て環境で、
親が救いを求めるようにスマホへ依存するのも無理はない。

労力も対価も不要で、楽しくて、快感を得られる場所。
退路のない現実の子育てから唯一、逃げられる世界。
それがスマホの中なのだから。


5.”良い子”の悲しみが、お母さんに届きますように

僕は親になったことがないし、なるつもりもない。

僕が言えるのは子育てられる側の悲しみ。
だから、子ども視点からの意見になることをお許し願いたい。



僕の親も、電車で会った親も、
きっと「ネグレクトした」だなんて思っていないだろう。

残念ながら、ネグレクトされたかどうかを決めるのは親じゃないんだ。

親からすれば、本当に理不尽だ。
人生の多くを犠牲にして育てたのに、
結果が子どもからの一方的な意見に左右されるんだから。



それをわかった上でも、子育てられただけの僕は実感する。

「親が1番関心があるのは自分じゃない」
幼い頃にその絶望を味わってしまったら、
もうその傷を”無かったこと”にはできない。

生涯が「誰も自分に興味がない絶望」との戦いになる。


あの「良い子」の悲しみが、いつの日かお母さんに届くことを願う。












オーディオブック配信サービス - audiobook.jp
posted by 理琉(ワタル) at 19:53 | TrackBack(0) | 家族

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自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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