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2016年05月01日

コレラの時代の愛(2007アメリカ/コロンビア)

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監督/マイク・ニューウェル
出演者/ハビエル・バルデム、ジョヴァンナ・メッツォジョルノ。ベンジャミン・ブラット、ジョン・レグイザモ



about the movie

81歳の夫フベナル・ウルビーノ博士は自殺した友人ジェレミーアの葬儀を前に、オウムを捕まえようとしたはしごを登って足を踏み外して亡くなる。傷 心で葬儀に臨む老いた妻フェルミーナのもとに76歳のフロレンティーノ・アリーサが現われ「わたしはこの時がくるのを待っていた。もう一度永遠の貞節と変 わることのない愛を誓いたいと思っている」と告げる。
時代は遡り、1897年、コロンビア・カルタヘナ。 17歳の貧しい郵便局員のフロレンティーノはある日、配達先の裕福な商人の13歳の娘フェルミーナに一目惚れして二人はたちまち恋に落ちる。母親が「うち の息子の病気はたった一つ、コレラなのよ」と恐慌をきたすほどの恋に浮かれる。1リットルのオーデコロンを飲み続けた末に香水の匂いのする吐瀉物にまみれ たり、フェルミーナからの手紙を薔薇の花を食べながら読み返す。しかし、元ラバ商人で闇の商売で儲けている彼女の父は娘を名家に嫁がせると決めており、娘 と1年半にも渡る旅に連れ出す。こうして2人の仲は引き裂かれてしまう。

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やがてフェルミーナは、コレラの撲滅に尽力するヨーロッパ帰りの医師ウルビーノ博士に見初められ、結婚する。それを知ったフロレンティーノは、何年でも彼女を待ち続けると心に誓う。後年、叔父から引き継いだ河川運輸会社のトップになることもあり、60人を超える女性と恋愛を楽しむのであった。
初恋の女性を51年9ヶ月と4日待ち続けた男の壮大な愛の顛末を描く。
ネタバレreview

映画仲間のおじさまから、「とんでもない傑作です」とのおすすめを受け、鑑賞。コロンビアが舞台のラテン男の愛の物語。音楽がとても良い。オープニングタイトルのイラストレーションも美しい。ラテンな割には落ち着いた雰囲気で、内戦なんかはあれど、終始上品な空気を纏う映像。

若い時に一目惚れし、結婚を申し込むも父親に引き離され、結局彼女は医者と結婚。哀しみにくれる主人公。ここまではよくある展開だけど、この主人公は一生涯かけて彼女のことを諦めなかった。彼女の夫が亡くなるまでひたすら待ち、老いたお互いで再び分かり合おうとする。

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彼女を待つ間、彼女の事を忘れようと、びっくりするくらい多くの別の女性と関係を持つ。このへんが、男性と女性と受け取り方が違ってくるところだろうけどね。やっぱりこの映画、男性のほうが理解できるのかも。映画に出てくる人物の誰にも感情移入できなくて、誰かにずーんと入り込むというよりは、風景を見ている感覚だった。

彼女を想いながらも他の女性との関係を当たり前に続ける主人公、好きでもない人と結婚した彼女……、

…………よくわからん。

まああの状況じゃ、医者と結婚するのが一番幸せだったとは思うが…。

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しかし「老人の愛」モノにめっぽう弱い私は、つい終盤の二人のシーンでほろり。老いた人の表現する愛は、若いときとは全く違う、勢いとか熱情のようなものからではない暖かさが漂っていて、なんとも素敵なのである。危険な香り漂う王子様に攫われるどっかの令嬢、みたいなシチュエーションよりも、よっぽど憧れめいた感情を抱いてしまうのだ。お爺ちゃんが孫に与える、無償の愛のような。

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俳優たちもとても良かった。ハビエル・バルデムは、ほんっとに良い俳優だなあとしみじみ。いつもどんな役にでも化けるし、とけ込みすぎて怖いくらい。「ノーカントリー」早く見なくては。ベンジャミン・ブラッドは、ジョニー・デップを薄くした感じだなあ。端正で甘い雰囲気漂うとことか、目元も口元もよく似てる。ジョニーほど過剰演技じゃないとこもまたよし。というか今回の役所の、紳士的な態度に心ときめかされました。あと、ジョン・レクイザモはこういういやらしい金持ちの役、誰よりも似合う気がする。


もう一度見ると、また違うものが見えてくるような気がする映画だった。そういえばハビエル・バルデム主演の「宮廷画家ゴヤは見た」結局近くの映画館で上映しなかったので見ることできず。むー。




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とっとこ映画レビュー
映画館で観た最新映画から、昔の名作まで 幅広くと見せかけて、かなり偏った映画オタクが、ゆるーく感想を書いているブログです。 単館系は、音楽モノの映画、美術モノの映画、歴史映画が好物。 好きな監督はタランティーノ、ウディアレン、園子温、スティーブン・ダルドリー、フランソワ・オゾン、イリャニトゥ、デル・トロなどなど。 雑食に映画を観て、雑多な映画感想を書いております。※感想は鑑賞した当時のものです。
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