ものには全てやるべき順番というものがある。
家を建てるにしても先ずは土台となる基礎工事から入り、家の骨組みから屋根壁へと、それから電気や水道
やら内装工事である。
ここ最近、休日は石洗いとその前段作業であるが、前記した家で言えば、私は基礎工事の前に直接土台に柱を
建てたり外壁を張る前に、内装工事したりと、出たとこ勝負みたいに段取り無しで仕事をしてきてしまった。
庭石も外目にはそこそこ綺麗に出来上がりつつあるが、順序が違うから仕事が異常に遅い。
今日は、それを解消すべく遅きに失するが、改めるに遅いと言うことはないので道具を作る事にした。
今までひたすら自分の手の指を通して選別する作業を、【ふるい】ですることにした。
今更の感ではあるが、やらないより良いかもといよいよやることに。
ここ数日は石洗いとその前段の土方仕事に追われていた。
全て手作業である。将に手そのものである。
自分の両手で泥から石をすくい取り、その石を大小に分け、更に大きい方を敷石とする分とセメントに混ぜて
しまう分に別ける作業へと続くのであるが、仕事が後半に入ってから、本来最初にやるべき仕事（道具作り）
を、今日一日取り組んだ。
これを最初にやっておけば、少なくとも5,6日分は楽であったことは確実である。
朝から荒い目の金網仕様と、細かい目のビニール網仕様との２種類の【ふるい】を作った。
３時間ほどかかってしまったが、最初にこれを作っていたら、どれ程楽であったか。
先ず荒い目の【ふるい】で、大きめの石とその他混ざった物の二通りに分別。
次にその他混ざった物を、細かい目の【ふるい】で小石を除く作業。これで大半は終りである。
判っていながら作ろうとしなかったのは、単に面倒くさかったからだ。本当に愚かであった。
作る面倒よりも、手作業の面倒を選択したのである。
良く言えば、廻り路が好きな男である。馬鹿なじじいである。
１時間の作業が10分位で終わるであろう。やる前から判る。
夕方近く出来上がった【ふるい】で少しだけ実践してみようと、蚊取り線香を５箇所にたき用意万端の態勢で
試してみた。
想像を超えた時短作業であった。
予想では１時間仕事が１０分もやれば終わるであろうと思っていたが、5分前後で終わってしまった。
余りの早さ、楽さに酔いしれそうになってしまった程である。
やはり石洗い作業を始める時に、【ふるい】を作ろうかなと思った事は正しかったのである。
たらればを語っても何物も生まれない。
しかし、もし作っていたら、１週間ほどの仕事はほんの3,4時間で終わっていた事であろう
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