2013年07月19日
216. 朝井リョウ サラリーマン兼作家・深夜放送・アイドル・フレッドペリー・ジブリ 「情熱大陸」
「桐島、部活やめるってよ」で早大在学中の19歳でデビュー。どこか残酷で屈折した青春群像を描き、55万部のベストセラーに。
そしてサラリーマン生活1年目の昨年、直木賞を受賞しました。
「きりきりと胸が痛くなるような世界」を描いていますが、本人はいたって普通の若者、新人サラリーマンということで、情熱大陸では、24歳のサラリーマン兼人気作家の実像に迫ろうと試みました。
題して「朝井、こんなやつだってよ」
@社会人二年目の兼業作家
仕事を終えての午後8時、ファミレスで食事をしながらパソコンに向かっています。
「うるさいのは気にならないんです。人目がないと仕事をしないんで…」
「作家っぽい作家が嫌い。勝手に頭の中で登場人物が動いたとか、インタビュー中に言いたくないんです。動かないしね、実際に」
A家では書かない
ある日の朝井さん。早朝7時に会社近くのファストフード店で、ヘルシーメニューを食べながらパソコンに向かう朝井さん。会社に行くまでの2時間も執筆に励むのだとか。
「パソコンさえあれば書斎はいらない」
確かにざわざわしている場所のほうが落ち着いたりしますよね。私(よしろう)も静かな場所が苦手なので分かります。なに?お前と若手人気作家とを同じにするなって…確かに。失礼しました!
「なぜ兼業しているのですか?」と聞かれて、朝井さんは19歳でデビューしたときの経験を語りました。
書店周りに営業の方が付いてきてくれるのですが、大体40歳ぐらいの男性が「朝井先生、こちらです」と言うのを聞いて、「うわあ!」と思ったそうです。
「会社に入ると組織の一番下になるじゃないですか」
その会社の中にいる時間がすごく大切な時間なんだと語る朝井さんです。
Bアイドルが大好き
若い男性でアイドルに興味がない人は少ないでしょう。アイドルの人たちとの対談やインタビューではややテンション高めの朝井さんです。
C勝負服はフレッドペリー
「ゴミみたいな服しか持ってない」という朝井さん。
女優の桐谷美玲さんに会うために、フレッドペリーの服を買いました。アエラの表紙の撮影もこの服で臨んだとか。
D時計は量販店で購入
「言わなかったらたぶんバレない」
E部屋は家賃7万円のワンルーム
結構な印税収入があるはずなのに、学生時代からの早稲田のワンルームに住んでいるそうです。
「もっといい生活がしたい、オシャレなところに住みたい」ということについては「興味がない」のだとか。
F録音した深夜放送を繰り返し聴く
深夜放送、特に「オールナイトニッポン」が好きで、録音したものを何回も聴くそうです。
ああ、わかるなあ、これ。新しいものを聴くと引き込まれてしまうけど、何度も聴くとまるでBGMのようになって心地よく目の前の作業に集中できるんですよね、私(よしろう)も同じタイプです。なに?お呼びでない…失礼しました!
「落語みたいなもの?」
「そうです…落語を好きな人の気持ちが今分かった…そういうことなんだ」
耳から入ってくる言葉や会話が、小説の登場人物たちの生き生きとしたヒントになっている…?
G意外にへそ曲がり
早稲田大学在学中は数ある文芸サークルには目もくれず、ストリートダンスのサークルに所属していたそうです。
「文芸部には文学に詳しい人がいっぱいいて…ぼくはその人たちの視界にも入ってないような存在になろうと思って…そういうヤツが作家デビューしたらどうだろうという…」
うーん、本当にへそ曲がり…屈折してる?そしてプライドの高さも…。
H売れてる本のランキングが気になる
「だれでも気になりますよ、本を出している人は」「窪美澄…1位じゃん!」同い年デビューの作家さんだそうです。
I「となりのトトロ」が大好き
朝井さんは、新作の表紙をスタジオジブリに依頼。プロデューサーの鈴木敏夫さんから原画を渡されて、その出来栄えに感激。「めっちゃうれしい!」
鈴木敏夫さんから「違うものを書いてください」と激励。「1人に向かって書くんです」とも。
「不特定多数の人を相手に、皆を納得させるなんてワケわかんない」と鈴木さん。朝井さんの心にはどう響いたでしょうか…。
作家デビューするまで
朝井さんは1989年、岐阜県生まれ。
少年のころから児童文学を読んでいて、「自分でも小説を書きたい」と思っていたそうです。
出身の「岐阜県立大垣北高校」を訪問すると、目立つところに「祝 直木賞 朝井リョウ氏」と横断幕が。
ここで恩師と再会。高3のときの担任、岩田豊子先生です。
現役の大学受験で第1志望の一橋大学を失敗。皆が浪人を勧める中、朝井さん本人は悩んでいました。
「あなたは『1年は待てない!』って言ったんだよ」と岩田先生。「『書きたいことがいっぱいあるから、もう1年は待てないんです』って頭を抱えたんよ…叫んだんやで」
「あのときはすごく書きたい話がいっぱいあったんですよ」「先生が『じゃあ、あなたは東京に行って書きなさい』って言ってくれたのは超覚えてる」
そうか…大学生デビュー、最年少直木賞受賞の背後には、こういう良き理解者、応援者がいたのですね。
「直木賞授賞式に呼んでくれてありがとう」と岩田先生は言っておられましたが、朝井さんにとって本当に恩人、恩師ですよね。
若き作家に、更なる未来が開けますように…。
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