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2021年03月09日
幼馴染
玄関を入るとすぐ、その絵が目に飛び込んできた。
壁一面ほどもあるその大きな絵には、三人の幼い少女が描かれている。
真ん中に、保育園の保母さんなのか、それとも三人の通った学童保育所の先生なのか、あるいは誰かの母親なのか分からないが、大人の女性に抱きかかえられながら梨狩りをしている少女。
その両脇には、じっと真正面を見つめ、得意げな笑みを浮かべた二人の少女。
ぐるりと周りを取り囲む黄色く色付いた木々と、緑がかった梨、真ん中の少女が着ている青いジャンパースカート、そして両脇の少女たちの着ているピンクや黄色のカラフルな洋服、それらのコントラストが印象的な一枚である。
絵画に描かれている三人の少女は、保育園から学童保育所までずっといっしょに育った。
やんちゃなじゃじゃ馬娘二人と、絵を描くのが好きな大人しい少女は、何故かとても気が合って、いつも一緒だった。
三人とも両親が働いていたので、小学校は違っても同じ学童保育所に通い、遊ぶのも一緒、いたずらをするのも一緒、喧嘩したり、またすぐ仲直りしたりしながら、その日一日一日を過ごした。
長い夏休みも、冬や春の短い休暇中も、親と過ごすよりも長い時間を、いつも一緒に、ただただ自由にのびのびと暮らしていた。
学童保育所の先生達はいつでも三人を温かい心で受け入れてくれて、いたずら等して叱られる側も叱る側も、お互いの愛を信じて疑わなかった。
学童保育所というものがまだまだ認知されるのが難しかった時代、先生達はその学童保育所が認知されるように四方八方奔走した。
ゴミに出されていた家具で使えそうな物を見つけると譲ってもらい、リヤカーで運んでは、直して使った。
アレルギーのある子には、普通の白い食パンよりも、ドイツの黒パンがいいと、わざわざ黒パンを食べさせてくれた。
そんな、厳しくも温かい先生達の中で、三人娘はすくすくと成長した。
小学校卒業と共にあまり会わなくなった三人だったが、50代という若さで亡くなってしまった先生のお葬式で久しぶりにお互い顔を合わせることになる。
18歳になっていた少女たちは、大人になったお互いを見ていったい何を感じただろう。
それからも三人はそれぞれの人生を歩み、今現在も親交を温めている。
絵を描く大人しい少女が、ある時言った言葉を胸に。
『あの頃の私たち三人の思い出は、私の中ではキラキラして、まるで宝石箱の中のようなんだ。』
彼女の中の彼女自身の素直な心に、生身の手で直に触れたような気がした。
心から信じあえる友とは何なのだろう。
幼い頃から、酸いも甘いも一緒に噛み分けてきた相手。
沢山喧嘩して、でもすぐ仲直りして・・
幼い子どもだったからこそ、率直に、時には残酷に。
そして大人になった今でも信じ合える相手。
今現在一人は学童保育所の先生に、もう一人は主婦の傍ら介護のパートをしている。
ただありがとうと言うだけでは伝えきれないほどの感謝の気持ちを、彼女達に伝えたい。
壁一面ほどもあるその大きな絵には、三人の幼い少女が描かれている。
真ん中に、保育園の保母さんなのか、それとも三人の通った学童保育所の先生なのか、あるいは誰かの母親なのか分からないが、大人の女性に抱きかかえられながら梨狩りをしている少女。
その両脇には、じっと真正面を見つめ、得意げな笑みを浮かべた二人の少女。
ぐるりと周りを取り囲む黄色く色付いた木々と、緑がかった梨、真ん中の少女が着ている青いジャンパースカート、そして両脇の少女たちの着ているピンクや黄色のカラフルな洋服、それらのコントラストが印象的な一枚である。
絵画に描かれている三人の少女は、保育園から学童保育所までずっといっしょに育った。
やんちゃなじゃじゃ馬娘二人と、絵を描くのが好きな大人しい少女は、何故かとても気が合って、いつも一緒だった。
三人とも両親が働いていたので、小学校は違っても同じ学童保育所に通い、遊ぶのも一緒、いたずらをするのも一緒、喧嘩したり、またすぐ仲直りしたりしながら、その日一日一日を過ごした。
長い夏休みも、冬や春の短い休暇中も、親と過ごすよりも長い時間を、いつも一緒に、ただただ自由にのびのびと暮らしていた。
学童保育所の先生達はいつでも三人を温かい心で受け入れてくれて、いたずら等して叱られる側も叱る側も、お互いの愛を信じて疑わなかった。
学童保育所というものがまだまだ認知されるのが難しかった時代、先生達はその学童保育所が認知されるように四方八方奔走した。
ゴミに出されていた家具で使えそうな物を見つけると譲ってもらい、リヤカーで運んでは、直して使った。
アレルギーのある子には、普通の白い食パンよりも、ドイツの黒パンがいいと、わざわざ黒パンを食べさせてくれた。
そんな、厳しくも温かい先生達の中で、三人娘はすくすくと成長した。
小学校卒業と共にあまり会わなくなった三人だったが、50代という若さで亡くなってしまった先生のお葬式で久しぶりにお互い顔を合わせることになる。
18歳になっていた少女たちは、大人になったお互いを見ていったい何を感じただろう。
それからも三人はそれぞれの人生を歩み、今現在も親交を温めている。
絵を描く大人しい少女が、ある時言った言葉を胸に。
『あの頃の私たち三人の思い出は、私の中ではキラキラして、まるで宝石箱の中のようなんだ。』
彼女の中の彼女自身の素直な心に、生身の手で直に触れたような気がした。
心から信じあえる友とは何なのだろう。
幼い頃から、酸いも甘いも一緒に噛み分けてきた相手。
沢山喧嘩して、でもすぐ仲直りして・・
幼い子どもだったからこそ、率直に、時には残酷に。
そして大人になった今でも信じ合える相手。
今現在一人は学童保育所の先生に、もう一人は主婦の傍ら介護のパートをしている。
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タグ:エッセイ