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2019年04月25日

懲罰教育、ルールが支配する家。

僕の家庭には、小学校を卒業するまで
父が謎に決めた厳格なルールがいくつかあった。

  • 絶対に学校を休んではならない
  • 17時までに家に帰らなければ鍵をかけられる
  • 父が家にいる時はTVゲームをしてはならない

「父との関係。(1) -小学校-」



どれも、破った時は例外なく罰が待っていた。

今回はその中の『21時ルール』を紹介し、
行き過ぎた懲罰教育のリアルを話してみようと思う。


ー目次ー
  1. 『21ルール』の罰、奥の部屋への幽閉
  2. 決まりを守るのは"罰を受けないため"
  3. 父親という支配力を行使した、行きすぎた懲罰教育
  4. 懲罰教育は失敗を過度に怖がる癖をつける
  5. 規制で縛るのは理想像の押しつけ
  6. 99%の失敗はどうってことない

1.『21ルール』の罰、奥の部屋への幽閉

『21時ルール』とは、就寝時間の厳守。

21時までに寝室の布団に入り、
引き戸を閉めなければならないというもの。

時計の針でだいたい21時ではなく、秒刻みで父が正確に計り、
リミットが迫るとカウントダウンをされていた。

「はい、あと30秒、29、28」

1秒でも遅れると、"奥の部屋"と呼ばれる物置き部屋へ連れていかれ、
押し入れに朝まで閉じ込められた。



烈火のごとく怒られはしない。ただし、
「はい、時間切れー。」

淡々と連れて行かれ、淡々と押し入れに詰められた。

泣いた憶えはなくても、当時は疑いを持たなかった。
間に合わなかった僕が悪いと、自分を責めた。

2.決まりを守るのは"罰を受けないため"

奥の部屋は電灯の小玉が切れていて、
明かりを消すと真っ暗になるのが怖かった。

暖房器具も置いてなかったので、
冬は押し入れに積まれた布団にくるまっても寒かった。

「一晩中、暗くて寒い押し入れに幽閉されたくない」
そんな一心で、外で遊ぶ以上の瞬発力をフル稼働させた。

21時が迫ると、大げさなほど家の中を走り回り、
間に合えば「よかった、罰を免れた」と安堵した。

何のためにルールがあるのかを考えられず、思考停止。

ただ、「罰を受けないため」に守ろうとしていた。

3.父親という支配力を行使した、行きすぎた懲罰教育

父が21時ルールを敷いた意図を、成人してから知った。

  • 小学生のうちから夜更かしを覚えさせないため
  • 次の日も元気に学校に行かせるため


冷静に振り返ってみると、

こんなペナルティが日常だと外部に漏れたら
児童相談所が絡んでもおかしくない、異常な光景だった。

なぜそのルールがあるのか、なぜ守る必要があるのか。
それを説明せず、ただプレッシャーを与えて、罰を意識させて。

もし、この時に凍死していたらと考えるとぞっとする。

父親という支配力を行使した、行きすぎた懲罰教育だった。

4.懲罰教育は失敗を過度に怖がる癖をつける

懲罰教育に身を置いたことで、
規則を逸脱するようなことはしない人間になった。

一方で、失敗を過度に怖がり、
失敗すると自分の存在自体を否定する癖がついてしまった。

失敗したら特例も執行猶予もなく、淡々と刑が執行される。
失敗したらどんな目に遭うかわからない。
自分を否定するのは苦しい、だから失敗が怖い。

今でも、心に余裕がない時は本気で考えてしまう。

5.規制で縛るのは理想像の押しつけ

夜更かししないように、というのは理にかなっている。

ただし、懲罰教育を敷いてまで守らせる背景には、
「子どもは学校に行くべき」という理想像の押しつけが見える。

だから、父が追いかけ、見ていたのは「理琉」じゃなく、
「学校を休まずちゃんと通う俺の息子」だったのでは、と思える。


家族には規範が多かった。
母の規制に従い、ひたすら勉強して母の期待に応えようとした。

だがどこまでいっても、規制や期待のハードルが高く見える。
幅が狭い選択肢と、1つの価値観やルールが支配する家。

その中で完璧さを求められ、ほかに世界を知らなかったから、
従えない自己を責めた。

「こうあるべき」という家の規制に封鎖されたまま、
「いい子」になりきろうとした。

「アダルトチルドレンからの手紙 私は青空が見たい」 より
無事に布団へ入れても、
「はーい、おやすみー」と言われるだけで褒められず、
ハイリスク、ノーリターン。

そんな状況でも、「就寝時間を守る子」に当てはまるため、
とにかく間に合うことに必死だった。

そして間に合わなかった時の罪悪感は、今にして思えば
ほかに世界を知らなかったから、従えない自己を責めた。
からだった。

6.99%の失敗はどうってことない

円滑な集団生活にはルールが必要。

ただし、権力者がルールを振りかざした瞬間、
本人が無意識でも"支配"に変わる。

僕の家庭では、理想の子どもを追い求めるあまり、
要求と懲罰が行きすぎていた。

存在自体を否定するほど失敗を自責する癖がついたのは、
おそらくこの環境がベースにあったから。

今、その癖を治すために、この2行をセルフトークしている。

世の中の99%の失敗はどうってことない。
まして自分の存在価値とは何の関係もない。


posted by 理琉(ワタル) at 18:53 | TrackBack(0) | 家族

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自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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