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2016年05月12日
マッチポイント(2005イギリス)
監督/ウディ・アレン
脚本/ウディ・アレン、レッティ・アロンソン
出演者/ジョナサン・リース=マイヤーズ、スカーレット・ヨハンソン
アイルランド出 身のプロテニス選手のクリス(ジョナサン・リース=マイヤーズ)は、自分のキャリアに限界を感じ、人生を変えたいと思っていた。そんな彼がロンドンのある テニスクラブで教えるようになり、ハンサムな上流階級出のトム(マシュー・グッド)と親しくなったことがきっかけで、トムの裕福な家族とも交友を深め始 め、オペラ鑑賞などにも誘われるようになる。そのうちクリスはトムの妹クロエ(エミリー・モーティマー)と付き合うようになるが、一方でトムのフィアンセで、アメリカからやって来た女優志望のノーラ(スカーレット・ヨハンソン)にも強く惹かれてゆく。(wikipediaより引用)
本年度第一弾はウディ・アレン(の感想を今頃書く私)。ウディ・アレンは、ドタバタコメディが好きなので、こうしたしっとりしたストーリーはちっと物足りなかったけど、二回、三回と繰り返し観ていると結局好きになるんだろうなあ…。
でも、これ舞台がロンドンです。アレンと言えばNY。これもこれで良かった。NYのセレブを描く時は、ちょっと頭の抜けた家庭を出してくるけど、今回は嫌味たっぷりってくらいに上流階級な感じ。(でも人間は嫌味が無くて良い人たちなんだけど)
そして、主人公はジョナサン。嗚呼ジョナサン、ひさしぶり…しかし実はスクリーンで観たのって初めて。「MI3」やらも観てないし、「ベルベット・ゴールドマイン」以来なんだなー、なつかしっ。あの時はメイクや衣装も手伝って、ものすごく繊細で中性的に見えたなー。今回は当たり前だけどちゃんと男性。でも予想より歳とってなかったのに驚いた…(いまいくつだろう)。なんか、どこかホアキン・フェニックスとかぶって見えてしまったのは何故だろうか。
相手役のスカーレット・ヨハンソン、すっかりウディ・アレンのお気に入りなんですと。「真珠の耳飾りの少女」の時もすごく良かったし、セクシーだし、私の苦手な金髪というポイントを差し引いてもそれはそれは魅力的で、くらりとくるよ。近年、金髪の女性でここまでじっくり観てしまった女優は居なかったかも。登場シーンなんて、はっとさせられる画でしたよ!美しさに。次作もスカーレット主演とのこと。これヒューが共演してるので絶対みるつもり。にしても、アレンはほんとによく新作を出すな…。
それでまた、この話のキーポイントになってるのがドストエフスキー「罪と罰」なんだけど、ラスト近くになって「あー、なるほどねー」とやっとそれに気づいた。最初にヒントを出してくれてたのに…私って鈍い。しかし、ちょうどドストエフスキーとかニーチェとか、海外文学系の話で盛り上がっていた昨今だったのでタイムリーで笑えた。ジョナサンが「罪と罰」を読んでるシーンが出たとき、思わず笑ってしまった…笑うとこじゃなかろうに。(「プロデューサーズ」内のカフカ「変身」もそうだったな)話は変わるけどニーチェって私はどうしても暗すぎて読めないんだけど。「善悪の彼岸」「若き人々への言葉」しか持ってないけども…。ニーチェが大好きと言う方。是非おしえてください、わたしに。
ま、ニーチェは良いとして、映画で終始流れるのはオペラ。ロッシーニ、ビゼー、ヴェルディなどの有名どころオペラが流れます。ビゼーの「真珠採り」が流れた時はうれしかった、むふ(好きなの)。ウディ・アレンと言うとにぎやかなジャズってイメージが強いけど、この映画は毛色も違うしいいよね。オペラはまとめてたくさん使ったら安くしてやると言われたそうだが。
んー、物足りないとか言っといて、深夜にTVでやってたりしたら、もいちど観たいかも。ラスト付近はやっぱり面白いから。
にしても、アレンの映画で監督自身が出演してないのってひさしぶり。たまにはお休みください、監督。ちなみにこの作品は、アレン36本目の監督作、また本人が出演していない10本目の作品だそうです。
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2016年05月05日
追憶の森(2016アメリカ)ネタバレ
「追憶の森」2016アメリカ
監督/ガス・ヴァン・サント
出演者/マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツ
本作は、富士山の麓にある青木ヶ原樹海(自殺者が多いとされる森)で自殺するために日本にやってきたアメリカ人アーサーの物語である。樹海にやってきたアーサーは中村と名乗る男と出会う。中村もまた樹海で自殺しようとしていたのである。2人の男は自己を見つめなおすための旅を始める。(wikipediaより引用)
予告で観たとき、もしやこんな内容なのでは…と想像した通りでして、けっこう多くの方がそうなのではないだろうか…。だって、登場人物がほぼ3人しか…ということは…ねえ…?
というわけで、激しくネタバレしているので、観るつもりの方はご注意を。
<以下、超ネタバレあらすじ>
マコノヒーの奥さん(やり手の不動産業者、マコノヒーが非常勤講師で給料安いもんだから不満で夫婦仲上手くいっておらず)が病気で手術することになり、手術は成功するものの、搬送途中にトラックにつっこまれ死亡。マコノヒーは生前の奥さんと約束していた「死ぬ時は病院ではなく、パーフェクトな場所で」という言葉を思い出し、the perfect place to die と検索してヒットした樹海へ旅立つ。
彼は、妻のことを何も知らなかった(知ろうとしなかった)ことを悔いていた。社会保険番号は知っていても、好きな色も好きな季節も知らなかった…と妻の葬儀でうなだれるマコノヒー。
樹海に着き、立ち入り禁止のロープをくぐった先で薬をちびちび飲んでいると、よれよれ傷だらけになった日本のサラリーマン(渡辺謙)が出てくる。2日前からここに迷いこんでおり、会社で窓際に追いやられて絶望したという。でも樹海を出たいと。大丈夫か、必ずここから出してやる…と自分の自殺そっちのけで渡辺謙を助けるマコノヒー。
雨に打たれたりいろいろ災難に合う中で、土の無い中に咲く花を見つける。日本では、魂がうかばれる時に花が咲くと言われている…と(そうか?)。自分の妻のことを打ち明ける中、渡辺謙の奥さんの名前がキイロ、娘がフユであることを知る。遭難者のテントからトランシーバーを発見し、どうにかこうにか救助隊に発見してもらう。渡辺謙に自分のコートをかけて、とりあえず自分を救助してもらったマコノヒー。日本の病院を退院してから渡辺謙を救出に行く。しかしコートの下に彼は居らず、花が咲いていた。渡辺謙が樹海に入ったという2日前には、監視カメラには誰も映っておらず、そんな人が樹海に入った形跡はないと言う。
アメリカに戻り、非常勤講師として科学の授業をしていると、マコノヒーのメモに「KIIRO」「FUYU」と書かれているのを生徒がみつける。「YELLOW」「WINTER」とつぶやく生徒に、マコノヒーは意味を聞くと「人の名前じゃなくて色と季節ですよ」と。
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とまあざっくりこんな内容です。(他にも色んな伏線と結果があります)
日本ではそこそこ評価が高いようですが、カンヌではどうやらブーイングだったそう。わざわざ自殺しようとしている人が日本まで来るか?という設定が疑問だったようです。まあ、そこは奥さんの「一番良い場所を探してね」と言われたことを守ろうとした…というところだと思うんだけど、私がつっこんだのは
the perfect place to die と検索して、
トップヒットしたところにすんなり決めるんかい!!と。
いやアメリカのほうが神聖で広大な森たくさんありまくるでしょうがー!と。近場だとカナダとかさあ!? しかも、ネットで観てた写真、あんまり神聖とか美しい場所とかじゃなくて、めっちゃ暗い自殺名所です。みたいな写真だったよね?いいのかマコノヒーよ。
さて。日本が舞台なんだけど、海外に向けた内容なので、日本人には「?」なことがたくさん出てきます。それでもなぜ日本で評価が高いのかしら。海外の方には、あの富士の樹海というものは神秘的な場所に映るのだろうか…。
たとえば、成仏した時に花が咲くっていう設定、とっても可憐で神秘的で日本っぽいけど、初めて聞いたわい。トランシーバーにも謎の平仮名が。
渡辺謙の奥さんの名前も「キイロ」、娘の名前は「フユ」だという伏線があるのだけど、これはラストで、マコノヒーの亡くなった奥さん(ナオミワッツ)が好きな色&季節、ということが判明するわけなのですが。
人の名前でも色でもおかしくないように、「アオイ」とかそういう名前にしておけばよかったのに。キイロはさすがにあんまり居ないでしょうよ。キイロさんは(居たらほんとすみません)。
という、ちょっとした(?)つっこみどころはたくさん出てきますが、まあ疑問に思うのは日本人だけなので良いとして。
にしてもマシュー・マコノヒーは、昔は筋肉っぽい映画のイメージがありましたがすっかり演技派ですなー。好感度上がってきたよ…。
ナオミ・ワッツは、すっかり「美人なんだけどかわいそうな妻」とか「売れない女優」みたいな役が続いてない?底抜けにハッピーな役所とかって無いよね、最近。でもやっぱり奇麗だわあ。47歳とは思えない…
ガス・ヴァン・サントは、一番最近で「プロミスド・ランド」を観ました。やっぱり社会派映画が合っているような気がする。こういったファンタジーには、ちと違和感が。
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2016年05月03日
ロシュフォールの恋人たち(1967フランス)
監督 ジャック・ドゥミ
脚本 ジャック・ドゥミ
製作 マグ・ボダール
出演 カトリーヌ・ドヌーヴ、フランソワーズ・ドルレアック、ジーン・ケリー
音楽 ミシェル・ルグラン
フランス西南部の海辺の街ロシュフォールは、年に一度の祭を二日後に控え、賑わっていた。
その街にはソランジュとデルフィーヌという美しい双子姉妹が住んでいた。ソランジュは音楽家を、デルフィーヌはバレリーナを志し、いつの日かこのロシュフォールから飛び出し、花の都パリで自分達の力を試してみたいと思っていた。また彼女たちには、いつの日か素晴らしい恋人にめぐり逢いたいという夢もあった。
姉妹の母親イヴォンヌはカフェの女主人で、彼女の気さくな人柄で多くの常連客もおり、店は繁盛していた。その客の中には、今回の祭でオートバイの曲乗りを見せるというエチエンヌとビルの二人組や、理想の女性を求め、その女性の人物画を描いている水兵のマクザンスがいた。
そして、いよいよ祭の日がやってきた。広場にはたくさんの舞台が組立てられ、様々なショウが繰り広げられた。とあるきっかけで、エチエンヌとビルに ショウの出演を頼まれたソランジュとデルフィーヌの姉妹も舞台に立ち、歌と踊りを披露した。ショウは大成功だった。ショウの後でエチエンヌとビルは、これ からも自分達と一緒に仕事をして歩けばパリにも行くことが出来ると、姉妹を誘った。そして彼女らは、「パリへ行って大芸術家になろう。素晴らしい恋人にめ ぐりあえるかもしれない」と彼らについていく事を心に決めた。
だが「素晴らしい恋人」はすぐ近くにいるもので、ソランジュは以前、通りで出会った魅力的なアンディにパリへの出発直前に再会した。イヴォンヌも十 年前に些細なことで別れてしまった恋人で、今は楽器店を経営するダム氏と再び結ばれた。デルフィーヌは幸福そうなソランジュたちと別れ、エチエンヌやビル と一緒に車に乗り、パリを目指し出発する。(wikipediaより引用)
ああ、こんなにも私の好みなミュージカルだったとは!もっと早くに見ておけばよかった…。シェルブールとは姉妹のように必ず一緒に紹介されるこの映画だけど、どうしてか見ないままだったんだよね。
キャストも時代も内容も知らぬまま見たので、驚きも多し。まず、シェルブールからそこまで年月がたっていないはずなのに、ドヌーヴの顔の変わりよう。もはや別人…。骨格が男らしくなってきて、シェルブールの時のような繊細な美しさとはまたちがった顔になってる。そして、映画のあとに調べて知ったのだけど、姉役で出ているのはドヌーヴの実の姉なんだそうな。(が、彼女、事故で25歳の若さで他界したとのこと。びっくり。もういろいろびっくり)
まったく予備知識なく見たため、キャストで何よりも驚いたのは、まずジョージ・チャキリス!!あの足をたかーく上げて出て来た瞬間すごいびっくりした。彼、私はウエストサイドストーリーしか知らないので、いやー他にも出てたんだ、っていうかこの映画と同じ時代に活躍してたんだっけ、といろいろ考えてしまった。相変わらずのスタイルと髪型で、楽しませてくれました。細身の白いパンツが似合うなんて、あんまり居ないわな。
そして、ジーン・ケリー!彼も出て来たときは、大物オーラが出まくりで、完全に端役に見えない存在感…。さすが。なんというか、「映画スターの設定で映画出てる人」みたいなんだもん(わかるよね?これ)。紫の服なんて似合うか、普通? 上半身に筋肉しっかりついているのに、身軽に見えるミュージカル俳優の謎。体重私より軽そう。
双子の母親役のダニエル・ダリュー、若すぎて分かりませんでしたごめんなさい。すんごいかわいかった。彼女、「8人の女たち」で、ドヌーヴにガラスびんで頭殴られてたシーンが印象的でしたが。
何よりも好きだったのが歌!姉妹が歌う歌もいいし、イベント屋さんのチャキリスたちが広場で歌い踊る曲も、どれもいい。シェルブールの曲があまり頭に残らなかったのに対して(メインの曲くらいかも。覚えているの)、こっちの曲はとてもめりはりがあって好きだったな。どれもかわいい。ほんとに、かわいいとしか言えない。
そしてクラシックなフランス映画でいまさら言うことでもないけど、インテリアがとても美しい。双子のママが経営するカフェなんて、もうとっても素敵だった。広場に面してオープンなところも、柱も、ガラス張りも。明るい色味ばかりでコントラストはそこまで無いんだけど、本当にきれいにキマっていて、うっとりしました。
難しいことなーんにも考えないで、素敵な歌とダンス、キレイなインテリアにファッション、「素敵なことが待っているかも!だからパリに行きましょうよ」なんて展開、夢見る世界に浸れるミュージカル。
底抜けにキュートでハッピー、ああ映画って素晴らしい。
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アルゼンチンタンゴ〜伝説のマエストロたち(2008アルゼンチン)
監督 ミゲル・コアン
出演 オラシオ・サルガン、レオポルド・フェデリコ、マリアーノ・モーレス、カルロス・ガルシーア、ホセ・“ペペ”リベルテーラ、ビルヒニア・ルーケほか
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アルゼンチンタンゴのマエストロたちが集結した軌跡の音楽ドキュメンタリー!
タンゴとは、愛、祖国への誇り、そして人生全てを捧げた音楽 ―
ブエノスアイレスのスタジオで、アルゼンチンタンゴの黄金時代を築いたスターたちが感動的な再会を果たした。彼らはアルバム「CAFÉ DE LOS MAESTROS」に収録する名曲を歌いにやって来た。時を重ね人生の深みを増した歌声が響く中、彼らはタンゴの魅力と自らの思い出を語り始める。そして、偉大なるマエストロたちがコロン劇場で一堂に会した夜、二度と観ることのできない奇跡のステージの幕が開ける!
すでに惜しまれつつこの世を去ったカルロス・ラサリ、オスカル・フェラーリなど、総勢22名の熱演は、音楽史に永遠に刻まれる奇跡のステージ!まさにタンゴ版『ブナエ・ビスタ・ソシアル・クラブ』が誕生した! (公式サイトより引用)
ずっっと楽しみにしていたこの映画。ちょうど東京へ行ったときにBunkamuraでも公開していたけれど、地元のミニシアターでも上映するとのことで、そちらへ行くことに。そう、地元にはミニシアターと呼べるものがあと1カ所しか残っていない。できるだけここで観て、応援したい。だからサントラCDなんかもamazonではなくてここで買いました。オーナーが居たので少しお話しましたが、来年からもう少し仕事の面でも関われるといいなあ。
と話がそれたけど、予想以上に素晴らしい映画でした。公式サイトにあるように、まさにブエナビスタ・ソシアルクラブのタンゴ版。マエストロ達が集い、コロン劇場で演奏するまでをドキュメンタリーとして仕上げてあります。 アルゼンチンタンゴファンは必見の一本。もう、演奏が素晴らしいです。技術はもちろんなんだけれど、それを、「タンゴが楽しい!」という空気で包み込んでいる。それはもう、ゾっとするような完璧な世界です。
悪魔の楽器とも言われるバンドネオンを、ここまで自分の手のように操ることができるのか。今まで演奏をいろいろと観てきたけれど、そのどれとも違うものを感じました。
何かを表現するには、確かに技術は必要なものだけれど、それは確かに、手段のひとつでしかない。下手でも伝わるものってあるし、逆に技術だけでは伝わらないことがある。けれど、その二つとも完璧に習得している人々が集まったら…?
80歳を超えたマエストロたちは、肩に力を入れず、まるで喋るように楽器を奏で、息をするように歌い上げる。彼らにとってそれは特別なことではないように、まるで普通の生活のように、音楽にあわせて体を動かす。タンゴが体に浸透しているその姿たるや、舞台の上が、大げさではなく「輝いて」見えたのです。
私にとってタンゴはずっと、「タンゴ=ピアソラ」だった。ピアソラから入ってしまったから、コンチネンタル・タンゴもよく聴いた事が無かったし、ピアソラ以前のアルゼンチンタンゴの世界を知らずに、ただただ、ピアソラの世界にのめり込んでいった。
それから、タンゴは私にとって特別な音楽となった。というよりも、ピアソラという作曲家が、特別な人になった。が、彼もタンゴの名曲を編曲し、自身で演奏している。その録音でしか、ピアソラ以外のアルゼンチンタンゴを知らなかったのだなあ。
うーん、とにかくそれからこのCDはすごいです。タンゴファンなら聴く価値あり!
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「王は踊る」(2000ベルギー・フランス・ドイツ)
監督/ジェラール・コルビオ
脚本/ジェラール・コルビオ
本作品は、製作から20年前に解読されたルイ14世の「舞踏譜」に着想を得ており、劇中でも当時のバレエを踊る様子が復元した場面がある。また、音楽もバロックと古楽が、当時の楽器(例、バロックバイオリン、ポシェット・バイオリン、木製フルート、ナチュラルホルン、ナチュラルトランペットなど)を使用した演奏形式で録音されたものが使用されている。(wikipediaより引用)
ジェラール・コルビオ監督「王は踊る」。
「カストラート」の監督、ジェラール・コルビオです。「カストラート」も非常に好きな映画だけど、DVDがトールケースではないので購入まで至って居ないという面倒なこだわりが。「王は踊る」は、ルイ14世の時代に宮中音楽家であったジャン・バティスト=リュリと、ルイの愛憎劇(一方的な)…て感じでしょうか。しかしこの映画の音楽は素晴らしい。元々のリュリの音楽よりも、かなりアクセントをつけてアレンジされているのだがそれが映像ととても合っているし、曲のみを聴いても面白い仕上がりになっている。この作曲家のことは全く知らなかったので、初めて聴いたときはかなり衝撃を受けた。ピアソラを聴いた時のように、新しいジャンルの音楽に出会った衝撃、みたいなもの。まあジャンルで言えばリュリの後にラモーとかも居るし、リュリだけの音というかどうかは…
バロック好き、とくにバッハ好きはお試しあれ。ルイ14世目あてで見た映画でしたが、すっかりリュリの音楽にやられちまいました。
ついでに、私はルイ14世が好き。フランスは彼のおかげでオペラや芸術、建築なんかの文化が急激に育ったと言えるのではないだろうか…とかなんとなく思う。しかし、絶対王政を強いたのは彼だし、実際に国民に対してかなり厳しい生活を強いた14世に比べ、そのままの政治をひきずって、とくに何もしていないのに仏市民の恨みの対象になってギロチンにかけられたルイ16世って一体…やったことって何だ?ギロチンの刃を斜め刃にすりゃあ首がよく切れるぞ、とか提案して採用されたはいいものの、自分が結局切られちゃうし。なんか気の毒だ。
リュリはイタリア人で、ルイの姪だか甥だかのイタリア語話相手としてフランスへやってきたらしい。で、その時に宮中音楽を見聞して、作曲をはじめたというわけです。劇作家のモリエールと一緒に舞台を作っていくわけですが、モリエールとの間にもいろいろいざこざがあったらしい。でもモリエールとの共同制作が無ければ、イタリアオペラというものは生まれていなかったと考えると…。
この作品にはまりにはまった私は、原作も買い、パンフ買い、サントラも買い、DVDも買い… 他になんか買うものあったら欲しいくらいですわ。
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オデッセイ(2016アメリカ)
監督 リドリー・スコット
脚本 ドリュー・ゴダード
出演者 マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン、クリステン・ウィグ、マイケル・ペーニャ、ショーン・ビーン、ケイト・マーラ、セバスチャン・スタン、アクセル・ヘニー、キウェテル・イジョフォー
宇宙飛行士のマーク・ワトニーは火星への有人探査計画であるアレス3に、クルーとして参加する。火星での探査任務中、大砂嵐に襲われたマー クらクルーは、全ミッションを放棄して火星からの退避を決めてロケットへ向かうが、その最中にマークを折れたアンテナが直撃する。クルーたちはマークが死 んだと判断して火星上の軌道へ戻り、さらに地球上の軌道へ帰還するためのヘルメス号に乗って出発してしまう。(wikipediaより引用)
公開日に観てきました。空いてたわあ…。
火星ひとりぼっちを、どう切り抜けるかという映画なわけですが。
ネット掲載されていた、「火星の人」という小説の映画化だそうです。原作読んでみようかしら。
主人公がとにかくポジティブ。清々しいほどにポジティブ。状況は辛いものの、この人ならなんとかなるんじゃ…とドキドキしながら観ていれた。私だったらおそらく最初の一撃で死んでるな。ちーん。あんな明るくメッセージ残せるか…。
あと、クルーの一員であるジェシカ・チャステインという女優さん初めて知ったんですが、奇麗ですね〜。私の好みな赤毛具合…。知的美人すてき。マットデイモンは好きな俳優さんだけど、あんまり観る機会が…って言っていて思い出しました。そういえば、「ヒア・アフター」も「プロミスト・ランド」も「ミケランジェロ・プロジェクト」も劇場で観たではないか。なぜ忘れていた…しかもけっこう感動したのに…とくに「プロミスト・ランド」は良かったですね。ただの社会派映画というわけではなく、映画としての作り込みもしっかりしていて、重くじっとりした内容なのに、飽きずに観る事ができました。とこれはまた感想を別で書くとして。
オデッセイに戻りますが、協力するメンバーに「中国」が出てきたのに、ものすごく時代を感じた。ちょっと前ならあそこで技術提供するの日本じゃないかしら。規模は中国ほど大きくないと思うけど。いろいろと追い越されてゆくのだろうか…。時代だねえ…。しみじみ。
ショーン・ビーンが出ているからか、指輪物語のネタを入れてくれたことにグっときました←ロードオブザリング好き。
2016年05月02日
レヴェナント(2015/アメリカ)
監督 /アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本 /マーク・L・スミス(英語版)、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演者/レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター
2015年のアメリカ合衆国のウエスタン伝記映画作品である。原作は、作家マイケル・パンク(英語版)の小説『蘇った亡霊:ある復讐の物語』(The Revenant: A Novel of Revenge)で、アメリカの西部開拓時代を生きた実在の罠猟師ヒュー・グラスの半生と、彼が体験した過酷なサバイバルの旅を描いている。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞を受賞したアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが監督を務める。レオナルド・ディカプリオが主演を務め、トム・ハーディとインセプション以来5年振りの共演をした。イニャリトゥ、ディカプリオとも、本作品でそれぞれアカデミー賞を獲得した。イニャリトゥは2度目の監督賞、ディカプリオは5度目のノミネートにして初の主演男優賞。
キャスト、スタッフが明らかにしているところによれば、自然光での撮影、それも特にマジックアワーと呼ばれる1日1時間半程度の黄昏時の撮影にこだ わり、撮影セットは東向きの「朝用」と西向きの「夕方用」の2種類が用意された。また、劇中に登場する砦のセットは「全方位どこを写しても自然に見える」 ことを目指して制作された。時系列に沿って「順撮り」で撮影していたため、当初撮影したカナダでは、予想以上の暖冬であったこともあり、撮影中に雪が早々 に溶けてしまった。そこで、季節が反対の南米の高地に移動して撮影が続行され、ロケ期間は9ヶ月に及んだ。撮影は極地で行われ、凍った川に入ったり、実際 に生肉を食い、動物の死体の中で眠る等、過酷なものであった。リチャード・C・サラフィアン監督作品の"Man in the Wilderness"邦題:「荒野に生きる」1971年)のリメイク(原作が同じ)でもある。(wikipediaより引用)
いやあああ〜〜〜すごい映画を観てしまった。イリャニトゥは好きな監督なだけど…なんだかちょっと次元が違う感じですね、これは。ヒューグラス…なにものだよあんた。
予告も短いものしか観なかったので、内容はよくわからないまま鑑賞。正解でした。しかも伝記映画ということも知らず(知らなさすぎ…)。これが実話に基づいたものだということを後から知ってびっくりしました。ヒューグラスの半生を読むと、映画は脚色した部分もあるけれど、比べて「え、そこも本当の話だったの?それも?」って部分がたくさんありました。
坂本龍一の音楽もすごく良かったなー。一度で覚えられるタイプの旋律とかじゃないんだけど、自然とすごく合っていて、低音の繰り返しがズーンと心に響いた。
それから驚いたのが、自然光での撮影だということ。映像がものすごく美しいです。上手く言えないけど、動く写真みたい。瞬間をとらえた映像。長時間の映画だけれど、瞬き出来ないくらいあっという間に感じるほどに。
イリャニトゥで今まで観た作品は、「アモーレス・ペロス」「セプテンバー11」「21grams」「バベル」「バードマン」。「ビューティフル」を見逃しています。DVD、どこのコーナーにあるんだい…?
レヴェナントに戻りますが。
グラスが這いずって何とか生にしがみつく様子、そして、それを無視し、包み込む圧倒的な雄大な自然。1人の人間が命からがら這いつくばっていても、そんなこと関係なしに、自然は美しくただそこにある。生にしがみつく意味がそこにあるような、全くないような、なんとも言えない息苦しさの3時間。
もっとも、彼が生きることにしがみついたのは、生きたいという本能よりも復讐という感情によって生かされたものかもしれないけれど。
そしてひたすら、クマこわい。
2016年05月01日
日の名残り(1993アメリカ/イギリス)
監督/ジェームス・アイヴォリー
出演者/アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン、クリストファー・リーブ、ジェームズ・フォックス、ヒュー・グラント
物語は1956年の「現在」と1920年代から1930年代にかけての回想シーンを往復しつつ進められる。
第二次世界大戦が終わって数年が経った「現在」のことである。執事で あるスティーブンスは、新しい主人ファラディ氏の勧めで、イギリス西岸のクリーヴトンへと小旅行に出かける。前の主人ダーリントン卿の死後、親族の誰も彼 の屋敷ダーリントンホールを受け継ごうとしなかったが、それをアメリカ人の富豪ファラディ氏が買い取った。ダーリントンホールでは、深刻なスタッフ不足を 抱えていた。なぜなら、ダーリントン卿亡き後、屋敷がファラディ氏に売り渡される際に熟練のスタッフたちが辞めていったためだった。人手不足に悩むス ティーブンスのもとに、かつてダーリントンホールでともに働いていたベン夫人から手紙が届く。ベン夫人からの手紙には、現在の悩みとともに、昔を懐かしむ 言葉が書かれていた。ベン夫人に職場復帰してもらうことができれば、人手不足が解決する。そう考えたスティーブンスは、彼女に会うために、ファラディ氏の 勧めに従い、旅に出ることを思い立つ。しかしながら、彼には、もうひとつ解決せねばならぬ問題があった。彼のもうひとつの問題。それは、彼女がベン夫人で はなく、旧姓のケントンと呼ばれていた時代からのものだった。旅の道すがら、スティーブンスは、ダーリントン卿がまだ健在で、ミス・ケントンとともに屋敷 を切り盛りしていた時代を思い出していた。(wikipediaより引用)
いい映画じゃないのー。そして私の好みな映画じゃないのー。もっと早くに観とくんだったー。ホプキンスったら、こんな執事を私も雇いたいんですが、どなたか(←募集)。屋敷の至る所に隠し扉のようなものがあって、執事がサッとそこに入って行く姿は、なんとも良いですね。さながら忍者屋敷のよう。自分の仕事を確実に完璧にスマートにこなす姿というのは実に美しいもんです。非人間的と言われたとしても、それが誰かに仕える仕事であったら尚更だ。実はちょっとやってみたい。
これ、ずっと観たかったんですがなかなかテレビでやらないし、近所のレンタルにはビデオしかないし(ビデオは画質悪し)、観るチャンスが無かったんですな。やーっと観ることができました。メインは執事と女中のラブストーリー。もどかしいもどかしいもどかしい、でもイライラしない映画ですね。人との距離感、心の距離感。気持ちよく心を鎮めて観る事が出来る作品でございました。メインはラブなんだろうけど、それ以外の部分、仕事や歴史や政治や…なんかも全然邪魔になってない。何度でも繰り返し観たいような映画に仲間入り。
最後のバスが時間通りに来るところったら…。もう。クッションぼすぼす殴ったわ。
ちょい役のヒューヒューが若々しいね。すっとぼけた役がジョージ・クルーニーの次に似合う彼ですが(適当に言ってみた)、やっぱり話してる事は口から出任せってのが似合う。こういう役を定着させてる俳優って貴重だと思いまふ。しかし髪を撫で付けるのは似合わん。「モーリス」は可愛かったねえ…DVD欲しいぜ。
ちなみに、アカデミー賞では、主演男優賞、主演女優賞、美術賞、衣装デザイン賞、監督賞、作曲賞、作品賞、脚本賞の8部門にノミネートされたそうです。総合的に素晴らしい映画ということですな。原題は「The Remains of the Day」。むねきゅん。
この時代のインテリアなんかはとっても好きです。銀食器がいやらしく見えないとでも言うか、品がある。植栽なんかもいいね。トピアリーって言うんですか、奇麗に刈り込まれた植栽とあの時代の車とがセットで出てくると、ザッツ・英国。ぶらぼー。一年中緑の芝生がまぶしい。
執事、女中…と聴いて思い出したのが、雇っていた家政婦との浮気がバレて、気まずいことになってしまった英国の男前俳優ジュード・ロウさん。英国美男子のネームカードがはがれ落ちそうになってますが、大丈夫でしょうかね。ジュードと言えば一番美しく撮れているのは何と言っても「オスカー・ワイルド」の麗しポジー役。ワイルド役のスティーブン・フライがもう少し美しかったら、申し分無かったんですが。
…「日の名残り」とは関係なくなってきたのでこのへんで。
価格:821円 |
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コレラの時代の愛(2007アメリカ/コロンビア)
監督/マイク・ニューウェル
出演者/ハビエル・バルデム、ジョヴァンナ・メッツォジョルノ。ベンジャミン・ブラット、ジョン・レグイザモ
81歳の夫フベナル・ウルビーノ博士は自殺した友人ジェレミーアの葬儀を前に、オウムを捕まえようとしたはしごを登って足を踏み外して亡くなる。傷 心で葬儀に臨む老いた妻フェルミーナのもとに76歳のフロレンティーノ・アリーサが現われ「わたしはこの時がくるのを待っていた。もう一度永遠の貞節と変 わることのない愛を誓いたいと思っている」と告げる。
時代は遡り、1897年、コロンビア・カルタヘナ。 17歳の貧しい郵便局員のフロレンティーノはある日、配達先の裕福な商人の13歳の娘フェルミーナに一目惚れして二人はたちまち恋に落ちる。母親が「うち の息子の病気はたった一つ、コレラなのよ」と恐慌をきたすほどの恋に浮かれる。1リットルのオーデコロンを飲み続けた末に香水の匂いのする吐瀉物にまみれ たり、フェルミーナからの手紙を薔薇の花を食べながら読み返す。しかし、元ラバ商人で闇の商売で儲けている彼女の父は娘を名家に嫁がせると決めており、娘 と1年半にも渡る旅に連れ出す。こうして2人の仲は引き裂かれてしまう。
やがてフェルミーナは、コレラの撲滅に尽力するヨーロッパ帰りの医師ウルビーノ博士に見初められ、結婚する。それを知ったフロレンティーノは、何年でも彼女を待ち続けると心に誓う。後年、叔父から引き継いだ河川運輸会社のトップになることもあり、60人を超える女性と恋愛を楽しむのであった。
初恋の女性を51年9ヶ月と4日待ち続けた男の壮大な愛の顛末を描く。
映画仲間のおじさまから、「とんでもない傑作です」とのおすすめを受け、鑑賞。コロンビアが舞台のラテン男の愛の物語。音楽がとても良い。オープニングタイトルのイラストレーションも美しい。ラテンな割には落ち着いた雰囲気で、内戦なんかはあれど、終始上品な空気を纏う映像。
若い時に一目惚れし、結婚を申し込むも父親に引き離され、結局彼女は医者と結婚。哀しみにくれる主人公。ここまではよくある展開だけど、この主人公は一生涯かけて彼女のことを諦めなかった。彼女の夫が亡くなるまでひたすら待ち、老いたお互いで再び分かり合おうとする。
彼女を待つ間、彼女の事を忘れようと、びっくりするくらい多くの別の女性と関係を持つ。このへんが、男性と女性と受け取り方が違ってくるところだろうけどね。やっぱりこの映画、男性のほうが理解できるのかも。映画に出てくる人物の誰にも感情移入できなくて、誰かにずーんと入り込むというよりは、風景を見ている感覚だった。
彼女を想いながらも他の女性との関係を当たり前に続ける主人公、好きでもない人と結婚した彼女……、
…………よくわからん。
まああの状況じゃ、医者と結婚するのが一番幸せだったとは思うが…。
しかし「老人の愛」モノにめっぽう弱い私は、つい終盤の二人のシーンでほろり。老いた人の表現する愛は、若いときとは全く違う、勢いとか熱情のようなものからではない暖かさが漂っていて、なんとも素敵なのである。危険な香り漂う王子様に攫われるどっかの令嬢、みたいなシチュエーションよりも、よっぽど憧れめいた感情を抱いてしまうのだ。お爺ちゃんが孫に与える、無償の愛のような。
俳優たちもとても良かった。ハビエル・バルデムは、ほんっとに良い俳優だなあとしみじみ。いつもどんな役にでも化けるし、とけ込みすぎて怖いくらい。「ノーカントリー」早く見なくては。ベンジャミン・ブラッドは、ジョニー・デップを薄くした感じだなあ。端正で甘い雰囲気漂うとことか、目元も口元もよく似てる。ジョニーほど過剰演技じゃないとこもまたよし。というか今回の役所の、紳士的な態度に心ときめかされました。あと、ジョン・レクイザモはこういういやらしい金持ちの役、誰よりも似合う気がする。
もう一度見ると、また違うものが見えてくるような気がする映画だった。そういえばハビエル・バルデム主演の「宮廷画家ゴヤは見た」結局近くの映画館で上映しなかったので見ることできず。むー。
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ローズ・イン・タイドランド(2005カナダ・イギリス)
監督/テリー・ギリアム
出演者/ジョデル・フェルランド、ジェフ・ブリッジス、ジェニファー・ティリー、、ブレンダン・フレッチャー
10歳の少女ジェライザ・ローズ(ジョデル・フェルランド)は、ドラッグ中毒の両親と共に外界から隔絶された生活をおくっていた。ある日、ローズの母(ジェニファー・ティリー)がオーバードースで死亡する。老いたロッカーでやはりジャンキーである父ノア(ジェフ・ブリッジス)は、ローズを連れて故郷テキサスの荒れ果てた一軒家に逃亡するが、彼もほどなくオーバードースで死亡する。独り残されたローズは、現実の恐怖や飢えから逃れてイマジネーションの世界を築き上げ、不思議の国のアリスのようにその世界を探検する。
やがてローズは、近隣に住む奇妙な姉弟と知り合う。(wikipediaより引用)
テリー・ギリアム監督の「ローズ・イン・タイドランド」見てきました。もー、テリーギリアム、なんて気持悪いこと考えるんだ。
脳内の酸素がなくなっちゃって、頭くらくらするわ苦しいわ、立ち上がりたくてしょうがなかったんだけど、あれは映画と場内の暖房のせいなのか。
もんのすごい気持ち悪かったのよ。友人も同じだったらしく、出た後にふたりでうなっていた。
とりあえずどっか入ろうということでふらふらと一番近くの居酒屋に入り、玄米茶をぐびぐび飲んでやっと落ちついた。あーなんだったんだ、あの気分の悪さは…。映画のなかにサブリミナル効果でなんか入ってたんじゃないかってぐらい、妙な気分だった。
で、映画ですが。ストーリーも良いが、何よりも見て欲しいのが主役のジョデル・フェルランドの演技。表情も声もすーーんごい上手い。とくに声の演技はすごかった。人形の声を4役くらいやってるんだけど、ひじょーにうまかった。子役はあんまり好きでない私ですが、この子はすごくかわいい上にすごく上手い。もう、これ以上大きくなっちゃいかんと思わせるほどの光るものを持ってる女優でしたよ。必見。天才子役、なんて言葉が安っぽく感じるほど。今年の主演女優賞あげちゃう。キリアン・マーフィーの次に。
不思議の国のアリス、好きな物語。ファンタジーと狂気紙一重なところが。この←気違いお茶会に、一度で良いから呼ばれてみたいんです。誰か招待状くれないかしら。アリスの物語の中に入るなら、あのお茶会と、地球のまんなかあたりまで来ちゃう長い長い洞窟を落ちるところだな。なんかグリム童話とかも、テリー・ギリアムの世界っぽいよね。毒気のあるファンタジーみたいな。ティム・バートンともまた違う、もすこしシュールな感じで。ブラザーズ・グリム、見逃しちゃったしなー。DVDかりよっかなー。
童話とか神話とか、いくつになってもわくわくするもんですね。アーサー王とかの伝説モノも、やっぱり大好き。
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敬愛なるベートーヴェン(2006アメリカ・ハンバガリー)
監督/アニエスカ・ホランド
出演者/エド・ハリス、ダイアン・クルーガー
本作の10年前に製作された『不滅の恋/ベートーヴェン』では政治や恋愛に翻弄された半生を描いていたが、本作はベートーヴェンが難聴という極限の状態で開花した真の作曲の才能と芸術思想を深く掘り下げて描いている。アンナはベートーヴェンの才能の中で揺れる狂言回しのような役割である。(wikipediaより引用)
映像が奇麗だったので写真多めです。
ベートーヴェンは好きだけど、主に聴くのはやっぱりピアノ。
ピアノソナタ、たまにピアノ協奏曲。
自分で弾くのは月光の第一楽章のみ。第三がすごく好きだけど、あんな早いの弾けないもん。
あとソナタは悲愴、ワルトシュタインなんかをよく聴く。
悲愴の第3楽章はまさに私の好みで、たまらんです。
(たぶん世間的に聴かれる頻度が多いのは第2楽章のほうだと思うけども。)
ピアノ協奏曲で好きなのは第3番。うーん、いろいろ聞きたくなってきたな。月光の第一楽章、習ったわけではなく自分で弾いてみたんだけど、これ練習してる時楽しかったなあ。和音を弾く度に感動するなんて、もうわくわくしたもん。全く一音の無駄の無い、完成された美学のようなものを、聴くだけではなくて自分で楽器を通して感じることが出来ること。これは、音楽を聴くのと音楽を感じることは全然違う感動なんだということを初めて知った、とても思い入れのある曲かもしれない。でも私はリズムをとるのが下手なので、この第一楽章を弾きこなす事が全く出来まへん。
話は映画に戻るけど、ストーリーは、写譜をする女性とベートーヴェンの話。この女性が才能があり、ベートーヴェンに認められ、彼と一緒に曲を作り上げて行くという…ことらしい。ストーリーに「?」という部分が多すぎて、音楽に助けられてるんだけど、助けきってないような気がしてならなかった…。題材は好きだけど、脚本は好きではなかったかも。このテの映画にはかなり甘い私なんだけど。クラシックの作曲家が主人公って時点で、かなりポイントが上がってるはずが。
曲はもちろん素晴らしい。すごく贅沢に、第九の演奏がまるまる流れます。その時のベートーヴェンとアンナの恍惚とした表情。音楽を感じて気持ちよくなると、こういう顔になるよね…。
あと、ちらっと第七も流れる。第七は好きな交響曲なんだけど、人に言ったら「のだめカンタービレ」ってマンガのおかげでこれが流行ってるらしい。第九はあんまり聴く機会が無かった。でも今回通してその和音や構成をじっくり聴いて、やはり名曲だと思った。なんというか長い曲って私みたいな音楽センスの無い人には、一曲として捉えるのが難しい時もあるんだけど、(難解なやつ。マーラーとか)ベートーヴェンって主題を繰り返しているので、ある意味捉えやすい。しかも第九は曲のコントラストがすごくついているので、まったく飽きさせない。第七は、ひじょーにずっしりとしてるんだけど、あの重く迫ってくる感じがなんともゾクゾクとして好き。そういえばこないだ初めて第四番をオーケストラのコンサートで聴きに行ったけど、あんまり私の好みではなかった…かな。変ロ長調。
で、また映画の話に戻るけど、制作側の視点から見てしまうと、第九のシーンがあまりにも長いので、見てると飽きる可能性がある。だってあまりにも有名な曲だし、それを全部まるまる流すってかなりの挑戦。そこで出ました、視覚的に飽きさせないカメラワークのバリエーション。ともかくいろんなとこから撮る。確かにアンナが舞台からひょっこり顔を出してベートーヴェンとアイコンタクトをとってるのは構図的に面白いから、いろんなとこから撮れる。どこもかしこも撮ってみましたってくらいのアングル違いも楽しめます。(しかも、しつこく変える割りにほんとに飽きさせてないと思う。)ひとつだけ、なんかえらいひとのバックから背中を入れて、アンナとベートーヴェンを同時に撮ってるのはちょっと面白くなかったけど…普通すぎて。
しかしその名曲を初めて聴けた、その時代のあの瞬間に立ち会った人々に、激しいジェラスを感じてしまいましたね。現代の音楽で、もうそんなことは起こらないもの。
そういえばカメラワーク、というかライティングでひとつ印象的なシーンが。アンナが仕事机に向かってるとき、横に椅子をおいてベートーヴェンが「音楽は空気の振動だ、しかし神の息吹でもある」みたいなことを語るシーン。画面のほとんどがエド・ハリスの顔のアップなんだけど、彼の前にある窓から光が差し込んでいるという設定。ふつうはここで、顔全部にライト当ててしまうとこなんだと思うけど、これが、主に光がきてるのが彼の額から上。眉毛すれすれから下が、影になってるの。で、喋って顔が動くとたまーに明るいところに目の位置が来る。
このライティング、「おお…!」と思った。エドと言ったらやはり魅力は眼。というか視線。その視線を魅力的に魅せてる手法だなあと感心した。効果的。ふつう、画面ほとんど暗くなっちゃうんだもん、やらんよね。ドキドキしちゃったもん、このライティング。視線のチラリズム。
つーことで、あんま映画自体の感想は無いんだけど、やっぱりベートーヴェンの曲は素晴らしいってことで…。正直、期待しすぎてて拍子抜けしたので、なんと言っていいのやら…。
あ、エド・ハリスは相変わらずセクシー。その眼で見つめられたら、間違いなくやられるでしょう。髪の毛なくてもあんなにセクシーって、世の中のハゲの立場無しなんじゃなかろーか。やっぱり髪の毛無い、いつものエドのほうが好きだけど。スターリングラードでも見るか。
あれ見るとカッチーニのアヴェマリア聴きたくなって、スラヴァのCDひっぱり出しちゃう。これも名曲、心に響く宗教曲。
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シンデレラマン(2005アメリカ)
監督/ロン・ハワード
出演者/ラッセル・クロウ、レニー・ゼルウィガー、ポール・ジアマッティ
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ボクサーとして華やかな戦歴を持つジム・ブラドックだったが、年齢的にも全盛期を過ぎ、またアメリカは大恐慌まっただ中の辛い時代、連戦の疲労から怪我もあり、ライセンスを剥奪されてしまう。
ボクサーの仕事を失ったジムは、港湾労働者として日雇いの仕事をしながら妻のメイや子供たちと暮らしていたが、生活は貧しく、食べ物を買うことさえもやっとだった。
やがて、試合の直前になって対戦相手がキャンセルしてしまったために、ジムのもとにたった一回のボクシングの試合を戦うチャンスが舞い込む。大方の 予想を裏切り、ジムは相手をノックアウトする。極貧の生活からボクシングの世界にカムバックしたジムの活躍は、貧困に喘ぐ人々を勇気づけ、スポーツ記者か らは「シンデレラマン」と呼ばれる。ジムのマネジャー、ジョーはプロモーターに掛け合ってヘビー級チャンピオンマックス・ベアとの試合を認めさせるが、過去の試合で二人のボクサーを殴り殺したマックスとの試合にメイは恐怖する。ジムは、家族のためにマックスと戦い、無敵と思われていた相手に対して判定勝ちをおさめる。(wikipediaより引用)
試写会招待でシンデレラマン、見てきました。予備知識ゼロで。監督がロン・ハワードということ、感動モノであること、子供がたくさん出てきそうなこと、ぐらいを頭に置いて。
アメリカ大恐慌時代、実際にあった話ということで、あんまり脚色もしてないんじゃないかと思います。職に溢れたちょっと年のいったボクサーが、家族の生活を守るため試合を重ねつつ復帰していく物語。ボクシングが苦手なので耐えられるか心配でしたが、なんとか持ちこたえました。あー、殴る蹴るの映像ってどうしてもダメだわ。といいつつ、ミリオンダラー・ベイビーは好きだったけど。だいたい前半がダラーとした映画だと、癖でこのあとの構成を考えてしまう私。あー最後は主人公が試合で死ぬのかなーとか想像しつつも、意外なまでにすんなりとハッピーエンドでした。
ラッセル・クロウ、渋い役が似合う。ほとんど感情を表情に出さない役だったけど、はまり役でした。そして妻役のルネーゼルウィガー、彼女も泣き笑いの表情がすんごく良い。最後の試合の前の顔なんて、ちょっと感動しちまいました。
そういえば笑えたところが、主人公のマネージャー(まるっこくてかわいい)が、負けると思っていた試合に勝った嬉しさで「ジーザス・クライスト!」と連発してキャッキャ喜ぶのですが、そのあとに「ジーザス!マリアにヨセフ!」と続けるところ。吹き出しましたよ、マジで。
予告の収穫は「ファンタスティック・フォー」。ヨアン…ほんとにあなたが主役か?なんかあの燃えてる人とか岩の人とか透ける女とかが目立ちすぎてて、あなたがのびのび伸びてるとこはあんまり目にしないんですけど。観る気がしなくなってきた…
そしてティム・バートンの「コープス・ブライド」。楽しみだす。
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ナイロビの蜂(2005イギリス)
監督/フェルナンド・メイレレス
脚本/ジェフリー・ケイン
原作/ジョン・ル・カレ
製作/サイモン・チャニング・ウィリアムス
出演者/レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ダニー・ヒューストン、ユベール・クンデ、ピート・ポスルスウェイト、ビル・ナイ
ケニアのナイロビに駐在しているイギリス人外交官のジャスティン・クエイルはある日、弁護士であった妻テッサを何者かによって殺害されてしまう。その真相を追うジャスティンは、背後に製薬会社の絡んだ陰謀があることを突き止める。(wikipediaより引用)
「シティ・オブ・ゴッド」で衝撃を受けたフェルナンド・メイレレス監督、この作品でも音楽のセンスが良いです。編集は時間軸の入れ替わりなどもちらほら入れてますが、そこまで癖の無いかんじ。けっこう普通の映画に仕上がってた印象。(ふつーの恋愛ものではないですがね。)
製薬会社の治験、薬害などのテーマについては私もここ数年間頭にあったことなので、うーむといろいろ考えながら見た。映画ではあくまでテーマとして、派手なドンパチを交えてなんてことになってましたけど。ちょっと派手にしすぎてたような気もしましたが。そのへん、テーマについてもっと深く探ってくかと思ったら、そうでもなかったのが残念。邦題も、もすこしなんとかしてほしかったですな。
しかし、俳優群は良かったなあ。レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズって。ぴったんこな組み合わせ。そしてあのラヴ・アクチュアリーでイカレたロック歌手を演じていた彼(ビル・ナイ)がお偉いさん役を演じていることに途中で気づいて笑えました。ひー!あんたかよ!
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ティム・バートンのコープスブライド(2005アメリカ/イギリス)
監督/ティム・バートン、マイク・ジョンソン
脚本/パメラ・ペトラー、キャロライン・トンプソン、ジョン・オーガスト
出演者/ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、エミリー・ワトソン
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『ティム・バートンのコープスブライド』(Tim Burton's Corpse Bride)は、2005年公開のティム・バートン監督によるロシアの民話を元にしたファンタジーアニメーション映画。1993年公開の『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』同様、ストップモーション・アニメーション撮影で製作された。
アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートし、2005年度ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の長編アニメ賞に輝いた。(wikipediaより引用)
時は19世紀、舞台はヨーロッパのとある小さな村。成金の金持ちだが品格のない魚屋のヴァン・ドート夫妻の息子ヴィクター(声:ジョニー・デップ)は、由緒正しい身分ながら破産して一文無しの没落貴族であるエヴァーグロット夫妻の娘ヴィクトリア(声:エミリー・ワトソン) との結婚が親同士の政略により着々と進められていた。お互い、逢ったこともない人と結婚することを不安がってはいたが、結婚式の前日、式のリハーサルのた めに初めて対面した2人は互いにまんざらでもない様子で、次第に両者ともに結婚に前向きになっていく。しかしドジなヴィクターは緊張の余り、リハーサルで 失敗を連発。怒った牧師に式の延期を言い渡されてしまう。(wikipediaより引用)
コープス・ブライド見てきました。
ティム・バートン、クレイアニメ新作です。ネタバレ有り。
ナイトメア・ビフォア・クリスマスと比べるなという方が無理で、これはナイトメアと対になる作品であることを頭に置いた上で見るしかない。制作側ももちろんそのつもりだとは思うけど。でもそうすると、正直かなりのがっかり感があります。ナイトメアは10年以上前、ほとんどがクレイであそこまで完成度の高いものが作れたのに、今回はCG色がものすごく強いのに、インパクトが半減している。何故?どーして?
キャラが弱い。ナイトメアの時は、画面のすみっこに一瞬出てくるキャラまできちんとインパクトがあって、見応えがあった。これはお化けの世界だったから作り込みがいくらでも出来たのかもしれない。今回は人間の世界だったから、限界があったのかなあ。どれも同じようなキャラでした。人間キャラよりもまるきりオリジナルの方が得意なんだろうな。ナイトメアの時も色数を4色か5色に制限してたんだが、それでも全然気にならない世界観だったのに比べて、今回は色数少ないのが寂しく感じてしまうほど。
それから何よりも残念というか意外だったのが、ティムバートンと長年コンビを組んでいるダニー・エルフマンの楽曲のインパクトのなさ。ちとびっくりするぐらい、耳に残らなかった。ナイトメアでは一度聴いただけですぐ口ずさんでしまうような、映像の盛り上がりにぴったり合った楽曲がたくさんあって、曲が始まったと同時にわくわくするような流れがあった。今回は主役であるエイドリアン…じゃないやビクターが一曲も歌わないし、ビクトリアは歌ってもか細い声。歌ったのは周りの人々ばかりで、しかも曲も少なかった。そのかわりにピアノの演奏シーンがあったのが唯一の救いか。
そしてビクターの声優は天下のジョニー・デップだったのですが、ファンの方には申し訳ないが(というか私もすごくファンですよ)…思ったより上手くなかった。無理があった…やっぱり声優はきちんとした人に頼んでいただきたい。お気に入り俳優だからって使ってしまったのは安易だったような。ジョニー、技巧的な演技みたいなのも上手いから、声優もイケるかと思ってたらば。うーむ。
でもでもこんなに文句ばっか言ってますが、やっぱりティムバートンのこういう世界を作り続ける姿勢ってのはすごいね。オリジナリティーがどんどん薄くなってしまっていく監督が多い中、自分のスタイルを貫き通しているところは本当にカッコいいです。今後もクレイアニメ作り続けて欲しいし、映画も作っていってほしい。
ああしかし、思っていた以上にやっぱりエイドリアンにそっくりで、ピアノ弾くシーンなんて「ドイツの男前将校さんに見つかっちゃうわよー!」って感じで、ピアノの前に立った時点でちょっと笑いそうになりました。んなことばっかり考えながら観てたもんだから、いいとこ見逃してたのかもしんないな、私。そういうことにしとこ。
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ボルベール〈帰郷〉(2006スペイン)
監督/ペドロ・アルモドバル
脚本/ペドロ・アルモドバル
製作/エステル・ガルシア
出演者/ペネロペ・クルス、カルメン・マウラ、ロラ・ドゥエニャス
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風の吹きすさぶラ・マンチャの 小さな村の墓場で、3年半前の火事でともに命を失った両親の墓所の手入れをする姉妹ライムンダ(ペネロペ・クルス)とソレ(ロラ・ドゥエニャス)、そして ライムンダの娘のパウラ(ヨアナ・コボ)。普段はマドリッドに暮らす3人だが、墓所の手入れはラ・マンチャに古くから伝わる伝統なので、定期的に日帰りで やってくるのだ。そしてライムンダには、村で独り暮らしをしている叔母を説得してマドリッドに引っ越させるという第二の目的があった。老齢で身よりも無い 叔母を心配するライムンダの善意から出た行動だったが、叔母は頑として聞き入れず、一行は仕方なくマドリッドへ引き返す。しかし、ライムンダとパウラが帰 宅してみると夫のパコの様子がおかしい。問いつめるライムンダに、パコは仕事を首になったと告げる。そして事件は翌日に起こった。勤務先から電話をかけて も全くつながらないので不審に思ったライムンダが通勤バスから降りると、バス停で雨に打たれながら待っている娘の姿があった。(wikipediaより引用)
アルモドバル監督&脚本てことでとてもとても楽しみにしていた作品。期待通りの良いものでした。この監督の映画、どろーんとしたなまぬるい血の中に足首から下を入れながら観ている気分になります。どす黒い赤の血ね。でも気持ち悪いって意味ではないです。
しかしアルモドバルがTOHOシネマズでかかる日が来ようとは…。良い環境で観れてうれしいけど。最後のグラフィックなんてとってもきれいだったし。いっつも色彩センスが素晴らしくて、見ほれてしまいます。そして音楽も。
この監督のは「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」「バット・エデュケーション」と観ているけども、ハズレが無い。「性」をテーマにしているんだけど、どれもこれもいいんだよ。監督の世界観は確立されてるんだけど、映画ごとにまったく違ってそれぞれ楽しめる。
深いところをえぐっているんだけど、観ていて気分が悪くなるようなものではなくて、そのえぐりが日常にある。
ペネロペさん、英語の映画に出てるのはあまり好きじゃないんだけど、やっぱスペイン語だと異様なまでに本領発揮、魅力満載です。インパクト大。歌は吹き替えだと思うけど、地声と違いすぎてちょこっと違和感が。でもこの曲素晴らしかった。
ラストで明かされる、ライムンダの娘の出生の秘密。これ、後から気づいたけど、ライムンダの姉とライムンダの娘、顔けっこう似てる女優を選んでたのね。前半部分に、この二人の顔のアップがあって、いまの不自然なカットはなんぞやと疑問に思ったのが解決された。
後半に入ってストーリーがわりと混み行ってくる。「バット・エデュケーション」の時と似た感触。「オール・アバウト・マイ・マザー」や「トーク・トゥ・ハー」は、架橋に入ってきたぞってことを感じさせない展開だったんだけど、これは「さてここからが謎がわかるのです!」ってかんじで盛り上がる。世界に浸ってるんだけど、また頭で観なくちゃいけないようになってくるのが、わたしとしてはちょっとさみしい。見せ場をつくらなくても気持ちのいい映画って大好きなんだけど。
そして観ている最中ずーっと、母親が誰かに見えて仕方なかったんだけど、次の日に思い出した。
フジ子・ヘミングだ…
にしても、似てない家族だな。次回作も楽しみ。
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