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2012年06月06日

無限憎歌(1)(アニメ学校の怪談・二次創作作品)







 水曜日、隔週連載学校の怪談SSの日です。
 今回から新しい話になります。時系列上は前作の後の話になります。
 学怪の事を知ってる前提で書いている仕様上、知らない方には分かりにくい事多々だと思いますの、そこの所でご承知ください。
 よく知りたいと思う方は例の如くリンクの方へ。
 それではコメントレス


 えーと……このライナ編は、登場キャラ数がすごいことになりそうなんですが、まだ増えますか?とりあえず数えてみました。名前だけの登場や地名・アイテム・術も含めるともっとです。
 エレメント・ドラゴン 光霊使いライナ ハッピー・ラヴァー もけもけ ハネクリボー エンゼル・イヤーズ モイスチャー星人 バグマンZ シャドウ・リチュア リチュア・エリアル リチュア・マーカー リチュア・アビス リチュア・チェイン エレキタリス エレキツネザル イビリチュア・マインドオーガス ハネクリボーLV9 怨念集合体 宝玉獣アメジスト・キャット 宝玉獣エメラルド・タートル 宝玉獣アンバー・マンモス 宝玉獣サファイヤ・ペガサス 宝玉獣トパーズ・タイガー 宝玉獣コバルト・イーグル 宝玉獣ルビー・カーバンクル 計25キャラ あ、それと憑依装着


 ともだちはおおいほうがたのしいのですよ?(ライナ談)
 あ、とりあえずキャラは増えません。キャラは・・・。増えなかったよな、確か・・・?


 おおう!禍々しさがリチュアっぽくていいですね。光霊使いにはないヘソ出しルックもGOOD!
静画うp?もちろんOKです。私のクリップにもまだ余裕がありますしwww


 ありがとうございますぅ〜m(_ _)m
 さっそくうpさせていただきましたー。



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                         無限憎歌

 紅い 紅い空
 紅い 紅い川
 紅い 紅い大地
 紅い 紅い 紅い 紅い 紅い
 何もかも
 
 忘れはしない
 忘れられる筈がない
 
 痛い 痛い
 心が 身体が

 痛くて紅い

 許さない
 許せる筈がない

 染めてやろう
 奴等の空も 奴等の川も 奴等の大地も
 この空の様に この川の様に この大地の様に
 私の 心の様に
 必ず 必ず
                          

                          プロローグ 

 青白い月が、黒一色の空にポッカリと丸い穴を穿つ夜。
 その光の中に影絵のように浮かび上がるのは、一棟の古びた蔵。
 その蔵の中、夜の帳よりもなお暗い闇の一角に、そこだけ青白く浮かび上がる場所がある。蔵の窓から差し込む月明かりの中、一本の古い日本刀が無造作に転がっていた。
 鞘はなく、剥き出しになった刀身はそれが経てきた年月の長さを物語るかの様に錆に全体を蝕まれ、いまにも折れんばかりに朽ちている。
 古びた蔵の中に転がる、朽ちた刀。普通に考えれば、そう不自然でもない組み合わせ。しかし、もしその場に人がいたとしたら、その者は自分の目と正気を疑う事になったはずである。
 月明かりに伸びる、朽ちた刀身の長い影。その切っ先が伸びるのは、かびが生え、所々崩れて穴の空いた蔵の土壁。
 そこに、ある筈のないものがあった。
 まるで、影の切っ先に縫い付けられるかの様に蠢く、巨大で奇怪な影。
 その身体から伸びる八本の節足がガサガサともがき絡まり、頭部と見られる部分からはギチギチと軋む様な音が響く。それはまるで、例え様もない苦しみに苛まれ、身をよじってもがき苦しみ、苦悶と怨嗟のうめきを上げている様にも見えた。

 ギチギチ・・ギチギチ・・ギチ・・・

 絶えることを知らない様に、無機質なうめきが延々と夜の闇へ消えていく。
 と―

 ・・♪・・・♪♪・・♪・・・

 そのうめきとは別に、何処からともなく、不思議な音色が響き始めた。
 その音色は、まるで影のうめきを包み込む様に、夜の闇の中に満ちていく。
 やがて、その優しげな旋律になだめ、あやされるかの様に影のうめきは静まり、いつしか影そのものも、かき消す様に消えていく。

 ♪・・♪・・・♪♪・・♪・・・♪♪♪・・・

 全てが消え、青白い月明かりが射し込む蔵の中で、ただ優しい旋律だけが静かに響き続けていた。 

                       
                        ―膝切丸― 

 キーンコーンカーンコーン・・・キーンコーンカーンコーン・・・
 
 天の川小学校に、今日も一日の始まりを告げるチャイムが鳴り響く。
 その音を聞きながら、一匹の黒猫が屋上の日溜りの中でとぐろを巻いていた。
 「やれやれ・・・やっと静かになったな・・・。まったく、授業中でもなけりゃ五月蝿くておちおち昼寝もできゃしないぜ・・・。」
 そう言いながら気持ち良さそうに、朝の日差しで温まった床の上に寝そべっている。
 人語をしゃべるという、猫としてはなはだ自覚の足りない行為を平然と行うこの生き物の正体は、言わずとしれたカーヤこと天邪鬼。もっとも、朝っぱらから昼寝と称して日向でゴロゴロする姿には、今の自分に対する不満など微塵も感じられない。
 「うん・・・?」
 と、ふいに起き上がるとキョロキョロと辺りを見回す。そして次の瞬間、傍らのフェンスに一気に駆け上がると眼下を見下ろした。
 「何だ・・・?」  
 怪訝そうに目を細めるその視線の先には、校門前に停車した宅配便の車が一
台。やがてその荷台から細長い木箱が引き出され、校舎の中に運ばれていく。
 その様子を見つめる天邪鬼の口から舌打ちがもれる。
 「・・・こりゃまた、随分とやっかいそうな奴を連れてきたもんだぜ・・・。」
 忌々しそうに呟く彼の目は、その木箱から炎の様に揺らめき立つ異様な妖気を確かに捉えていた。  
その日の昼休み、天の川小学校の資料展示室の前に数人の生徒が人だかりを作って
いた。その中心には、展示用のアクリルケースに収められた古い日本刀が一本。
 「なんだこれ、キッタネー刀。」
 そう言ってケースを覗き込むのは快活そうな黒髪の少年。
 名を青山ハジメ。
 「ホント、刃のところなんか錆でボロボロ。」
 その横で、同じ様にケースを覗き込んでいるのは、栗色のお下げと気の強そうな顔が印象的な少女。
 名を宮ノ下さつき。
 「先生方の話だと、平安時代頃の物だという事ですが、何か曰くありげですね・・・。」
 そう言ってケースの前で腕を組むのは度の強い眼鏡とタラコ唇がチャームポイントの少年。
 名は柿ノ木レオ。
 「ねぇ、へーアンてなーに?」
 そう言いながら、精一杯に背伸びをしてケースを覗き込んでいるのは少年という表現にもまだ早すぎる印象を受ける男の子。
 名は宮ノ下敬一郎。
 要するに、いつもの定番メンバーである。
 「君たち、それは貴重な資料だからね。いたずらしちゃいかんよ。」
 「あ、校長先生。」
 いつの間にかさつきたちの傍らに校長が立っていた。
 「校長先生、なんなんですか?この刀?」
 さつきが好奇心いっぱいの口調で問いかける。
 「ああ、それはね、この間家の事情で教職を辞めて京都の実家に帰った鷹野先生が社会科の資料になるからと、実家の蔵に保管されていた物を寄贈してくださったんだ。なんでも先生の家ではかの名刀、「膝切丸」ではないかと言われていたらしいよ。もっとも、流石にそれは眉唾だろうがね。」
 「ひ、「膝切丸」ですって!!?」
 その名を聞いて色めきたったのが自称、校内一の心霊研究家、レオである。
 「何だぁ?そのひざきりまるって?」
 レオのあまりの興奮ぶりに目を丸くしながらハジメが訊ねる。
 「知らないんですか!?名刀「膝切丸」といったらかの日本伝奇の英雄、源頼光の
愛刀として土蜘蛛を始めとする数多の大妖を切り伏せた、
日本史上最強の霊剣の一つじゃないですか!!」
 「ミナモト?」
 「ツチグモ?」
 「ああもう!!君たちはそれでも日本人ですか!?土蜘蛛というのは「古事記」や「日本書紀」、「土蜘蛛草子」といった日本の古書に登場する巨大な蜘蛛の妖怪で、絶大な妖力を持った日本産妖怪の草分け的存在。源頼光というのは坂田金時を始めとする四天王を部下に従えた豪傑で・・・(この後、レオ君のうんちくが六十行ほど続きますが物語進行の都合上、まことに勝手ながら省略させていただきます。)」
 「・・・・・というわけです・・・。分かりましたか・・・?」
 かなりのスピードで、相当量のうんちくを吐き出し、ゼェゼエと意気を切らすレオ。
 そんな彼を前に、さつきとハジメはしばし考え込んでいたが、やがて納得した様に頷くと声をそろえてこう言った。
 「つまり、マイナーな日本昔話っていうわけ?」
 「に・・・日本昔話・・・日本伝奇最高のヒーロー達が・・・ぶんぷく茶釜やこぶとりじいさんと同じ扱い・・・。」
 自分の情熱が、全く伝わっていない事を知った心霊研究家はついに力尽き崩れ落ちる。
 ・・・哀れな事この上もない。
 「いや、まんざら単なるおとぎ話でもないんだよ。この土蜘蛛の伝説は・・・。」
 と、それまでさつき達のやりとりをほほえましそうに見つめていた校長が言葉をはさんできた。
 「それって、どういうことですか?」
 さつきが不思議そうに尋ねる。
 「・・・土蜘蛛、またの名を「八掬脛(やつかはぎ)」とも言う。」
 「やつかはぎ?」
 「脛は人のスネの事。掬は昔の長さの単位で一掬が約十cm。つまり「八十cmのスネを持つ者」という意味の民族名だよ。もっとも、八十cmのスネなんていうのは、さすがにオーバーな表現だろうがね。」
 「民族?」 
 「うむ、実はこの土蜘蛛という妖怪の正体は北海道のアイヌ、九州の熊襲などと同じ様な、日本の先住民族のことではないかという学説があるんだよ。」
 「日本の先住民族・・・ですか?」
 「そう、山の洞窟や森の中に住居を構え、鳥や獣を狩って暮らしていた先住民族を、後から大陸の方から渡ってきた民族、今で言う大和朝廷に属する人々が、軽蔑と差別の意味をこめて、「土蜘蛛」や「八掬脛」と呼んだのではないかと言われているんだよ。土に住む手足の長い蛮族。その姿を皮肉って「土蜘蛛」というわけだ。」
 その言葉に、さつきが眉をひそめる。
「・・・でも、結局は同じ人間だったんですよね。それが何で、お化け扱いになって伝わってるんですか?」
 「同じ人間・・・確かにそうだね。しかし、当時の人々はそうは考えなかった。違う体つき、異なった文化、そして尚且つ自分達に隷属しない者達。それは彼らにとっては排除の対象でしかなかった。彼らは自分達の領地を広げるために、そういった民達に戦争をしかけ、征服した。「土蜘蛛」の例だけじゃない。「八岐大蛇(やまたのおろち)」や「両面宿儺(りょうめんすくな)」、「悪路王」・・・。日本の古い歴史書に出てくるこういった魔物達の大半は、そうやって朝廷に滅ぼされた先住民族や対抗勢力達を指すものだと言われているものも多いんだ。」
 「・・・。」
 「そういった侵略の歴史を正当化するために、後の世には勇ましい勇者が、正義の名の元に世に災いを成す魔物を退治したという武勇伝として伝えようとしたんだ。日本だけじゃない。外国でも、似たような事は数え切れないほど行われている。悲しいことだが、人間の歴史においては実にありふれた事なんだよ。」
 「・・・。」
 さつきは何かやり切れない思いで、ケースの中の刀を見つめた。
 
 「まぁ、そんな物が小学校に?私も見てみたいですわ。」
 さつき達の話を聞きながら、真新しい中学校の制服に身を包んだ、艶やかな藤色の髪の少女―恋ヶ窪桃子が興味深げにそう言う。
 その日の帰り道、同様に学校帰りの桃子と合流したさつき達の話題は、自然と土蜘蛛と称された人々の事へと向かった。
 「・・・悲しい話ですね・・・。」
 「そうですね・・・。全く、何と申しましょうか・・・。」
 「・・・恨んでたろうな・・・。」
 「さつき・・・?」
 「きっと、すごく・・・恨んでたんだろうな・・・。」
 そう言いながら、さつきは真っ赤な夕焼け空を見上げた。いつもならとても綺麗に見えるはずのその赤は、今のさつきにはまるで安住の地を追われ倒れ伏す、名も知れぬ人々の血溜りの様に見えた。


                                                           続く
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