2017年08月23日
ぎょう虫検査廃止の本当の理由
小学生3年生以下に義務付けられていた「ぎょう虫検査」。昭和33年以降、誰もが経験した肛門にペタッとはるアレだ。
ぎょう虫検査は2015年度限りで廃止。2016年度から行われないことになった。
その理由は「感染率の低下」。過去10年の検出率は1%を切ったためだとしているが、本当の理由は別にあると言われている。
寄生虫とアレルギー疾患の関係解明
ぎょう虫検査が始まり、1960年代からぎょう虫などの寄生虫に感染している人は減少を始めた。寄生虫感染者が減少するにつれ、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、花粉症などのアレルギー疾患が急速に増加した。
減少を始めたとはいえ、寄生虫感染がまだまだあった時期。急激に増えたアトピー性皮膚炎の患者の中から「寄生虫に感染したらアトピーが治ってしまった」という多数の報告が寄せられるようになった。事実、寄生虫感染者の多い発展途上国ではアレルギー疾患はほとんどないことから、寄生虫とアレルギー疾患の関係性が本格的に研究され始めた。
そして2014年に寄生虫研究グループの研究結果が発表された。
寄生虫に感染するとナチュラルキラー細胞といわれるリンパ球が増加する。ナチュラルキラー細胞は細菌やウイルスなど排除する力を持っており、これがアレルギー疾患の改善に貢献していることが解明され、新たな治療法につながる可能性が発見された。
ぎょう虫検査廃止の本当の理由
1%を切ったとはいえ、寄生虫感染児童がまだいるのだから廃止する必要はない。これまでぎょう虫検査によって発見、治療されていたものができなくなってしまう。ぎょう虫はプールや入浴などはもちろん、日常生活でも感染する危険性があるため、検査廃止で感染者が再び増加することは容易に想像できる。
実は寄生虫の感染者増加こそが、ぎょう虫検査を廃止した本当の理由だと言われる。
アレルギー疾患の増加とともに、それに使われる医療費も急激に増加している。アレルギー疾患の治療に使われる医療費と比べれば、寄生虫駆除に使われる医療費は少額で済む。寄生虫感染によるアレルギー疾患の改善、それによる医療費削減を狙ってのことである。
アレルギー疾患改善のためとはいえ、「寄生虫に感染しましょう」とは言えない。そこで「感染率の低下」を理由に検査を廃止したのだという。
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