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2019年07月05日

父の二面性、恐竜と道化師。

母方の祖父母宅へ里帰りする時、
父は顧問をしている高校の女子バスケ部の練習で
忙しいのと、遠いという理由で滅多に来なかった。

しかし、ごくたまに父も一緒に来た場合、
普段の常にイライラし爆発寸前の姿とは正反対の
ピエロか芸人のような態度の変化に戸惑った。



お義父さんお義母さんの家に行くのは
自分の実家に行くのとは明らかに違う、
いわばアウェイゲームに乗り込むようなもの。

僕も結婚していた期間にこれを経験し、
アウェイのプレッシャーの中で数日を過ごすのは
かなり大変だということを少しは理解できた。

人によって、場面によって顔を使い分けるのは
ある程度必要なこと、まして嫁の実家ともなれば
余計に神経を使う。

だが、あまりにも自宅と態度が豹変する父を見て、
僕は「仕方ない」とは思えず、

「何を空回りしてるんだろう」と
違和感でいっぱいだった。



家での父はいつ爆発するかわからない
無言で危険な存在。

子どもに対しては21時までに布団へ入らせ、
ゲーム機のコードが絡まってはイライラして唸る。

→「ゲーム進行度で父を越してしまう緊張感。
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/197/0

しかし母方祖父母の家にくると
まるでピエロのようにおどけて見せたり、

誰も求めていないのに
饒舌になって無理に冗談を言ってみたり、
とにかく明るいキャラクターを一生懸命振る舞っていた。

当時の僕から見ても明らかに空回りしている父の態度は
普段の「怖い」一色とはまったく違い、

一体どちらが本当の父なのか、わけがわからなくなった。



もう1つ、父が来ていることで
連動して守らなければならないのか混乱したのは
自宅で厳格に施行されている”21時就寝ルール”。

21時までに寝室へ入り、布団の中にいないと
ペナルティとして奥の部屋に閉じ込められるという
カウントダウン付きのルールがあった。

→「懲罰教育、ルールが支配する家。
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/155/0

祖父母の家には叔父や叔母が集めていた漫画が
今でもたくさんある。

特に『ブラックジャック』と柴田昌弘氏、
それから和田慎二氏の漫画が大好きで
毎晩0時近くまで読みふけっていた。

父が来ない時はルールを守らなくてもバレないが
来ている時はどうすればいいんだろう。

その判断を誰も口に出して言わなかったことで、
小学生の僕は余計に混乱していた。



自分は”義理の”親族だから、場を少しでも和ませようと
父なりに最大限、気を遣っていたんだろうか。

お義父さんお義母さんに自分の立派さと
ユーモア溢れる人間性をアピールしたかったんだろうか。

冗談を言ったり明るく振る舞っている姿を
普段子どもの前でもやっていて好かれていますと、
いいところを見せたかったんだろうか。

家で見せたことのない不自然なまでのおどけように、
僕は「こんな一面もあったんだ」と
前向きに捉えることができなかった。

代わりに募っていったのは、相手によって
極端に「いい顔」をする父への不信感だった。

”真実のねじ曲げ”

2.家の中と外で見せる顔がまるで違う

外では愛想がよくて人に丁寧、親切に接するのに、
家ではまるで正反対の親がいます。

親がこのように家の中と外で違う顔を見せていると、
子供はそんな親を信用できなくなるか、無意識のうちに
自分も同じ態度を身につけるようになるかのどちらかです。


『不幸にする親』 第三章 より



いつの時代も、舅や姑の問題は尽きない。

年単位に一度のアウェイへ乗り込んできた折、
相当なストレスとプレッシャーを感じていたんだろう。

だからこそ余計に空回りして見えた。

だけど、ここまで人によって見せる顔を変えていては
「義理の親族用の顔なんだな」と素直に受け入れるのは難しく、
僕は混乱するばかりだった。



たった一度だけ、叔母か誰かに
父はどうしていつもの怖い調子と全然違うのと
聞いたことがある。

その時は「義理の両親と上手くやるのは大変なのよ」
みたいな答えが返ってきた。

父も大変だったかも知れない。

が、父は僕に対して明らかに
「自分より下の人用」の顔で普段はいるんだと、
受け入れ難い事実を受け入れまいとしていた。

僕はそんな小学生だった。


posted by 理琉(ワタル) at 00:07 | TrackBack(0) | 家族

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自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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